あらゆる差別や偏見を無くす為には「宣言」や「指針」ではなく実効性のある「総合的な差別禁止条例」を作るべきだ/人権懇話会(第11回)

人権懇話会を傍聴しました/「宣言」や「指針」で変えられるのか

今日は10時からヴェルクよこすかで、『人権懇話会』(第11回)を傍聴しました。

この会議の目的は、今年2月19日に発表された『人権都市宣言』に基づいて、『人権擁護施策推進指針』を新たに策定することです。

これまでフジノは、かけ声だけでなく実際に差別を無くす行動の為に『差別禁止条例の必要性』を訴えてきました。

しかし、蒲谷市長は(というよりも沢田前市長時代から)

「条例はいらない。『宣言』と『指針』でいい」

という姿勢を取り続けてきました。

けれども、フジノが条例の必要性を強く訴えているのは、

実際問題として差別・偏見・スティグマが根強く残っている現実を前に理不尽な想いをさせられている方々がいるのを放っておくのは、政治・行政の怠慢で許せないから

です。

理想とか夢の世界の話では無く、差別・偏見・スティグマで今この瞬間に苦しんでいる人々を無くさなければならないのです。

その為には、単なる『宣言』や『指針』では弱いのです。

というか、そもそもこれを読んでいるあなたは今年2月に発表された『横須賀市人権都市宣言』の存在を知っていますか?

かけ声ではダメなのです。
 
もっと実効性のあるもので無ければいけないのです。

その意味で、まず第1に、『宣言』や『指針』よりも『正式な条例』の方が絶対的に正当性が強いです。

『条例』は、『地方自治体の法律』です。
 
けれども『宣言』や『指針』は法律ではありません。

第2に(こちらの方が実際には意味があるのですが)、『条例』を作っていく過程の中で市民のみなさんを巻き込んでいく作業に大きな意味があります。

すでに先行して条例を制定した千葉県のように、市民全体を巻き込んだ動きのすごさ、当事者のみなさんが活動をすすめた素晴らしさ、この大きな渦を起こすことにこそ意味があるのですね。

だからこそ今でもフジノは『差別禁止条例』を作るべきだと信じています。

障がいのある方々、性的マイノリティの方々、外国籍の方々、あらゆる立場の方々の人権が守られる為の総合的な『条例』が必要なのです。



傍聴を終えて/当事者不在で本当に良いのか

実はずっと参加したかったのですが、どうしてもスケジュールがあわなくて、これまでの『人権懇話会』は傍聴できませんでした。

また、その議事録も読めていません(横須賀市ホームページを検索してもどこにも掲載されていないのです)。

だから、フジノの指摘は的外れかもしれません。

けれども、今回だけの傍聴を終えた限りでは、

  • 当事者の方々に参加してもらい意見を述べていただくべきだ

  • わずか10数名の委員で話し合うだけでは全く足りない

と、改めて感じました。

「改めて感じた」と書いたのは、かつて市議会で「当事者を参加させよ」と訴えたからです。

Nothing about us,nothing without us.

「私たち抜きに私たちのことを決めるな」という言葉があります。

これは障がい福祉分野ではものすごく有名な言葉なのですね。

当事者のことを当事者以外の人々が決めるのはおかしい。自分たちのことは自分たちが決めていくべきだ。

こういう当たり前のことを意味しています。

『人権懇話会』とか『人権擁護施策推進指針』とか、「差別を無くす」という『目的』そのものは正しいとは思います。

けれども、その『手段』はこれだけで良いのでしょうか。

もしかして過去の議事録を読んでみたら、すでに当事者の方々がたくさん参加しているのかもしれません。

けれども、今日のフジノが強く感じたことは、当事者の方々がいないままで話し合われていることへの違和感です。

今日は『外国籍の方々』のことがテーマでした。
 
外国籍の方々との交流に詳しい方はいましたが、外国籍の方々ご自身はいませんでした。

このまちに暮らす外国籍の方々の日々の本当の想いは、今日の懇話会にどこまで反映されたのでしょうか。

かつてフジノが市議会で提案したように「可能な限り当事者の方に参加していただくべきだ」と改めて主張します。



傍聴者は資料の持ち帰りさえ許可されませんでした

ちなみに今日の『人権懇話会』の資料からデータを報告します。

今日の『懇話会』では資料の持ち帰りが許可されませんでした。

その為、全て必死にノートに写したので間違えている数字があるかもしれません。
  
他の審議会では資料の持ち帰りは大丈夫なのに、何故こんなささやかな資料の持ち帰りがダメなのか疑問です。

外国籍別外国人登録数(2006年度末現在)
フィリピン 1,170
朝鮮・韓国 1,097
中国 649
アメリカ 438
ブラジル 438
ペルー 410
タイ 96
インドネシア 48
ベトナム 82
アルゼンチン 38
スリランカ 29
イギリス 26
モンゴル 30
ロシア 30
カナダ 23
その他 274
無国籍
合計 4,882

*軍人・軍属とその家族は含まない

フジノはこの『無国籍』とされる方々のことが心配でなりません。国籍が無いことによって、すさまじい不利益を受けているのではないか心配です。

外国籍児童生徒在籍状況について(2007年5月1日現在)
小学校 中学校 合計
中国 10 15
朝鮮・韓国 25 10 35
ベトナム
フィリピン 27 10 37
タイ
マレーシア
アメリカ 10 15
ブラジル 14 10 24
アルゼンチン
ペルー 28 34
パラグアイ
コロンビア
イギリス
外国籍児童生徒数合計 125 49 174

このまちの小学校の約0.65%、中学校の約0.53%が外国籍のこどもたちです。

みんな、本当に就学できているのか、フジノは少し心配です。



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