議会がチェックできない方法で6年間も市民病院に8.5〜12億円も貸付!短期貸付に見せかけた「単コロ」か?決算も不正確ではないか?/予算決算常任委員会・全体会(2016年9月議会)

予算決算常任委員会全体会でフジノは代表監査委員に質疑を行ないました

本会議が終わった後、続けて『予算決算常任委員会・全体会』が開かれました。

決算審査のスタートです。

まず会計管理者からの説明が行なわれて、続いて代表監査委員から『決算審査意見書』等について説明がありました。

フジノはここで『横須賀市による市民病院(指定管理者=地域医療振興協会)に対する貸付』に関して、問題提起を行ないました。

なんと議会のチェックが全くできない方法で、現在まで7年にわたって(決算は前年度のものなので6年間と表現します)『無担保』で8.5億円〜12億円も貸付を行なってきたのです。

議会はノーチェック(チェックしようがない)、市民のみなさまの税金が損なわれかねないハイリスクな状態です。

この横須賀市の手法は極めて問題で、絶対に改善が必要です。

以下に、代表監査委員に行なったフジノの質問です。

予算決算常任委員会・全体会での質疑

フジノの質問

病院事業会計について数点伺います。よろしくお願い致します。

『病院事業決算書』の26ページをお願い致します。26ページは、バランスシートの『注記』にあたります。

『注記』5番の『その他の注記』において、『病院間資金融通の処理方法』について記載がなされています。

市民病院およびうわまち病院間の資金融通は病院事業会計内での融通である為、病院間融通消去として資産・負債から相殺・消去されています。

この病院間資金融通が消去されていると、本来の単一の病院の経営状況が見えないのでは無いか、というふうに受け止めました。

監査にあたっては、元データもチェックすることはできたのでしょうか。



代表監査委員の答弁

『資金融通』につきましては、原局の方から説明を受けておりますし、『例月出納検査』の方でもそのような説明を受けておりますので、内容としては把握しておりましたが、記載としてはこのような形で、従来からやっておりましたものですからこ、のような形を踏襲させていただいておるということでございます。



フジノの質問

実際には両病院間でどの程度の規模の資金融通がなされていたか、教えて頂けたらと思います。



代表監査委員の答弁

2億5000万円と承知しております。



フジノの質問

ありがとうございます。

続いて、『横須賀市地方公営企業決算審査意見書』の105ページをお願い致します。

同じく『病院事業会計』について、特に市民病院について伺います。

具体的な記述としては、市民病院に対して、本市が短期資金の貸付を12億円行なっている。この点について伺います。

所管の常任委員会に所属をしておりまして毎年予算書・決算書を観てきたのですが、お恥ずかしながら短期貸付12億もしていることに今回初めて審査意見で気付きました。

この『短期貸付』については、監査委員のみなさんも問題視をされていて『審査意見』にも記載をされています。

まず質問としては、年度内に返還をしてしまっているのでバランスシート上には一切表れてこない。

ただ、実質的には年度内に返還をしておいて、また翌年度に貸付をしている。これは『短期貸付』に見せかけた『長期貸付』、つまり『固定負債』なんではないか、というふうに受け止めるんですが。

2016年8月22日朝日新聞記事の図にフジノが横須賀市と市民病院の現状を書き入れたもの

2016年8月22日朝日新聞記事の図にフジノが横須賀市と市民病院の現状を書き入れたもの

あるいは『運営交付金』を市は出してないようにみせかけて実際には12億円も出している。つまり虚偽ではないかというふうに受け止めるんですが、監査委員はどのようにお考えでしょうか。



代表監査委員の答弁

この12億円につきましてですね、『運営交付金』として出しているというふうには理解はしておりません。

『運営交付金』は『運営交付金』の協定によって計算して交付したりしなかったりしているでしょうけれども、

確かについ先程、新聞で『短コロ』であるとかそういう表現でもって、言ってみれば『長期貸付金』が『短期貸付金』の形を取っている、とそういう記事がございました。

そういう意味では確かに年度内で貸して年度内で返してもらうという意味で、表面には出てこないけれど毎年、長い期間を見ればずっと12億円貸しているではないか、実質的な意味ではおっしゃるとおりでございますが、

これも地方公共団体の従来からの慣行としてずっと行なわれてきていると。

それについて特段、違法ということにはなっておりませんので、実質面から観るとおっしゃるとおり『長期貸付金』のような形になりますけれども、これをどうするのか、国・県・市町村の関係者が協議して、これからどういう処理が良いのかということが検討されるものだと思っております。



フジノの質問

率直なご意見をありがとうございます。

もし分かれば教えて頂きたいのですが、これは年度内に返還がなされているということなんですけれども、3月末日の1日前とかに返還をされて、BS(貸借対照表)に載らないようにしているのでしょうか。



代表監査委員の答弁

詳しい日時は私も承知しておりませんけれども、年度末ということでだいたい3月31日よりも前、1週間程度位ではないかと思っております。



フジノの質問

今のお答えを伺い、先程のご答弁を伺うと、昨今問題になっている実際のところは『固定負債』である『長期貸付』であるものを短期で借りていると見せかけて年度末近くに返済をしてまた年度当初に借り入れる。

実際には『運営交付金』が出ているのと変わりないんではないかというふうに感じられました。

「これはあってはならない」と部局に今後の審査では聴いていこうと思います。

代表監査委員にもう1点伺います。

『審査意見』において、このことの危険性について触れられていただいており、「安全性の確保について定めが無い」と。「協会との指定管理に係る協定に何らかの規定を付すべきではないか」というふうにおっしゃっていただいております。

これは、本市にとって安全性を確保する為にどのような規定が、例えば不動産や何らかの担保をつけよというような文言が望ましいのか。どのような協定に文言を付すべきというふうにお考えでしょうか。

この点を伺って質問を終わります。



代表監査委員の答弁

12億円という多額の金額でありますからその担保を求めたいという気持ちがありましてですね、このような表現をさせていただきました。

それは建物であるとか土地であるとかそういう物の担保を求めるのか、それとも預金に質権を設定するのかいろいろ方法はあると思いますが、私どもの方からこういう方法でと具体的に申し上げませんけれども、何らかの担保を取るべきだろうとこういう趣旨で表現をさせていただいたところであります。



フジノの質問

ありがとうございました。

質疑応答は以上です。

本当に残念なことなのですが、この問題は会計の知識が無いとなかなか分かりづらいのです。

もしかしたら市民のみなさまにとって、この問題の重要性が伝わらないかもしれません。

けれども、市民のみなさまからお預かりしている大切な税金が、12億円も失われる可能性がある重大な問題なのです。



横須賀市が取っている方法は「単コロ」による「赤字隠し」の可能性があります

フジノは会社員時代に財務部にいました。

決算書も作ってきましたし、監査法人による監査にも立ち会ってきました。

さらに、今回の質問にあたって、複数の公認会計士の方々(ひとりは企業の監査に精通している方、もうひとりは地方公営企業法の監査に精通している方)にアドバイスを求めましたが、やはり「不自然だと言わざるをえない」とのことでした。

フジノは、横須賀市によるこの会計処理は絶対にあってはならない、と考えています。



全国で「単コロ」は問題になっています

代表監査委員が答弁で教えてくれたように、ここ最近の新聞で大きく『単コロ』が問題として報じられていたようです。

さっそく帰って調べてみると、朝日新聞の調査記事が掲載されていました。

一夜貸し・単コロ…85自治体、会計操作2336億円

全国各地の自治体で、経営難に陥った出資法人などへの貸付金が回収できていないのに、翌年度の予算で穴埋めして返済されているように見せる会計操作が横行している。

朝日新聞が今年度予算を調べ、85自治体で総額約2336億円の処理が判明した。

操作を繰り返すことで貸付金を回収できないことによる財源不足が隠され、「つけ」が将来に回される形となる。

総務省は解消を求めている。

会計操作は「オーバーナイト」(一夜貸し)と「単コロ」(単年度転がし)と呼ばれる2通り。

総務省の調査に実施していると答えた自治体を朝日新聞が情報公開請求や取材で調べ、個別に額や事情を精査した。

出資法人は自治体が資金を出して運営されている地方公社や第三セクターで、公有地の取得やレジャー開発、中小企業への制度融資などを行っている。

オーバーナイトは出資法人などが金融機関から年度末に資金を借り、全額を自治体にいったん返済。翌年度に自治体が再び法人に資金を貸し、それをもとに銀行に返済する。3月31日から4月1日につなぎ資金として借りることが多く、利子もかかる。

北海道や神戸市など84自治体が計約1646億円を実施していた。

単コロは決算作業のために年度をまたいで資金の調整ができる「出納整理期間」(4〜5月)を利用。翌年度の財源を充てて、年度末に返済があったように処理する。岡山県が約411億円、北海道は約279億円を行っていた。

@niftyニュース(元記事は東洋経済オンライン)より

@niftyニュース(元記事は東洋経済オンライン)より

岡山県ではすでに2015年に取りやめています。

2015年12月16日・山陽新聞より

2015年12月16日・山陽新聞より


こうした不正会計捜査が全国で行なわれていることも許されません。

フジノとしてはまずこれからスタートする部局別審査で厳しく追及していきます。



市長に「総括質疑」を行ないます/国民健康保険料の値上げ問題

予算決算常任委員会・全体会が開かれます

予算議会も第3週が過ぎて、当初予算案の審議が終わりに近づきつつあります。

予算議会のイメージ

予算議会のイメージ


残すスケジュールは、ラスト2つです。

  1. 3月25日(月)の「予算決算常任委員会・全体会」
  2. 3月27日(水)の「本会議」



予算決算常任委員会の『分科会』と『全体会』のカンケーが分かりにくいので、下のようにイラストにしてみました。

予算決算常任委員会は、分科会と全体会に分かれています

予算決算常任委員会は、分科会と全体会に分かれています


来週25日(月)の『全体会』では、部局をまたがる・全ての部局に関わる『総括質疑』というものを行ないます。

その『総括質疑』をフジノも行ないます。

質疑の相手は、吉田市長です。



総括質疑のなかみ

『総括質疑』を行なうには、あらかじめ発言通告書を提出しなければなりません。

フジノが提出した発言通告書は、下の通りです。

議案第18号・平成25年度横須賀市特別会計国民健康保険費予算、議案第57号・横須賀市国民健康保険条例中改正について


国民健康保険料の値上げが提案されたが、現状の無策な方向のままでは2013年度だけの値上げでとどまるどころか、2014年度もそれ以降も毎年値上げせざるを得ない。

これでは市民の皆様の理解は到底得られない。値上げと同時に、本市は新たな抜本的な対策に取り組むことを明言すべきである。

この観点から、市長に数点問う。


(1) 国保の財政健全化計画について

ア. 本定例会で市長答弁において繰り返し触れられた、国保の『財政健全化計画』とは具体的に何がどのように記述されるものなのか。

イ. 既に具体的な課題や対策や目標値は『特定健康診査実施計画』及び『健康増進計画』に記述されている。これらの計画と、新たに策定するという国保の『財政健全化計画』は、どのような関係なのか。


(2) 福祉部健康保険課に保健師と管理栄養士を大幅配備すべき必要性について

健康保険課にはみずからの保健師も管理栄養士がいない。これでは、特定健診の受診勧奨も全く十分にできない。電話や訪問での受診勧奨は保健師らの配置がなければ不可能であり、現在の健康保険課は手足を縛られた状態と言える。

そこで、教育福祉分科会での部局別審査では、福祉部健康保険課に保健師を配備するよう提案した。これを実現するには、さらに総務部や財政部などとの調整、つまり、市長による判断が必要である。

市長は健康保険課に保健師と管理栄養士を配置すべきではないか。


(3) 市役所の全ての部局が保健の観点で連携する必要性について

部局別審査を通して、私は関係する各部に対して提案を行なった。健康部には保健所が全面的に健康保険課をサポートするよう提案し、教育委員会とこども育成部に対しては、幼稚園・保育園・学校での保護者への受診勧奨・健康教育を提案した。

同様に、他の分科会が所管する全ての部局、つまり市役所は全ての部局が保健の観点を持たねばならない。

特定健康診査など健診への受診勧奨を各部局がそれぞれの強みを生かして徹底的に行うべきではないか。


(4) 市民の生涯を通じた健康づくりを総合的に支援する体制を作るべく組織改正の必要性について

生涯を通した一貫した健康づくり支援体制をつくるために、先行事例を見習い本市も早急に組織改正を行わなければならない。新潟県上越市の生活習慣病予防対策室による保健師、栄養士らの徹底した受診勧奨と訪問指導を見習うべきだ。

市民の生涯を通じた一貫した健康づくりを総合的に支援する体制を本市も新たに立ち上げるべきではないか。


(5) レセプトの電子化による市民の健康管理に本市も取り組むべき必要性について

現在のレセプトチェック体制を早急に拡充する必要がある。広島県呉市方式によるレセプトの電子化による市民の健康管理に本市も取り組むべきではないか。

特に、健診データとレセプトの突合を行なってしっかり分析して、医療費が高額化しがちな疾病の傾向を把握し、その対策をエビデンスに基づいて打ち出すべきではないか。




値上げするなら「やらねばならないこと」がある

これまでフジノは「もはや国民健康保険料の値上げは避けられない」と訴えてきました。

社会保障制度を守る為には(もっと所得の高い方に負担を多くするように制度を変えるべきですが)、値上げそのものはせざるをえません。

しかし、値上げをするならば、同時に「やらなければならないこと」があります。

これまでフジノはその「具体的な提案」を委員会質疑を通して、繰り返し行なってきました。

フジノの提案は、おおむね部局も理解してはくれています。

けれども、やはり最後は市長が決断しなければ、部局は動けないのです。

そこで、吉田市長に対して『総括質疑』を行なうことにしました。

値上げをするならば、同時に「やらなければならないこと」があります。

吉田市長はこれまで「国民健康保険の財政健全化計画を作る」「ジェネリック医薬品の利用を推奨する」といった答弁をしてきました。

それだけでは不十分です。

こんなにも厳しい経済社会状況の中では、市民の多くの方々が、毎日の暮らしを送ることだけで精一杯です。

そんな状況の中では、保健師・管理栄養士の方々が「地域」へと打って出る必要があります。

地域保健の為に、今こそ「保健師魂」「栄養士魂」を発揮して、地域・家庭・個人と深く向きあう必要があります。

その為には、市長が組織改正を行ない、広く深く地域へと入り込める体制を構築しなければならないのです。

それがフジノの提案です。