ペットロスの悲しみをご相談ください/フジノの提案、実現しました

最新版「犬と暮らそう」に新たな項目が追加されました

横須賀市動物愛護センターが発行している『犬と暮らそう』というパンフレットがあります。

犬を飼う市民のみなさまに向けて、あらゆる手続き・飼い方・災害時の備え等を解説したもので、とても分かりやすくてオススメです。

配布は動物愛護センター・行政センターで、また、PDFファイルを横須賀市公式ホームページに掲載しています。

このパンフレットの改訂作業が終わって、最新版が2020年4月に発行されました。

横須賀市動物愛護センター・パンフレット「犬と暮らそう、最後まで一緒に」

最新の2020年4月改訂版に、フジノが提案した項目を追加してもらうことができました。

それは『ペットロス』と『ペットロスの時の相談先』についてです。

横須賀市動物愛護センター・パンフレット「犬と暮らそう、最後まで一緒に」より

【ちょっと心に留めておいて欲しいこと】

犬との生活は楽しいことばかりではありません。

たとえば自身の経済状況の変化で急に引っ越さねばならない、具合が悪くなり飼い犬の世話ができなくなった、近隣から苦情がきた、被災したなど、犬を飼い続けるための選択を迫られる可能性もあります。また、これらの危機を乗り越えることができても、やがて犬が歳を取ることによる、避けられない別れがやって来ます。

その別れを迎えた後、日々過ごす中でつらかったり悲しかったりした時に、話を聞いてもらえる窓口があります。もし必要と感じたら電話してみてください。

  • 横須賀市保健所精神保健福祉相談 046-822-4336(月~金 8時30分~17時 土・日・祝日・年末年始を除く)
  • 横須賀こころの電話046-830-5407(平日16時~23時、土・日・祝日9時~23時 ※毎月第2水曜日16時~翌朝6時)

本当に短いささやかな記述なのですが、フジノとしては大きな前進だと受け止めています。

いまや動物たちは家族の一員としてともに暮らしています。

そして家族としての動物が亡くなると、深刻な悲嘆反応が起こることがあります。

けれども我が国では、精神科病院やメンタルクリニックではペットロスを扱ってもらえないことがほとんどです。

実際には、ペットロスが原因で数ヶ月から数年にわたって深刻なうつ症状やうつ病になってしまう人がたくさん存在しているのに・・・。

フジノは「世間がきちんと目を向けない為に公認されずにいる悲しみに対して、横須賀市としてグリーフケア(悲嘆へのケア)に取り組むべきだ」と考えてきました。

ペットロスも当然そのひとつです。

横須賀市保健所の精神保健福祉相談では、専門の精神保健福祉相談員があなたからのお話をじっくりお聞かせいただきます。

保健所が夕方で閉じた後の時間帯は、横須賀こころの電話の相談員があなたからのお話をお聞かせいただきます。

どうかその悲しみやつらさをお話していただけないでしょうか。

お待ちしております。

本会議で市長に提案しました

昨年2019年9月18日の本会議で、フジノは上地市長に対して下のように提案しました。

フジノの質問

(略)もう1つ、大切なこと。それは、ペットを失った人の心のケアも大切と述べられていたことです。

つまり『ペットロス』です。

「ペットは家族」という認識が一般化するに従って、重いペットロスになる方々が増えています。

人間の家族を失った時に生じる感情と同じですが、『ペットロス』はまだ世間一般に理解されている訳では無いことから、周囲の無理解によって、時には重症化、長期化して精神科の医療の介入が必要なケースも増えています。

一部の心ある民間の獣医さんや動物火葬業者が『ペットロス』に取り組んでいるものの、その数は少なく、横須賀市議会での会議録を検索しても『ペットロス』について発言していたのは唯一、僕自身でした(2005年9月20日・民生常任委員会にて)。

しかも『ペットロス』を真正面から捉えた発言ではなくて、グリーフケアの必要性の一環で触れていただけでした。
 
現在『ペットロス』の問題は大変に深刻であり、市民生活におけるとても大切な観点です。

もちろん保健所の精神保健福祉相談を使っていただければ、心理面の御相談を伺うことはできます。

それらに加えて先ほど提案した『新たなガイドライン』に、『ペットロス』が起こり得ることや相談が必要な重い状態になることや相談窓口などを、新たに書き加えることも必要だと思うのです。

その他にも本市ができることはないかぜひ検討していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

上地市長の答弁

検討していきたいというふうに思います。

フジノの質問に出てきている『ガイドライン』とは異なるのですが、かねてから動物愛護センターが発行しているパンフレット『犬と暮らそう』がちょうど改訂の時期が近づいていました。

そこで、生活衛生課と動物愛護センターが検討をして、パンフレットに記述を加えることにしてくれたのです。

すでにスペースが埋まっていた中で、印刷〆切ギリギリで新たな文章を加えることになったので、上の段落のような短い文章になってしまいました。

けれども上地市長の答弁からわずか半年後に実現したスピード感には感謝しかありません!

同じようなパンフレットとして『猫と暮らそう』というのがあるのですが、そちらの改訂時期は4年後なので、その時には今回と違ってしっかりとした記述にしてくれると約束していただきました。

動物と暮らしたことが無い方には、家族としての動物を愛する人たちの気持ちは理解することができないかもしれません。

「ペットが死んだくらいでそんなに悲しむなんて・・・」

という言葉に苦しめられている人々はたくさん存在しています。

心身の不調が長期間にわたって続くこともあるのが『ペットロス』なのです。

  • 深い悲しみ
  • 孤独感
  • 後悔
  • 罪悪感
  • 睡眠障害
  • 消化器症状
  • 食欲異常
  • 頭痛
  • 無気力状態

海外では『ペットロス』に対する認知は早く、40年以上も前の1977年にイギリスの精神科医が論文を記しており、ペットを失った後の悲嘆は大切な人を失った時の悲嘆と類似の反応であると指摘しています。

本来ならば、横須賀市のようないち自治体が取り組むべき課題ではなく、獣医師・精神科医のそれぞれの分野でグリーフケアの取り組みが求められています。

けれども先程も質問の中でとりあげたように、我が国では一部の熱意ある方によってのみ取り組みが行われているだけで、ほとんどの当事者は何も支援を受けられずに悲しみの中で苦しみ続けています。

失った対象が何であれ、全ての人はその悲嘆(グリーフ)に手を差し伸べられるべきだとフジノは考えています。

どうか今回の『犬と暮らそう、最後まで一緒に』の改訂版パンフレットが少しでも市民のみなさまのグリーフケアに約立つことを心から願っています。

ペットロスの悲しみをご相談ください

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