みんなで考えよう「性暴力」のこと〜地域における包括的な性暴力被害者支援体制の構築に向けて/性暴力に関するシンポジウムがようやく横須賀で開かれました。横須賀はもっと取り組みが必要です

性暴力の被害に遭った方々を支援する為のシンポジウムが開かれました

今日は、県立保健福祉大学へ向かいました。

会場にて

会場にて


横須賀市にとって、画期的なシンポジウムが開かれました。

『みんなで考えよう「性暴力」のこと〜地域における包括的な性暴力被害者支援体制の構築に向けて』

です。

おしらせより

おしらせより


長年、『性暴力』について取り組んできたフジノにとっては、ようやく横須賀でこうしたシンポジウムが開かれたことを心から歓迎します。

市議会議員に転職する前から、ずっと性暴力の問題に取り組んできました。

性暴力の被害は、被害に遭った方々の心身はズタズタに引き裂かれたような苦しみに襲われます。

被害に遭った方々は自分自身を責めてしまったり、誰にも被害のことを言えずに、妊娠や感染症の不安に襲われるなど、自尊心や自己肯定感が損なわれてしまうことが多々あります。

警察に被害届が出されている数倍から数十倍の被害が実際には起こっていると推測されます。

公的な調査(内閣府調査)でも「誰にも言えなかった」というこれだけの数字が出ています

公的な調査(内閣府調査)でも「誰にも言えなかった」というこれだけの数字が出ています


絶対に許してはならない犯罪です。

これまでフジノは、神奈川県のNPOに力をお借りしながら、様々な相談への対応をしてきました。

そして、最も市民に身近な存在である地方自治体=横須賀市がもっと取り組みを行なうべきだと強く訴えてきました。

それにもかかわらず、なかなか動きが鈍い中で、今日こうしたシンポジウムが開かれたのです。

関係者のみなさまには心から感謝しております。



佐賀県のワンストップの取り組みを紹介する講演、多職種連携を目指すシンポジウム

内容は下のとおりです。

【プログラム】

  1. 開会あいさつ

  2. 基調講演「性暴力被害者支援における連携・協働システムの構築~佐賀県の取り組み~」
    座長:棟居徳子(金沢大学人間社会研究域法学系 准教授)
    講師:原 健一(佐賀県DV総合対策センター 所長)

  3. シンポジウム「横須賀市における性暴力被害者支援と他職種連携のあり方を考える」
    座長:村上明美(神奈川県立保健福祉大学 教授)
    シンポジスト:白石美奈子(横浜弁護士会犯罪被害者支援委員会 委員長)
    畠山由佳(横須賀市市民部人権・男女共同参画課 課長)
    堀尾美穂(横須賀市立うわまち病院 師長)

まずは、『佐賀県DV総合対策センター』所長である原健一さんのお話がありました。

「性暴力被害者支援における連携・ 協働システムの構築~佐賀県の取り組み~」

「性暴力被害者支援における連携・ 協働システムの構築~佐賀県の取り組み~」


お話をもとに、佐賀県の動きをフジノがむりやり要約するとこんな感じです。

佐賀県が性暴力被害者の支援の為にワンストップ支援を立ち上げた。

始まりは、2009年に佐賀で起こった強姦事件の被害者を診察した医師が、県のDV総合センターに「性暴力専用の支援はないのか,専門の支援員はいないのか」と問い合わせたこと。

被害に遭った方の保護者は、警察に被害届を出すことができなかった為に、被害者支援の公費負担制度も利用できなかった。

そこで、性犯罪被害者のように警察に被害届を出せなくとも支援を受ける仕組みが必要だと検討がスタートした。

佐賀県は、2010年に議論をする為の『性暴力被害者急性期対応及び回復期・養生期支援体制整備専門部会』を設置した。

2012年7月からモデル事業として県立病院内に『性暴力救援センター・さが』(さがmirai)を設置した。

2014年度からは本格実施した。

佐賀で行なっている被害者に対する支援内容

佐賀で行なっている被害者に対する支援内容


神奈川県の場合はどうかというと、佐賀県よりも早く、2009年4月に『神奈川県犯罪被害者等支援条例』を施行し、6月から『かながわ犯罪被害者サポートステーション』をオープンしました。

条例施行のかなり前からNPOが取り組みを進めて下さっており、条例と県との連携でバックアップするような形で、被害者支援が充実してきました。

横須賀市はどうかというと、2007年度から犯罪被害者支援の相談窓口をオープンさせました。

被害者支援の窓口の設置を強く求めてきたフジノにとっては一歩前進でしたが、性暴力被害を受けた方がこの窓口の存在を知っているとは感じられません。まだまだ周知不足で残念な状況です。

また、ワンストップでもありません。もっと取り組みが必要だと強く訴えています。

さらに2008年4月1日に犯罪被害者支援を盛り込んだ『犯罪のない安全で安心なまちづくり条例』が施行されました。条例によって被害者支援が明文化されたことそのものは大きかったです。

全国的には、大阪における『性暴力救援センター・大阪』(SACHICO)の取り組みはお手本になる取り組みだと思います。

次に、3人のシンポジストに1人20分ずつお話していただき、最後にパネルディスカッションが行なわれました。

弁護士会と、横須賀市の人権・男女共同参画課と、うわまち病院看護師長の3人です。

20分間ですから、どなたも基本的な活動をご紹介するにとどまりました。

シンポジストとして弁護士会犯罪被害者支援委員会の方と横須賀市の人権・男女共同参画課長がお話したのは当然ですが、今日は何よりも嬉しかったのが、うわまち病院から看護師長さんが出演してくださったことです。

うわまち病院から看護師長がシンポジストとして参加して下さいました

うわまち病院から看護師長がシンポジストとして参加して下さいました

うわまち病院の現状報告

うわまち病院の現状報告


うわまち病院の現状報告

うわまち病院の現状報告


市内医療機関の支援の薄さに、この数年間フジノはずっと怒りを感じてきました。

それが、堀尾看護師長が参加して下さったおかげで、ようやく光が差した気がしました。

うわまち病院の現状を報告していただき、問題意識も強く持って下さっていることを知り、とても救われた気持ちになりました。

これから絶対に横須賀市は、市立病院であるうわまち病院にもっと積極的に働きかけて被害者支援に乗り出してもらうべきです。

県の被害者支援の連携の輪にも入っていただくべきです。

ネットワークを作る為には、市が号令をかけていくべきです。

横須賀市、もっともっとがんばれ!



シンポジウムを終えて、焦りといらだちが増してしまったフジノでした

全体的な内容そのものは、フジノにとっては知っている事柄ばかりで特に新しい気づきはありませんでした(上から目線の発言でごめんなさい)。

けれどもシンポジウムのタイトルどおり、今日の目標はまず「みんなで考えること」にあります。

今日をスタートラインとして、市内のあらゆる相談支援機関がつながっていくことを願ってやみません。

特に、横須賀は産婦人科の医療機関がもっと性暴力被害への支援に積極的に乗り出すべきです。

これまでもフジノが緊急の相談を受けても、ほぼ全ての産婦人科に支援を断られました。

「うちは妊娠・出産の対応しかしていません」

と。

確かに産婦人科医の人材がギリギリの横須賀では、目の前の妊婦さんとお腹の赤ちゃんを守ることが最も大切な役割です。

けれども、それだけが本当に『仕事の全て』ですか?

目の前で強姦被害に遭った女性がいて妊娠の恐怖に怯えているのに、緊急避妊薬の存在を知らないと平気でいってのける市内では有名な産婦人科医の方も居ました。

これまでの対応を、フジノはかなり頭にきています。

市内ではらちがあかないことが分かったからこそ、フジノは県のNPO(横浜にあります)と連携するようになりました。

性暴力被害に遭った方々への支援は、警察だけでは絶対に不可能です。

もっと市内の医療機関には力をお貸しいただきたいです。

その為にも、横須賀市はもっともっと働きかけを行なうべきなのです。

ごめんなさい、本来ならば活動報告としてもっと丁寧にシンポジウムの内容をご紹介すべきなのですが・・・

本当にまだ横須賀ではネットワークすら立ち上がっていない超初期の段階なので、フジノはイライラすることがたくさんあったシンポジウムでした。

もっと早く!

もっと危機感を持って!

そんな気持ちになることが多かったのが本音です。

でも、もちろん、参加して下さったみなさまには感謝の気持ちしかありません。

全く支援がスタートしていないこの分野に、新たにこうして仲間になってくれる方々がたくさん居て下さることを知れて、うれしかったです。

どうかこうした取り組みがまた開催されますように、強く願っています。

今この瞬間も苦しんでいる人がたくさんいます。

その人たちを守る為に、やらねばならないことがたくさんあります。

そして、被害者を生み出さない為の新たな未然防止の取り組みも必要不可欠です。

どうか市民のみなさま、知っていて下さい。

誰にも言えずに苦しんでいる人がたくさんいることを。

そして、支援の取り組みがもっと必要であることを。