財政危機でも公立図書館は守らなければいけない/ましてやTSUTAYA図書館化は絶対反対

公立図書館が「直営」をやめていく傾向に

海老名市立図書館が『直営』をやめて『指定管理者制度』を導入する、という記事が昨日の神奈川新聞に掲載されました。

2013年7月27日・神奈川新聞より

2013年7月27日・神奈川新聞より


すでに6月14日の海老名市議会で、指定管理者制度を導入する為の図書館条例の改正が可決されていました。

2003年6月の地方自治法改正によって指定管理者制度が導入されてから10年。

公務員の司書による直営型の図書館から、民間企業へのアウトソーシングの流れは加速しています。

神奈川県内の状況を調べてみました。

2012年4月1日現在、県内の公共図書館のうち、業務の一部・管理運営業務に民間委託を導入しているもの。

  • 86館中24館
  • 27.9%

すでに4分の1を超えていました。

図書館名委託内容委託先
横浜中央図書館司書補助業務、書誌作成業務
横浜市山内図書館指定管理者㈱有隣堂
横浜市都筑図書館司書補助業務(カウンター、物流など)
横浜市戸塚図書館司書補助業務(カウンター、物流など)
川崎市立川崎図書館外 6窓口業務外
相模原市立相模大野図書館外 1窓口業務外
藤沢市辻堂市民図書館NPO市民の図書館ふじさわ
小田原市立図書館外 1窓口業務外
秦野市立図書館窓口業務
厚木市立中央図書館窓口業務外
大和市立図書館窓口業務外
伊勢原市立図書館窓口業務外
海老名市立中央図書館外 1窓口業務外
綾瀬市立図書館指定管理者㈱有隣堂
葉山町立図書館その他
大磯町立図書館本館窓口 業務委託 を終了
H24.4.1 から臨時職員雇用
により本館・分館業務実施
ふるさと再生活用基金
㈱有隣堂

このような公共図書館の現状は、主に市町村の財政の悪化が原因で引き起こされています。

フジノは、公共図書館の『公設民営化』には反対です。

特に、

佐賀県武雄市長が行なったTSUTAYA図書館のような取り組みは、絶対に導入してはならない



という立場です。

全国をみてみると、長年にわたって図書館ボランティアを続けてきた地域住民の方々が立ち上げたNPOが指定管理を受けているなど、成功している事例も中にはありました。

さらに、あえて直営を選択して成功している事例もあります。

「指定管理者制度の導入には極めて慎重であるべきだ」とフジノは考えています。



財政悪化の影響で図書館がピンチに

直営を維持している図書館でも、財政悪化の影響がハッキリとあらわれてきました。

2013年5月3日付・神奈川新聞より

2013年5月3日付・神奈川新聞より

お隣の三浦市では、図書館のオープンしている時間を短くしたり、購入する図書の予算を減らしたりして対応しています。



そして、横須賀の状況は?

このような状況が取り巻く中で、横須賀市はどのような方針なのか。

昨年9月議会で、フジノは教育長と質疑を交わしました。

2012年9月16日・決算審査(教育委員会事務局)

フジノの質問

教育長にぜひ伺いたいのです。

今回決算を見てみて、『社会教育施設』であるということで、基本的には料金を取らないものが教育委員会の施設には複数あります。

図書館にしても博物館にしても、基本的には無料でお使いいただく。

ただ、単純に収支で見たらば、『収入』というものがあり得ないわけですから、ひたすら持ち出しになっていくわけです。

そうすると、例えば図書館について言えば、『TSUTAYA』と一緒に運営していこうというようなまちが出てきたりしてくる。

「指定管理者を図書館に導入していこう」というような話が出てくるわけです。

僕は、民間企業が個人情報を収集できるような形で図書館に参入するというのは、間違っているという立場です。

しかし反論するにしても、きちんと調査した上で反論が述べれなければならない、と思います。

(略)

そういった調査や議論というのはタブー視しないで、あらかじめ行なう必要があると思うのです。

それが上下水道局は16年間にわたって一切できなかった。

でも、議論自体はしておいてほしい、と思うのですね。

そんな意味で、平成23年度決算を見て、社会教育施設といえども税金の持ち出しだけでいいのか、そういった議論というのはなされたのでしょうか。

そしてこれから行なっていく予定はあるのでしょうか。

教育長の答弁

今、例に挙げられました博物館、あるいは図書館でございますけれども、

図書館につきましては、数年前から館の中で館長を中心に今後の運営のあり方、そして今の図書館の今後のあり方という部分では、内部で検討し、報告書としてまとめてもらって、私も一緒に話も聞いております。

いくつか今おっしゃっていただいたような課題もありますので、それも承知しているつもりです。

そういう中で、改めて今後将来を見据えた中で、よりどういう方向に進めていくかというのは、必要なことでありますので、検討を休むことなく、いろいろタイミングをつかみながら、早目、早目の改革が必要であれば、それは手を打っていきたいと思っております。

(略)

そういうことですので、先ほどからいろいろ御指摘いただいてますけれども、これまでの概念にとらわれることなく、いろいろな方面から、視点から検討は進めたいと思っております。

(質疑応答の引用は以上です)

教育長の答弁によると、横須賀においても数年前から館長を中心に内部で検討はスタートしている、報告書がまとめられている、ということでした。

市長選挙が終わり、これから新たな『実施計画』『財政基本計画』『行政改革プラン』が策定されます。

こうした計画策定の中で、市立図書館への指定管理者制度導入が記されることが無いように、引き続きフジノは訴えていきます。

特に、いくら財政難になろうとも、個人情報を民間企業に譲り渡すような間違った方向に進めてはならない、と考えています。

何故なら、図書館こそ『民主主義』の砦だと信じているからです。

点字図書館の「廃止」「民営化」の問題と同じです。

なかなか知られていない課題ですが、これからも機会を捉えて市民のみなさまにお伝えしていきます。