任期が終わり選挙後に全メンバーが替わっても「政策重視の横須賀市議会」で在り続ける為に/政策検討会議(第7回)

新たな5つの論点の議論がスタートしました

今日は『政策検討会議』に出席しました。

政策検討会議に出席しました

政策検討会議に出席しました


前回までの『政策検討会議』では、この任期内(〜2019年4月末)に策定する条例を何にするかを選ぶことが最大のテーマでした。

『横須賀市がん克服条例』を作ることが決定して、今まさにがん対策検討協議会で条例案を議論をしています。

そこで『政策検討会議』では、今回から新たなテーマの議論がスタートしました。

今日の議事次第

今日の議事次第


それは、『政策形成サイクル』を健全に回していく為の課題について議論することです。



「政策形成サイクル」を回し続けていく為に

横須賀市議会の場合、『政策形成サイクル』とは以下の手順をぐるぐると回していくことを意味しています。

  1. 市民の声をもとに課題を抽出する
    広報広聴会議が市民の意見を議会報告会や公聴会によって集めていきます。

  2. 4年間の『実行計画』を作る
    広報広聴会議の提案をもとに、『政策検討会議』で条例化や政策立案すべき課題を抽出・選定して、4年間でどのように実行していくかの計画を作ります。

  3. 『課題別検討会議』で条例案や政策案を作る
    『政策検討会議』で決定した課題の解決に向けて『課題別検討会議』を設置します。そこで課題解決に向けた研究を行ない、条例案や政策案を作り、パブリックコメントを実施し、完成した条例案や政策を本会議で議決します。

  4. 行政によって実施される取り組みをチェックする
    議決された条例や提案された政策をもとに、行政は実際に取り組みを行なっていきます。議会はこの行政の取組状況を定期的にチェックしていきます。

  5. 課題の解決に向けた取り組みを検証・評価した結果を市民に報告し意見を聴く
    課題解決に向けて策定した条例とその後の行政の取り組みによって、課題が解決に向けて動いているかデータや市民の声をもとに検証・評価します。その結果を市民に報告していきます。

そして、1へと戻ります。 これをぐるぐると繰り返していきます。

横須賀市議会の政策形成サイクル

横須賀市議会の政策形成サイクル


これを「課題解決に向けた『政策形成サイクル』を回す」と呼んでいます。



選挙で全議員が交代しても「政策形成サイクル」を回し続ける横須賀市議会で在る為に

この取り組みはとても大切です。

しかし、議員には4年間の任期があり、メンバーが替わってしまいます。メンバーが替わったら「こんなの面倒だからやめた」では困ります。

『政策形成サイクル』を回し続ける取り組みこそ横須賀市議会の在るべき姿だ、というのが今のメンバーの考えです。

その為にも、たとえ全員が新しい議員メンバーになってしまったとしても、横須賀市議会が政策形成サイクルをしっかりと回していくことができる体制をしっかりとルール化しておくべきではないか、という問題意識を持っています。

そこで、正副委員長から5つの論点が出されました。

【論点1】
『議会の取り組み全体を網羅した実行計画策定の必要性があるか否か』です。

横須賀市議会がお手本にした大津市議会は、議会全体のことがらを実行計画の中に盛り込んでいます。例えば『議員定数』の検討なども実行計画の中で取り上げています。

一方、横須賀市議会には長い歴史を持つ『議会制度検討会議』がすでに存在しており、こちらで議員定数をはじめとする議会の制度に関する事柄は議論をしており、十分に機能しています。

大津市議会のように、『政策検討会議』が他のあらゆる会議の上位機関のようになるのが良いのか、政策形成サイクルだけでなく「議会の在り方」まで含めた実行計画を作るのが良いのか否か、改めて議論します。

ちなみにフジノは大津市議会のやり方ではなく、今の横須賀市議会の方式のままで良いと考えています。

【論点2】
パブリックコメント手続きの方法が今のままでは不十分だという問題意識から検討する必要があるのではないかについてです。

現在、市議会が提案する条例案は必ずパブリックコメントにかけていますが、その周知の手段が市議会ホームページしかありません。

あとは横須賀市のホームページの片隅に載せてもらっているだけです。何故かというと、横須賀市のパブリックコメント手続き条例の対象機関の中に横須賀市議会は入っていないからです。

きちんと横須賀市のホームページのパブリックコメントのコーナーに掲載できるようにする為には、現在の市のパブリックコメント条例を改正する必要がある、というのが『政策検討会議』メンバーの考え方です。

これが全議員の想いと同じか、各会派に持ち帰って議論していただきます。

【論点3】
政策立案後の検証の必要性についてです。

例えば、すでに『政策検討会議』による議論をもとに『ごみ屋敷対策条例』を作りました。

今年度(2018年度)予算では、この条例に対応する為に福祉部福祉総務課に新たな人員配置がなされました。

条例にもとづいた取り組みが福祉部や資源循環部によって、きちんと取り組まれているかどうかを検証していかねばなりません。

ところで、この条例の取り組みを行なうのは複数の部局です。

複数の部局が担当している場合、2つ以上の委員会にまたがる訳ですが、それをどのように検証していくのか現在は決めていません。

そこで正副委員長案では、

「複数の部局にまたがっていてもあくまでも主管課は1つだけなので、その主管課を所管する常任委員会で検証するのが良いのではないか」

との提案がありました。この案について議論していきます。

【論点4】
『課題別検討会議』の進捗管理を本体である『政策検討会議』が行なう必要があるのか否かについてです。

『政策検討会議』の初期に定めた取り組みとして、『課題別検討会議』の進捗管理は『政策検討会議』が行なうことと定めました。

しかし、実際にスタートしてみたら、これは現実的では無いことも見えてきました。

例えば、現在『がん対策検討協議会』がスタートしています。

フジノ自身、『政策検討会議』のメンバーであると同時に『がん対策検討協議会』のメンバーも兼ねています。両方の議論に常に立ち会っています。

実際にスタートした今、『がん対策検討協議会』の進捗管理をわざわざ『政策検討会議』が行なう必要性は感じられません。何故ならば『協議会』メンバーは全力で条例案策定に臨んでいるからです。

つまり、このルールは無くした方がすっきりすると思います。

改めてこの点をどうするかが論点として挙げられました。

【論点5】
最後の論点は、選挙が終わった後の新しいメンバーが不慣れな中で実行計画をゼロから作るのではなく今のメンバーが実行計画の一部を策定すべきではないかについてです。

我々議員は任期ごとに全くゼロから新しい政策を作る、独立した存在です。

しかし一方で、横須賀市議会の長い歴史と伝統も引き継いでおり、先輩議員たちが議論してきた課題を引き継いでいく責任もあります。

次の選挙で選ばれた新人議員のみなさんが、この『政策検討会議』での議論をゼロにしてしまうことは横須賀市議会の在り方として良いのか。

政策重視の横須賀市議会というスタイルは次の世代の議員にも確実に引き継いでもらう為に、拘束力を伴う計画の一部を作成することにしてはどうか、という議論がかねてからありました。

実際に、新たに選ばれたばかりの新人議員だけで1年目の初めから政策形成を実現することは難しいと思います。

フジノの考えとしては、ある程度(具体的には『1年目の条例策定スケジュール』が良いと思います)は前の任期の議会メンバーがあらかじめ定めておくのが良いと思います。

この点について、議論が必要です。

今日はこの5つの論点が示されて、質疑応答と意見交換が行われましたました。

具体的な議論は次回から行なっていきますが、今日の時点でも激しい議論が続きました。

次回は、論点1と2について議論する予定です。



分かりづらさは承知の上で記しました

『政策検討会議』での議論は、市民のみなさまには分かりにくいです。

率直に、ブログを書いていてもどう表現を変えても分かりやすく書くことはムリだと感じました。

けれども、分かりづらさとは反比例して、政策重視の横須賀市議会という在り方の『核』を議論しているとても重要な場です。

そこで、分かりづらいままであることを承知の上で、記しました。

今、横須賀市議会は絶対に後戻りしない為の改革を進めています。

政策本位の横須賀市議会というアイデンティティを確立する為の改革です。

無会派も含めた、全ての会派の代表が1つのテーブルに集まって未来の横須賀市議会の姿を徹底的に議論しています。

ここでの議論は、市民のみなさまの毎日の暮らしのつらさや悲しみにはじかに影響を与えないように見えると思います。

けれども、実は『市民のみなさまの暮らしに直結した議会になる為の仕組み』を徹底的に作っているところなのです。

5年後、10年後の横須賀市議会の姿を『政策検討会議』では議論しています。

分かりづらさは承知の上で、これからも議論の様子を報告し続けていきたいと思います。

どうか市民のみなさまにもこうした取り組みをぜひ知っていただきたいと願っています。



政策サイクルを回す為の課題

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

一人でも多くの方に情報をお届けする為にどうかシェアお願いします
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!