なんと採決は賛否同数!最後は「議長の判断」で「否決」しました/三浦市議会・臨時議会へ(その4)

前の記事から続いています)

反対討論はなし、そして採決!

賛成の側は、きちんと賛成する理由を述べる討論を行ないました。

しかし、反対する側の議員たちは、誰も討論に立ちませんでした。これは極めて残念なことです。

慎重な審議をするのが政治家として当たり前のことであるのと同じく、自分が何故その議案に賛成するのか反対するのか、しっかりと説明責任を果たすのが政治家として当たり前のことです。

にもかかわらず、反対討論に立った議員は一人もいませんでした。

そして、ついに採決となりました。



賛成6名、反対6名、なんと賛否同数となりました!

議長が述べました。

「これより採決に入ります。

採決の方法は起立により行ないます。

なお、この際申し上げます。起立しない者は反対とみなします

おはかりいたします。

意見書案第5号について、原案のとおり決定することに賛成の方の起立を求めます」

そして…

採決では賛成・反対ともに同数となりました

採決では賛成・反対ともに同数となりました


なんと起立(賛成)が6名、着席したまま(反対)が6名となりました。

賛否が同数の場合には、最終的に議長が決断することとなっています。

地方自治法

第116条
この法律に特別の定がある場合を除く外、普通地方公共団体の議会の議事は、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

そして議長が述べました。

「ただいま採決の結果、可否同数であります。

よって地方自治法第116条の規定により、議長において本案に対する可否を採決いたします。

本案については、議長は否決と採決いたします。

よって意見書案第5号は否決されました」

あまりにもあっけない幕切れでした。



傍聴席から怒りの声がたくさんあがりました。しかし闘いはこれからです!

フジノはあまりにもあっけない幕切れにショックを受けました。

しかし同時に、『可否同数での議長判断』は三浦市議会では53年ぶりの出来事だとも聴いていましたので、とても感心しました。

こうやって戦争法案に対する意見書を審議する為に臨時議会を開催した三浦市議会議員の有志のみなさんは本当に素晴らしい。

そして公開の場で、自らの賛成の想いをしっかりと討論をした方を深くリスペクトする気持ちを持ちました。

反対の側の議員のみなさんは、反対する理由を述べることさえしなかった。これはとても残念です。

もしも信念をもって反対をしておられるならば、その説明責任を果たすべきでした。

しかし、慎重に審議するという当たり前のことに反対をする、そんな理由を述べることは政治家としての終わりを意味します。

慎重に審議することを拒否する政治家はもはや政治家とは呼べないからです。

だからこそ誰も反対討論に立てなかったのだと思います。

また、最後の最後で議長判断になりましたが、議長は元共産党の出身だったそうです。それが今ではこうして戦争法案への意見書に反対をした。

人というものは長く生きていくうちに様々な思想の変化がある訳ですが、その姿を目の当たりにして、フジノは改めて人という生き物の難しさを痛感させられました。

本会議終了後、傍聴席からは怒りの声がたくさんあがりました。

しかし、フジノは怒りの気持ちはあまりありませんでした。

むしろ、繰り返しになりますが、同じ議会人としてこのように臨時議会を開催にこぎつけた議員有志のみなさまのご尽力を深く尊敬しています。

結果そのものは否決となりました。

けれどもフジノたちにとって、最終的に国会の場で法案が廃止される事こそがゴールのひとつです。

だから、民主主義の手続きに則ってこうして意見書提出に向けて頑張った三浦市議会の闘いというのは、大きな励みになりました。

まもなくスタートする9月議会で横須賀市議会にも請願が出されています。

横須賀市議会では徹底的に議論が行なわれることをフジノは強く望んでいます。そして意見書が提出されるよう、議員の多数が賛成することを願っています。

しかし仮に横須賀市議会で否決されようとも、決して挫けるつもりはありません。

何故ならば、本当のゴールとは『平和を守ること』だからです。

先人たちが300万人以上もの犠牲者を出したあの戦争の反省に立って、わが国は70年間にわたって他国と戦争をしてこなかったのです。

この素晴らしい歴史を守り続けていく事こそが我々の本当のゴールだからです。

いち地方議会での政府に対する意見書の提出をめぐる闘いはとても大切です。

けれどもさらに大切なことは、こどもや孫の世代にも、いや未来永劫にわたってわが国が戦争を2度としない国であり続けることです。

まず、安倍政権による戦争法案は当然廃止に追い込むべきです。

安倍政権は退陣させるべきです。

そして平和な日本を取り戻す為には、『国民主権』をもう1度全ての国民のみなさまに思い出してもらう必要があります。

政治家は、単なる代表でしかありません。

この国のリーダーは、国民のみなさまです。フジノたち政治家はただの代表でしかありません。

この国をこの先ずっと未来まで平和であり続けたいと国民のみなさまが願い、その為に行動しなければ、何も守ることはできません。

フジノは国民のみなさまが『行動』を取ることを深く望んでやみません。

毎日の生活は忙しく、経済は苦しく、国会や政治に向きあう時間や体力はほとんど無いのが現実の国民のみなさまの現実の姿だと感じています。

それでも最後の最後に戦争に行くような国にしてしまうのか否かを決めるのは、国民のみなさまの『行動』です。

国民のみなさま、いや、あなたにはぜひ立ち上がってほしいと願っています。

目を覚まして下さい。

目の前の現実から絶対に目を背けること無く、こどもたちの為に闘って下さい。

そして、この国を守って下さい。一緒に。



三浦市議会のみなさま、おつかれさまでした

フジノは三浦市議会のみなさまのことを深く尊敬します。

もちろん、賛成・反対と政策が異なるのは承知の上で、それ以上に大切なことはこうして民主主義の法手続きにもとづいて臨時議会を開いたことに強く尊敬の念を抱かずにいられません。

幼い頃から30年以上、三浦市との市境に住んでいたフジノにとって、三浦市も横須賀市もカンケーなくひとつの三浦半島だと感じて生きてきました。

同じ三浦半島に暮らすひとりとして、民主主義の大切さを改めて認識させて頂いたことを深く感謝しております。

ありがとうございました。



後日談:翌日の神奈川新聞が大きく報じました

翌日の神奈川新聞がこの臨時議会を大きく報道しました。

2015年8月19日・神奈川新聞より

2015年8月19日・神奈川新聞より

2015年8月19日・神奈川新聞より


全文を引用し、ご紹介いたします。

「安保慎重審議」意見書案
三浦市議会臨時会 賛否同数で議長否決

国会審議中の安全保障関連法案の慎重審議を求める意見書案を採決するため、三浦市議会(定数13)の臨時会が18日に開かれ、議長を除く採決の結果、6対6で賛否同数となり、議長が否決を決めた。

意見書案の採決で議長が最終判断するのは同市議会では初めて。

意見書案は、法案が衆院憲法審査会で違憲と指摘された点などを挙げ、国会で「慎重かつ十分な審議を尽くすこと」を求める内容。共産(3人)と無所属(3人)が提出、賛成し、保守系最大会派のみうら市政会(議長を除き4人)、自民(1人)、公明(1人)が反対した。

意見書案については小林直樹氏(共産)が趣旨説明。

市内には戦時中に砲台や特攻艇の基地があったことや、1954年に米国がビキニ環礁で行った水爆実験で多くのマグロ船が被災した事実を指摘。

さらに、隣接する横須賀市に米軍基地がある点などを挙げ、「このような歴史を持つ三浦市の議会として意見書への賛同を求める」とした。

下田剛氏(無所属)が賛成討論を行い、反対討論はなかった。



反対討論もなく不満傍聴席市民ら

安保法案の慎重審議を求める意見書案について、最終的に議長が否決を決めた三浦市議会の臨時会。賛否同数で分かれた展開に決着をつけたのは「意見書は全会一致で可決する」という慣例だった。

傍聴席には市民ら約20人が詰めかけ、「反対討論もなく、理由が分からず残念だ」と不満の声が漏れた。

岩野匡史議長は閉会後に会見を開き、否決理由を「全会一致が前例であり原則」と説明。

「議会で意思表示をすることについて、数だけで押し切ると間違いを起こす可能性もある。全国では数を頼りにいろいろな決議をしているが、そうしたことがまかり通る恐れがある」

と話した。

小林直樹氏(共産)は「全会一致を目指すかどうかを諮る場面ではなく、詭弁(きべん)だ。議長は意見書案の内容に対して賛成か反対かを決めるべき」と反論。

「議長は意見書案の内容を否決したと受け止めている」と述べた。

同市議会は、可決された意見書は賛否の構成に関わりなく議会全体の意思を示す形になるため、全会一致による可決を慣例としてきた。

意見書1件を採決するための今回の臨時会開催の是非については意見がまとまらず、議会の「総意」という形ではなく、意見書提出議員の6人が招集請求した経緯がある。

反対の草間道治氏(みうら市政会)は「なるべく調整して全会一致の形に持って行くのが筋」とし「否決される見込みがある中で意見書案が提出され、パフォーマンスだ」と批判した。

一方で、「そもそも全会一致の原則は崩れている」と指摘するのは木村謙蔵氏(無所属)。

昨年6月の定例会で「集団的自衛権行使を容認する解釈改憲を行わないことを求める意見書」が賛成多数で可決された例を念頭に、

「集団的自衛権に関するテーマは議員の主義主張やイデオロギーに関わる。全会一致はあり得ない」

と話した。

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