「長井海の手公園あり方検討委員会」検討結果が市議会へ報告されました/赤字をいくら減らせるか?

あり方検討委員会の結果が常任委員会で報告されました

これまでもお伝えしてきましたが、『長井海の手公園ソレイユの丘』の2015年度以降の在り方を検討する『あり方検討委員会』の議論が終わりました。

その結果が、先日の都市整備常任委員会で環境政策部から報告されました。

内容は下の通りです。

  1. 委員会における検討結果
    (1)運営見直しに係る基本方針について

    • 「南フランス、プロヴァンス風」にこだわることなく、三浦半島の魅力を前面に出して行くことが望ましい。
    • 自然とのふれあいや動物とのふれあいなど子どもたちが遊びながら学べる場を提供すること。
    • 地域の生産者等と協力し地産食材などを活かしたレストラン、地場のおみやげにこだわった売店とすること。
    • 観光情報など地域の魅力を発信する情報基地とすること。
    • 地域の様々な資源と連携し、体験の場の提供や周遊の拠点とすること。
    • 日帰り施設から宿泊利用が可能な施設とすること。
    • 平日や閑散期の利用を促進するため、立ち寄り機能やイベントの充実を図ること。
    • 災害時の避難場所など地域の安全に貢献する施設であること。



    (2)管理運営手法について
    検討委員会では、『指定管理者制度』『PFI事業』(コンセッション方式)の2通りについて、

    1. 市の政策との整合性
    2. 住民サービスの向上
    3. 利用サービスの向上
    4. 地域との連携推進
    5. 市の財政面でのメリット
    6. 評価と改善等

    の6つの基本的視点から比較検討し、市が基本的視点を十分尊重し、より魅力ある公園として管理運営できる手法を選択するよう報告された。

    なお、現在、市は現事業者からPFI法に基づくコンセッション方式による事業提案を受けており、採用の結果を通知する必要がある。


  2. 次期管理運営について
    『長井海の手公園あり方検討委員会』における検討結果を踏まえ、上記の6つの視点から検討し、次期管理運営については『指定管理者制度』によることと判断した。

  3. 今後の予定
    (1)現事業者(株式会社ファーム)からの事業提案に対して「採用しない」旨、回答する。

    (2)2013年第1回市議会定例会において都市公園条例改正。(指定管理者の公募及び指名の改正)

    (3)2013年度に『指定管理者』の選考を行なう。



この報告に対して、都市整備常任委員会では目立った質疑はありませんでした。



要するに何が「変わる」のか?

いろいろなことが羅列されていますが、決して特別なことは書いてありません。

ひとことにまとめて言えば、下の2つです。

  1. 今までのコンセプトにこだわらずに集客が増やせることはしっかりやる
  2. 来年度からは『指定管理者制度』で管理運営を行なう



1番目については、フジノがこのブログにかつて掲載した『第2回長井海の手公園あり方検討委員会』の事務局資料のイメージ図のままです。

第2回検討委員会配布資料より

第2回検討委員会配布資料より


4年前に吉田市長が就任してから、フジノはずっと『ハコモノ3兄弟』について議論を交わしてきました。

率直なフジノの感想は、ハコモノ改革のスピードはとても遅く、4年間もの時間を費やした結果がこの程度のものなのか、というものです。

これでは契約期間が終わるのを待っていただけに過ぎないのではないか、と落胆しています。



毎年4億円の赤字を半額以下に減らすべき

来年度から起こる最大の変化は、10年間の契約が切れて新しい契約になるということです。

2回の市長選挙で『ハコモノ』批判を続けてきた吉田市長ですが、1期目の4年間では何も改革できませんでした。毎年4億円もの税金を10年間にわたって支払い続けてきただけです。

この赤字を徹底的に減らさなければなりません。

それではいくら減らせる見込みなのか?

今年6月議会でのフジノの一般質問に対して、吉田市長は新たな契約では半額以下に抑えたいとの趣旨を答弁しました。

さらに、神奈川新聞の取材(2013年8月16日記事より)に対して、市関係者はこんなコメントもしています。

「50万人のベースがあることで、他の民間企業からも注目されている。運営費は半分に抑えられるはず」と指摘する。

まずは、これを絶対に実現しなければなりません。

来年2014年、ついに新たな『指定管理者』の選考を行ないます。

かくなる上は、とにかく吉田市長には税金の投入を1円でも少なくすることに全力を尽くして頂きたいです。



『長井海の手公園ソレイユの丘』の1年間の赤字は4億9,030万円(2011年度)

「長井海の手公園」が出した2011年度の赤字

フジノがこのまちの『ハコモノ3兄弟』と名付けている3施設が、横須賀市の財政へ与えているダメージを報告しています。

今日は、三男坊にあたる長井海の手公園『ソレイユの丘』について、1年間の税金投入額(=赤字)を見てみましょう。

収入はありません。

『ソレイユの丘』で、市民の方々がアトラクションなどに支払う料金は全て運営管理をしている(株)ファームの収入になり、横須賀市には1円も入りません

支出を説明します。

1.総合公園整備事業費:1億230万7,000円

内訳:公有財産購入(BTO施設買取一式)

10年間かけて施設を買い取る為のローンの分割払いみたいな支払いを続けているのですが、2011年度の支払い金額が1億230万円です。

神奈川県から1200万円の補助金が出されましたので、1200万円を除いた横須賀市の支払いは9030万7,000円となります。

環境政策部・決算説明資料より

環境政策部・決算説明資料より


続いて、運営管理ににかかった費用です。

2.長井海の手公園運営事業:4億円

運営を委託している『株式会社ファーム』に対して毎年4億円の指定管理料を支払っています。

環境政策部・決算説明資料より

環境政策部・決算説明資料より


ということで、1+2=2011年度のソレイユの丘にかかった費用は、4億9030万7,000円でした。

先ほど述べたとおりで横須賀市への収入はゼロですから、

つまり、

4億9030万7,000円の赤字

です!

「長井海の手公園」のこれまでの利用者数

続いて、2005年のオープンから2011年度末までの利用者数の動きをみてみましょう。

ソレイユの丘・利用者数の実績

年度利用者数
2011年度 52万4,503人
2010年度 55万2,833人
2009年度 65万8,418人
2008年度 65万9,981人
2007年度 58万8,506人
2006年度 65万8,355人
2005年度 73万6,084人

2011年度の『ソレイユの丘』の利用者数は、前年度比マイナス2万8,330人の52万4,503人となりました。

東日本大震災があった2011年度の決算なので芸術劇場と同じく、集客施設にとって厳しい1年間だったのは事実です。

けれども、こと『ソレイユの丘』については大きな災害が無くても、猛暑日が続いたり台風が来たりという当たり前の天候の変化だけですぐに数万人もガタ落ちになってしまうという、集客施設としては致命的な欠陥を抱えている施設です。

2010年9月を例に挙げます。

猛暑日と雨が数日間続いた結果、9月だけで前年度比較マイナス4万8,600人となったのです。このように、天候が変わるだけであっという間に利用者数が減ってしまうのです。

農業型テーマパークなので基本的には日光の下で過ごす性格であるとはいえ、直射日光を避けられるような施設も雨が降ったら降ったで建物内で楽しめるような施設もほとんどありません。集客施設としての工夫が無いので天候が変わるだけで利用者が激減してしまうのです。

オープンした2005年がピークで、約74万人でした。

それから2年続けて減少して約59万人へと落ち込みました。翌年、芝ぞりゲレンデとミニSLを新たに導入するなどテコ入れをして、ようやく2009年には約66万人と盛り返しました。

けれども2010年には一気に55万人へ転落し、2011年には52万人へとさらに減少しました。

このままでは、利用者はいずれもっと減少していくのではないでしょうか。

「長井海の手公園」改革は遅々として進んでいません

かねてから『長井海の手公園ソレイユの丘』に対して、市議会議員時代の吉田市長とともにフジノは厳しく追及をしてきました。

2009年に吉田市長が新たに市長に就任した後も、フジノは抜本的な改革を求め続けてきました。吉田市長の改革のスピードはあまりにもゆっくりで、時にはフジノから見て、改革を放棄しているようにも映りました。

そうした姿勢を厳しくフジノが追及すると

「財政面から見て、これらの3施設(ハコモノ3兄弟)の建設により、市債償還費や維持管理費が増大し、本市の財政状況を悪化させた一因になっているとの認識に変わりはありません」

といった答弁を吉田市長はするものの、とにかく動きが遅くて、赤字による市税の出血は今も続いています。

ようやく今年2012年度予算案で示されたのが『長井海の手公園ソレイユの丘あり方検討委員会』です。

現在の指定管理者との契約期間が終了する2015年度からの運営形態の見直しをする為の検討委員会です。

環境政策部・2012年度予算説明資料より

環境政策部・2012年度予算説明資料より


外部の有識者も加わるこの『あり方検討委員会』は来年2013年3月までに1回開かれる予定です。

2015年度からの運営形態の見直しを検討する、という目的そのものもあまりにもスローですが検討委員会の初回の開催が2013年になるなんて...遅すぎますよね、動きが。

それで今は何をしているかというと、この『あり方検討委員会』で議論する為の『たたき台』を作る為に、市役所内部の関係部課長によるプロジェクトチームを開いています。

プロジェクトチームのメンバーは、環境政策部からは緑地管理課、公園建設課。経済部からは商工観光課、農林水産課、集客担当課長。政策推進部からは政策推進課、行政管理課。

6月から合計3回、開催したのですが、1回目は顔合わせ、2回目は『ソレイユの丘』への現地視察、3回目は議論スタートという内容でした。

4回目の開催は、日程調整中です。

『あり方検討委員会』のメンバーの候補は議論しているものの、まだ決定していないとのこと。とにかく、もっと早く動いてほしいです。

2009年に吉田市長が市民のみなさまに選ばれたのは、若さとか悪しき官僚主義の打破とかいろいろな要因はありますが、何よりも改革のシンボルとして市民のみなさまが求めたのは『ハコモノ3兄弟』が垂れ流す巨額の赤字への『スピード感ある徹底的な改革』だった、とフジノは信じています。

それからもう3年が経ちました。

フジノは改革をあきらめずに対策を訴え続けてきました。

けれども、吉田市長の任期はもう1年を切りました。

任期が切れる前に、しっかりとけじめを付けてほしいです。