2014年診療報酬改定、病床機能分化と地域連携/地域連携コーディネーター養成講座2013

新年最初の大学院へ

夕方から都内へ移動、2014年最初の大学院へ向かいました。

半年にわたる『地域連携コーディネーター養成講座』も、今夜を入れて残すところあと2回となりました。

大学院にて

大学院にて


今夜の講師は、武藤正樹先生です。

テーマは『2014年診療報酬改定、病床機能分化と地域連携』でした。

内容は、もっぱら時事的なテーマについて、最新の診療報酬改定の目指すものや制度変更がもたらす変化などについて膨大な資料をもとに解説していただきました。

ここから先は、フジノが講義を通して感じたことを記します(武藤先生のお考えを記したものではありません)。

介護人材の育成・離職者対策・復職支援こそ重点投資すべき

超高齢社会・未踏高齢社会に突入した今、財政的に支出が増えていくのは当然のことです。10年後には、特に『介護』分野では2.3倍の支出が見込まれています。

その財政難に対応する為に、今いろいろな政策が打ち出されています。

給付の見通し

給付の見通し


ただフジノとしては、むしろ問題は「その時、介護人材が居るのか?」という点にあると感じています。今でさえ、介護人材は足りません。

ご高齢の方々の圧倒的な増加に対して、ケアを担うことができる方々が不足し続けている限り、『介護難民』がどんどん増えていくことになります。

もっともっと『介護人材の育成』と『離職者対策』と『復職支援』に重点的に投資すべきだとフジノは考えています。

県の医療計画と市の介護保険計画をもっと連動させるべき、人材の積極的な関わりも必要

国は2025年の地域包括ケア体制の実現に向けて、下の4つのツールをフルに活かして政策誘導を行なっています。

  1. 診療報酬の改定
  2. 介護報酬の改定
  3. 医療計画の改定(あと2回)
  4. 介護保険事業計画の改定(あと4回)

お金の動きと制度による縛りで、アメとムチを駆使して、医療と福祉の仕組みを2025年の社会の姿に対応できるように取り組みをしているのです。

2025年の地域包括ケア実現に向けた工程表

2025年の地域包括ケア実現に向けた工程表


ただ、問題なのは国の狙いどおりには現実は動いていないということです。

例えば、『医療計画』と『介護保険事業計画』の連動についてです。

フジノがこの数年間ずっと国・県・市の動きを追い続けてみてハッキリと感じていることは、県の『医療計画』と市の『介護保険事業計画』は全く連動なんてしていない現実です。

市議会議員としてフジノは、しつこすぎるほどに「県の医療計画改定と市の介護保険事業計画などの計画をしっかりと連動させるべきだ」と市議会で訴えてきました。

その結果、市の医療担当部署はかなり県に対して意見を述べてくれたし、市の『医療』に関する意見は県の医療計画に反映されたと感じます。

しかし、市の『介護』に関する意見や『介護保険事業計画』が県の『医療計画』に反映されたり連動しているとは全く思いません。

これでは何の為の『医療計画』なのか、絵に描いた餅ではないかと感じています。

また、市の医療部門と福祉部門の連携はかなりうまくいっています。

しかし、市の介護部門と県の医療部門との連携が存在しているのかさえ見えてきません。

『医療』と『福祉』の連携が必要だ、さらには連携を超えて統合が必要だ、と叫ばれ続けてきましたが、行政ではなくて民間ではかなり進んできています。

早く行政が追いついていかねば、現実への対応が全く不十分だと感じます。

2014年は、フジノとしてはこの点の強化に取り組んでいきたいと考えています。

病院が激変していく

さらに重要な改革としては、病院が大きく変わっていくことがあります。

亜急性期が議論に

亜急性期が議論に


中医協でも大きな議論になった、亜急性期の扱い。

亜急性期

亜急性期

診療報酬によって誘導

診療報酬によって誘導


また、7対1を算定している現在の病院がかなりの数で変更せざるをえない制度変更。

これらについてはまた改めて詳しくご紹介したいと思います。

今夜もとても難しい内容ばかりでしたが、市民のみなさまにとって大きな影響をもたらすことばかりでした。

つまり、政治家としては知らねばならないことばかりでした。

もっともっと学んで、しっかりとみなさまにお伝えしていきます。

URが取り組む高齢者向け住まいとサービス連携/地域連携コーディネーター養成講座2013

エイジング・イン・プレイス

今夜は大学院へ向かいました。『地域連携コーディネーター養成講座2013』の聴講です。

大学院にて

大学院にて


それにしても、大学院のある『青山一丁目駅』の手前は『六本木駅』なのですが、ふだんの電車内はビジネスパーソンばかりなのに、今夜はカップルばかりでした。

URによる高齢者向け住宅の取り組みはすごい

今夜の講師は、加藤邦彦さん(独立行政法人都市再生機構)。

団地再生部次長と経営企画室担当部長と住宅経営部担当部長を兼務しておられるすごい人です。

今夜の講師の加藤邦彦さん(左)と、高橋紘士教授

今夜の講師の加藤邦彦さん(左)と、高橋紘士教授


実際、講義の内容もすごかったです。

URは、常に行政改革のターゲットにされているというイメージがあります。

例えば、フジノの手元にある行政改革推進会議の資料などをみると、集中砲火をずっと浴び続けている印象です。

行政改革推進会議・独立行政法人改革等に関する分科会の資料より

行政改革推進会議・独立行政法人改革等に関する分科会の資料より

同資料より、行政改革の流れを受けて成されたURに関する検討

同資料より、行政改革の流れを受けて成されたURに関する検討

さらに、今月のあたまにはこんなニュースも流れていました。

UR、高額賃貸のサブリースも/行政改革会議が年内に報告

政府が検討する都市再生機構(UR)改革の方向性が年末にも固まる見通しだ。高額賃貸住宅の転貸、国とURが費用を折半している家賃減額措置の見直しなどを通じて財務体質の改善を図る案が有力。URのあり方を話し合う行政改革推進会議のワーキンググループが今月開く次回会合で報告書をまとめる。

WGによる過去7回の議論では、12兆円を超す有利子負債の圧縮などURの財務構造健全化を中心に意見交換。賃貸住宅事業については、都心部にある高額賃貸住宅の改革▽住宅管理業務の効率化▽家賃設定方法の見直し▽ストック再生・再編の促進、などを具体的な改革メニューとして示した。

このうち、都心部に500戸ある高額賃貸に関しては「民間にサブリースし、将来的には売却すべきではないか」といった意見が出ている。また、現在は国とURが折半している家賃減額措置について、これを全額国費負担とすることなどを検討すべきだという声もあった。
 
このほか、都市再生事業をフィーサービスとして確立すること、関係会社の大幅な整理合理化などもテーマとなっている。 報告書の具体的な中身については「関係者のコンセンサスを得るのに時間がかかる」(事務局)として明らかにしていない。WGは今後、自民党など与党の意見も踏まえて報告書をまとめる。

(2013年12月02日・週刊住宅オンライン

けれども、今夜の講義を聴いて、改めてURの果たしている社会的意義の高い取り組みの数々を学び直して(知っていることも多数ありました)、URの改革はかなり進んでいることを感じました。

講義の様子

講義の様子

URの取り組みは素晴らしい

URの取り組みは素晴らしい

地域リハビリテーションと地域連携/地域連携コーディネーター養成講座2013

大学院にて

大学院にて

今夜の講師は、医療法人真正会・霞ヶ関南病院の理事長である斉藤正身さんです。

講義の様子

講義の様子

斉藤先生

斉藤先生

老人にも明日がある

老人にも明日がある

NHKスペシャル
『闘うリハビリ1』
『闘うリハビリ2』
『闘うリハビリⅡ 寄せられた声を訪ねて』

都営戸山ハイツ「暮らしの保健室」室長の秋山正子さん/地域連携コーディネーター養成講座2013

地域連携コーディネーター養成講座へ

都内へ移動して、大学院にて『地域連携コーディネーター養成講座』の聴講です。

大学院にて

大学院にて


今夜の講師は、秋山正子さんです。

フジノがちょうど今読み終えたばかりの本に秋山さんのことが紹介されていました。

財政破綻した夕張市の医療再生に取り組んできた村上智彦さんの著書『医療にたかるな』(新潮社、2013年)の『おわりに』で、秋山さんについてこのように記されています。

NPO法人「白十字在宅ボランティアの会」理事長の秋山正子さんには、夕張で訪問看護ステーションを立ち上げる際に、多大なお力添えを賜りました。

「市ヶ谷のマザーテレサ」と呼ばれる秋山さんの存在が、若い看護師たちにとってどれほど心強いものであったか、言葉では言い表せません。

Wikipediaでも秋山さんは「市ヶ谷のマザーテレサ」として記されています。

在宅ケアのつながる力

在宅ケアのつながる力


秋山さんは、新宿区の都営戸山ハイツの空き店舗に新たに設立された『暮らしの保健室』の室長をしておられます。

高齢化率48%の戸山ハイツに「暮らしの保健室」設立

『暮らしの保健室』は、毎日の暮らしの中で困りごとなどあらゆる相談を受け付ける相談支援の場です。

学校の保健室のように、ちょっと具合が悪い時、悩みや心配ごとがある時、何もなくても誰かと話したい時に、気軽に立ち寄れる場があればいいのに。

20年以上にわたって訪問看護を行なってきた秋山さんのこんな想いから、『暮らしの保健室』はスタートしました。

「暮らしの保健室」の位置

「暮らしの保健室」の位置


この戸山ハイツは、高齢化率が48%を超えています。

戸山ハイツの高齢化率

戸山ハイツの高齢化率


高齢化率45%というとものすごいイメージかもしれませんが、横須賀にはそれを上回る高齢化率60%超の『県営かもめ団地』があります。

『かもめ団地』では『ホットタイムなごみ』という団地カフェを行なっています。

2013年4月10日付・神奈川新聞より

2013年4月10日付・神奈川新聞より


戸山ハイツにおける『暮らしの保健室』は、ちょうど似たような位置づけです。

多職種が無料で何でも相談にのってくれるワンストップの場

保健室ですから、誰でも気軽に訪れることができます。

暮らしの保健室・活動実績

暮らしの保健室・活動実績


相談は無料。

看護師・保健師・薬剤師・栄養士などの専門職が対応、医療・介護・生活の困りごとを何でもワンストップで受け止めてくれます。

カンファレンス

カンファレンス


地域の病院やクリニック、訪問看護や介護事業所、保健所や区役所の福祉課、地域包括支援センター、社会福祉協議会などの、多くの機関と連携しています。

さらに、いつもたくさんのボランティアの方々が常駐しています。

この取り組みは、『在宅医療連携拠点事業』のモデル事業に2011〜2013年に選ばれました。

厚生労働省「在宅医療連携拠点事業」説明資料

厚生労働省「在宅医療連携拠点事業」説明資料


(*横須賀では翌2012年、105事業の中の2つとして横須賀市医師会チーム衣笠が選ばれています)

「地域での保健」こそ、今後は最重要!

こうした取り組みは、現在フジノが横須賀で進めている『保健施策の強化の取り組み』(例えばこちらこちら)とたくさんの共通点があります。

講義風景

講義風景


こどもから中高年までの、生涯を一貫した『保健』の取り組み。

それは「生活習慣病にならない」「介護を予防する」ことにもなります。

看取り

看取り


さらに、『病院での看取り』ではなく、『在宅での看取り』にもつながっていきます。

訪問看護の利用人数と自宅死亡の割合

訪問看護の利用人数と自宅死亡の割合


今夜の講義は、フジノ自身が横須賀での取り組みをさらに進めていく上でとても励まされる内容だった気がします。

参考資料

『暮らしの保健室』について、さらに詳しい内容を知りたい方はぜひこちらもご参照下さい。


後日追記(2014年9月7日)

秋山正子さんと『暮らしの相談室』の取り組みが、2014年9月7日(日)のNHKスペシャルで放送されました。

『新宿”人情”保健室〜追いの日々によりそって〜』

NHKスペシャルのサイトより

NHKスペシャルのサイトより


50分間の短い番組でしたが、とてもよくまとめられていました。

この番組を通して、全国に取り組みが広まることをこころから願っています。

理想の高齢者共同住居を目指す高橋英興さん(コミュニティネット代表取締役)/地域連携コーディネーター養成講座2013

地域連携コーディネーター養成講座へ

今夜は大学院に聴講へ向かいました。

大学院の玄関にて

大学院の玄関にて


今年も『地域連携コーディネーター養成講座』を受講しています。



理想の高齢者向けの住まいを目指して

今夜は、高齢の方々の住まいについて(株)コミュニティネット代表取締役社長の高橋英興さんを講師にお話を伺いました。

高橋英興さんによる講義

高橋英興さんによる講義


高齢の方々の住まいについて学び始めると、『ゆいま~るシリーズ』と名付けられた取り組みの数々に先進的な好事例として出会うことになります。

それを手がけてきたのが高橋さんです。

理想の高齢者共同住居をめざして〜ゆいま~るシリーズの展開〜

理想の高齢者共同住居をめざして〜ゆいま~るシリーズの展開〜


高橋さんが課題として具体的に取り組みを行なっているのが、下の6点です。

  1. 介護・看護・医療の連携による地域包括ケア
  2. 団地の再生
  3. 地域コミュニティの創生
  4. 高齢者の生きがいと仕事づくり
  5. 農村と年の移住交流促進
  6. 環境の保全と食の自給自足を拡大

高橋さんの取り組みが紹介されるのはどうしても『高齢者向け住宅』というカテゴリーや文脈であることが多いのですが、実際の高橋さんの仕事は『高齢者だけが暮らす住宅』ではありません。

高橋さんは『地域コミュニティ』を作っている、というのがより正確だと思います。



多世代が暮らす「日暮里コミュニティ」

荒川区の中学校が廃止された跡地を利用して、2003年6月に開設されたのが『日暮里コミュニティ』です。

中学校の跡地利用

中学校の跡地利用


まさに象徴的なのですが、高齢者の為だけの建物ではなく、多世代が暮らす新たなコミュニティが創り出されました。

         

  • 12階 眺めの良いお風呂
  • 7〜11階 ライフハウス(高齢で自立の方)
  • 4〜6階 シニアハウス(高齢で介護が必要な方)
  • 2〜3階 コレクティブハウス(多世代が暮らす)
  • 1階 保育園、クリニック、食堂、多目的室など

中・高層階の『ライフ&シニアハウス日暮里』は、『有料老人ホーム』という扱いになっています。

低層階の日本で初めての本格的な多世代型コレクティブハウス『かんかん森』はとても有名で、本も数冊出版されています。

現在、0〜87歳まで、37人の大人と15人の子どもたちが住んでいるそうです。

多世代が暮らす日暮里コミュニティ

多世代が暮らす日暮里コミュニティ


1階の多目的室でのイベントや食堂などをはじめ、保育園・クリニックの利用など、あらゆる機会を通して、こどもたちとその親などの若い世代と高齢の方々が日常的に交流があるそうです。



高橋さんの実績の数々

他にも様々な実績があります。

駅前再開発型

駅前再開発型


駅前の再開発、UR団地のリフォーム、過疎地での事例など、それぞれが持つ課題(ピンチ)をより良く発展させるチャンスに変えていっています。

下は『ゆいま~る多摩平の森』

リフォーム型

リフォーム型

サテライト住戸

サテライト住戸

下は『ゆいま~る那須』

ゆいま~る那須

ゆいま~る那須



横須賀にも「理想的な高齢者共同住居」を実現したい

かねてからフジノは、『サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)』が全く無い横須賀市の現状を問題視しています。

市長に対しても『サ高住』が設置されるよう求めてきました。

今夜の講義を聴いて、単に『サ高住』が作られるだけではダメで、もっと深い取り組みの必要性を感じました。

  • 作られる前の段階から暮らすことになる人々と議論を重ねて、ともに作っていくこと。

  • 高齢者だけが暮らす住まいではなく、多世代が暮らす住まいを作るべきこと。

これは絶対に実現したいです。