「紙ベースの膨大な資料のデータ化」と「タブレット端末の導入」とを引き続き議論しています/議会IT化運営協議会

臨時議会で各委員会メンバーは交代しても・・・

本日は、『議会IT化運営協議会』が開かれました。

横須賀市議会のスケジュールボード前にて

横須賀市議会のスケジュールボード前にて


『臨時議会』によってあらゆる委員会のメンバーが新しくなります。

けれどもこの『議会IT化運営協議会』は、前年度からメンバー交代をせずに「問題意識を共有しているメンバーで引き続きやっていこう」とみんなで合意していました。

そこでフジノも昨年に続いて『留任』、今年も『議会IT化運営協議会』の一員となりました。

議会IT化運営協議会・審査事項より

議会IT化運営協議会・審査事項より


『臨時議会』では、ふつうの他の委員会の場合の日程は、新しい委員長と副委員長などを決めたらそこで終わります。初回には、特に何かについて議論をすることは無く、終わります。

けれどもこの『議会IT化運営協議会』は違います。正副委員長の選出は一瞬で終わり、引き続き本題である議論へとすぐに入りました。



議員研修会と視察を終えて、さらなる課題や調査すべき事項の抽出を行ないました

横須賀市議会では、全議員に1人1台のノートパソコンが貸与されています。

このパソコンはリースをしているのですが(つまりレンタル)、2017年でそのリース期間が終わります。

そのリース期間終了にあわせて、横須賀市議会では新たに『iPad』などのタブレット端末を導入する方向で検討を進めています。

膨大な紙の資料を、PDFファイルに切り替えて、議会での質疑や議案の審査にはタブレット端末を使うのです。

すでに他の議会や自治体では、タブレット端末を導入しているところも増えてきました。

お隣の市である逗子市議会でのタブレット端末導入は、とても有名です。

また、議会改革のあらゆる分野で抜きん出ている大津市議会のタブレット端末導入の事例も有名です。

そこで、4月に入ってからは

  • 4月15日 全議員出席の『議員研修会』で、大津市議会議会局から講師をお招きして実態を伺いました。

  • 4月27日 逗子市議会を視察へ。実際に逗子市議会の議案審査や質疑で使われているタブレット端末を体験させて頂きました。

と2回の取り組みを行ないました。

本日は、これらを終えた上での各会派から『導入に際しての想定される課題』とさらに『必要な調査すべき事柄』を抽出して頂きました。

フジノ個人としては、2014年10月に逗子市議会の導入の事例を研修会で学びました。

紙を無くす、ペーパーレス化することで財政的にコストカットできるかと言えば、それほど大きなメリットはありません。

例えば、横須賀市議会が1年間に使用している紙の枚数と金額を調査してもらいました。

1年間の印刷枚数と経費

1年間の印刷枚数と経費


紙と印刷の金額だけでみると、約276万円です。

ペーパーレス化しても、1年間で276万円しかコストカットできないのです。

しかも、新たにタブレット端末を導入することになれば、無線LANシステムやタブレット端末リースの費用が必要になります。

それでは何故あえてタブレット端末を導入するか?

フジノは、2つのメリットがあると考えています。

  1. 政治家の政策立案能力の向上と、質疑や議案審査の内容を深化させる

  2. 議会資料を作る為に膨大な時間と労務を費やしていた議会事務局の職員や行政側の職員に、その時間と労務を無くし、もっと政策立案の仕事に力を回せる

第1に、ムダな資料探しの時間を無くして政策立案に時間を充てられるようになります。

すでに数年前からフジノは、全ての議会資料や行政側の提供資料をスキャナーで読み込んで、データ化(PDF化)しています。

もちろん、OCR機能を使って全ての書類をテキストとして検索できるようにしてあります。

そうすると、パソコンの検索機能を使えば(ちょうどみなさまがグーグルで何かの単語を検索するように)、市議会や行政の過去十数年分の資料が一瞬で検索できるのです。

紙の資料だった時には、まずどの冊子かあたりをつけて、目次を開いて、該当する事業などを探します。

資料探しの時間は、確実にムダです。

こういう作業にかかる時間がゼロになります。

あらゆる膨大な資料から手作業で探していた必要なデータを、一瞬で探し出せることができるようになります。

政治家の仕事は政策立案や議案の審査ですから、そこに集中すべきなのです。

これによって、質問作成そのものや議案審査そのものにより多くの時間を充てることができるようになります。

(とは言うものの、データ化しようがしまいが、最終的には政策立案能力の向上は議員個人個人の資質によるとは思いますが)

実はフジノは2013年にすでにこのメリットを提案して、議会もこの提案を取り入れてくれました。

こうして横須賀市議会ではすでに資料のPDF化がスタートしているのですが、そのデータが利用されているかといえば、現在はほぼ利用されていません。

しかし3年前と決定的に異なっているのは、『iPad』や『Surface』などのタブレット端末がかなり普及していることです。

今では多くのご家庭に1台はタブレット端末がありますし、まちの飲食店や美容院やアパレルやあらゆる店舗でもタブレット端末が日常的に使用されています。

タブレット端末の性能もとてもアップしました。

ですから、前回の提案(PDF化したデータをパソコンで使う)とは異なって、データへのアクセスしやすさが一気に向上しています。

データ化とタブレット端末導入をダブルで実施することで、多くの議員は仕事が早くなるとフジノは思うのですけれど・・・・

第2に、こちらこそ本当のメリットだとフジノは考えているのですが、議会事務局の職員と行政側の職員の労務負担とその為の時間を減らすことができます。

例えば、議員に配る為の予算説明資料や議案説明資料は、1冊数百ページに及ぶことがほとんどです。

これを印刷して、綴じて、全ての冊子に抜けているページが無いかなどの検品を行なっています。

もしも誤字・脱字や数値に誤りがあれば、差し替えです(もしくは正誤表の作成と配布)。

この凄まじく手間暇がかかる作業を、議会事務局と行政側の職員の方々が会期のたびにやらねばならないのです。

フジノはこの手間こそカットしたいです。

議会事務局の職員のみなさんは、政策立案や政策法務における議員のパートナーとして存在しているはずなのです。それが現状では、膨大な資料の作成やホチキス綴じやページの抜けが無いかなどの作業に拘束される時間がとても長い。もったいないです。

それは行政側で資料を作成している職員の方々にも同じことが言えます。

フジノは今日の議会IT化運営協議会でも提案したのですが、その労務にかかる時間を数値化してほしい、どれほどの時間が資料作成にかかっているか明示してほしい、と考えています。

彼ら彼女らをそうした作業から解放して、もっと政策立案や政策法務の側面で力を貸して頂きたいのです。

議会事務局の仕事を、本来の仕事に向きあえるようにする1つの手段が資料のデータ化とそれに伴うタブレット端末の使用の最大のメリットだ、とフジノは考えています。

ちょっと専門用語をたくさん使いすぎてしまいました。

でも、こんなことは多くの民間企業ではとっくに行なっていることですから、「市議会は遅れているなあ」と企業にお勤めの方々は読みながらお感じになったと思います。

さらに言えば、数年前から横須賀市立総合高校では1人1台タブレット端末をもたせていますし、明日5月18日に開催される『生徒総会』は全てタブレット端末だけで行なう予定です。

市立総合高校の生徒総会をタブレット端末で実施するというおしらせ

市立総合高校の生徒総会をタブレット端末で実施するというおしらせ


つまり、高校生が使いこなしている道具を、市議会ではいまだに導入できていないのです。

単なる一時的な流行に市議会がつられる必要は全くありませんが、こうしたタブレット端末を使用しての会議はもはや一般化しつつあると言えるかもしれません。

来年のリースアップに向けて、『議会IT化運営協議会』ではさらに議論を深めて、メリット・デメリットをしっかりと検討した上で、より良い結論を出したいです。