うわまち病院移転建て替え後の新病院と市民病院の「新たなベッド数」と「機能」が健康部から報告されました(その3)/2018年12月議会

前の記事から続いています)

2025年の市民病院の「機能」

続いて、健康部内で決定した2025年の市民病院の『機能』について紹介していきます。

下の表は、上側が2018年現在の市民病院の持っている『機能』で、下側が2025年の市民病院が持つ『機能』です。



1.救急医療

2018年現在の市民病院
現在、市民病院は

です。

(説明)
現在、市立2病院と横須賀共済病院の3病院を中心とした『救急受け入れ態勢』が整備されています。

市民病院はその輪番病院として『横須賀・三浦構想区域』の救急患者の受け入れに尽力しています。

市立2病院が2つあることで、市の東側をうわまち病院が、西側を市民病院がカバーしています。

このおかげで患者の搬送に要する時間はおおむね30分圏内におさまっています(『神奈川県地域医療構想』より)。

しかし、脳卒中で救急搬送された場合には60分圏内となっており、改善すべき課題です。


2025年の市民病院
2025年の市民病院は、

第1に、引き続き、二次救急輪番病院としての役割を担っていきます。

第2に、脳卒中患者の受け入れを拡充していきます。

(説明)
脳卒中は、発症から治療の開始までの時間が短いほど後遺症を小さくできる可能性があります。

しかし2018年現在は、三浦半島西側での脳卒中患者の救急搬送に「60分圏内」と時間を要しています。

脳梗塞の場合

脳梗塞の場合


脳出血の場合

脳出血の場合


くも膜下出血の場合

くも膜下出血の場合


この状況を改善する必要があります。

これまで2017年10月から週2日の救急当直体制を開始、2018年4月から週4日に拡充しました。

さらに2025年に向けて脳卒中患者の受け入れ拡充を図ります。




2.災害時医療

2018年現在の市民病院
現在、市民病院は

  • 災害拠点病院

です。

(説明)
市民病院は、横須賀共済病院とともに、災害発生時に地域における医療救護活動の拠点となる災害拠点病院として指定を受けています。


2025年の市民病院
2025年の市民病院は、

引き続き、災害拠点病院としての役割を担っていきます。




3.周産期・ 小児医療

2018年現在の市民病院
現在、市民病院は

  • 通常分娩対応
  • 小児科外来診療

です。

(説明)
市民病院では、これまでの院内助産に加えて、産婦人科医による分娩を2017年9月から再開しました。

重篤な症状などで治療が必要な方については、うわまち病院と横須賀共済病院が『地域周産期母子医療センター』に指定を受けている為、両病院で対応が可能となっています。

新生児期以降の小児医療については、市民病院では外来のみ対応しています。

入院などより重い症状の小児医療については、うわまち病院に機能を集約して小児救急体制も含めて担っており、十分な対応が可能となっています。


2025年の市民病院
2025年の市民病院は、

引き続き、現状の体制を維持していきます。




4.感染症病棟

2018年現在の市民病院
現在、市民病院は

  • 感染症病棟(6床)

です。

(説明)
それぞれの2次医療圏ごとに1ヶ所の『第二種感染症指定医療機関』を指定することとされています。

『横須賀・三浦2次保健医療圏』では市民病院が『第二種感染症指定医療機関』の指定を神奈川県から受けています。

2類感染症(急性灰白髄炎(ポリオ)、結核、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(SARS)、中東呼吸器症候群(MERS)、鳥インフルエンザ(H5N1)、鳥インフルエンザ(H7N9)の計7病の患者の入院治療に対応します。


2025年の市民病院
2025年の市民病院は、

引き続き、第二種感染症指定医療機関としての役割を担っていきます。





以上が、健康部から示された『健康部決定事項』です。



正式な決定は、来年2月開催の「県」の「三浦半島地域保健医療福祉推進会議」の場です

ここまで記してきた病床数と機能はあくまでも『健康部決定事項』です。

まず今日の教育福祉常任委員会での審査の内容を検討します。

さらに、今月中に開催される市役所内部の意思決定をする『企画調整会議』を開催して、正式に『横須賀市としての決定事項』とします。

しかし、手続きはこれでは終わりません。

昨日も記したとおりなのですが、たとえ市立の病院であっても、病院のことはひとつの市だけで決定できることではありません。

『横須賀・三浦構想区域』全体に影響を与える事柄なので、神奈川県が設置している会議の場で報告・議論されてから、正式決定となります。

三浦半島地域保健医療福祉推進会議

三浦半島地域保健医療福祉推進会議


来年2019年2月に開催予定の『三浦半島地域保健医療福祉推進会議』の場で、ようやく正式な決定事項となります。




(次の記事に続きます)



うわまち病院移転建て替え後の新病院と市民病院の「新たなベッド数」と「機能」が健康部から報告されました(その2)/2018年12月議会

前の記事から続いています)

2018年現在の市立2病院の「機能」を2025年にどのようにしていくかも報告されました

『医療機能』という専門用語があります。

具体的には「その病院が地域でどのような役割を果たしていくのか」という意味で使われています。

今日の教育福祉常任委員会では

「2025年に向けて市立2病院がどのような『機能』を持つことにするか」

についても、健康部内で決定された事柄が報告されました。

今回の記事では、健康部の報告資料をもとにフジノが説明(*)を加えてご紹介します。

(*)この説明はフジノが大学院での医療政策の聴講などを通じて学んだことや過去の議会での質疑応答をもとに記しました。その為、健康部の説明したい意図とのズレや専門家からみて表現がおかしい部分があるかもしれません。そうした点はぜひご指摘頂けるとありがたいです。


2025年の(うわまち病院移転建て替え後の)新病院の「機能」

健康部内で決定した2025年の市立2病院の『機能』について紹介していきます。

まずは、うわまち病院を移転建て替えしてスタートする新病院についてです。

下の表は、左側が2018年現在のうわまち病院の持っている『機能』で、右側が2025年にスタートする新病院の持つ『機能』です。



1.救急医療

現状(うわまち病院)新病院
現在、うわまち病院は

です。

(説明)
現在、市立2病院と横須賀共済病院の3病院を中心とした『救急受け入れ態勢』が整備されています。

うわまち病院は『救命救急センター』の指定を受けています。

また「断らない救急」をモットーにし、年々受け入れ台数が増加し、昨年度は初めて年間7000台を超える救急車を受け入れるなど、重要な役割を果たしています。

このような『救急受け入れ態勢』によって、救急車で搬送された方々の『市内での受入率』は91.5%となっています(つまり、市外への搬送は8.5%)。

新病院は救命救急センターとしてふさわしい施設を整備します。

ベッド数は未定です。




2.災害時医療

現状(うわまち病院)新病院
現在、うわまち病院は

  • 神奈川県が独自に指定している『災害協力病院』

です。

(説明)
災害発生時、地域の医療救護活動の拠点となるのが『災害拠点病院』です。

この『災害拠点病院』は、厚生労働省の基準では2次保健医療圏ごとに『原則として1ヶ所』となっています。

ここ横須賀・三浦2次保健医療圏ではすでに市民病院と横須賀共済病院の2ヶ所が指定を受けている為、改めてうわまち病院が厚生労働省の指定は受けていません。

しかし、指定こそ受けていませんが、実質的な施設基準は整備されています。

また、神奈川県が独自に指定している『災害拠点病院』を支援する『災害協力病院』として指定を受けています。

災害発生時に医療拠点として活動できることが重要である為、新病院は『災害拠点病院』の施設基準を満たす施設を整備します。

(『現状』で記した理由から厚生労働省の指定は受けませんが、実際の施設基準は『災害拠点病院』と同等の整備をします)




3.周産期・ 小児医療

現状(うわまち病院)新病院
現在、うわまち病院は

です。

(説明)
周産期医療とは、妊娠22週〜出生後7日未満までの医療を指しています。

合併症の発症や分娩時の急変など、母子ともに身体・生命にかかわる事態が発生する可能性が高くなる期間です。

その為、緊急時の医療体制の確保が特に必要です。

現在は、うわまち病院と横須賀共済病院が『地域周産期母子医療センター』として認定されています。

また、小児医療(新生児期以降)については、市民病院の入院を廃止してうわまち病院に機能を集約しました。

この集約のメリットもあり、うわまち病院の小児科は全国的も高いレベルを維持しています。

また、全国的に小児救急の担い手が足りず問題化している中で、うわまち病院では小児救急体制も担っています。

うわまち病院に機能集約しているメリットを生かし、新病院は新生児期以降の小児重症患者へのより充実した対応を図ります。

NICUなどのベッド数は未定です。




4.療養病棟

現状(うわまち病院)新病院
現在、うわまち病院には

  • 療養病棟はありません

(説明)
積極的な治療は必要としませんが、人工呼吸器や中心静脈栄養等の医療処置が必要な為に、在宅等での療養が難しい患者を受け入れるのが療養病棟です。

うわまち病院は、2006年に療養病棟を開設しました。

しかし、2016年12月、療養病棟において薬剤耐性菌(VRE)の院内感染が起こりました。

その対策として、療養病棟を廃止して、昨年2017年10月に回復期リハビリテーション病棟へ転換しました。

その為、現在のうわまち病院には療養病棟がありません。

新病院は、療養病棟を持たないこととします。

その理由は大きく2つあります。

第1に、『神奈川県地域医療構想』の入院患者推計では慢性期の医療ニーズが記されてはいますが、その全員が療養病棟へ入院しなければならない訳ではなく、在宅医療等で対応可能な患者も含まれています。

全国的にも横須賀市は在宅療養を先進的に進めてきた為、今後さらに『療養病棟への入院』ではなく『自宅での在宅療養』へのシフトが進んでいくと見込まれます。

第2に、療養病棟へのニーズには、すでに市内の他の医療機関の病床で応えられています。

現在、市内には合計3病院356床の療養病床があります(パシフィック・ホスピタル259床、湘南病院50床、聖ヨゼフ病院47床)。

これらのベッドでおおむね今後の医療ニーズには応えられるの考えから、今後は市立2病院では療養病棟を持たないこととします。

ただし、将来の医療制度改正には柔軟に対応できるようにします。

新病院を建設するにあたっては、回復期リハビリテーション病棟を現在の療養病棟の施設基準も満たすように整備することを検討します。




市民病院の2025年の「機能」は次の記事で記します

ブログ記事が長くなりすぎてしまったので、市民病院については次の記事で報告いたします。