流産・死産へのグリーフケア・ビリーブメントケアの必要性を訴えました/教育福祉常任委員会(2017年決算議会)

絶対に避けてはならない「流産」「死産」への取り組み

これまでフジノは不妊症支援と不育症支援に取り組んできました。

県内でも先駆けて、2012年度から横須賀市が『不育症治療費への助成』をがスタートしたのも、フジノの問題提起がきっかけでした。

保険適用されない高額の治療費の存在は受診への大きな壁になっていましたから、市から助成が出るようになったのは大きな前進です。

けれども・・・

長年にわたって不育症の支援に関われば関わるほど、いつもフジノは別の問題に直面しなければなりませんでした。

それは、

『流産』と『死産』

です。

妊娠の初期であれ、生まれた直後の死であれ、流産と死産の悲しみに立ち会うことほど悲しくてつらくてやりきれないことはありません。

フジノは政治家ですから『第三者』としてその場に立ち会っている訳ですが、それでも胸がはりさけそうな、泣き叫びたい気持ちになります。

当事者である妊婦さん、パートナーの方の悲しみは計り知れません。

さらに、おじいさんやおばあさんになるはずだった方々やご家族も、心理的なダメージの大きさを見過ごしてはならないと感じます。

たくさんの天使たちと出会うたびに、フジノは強く感じるようになりました。

天使ママ・天使パパへのサポートが全く存在していない現状がある。

横須賀にも民間団体『天使ママの会よこすか』が存在していて、当事者の方々が活動して下さっています。

けれどもわずか年4回の集まりがあるに過ぎません。

(当事者のみなさんが活動を毎日することは現実的に不可能です)

『悲嘆』という専門用語があります。

とても大切な存在を失った悲しみをきちんと悲しむということ(『喪の作業』とも呼びます)は、実はとても難しいことです。

とても大切な存在を失った悲しみをきちんと悲しむことができる、その為のサポートをすることを『グリーフケア』または『ビリーブメントケア』と呼びます。

たくさんの天使たちに出会い続けてきた結果、フジノは『流産』『死産』に対する『グリーフケア』『ビリーブメントケア』を行政が行なうべきだと考えるに至りました。

民間団体や当事者のみなさんに任せきりではいけない。

他都市では、一部の産婦人科の診療所やNICUを持つ医療機関において積極的に取り組んでいるところもあります。

けれども、わがまちでは『流産』『死産』に対する取り組みがすっぽりと抜け落ちています。

だからこそ、フジノは政治・行政が取り組むべきだとの結論に至りました。

今後このテーマについて、ずっと取り組んでいく決心がつきました。

そして、この決算議会から質疑や提案をスタートさせることにしました。



まず、本会議で市長に対して訴えました

先月9月11日の本会議において、市長への一般質問で下のように述べました。

本会議での質問(2017年9月11日)

フジノの質問

我がまちには『こんにちは赤ちゃん事業』というものがありまして、全国でも誇るべき取り組みなのですが、出産をした妊婦のところへほぼ100%、保健師が派遣されている。

けれども、実際に死産や流産をされた、まさに産後うつ・自殺の危機がある方々の所へ全員アプローチできているかと保健師にお尋ねすると、

「訪問したいができません」

とおっしゃるのです。

何故できないのですか、少子化で人数が減っていて、それでも何でできないのですかと言うと、

「お一人お一人のご家庭が、無事出産できたご家庭であっても、あまりにも問題が複雑多様化していて、死産をされた・流産をされた方の所に行きたくても行けません。

もし御相談いただいたら行きますが、保健師魂としては行きたいが、現実的にアプローチはできていません」

とお答えされる。
 
また、NICUで39週より前に生まれた極低出生体重児、昔の言葉で言うと超未熟児は、例えば28週などでも生まれている訳ですが、NICUに赤ちゃんが入院していても、『こんにちは赤ちゃん事業』としてお母さんのもとに訪れるべきなのです。

「行っていますか?」

とお聞きしたところ、やはりできていないのです。

熊本市民病院は同じ公立の市民病院ですが、NICUに入院中からお母さんのもとに地区担当保健師が訪れて『こんにちは赤ちゃん事業』を行なっている。
 
このように「本当は実施したいのだ」と思っている公務員の皆さんの思いが、人数がいないからできない。

客観的に見ると、少子化が進んでいて、子どもの人数も出産する赤ちゃんの数も減っている。

この保健師の人数だからできるだろう、と周りは見てしまうが、一つ一つの案件が複雑多様化しているので、本来は行ないたいことができずにいるのです。

ここでは、保健師や助産師の人材不足を訴える文脈で述べました。

特に市長に答弁を求めない形での意見に過ぎない形でした。



所属する委員会では3つの部に対して具体的な提案を始めました

そこで、改めてその後の教育福祉常任委員会では具体的な提案にしっかりと答弁を求める形で質問しました。

所管する4つの部局のうち3つ(『健康部』『福祉部』『こども育成部』)に対して、様々な提案を行ないました。

本日開催された教育福祉常任委員会では、こども育成部に対して質疑を行ないました。

教育福祉常任委員会(こども育成部の決算審査)が行なわれました

教育福祉常任委員会(こども育成部の決算審査)が行なわれました


その質疑を報告します。

教育福祉常任委員会での質疑(2017年10月4日)

フジノの質問

流産・死産への対応について伺います。
 
いろいろな状況で死産または流産してしまう方というのは一定程度必ずいらっしゃる。

それに対して本市ではアプローチができているのか。

例えば、少し過去の数字になってしまうのですが、2014年の国の人口動態統計では、12週以降の死産を発生時間で表現すると、22分21秒に1胎は亡くなっている。

こう考えると、本当に多くの方が死産を体験している訳です。

そうすると『グリーフケア』というのはとても大切になるのですが、僕が見ている限りでは、市内の産科診療所、産科を持つ病院は『グリーフケア』に十分な形では乗り出せていない、と思うのです。

そうすると、民間の診療所や病院ができていないところには保健所あるいは健康福祉センターがアプローチすべきだと思っているのですが、現在、本市はアプローチができているのでしょうか。

こども健康課長の答弁

 
『衛生年報』で見ますと、死産をなされた方は、平成27年で33件いらっしゃいました。

ケアを十分にしているかというと「十分です」とは言い切れないところもあります。

と申しますのは、平成28年、平成29年度現在の段階では、母子手帳を交付した後に死産をしたのだが、母子手帳を返そうかというような御相談があったときに、保健師のほうで体調のことですとかお気持ちのことをよくお伺いして、必要があればメンタルヘルス相談等におつなげすることもできるのですが、

特にそのような御連絡をいただかない場合は、こちらから御連絡しがたいという状況があります。
 
ただ、この6月から『産婦健診』が始まっています。

『産婦健診』は死産の方もお受けになることになりますので、その結果を丁寧に見て、どのようなサポートしていくか検討していきたいと思います。

フジノの質問

死産の場合、そもそも妊娠した事実を誰にも話せていないまま、亡くなったことも葬儀や埋葬したことも誰にも知られないまま、お母さんとお父さん、またはお母さんだけで悲しみを抱え込んでいる状況があると受けとめています。

そうすると、自分から保健所に相談するというのもなかなか難しいのではないかと感じています。

そこに保健所や中央健康福祉センターからアプローチしていただきたいというのが率直な想いです。

これは「デリケートだ」とおっしゃるのですが、デリケートだからこそ、専門家である保健師の方・助産師の方がアプローチしてほしいという思いです。

ぜひ研究していただきたいと思います。
 
今回は健康部・福祉部にも、流産・死産に対してアプローチを新たにしてほしいということで依頼しております。

例えば健康部には、火葬場が所管ですから、火葬場には必ず死産の方、それからまだ若い児童が亡くなって、だびに付すために連れてこられる。

そこに相談窓口のチラシを健康づくり課と相談してつくって配架してほしいというお願いをしました。

研究していただけるということでした。
 
先ほど福祉部とも質疑をしたのですが、『出産育児一時金』の給付が死産の場合でも行なわれるが、死産の場合、『出産育児一時金』という名称が果たしてふさわしいのか。

これも改善をお願いしたところ、「研究したい」ということで前向きに検討していただけることになった。

また、その相談チラシができた場合には『出産育児一時金』の給付の為の申請の封筒に封入していただけるということも検討していただけた。

今回こども育成部にぜひ提案したいのは、死産になった場合は、児童手当の申請取り下げの書類を必ず申請しなければいけない訳です。

その際に、その書類が届いたら、『グリーフケア』に取り組むための何らかの取り組みをお考えいただきたい。

電話を1本かける、あるいはお手紙を1回出す。

それは先ほどこども育成部だけではなくて、健康部・福祉部で相談して作ってほしいといったチラシを送ることかもしれない。

いずれにせよ、何らかの取り組みで、今は相談を受けたら行くという形になっているのを、こちらからアプローチ、相談窓口があるということを周知してほしいと考えるのですが、こども育成部としてはいかがお考えでしょうか。

こども健康課長の答弁

 
こういったケアは、藤野委員がおっしゃったように、なかなか声が出せないところに大変な不安やつらさがあると思います。

1つの担当課だけで対応しても到底できることではありませんので、関係部局とよく相談して研究していきたいと思います。

フジノの質問

声を出せないところに悲しさが募っていくというのは、自殺対策をしていた時に全く同じことを感じました。

それで保健所では、自殺の犠牲になった方の御遺族だけが話し合える『分かち合いの会』を作っていただいたのです。

流産・死産の問題というのも、皆さん誰にも話せないで悩み苦しんでおられるのではないかというのが問題意識としてあります。

ぜひ他部局と連携しながら、こちらからアプローチしていくという姿勢を作っていただけたらと思います。

3部とも積極的な答弁が得られました。

今後の動きを注視して、新たな動きがスタートしたらみなさまにご報告していきたいと思います。

さらなる取り組みの提案も続けていきます。

新たな命の誕生は、奇跡そのものです。

そして、奇跡が起こらない場合も本当にたくさんあるのです。

妊娠することも奇跡ですし、出産が無事になされるのも、すさまじい数の奇跡の連なりによって初めて実現しているのです。

世間や社会はこの奇跡の連なりを知らないままに、妊娠・出産を当たり前のことだと受け止めていることがほとんどです。

けれども、フジノはその奇跡の向こう側で流されているたくさんの涙を知っています。

涙を流すことさえできない悲しみもたくさん見てきました。

たぶん、このまちの政治家の中では誰よりも多くその悲しみに向き合ってきたのがフジノなのだと感じています。

だから、このテーマに取り組みのはフジノの責任であり使命なのだと自覚しています。

今後もずっと取り組みを続けていきます。

天使ママ・天使パパをはじめ、ご意見をいただける方がおられたら、どうぞいつでもフジノにお寄せ下さい。



今年8月までの横須賀の自殺による犠牲者数は50名でした/これ以上の犠牲を止める即応性のある対策が必要だ!

全国の自殺による犠牲者数は、前年同月比マイナス1,849人でした

9月18日、内閣府自殺対策推進室が2014年8月の自殺による犠牲者数のデータを発表しました。

月別の地域における自殺の基礎資料(平成26年8月)

月別の地域における自殺の基礎資料(平成26年8月)


現状と過去の比較を行ない、内閣府は以下のように概要を記しました。

  • 2014年8月の自殺者数2,172人は、対前年同月比25人減少▲約1.1%
  • 2014年1〜8月の累計自殺者数1万6,979人は、対前年比1,849人減少(▲約9.8%

一見すると「減って良かった」という感想になりがちです。

しかし、「全国的にすさまじい勢いで人口減少が進んでいる中で、自殺による犠牲者数は、放っておいても減っていく」という研究者の指摘があります。

自殺予防対策の成果によって犠牲者が減ったのか、きちんと細かく分析していく必要があります。



このデータは「暫定値」で、いわゆる「速報値」です

何度か記してきたことですが、内閣府が毎月発表する警察庁データに基づいた『月別の地域における自殺の基礎資料』は、『暫定値』です。

つまり、『速報値』にあたります。

翌年になって数ヶ月間かけて最終的な補正をかけた後に、正式なデータが出されます。



全国の関係者のみなさま、「速報値」をもっと対策に活かして下さいませんか

こうして『速報値』が警察庁から提供されるようになったのは、全国の仲間達とともに2006年に自殺対策基本法を成立させることができたからです。

(調査研究の推進等)

第11条 国及び地方公共団体は、自殺の防止等に関し、調査研究を推進し、並びに情報の収集、整理、分析及び提供を行うものとする。

2 国は、前項の施策の効果的かつ効率的な実施に資するための体制の整備を行うものとする。

この条文を根拠に、それまでは全くといって良いほど公開されなかったデータが、警察庁から少しずつ提供されるようになりました。

そのデータを、地域で活用してもらう為に内閣府が再集計した上で発表しているのが、この『月別の地域における自殺の基礎資料』です。

I.本資料の概要及び目的

地域における自殺の実態に基づいた対策が講じられるよう、内閣府自殺対策推進室において、警察庁から提供を受けた自殺データ(平成26年8月分)に基づいて、平成26年8月の全国・都道府県別・市区町村別自殺者数について再集計した。

フジノたち地方自治体で自殺対策に関わる者は、みなこのデータをもとに、様々な分析を行ない、対応を取っていく必要があると考えています。

現状で、フジノは2つの問題を感じています。

  1. 地方自治体の自殺対策関係者のみなさまが、速報値を活用した「即応性ある対策」をとっている事例をフジノは聴いたことがありません。

    『自殺対策基本法』の成果としてやっと手に入れたデータなのに、自殺対策関係者のみなさまは、こうしたデータを日頃どれだけ分析して対策へ反映するなどの活用をしておられますか?

    せっかく苦労の末に入手できるようになったデータです。

    どうかお願いですからもっともっと活用して下さい。

  2. 現状では、残念ながら警察庁が提供しているデータの中身が大雑把すぎて、対策に役立てるには大きな『限界』があります。

    分析をしようにも、現在与えられているデータでは、あまりにも個人情報保護に重きがかけられています。心理学的剖検などしようにもデータが足りません。

    今後もさらなるデータの開示をどうか全国のみなさまも一緒に求め続けて下さいませんか。もっともっと地方からデータに基づいた自殺対策の必要性を訴える声が大きくなるように、フジノは働きかけていきます。

欠点もあるデータですが、地域ごとに自殺の傾向を把握して対策に反映していくことはできるはずです。

どうか自殺対策関係者のみなさまは、こうした取り組みにもう1度、力を入れて下さいませんか。お願いします。



横須賀の現状は、今年8ヶ月間の犠牲者数は50名でした

横須賀の現状を報告します。

過去5年間のデータをもとに、下のとおりグラフを作成しました。

1〜8月までの自殺による犠牲者数(過去5年間)

1〜8月までの自殺による犠牲者数(過去5年間)

フジノなりの、今月の犠牲者の傾向は以下のとおりです。

  • 2014年8月の自殺による犠牲者数は「10名」だった。
  • 2014年を通して、1ヶ月ごとの犠牲者数は「8月」が最も多かった
  • 過去5年間の8月の犠牲者数を比べても「2014年8月」が最も犠牲者数が多かった

総合的に見て、この8月は犠牲者が多かったと言えます。

「もっと強い対策を打つ必要があるのだと、このデータは示している」とフジノは受け止めました。

9月には世界自殺予防デーや自殺予防週間がありました。

こうしたキャンペーンに加えて、様々な研修会も今後続いて開催されていきます。

しかし、これらはみな支援者側の養成研修であったり、講演会など関心のある方々に会場まで足を運んで頂く形式のものばかりです。

もっと、困難を抱えている方々のもとへ支援者側が訪れる、アウトリーチする、そんな取り組みが必要ではないでしょうか。

この9月議会での市長への一般質問でも、フジノは市長に「自殺対策は市の責任で必ず継続させる」旨の答弁を受けました。

けれども、もっと即応性ある対策を引き続き打ち出していくべきです。

9月議会の後半戦の決算審査を通して、問題提起をなんとかできないかと考えています。



浜家連のフォーラム「こころの病の方に訪問支援します!」へ

浜家連の市民精神保健福祉フォーラムへ

今日は、横浜市の戸塚公会堂へ向かいました。

戸塚公会堂にて

戸塚公会堂にて


『NPO法人横浜市精神障害者家族会(通称・浜家連)』が開催した『市民精神保健福祉フォーラム「こころの病の方に訪問支援します!」』に参加しました。

浜家連のチラシより

浜家連のチラシより


入院ではなく、地域での生活支援を進めていく

精神科病院を廃止したイタリアのことを記しましたが、『精神科病院を無くすこと』とイコールなのが『地域での暮らしを支援すること』です。

日本では『精神科病院を減らすこと』は進んでいませんが、『地域での暮らしを支援すること』は少しずつ進み始めています。

グループホーム・自宅などの地域での暮らしの場に、保健・医療・福祉サービスや就労支援などが受けられる体制を広げていくことがとても重要です。

今日のフォーラムでは、横須賀北部〜横浜南部における地域での訪問支援の実践活動について伺いました。

講師は、藤原修一郎さん(金沢文庫エールクリニック院長)と野々上武司さん(訪問看護ステーションleaf)です。

金沢文庫エールクリニックは、京浜急行金沢文庫駅から徒歩数分のメンタルクリニックです。地域への『精神科訪問診療』『精神科訪問看護』を行なっています。

さらに、2012年2月から新たに『訪問看護ステーションleaf』をスタートさせました。横浜市金沢区を中心に、栄区、磯子区、港南区、逗子市、横須賀市などに『精神科訪問看護』を行なっています。

訪問支援の流れ

訪問支援の流れ

チームアプローチ

チームアプローチ

質疑応答

質疑応答

戸塚駅へ向かう道のり

戸塚駅へ向かう道のり

横須賀の精神科訪問看護

横須賀市HP(2011年に掲載)によると、訪問看護を行なっているステーションは以下の通りです。


名前 電話番号
よこすか訪問看護ステーション 824-3065
湘南訪問看護ステーション 865-9784
衣病訪問看護ステーション 852-1471
衣病訪問看護ステーション長瀬 843-3172
聖ヨゼフ訪問看護ステーション 822-2187
せいれい訪問看護ステーション横須賀 857-8840
福井記念病院 外来訪問看護室 888-2145
かしこ 839-2424

神奈川県の『訪問看護ステーション連絡協議会』のHPの情報では、さらに数カ所が増えています(訪問看護ステーション一覧はこちらをご覧下さい)。

参考:訪問支援について

訪問支援については、こちらのサイトや下の動画などをご覧下さい。


かながわ精神科訪問看護&アウトリーチ研究会へ

新たな研究会スタート

今夜は、新横浜駅から徒歩10分の横浜市総合保健医療センターに向かいました。

新しく立ち上がる『かながわ精神科訪問看護&アウトリーチ研究会』に参加する為です。

夜の新横浜はとても寒く、道路の所々にまだ雪が残っていました。

横浜市総合保健医療センター

『かながわ精神科訪問看護&アウトリーチ研究会』の代表・顧問は次のお2人です。

  • 代表:松井洋子さん(さいとうクリニック・精神科認定看護師)
  • 顧問:相澤和美さん(東京・地域精神ケアねっと)

実は、フジノはたまたま御二方ともご縁がありました。

相澤さんとフジノは『リカバリー全国フォーラム』の企画・実行委員会メンバー仲間で、2009年からご一緒させて頂いています。

相澤さんは精神科訪問看護のリーダー的存在で、とても分かりやすい入門書も書いて下さってます。ぜひご覧下さいね。

これで大丈夫!精神科訪問看護はじめてBOOK

『これで大丈夫!精神科訪問看護はじめてBOOK』(相澤和美編、精神看護出版、2010年)

松井さんは、『リカバリー全国フォーラム2012』分科会2『みんなで丸くなって話そう、リカバリー~医療の場でリカバリーを育てるには~』に、相澤さんとともに出演して下さいました。

さて、研究会の呼びかけ文です。

このたび、神奈川県周辺の精神保健医療福祉に関わる多職種および当事者が連携し、暮らしやすい街づくりのネットワーク、システムの実現をめざし、共に知り合い、学び合う機会を作りたいと考えました。情報交換や実践能力向上の機会とする為に、「かながわ精神科訪問看護&アウトリーチ研究会」を発足することになりました。人と人とをつなぐネットワークづくりは、お互いを思いやり、可能性を信じ、成長しあえることが大切で、なによりもその人の人柄や、深い人間性によるものが大きいと確信しています。

本研究会の活動理念は「誰もが無理せず、できることから・・・」仲間と共に支え合って、活動をすすめてゆきたいと考えています。精神保健医療福祉に関わる方、精神科訪問看護、アウトリーチに関心のある方など、どなたでも参加できます。

どうぞお気軽にご参加下さい。皆さまのご参加をお待ちしております。

この呼びかけに応えて、約30名が集いました。

あらゆる職種が参加

参加した方々の職種は様々で、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、ケースワーカー、臨床心理士など。

ただ、政治家で参加したのは(いつもながら)フジノだけでした。

専門職のみなさんに囲まれて(いつもながら)アウェー感、たっぷりでした。

いろいろな機会に「多職種の連携が必要だ」と叫ばれるのに、そこには政治家がいつも存在していません。

これでは絶対にダメです。

政治家こそもっと現場の声をじかに聴きに行って、どんどん意見を交わさないといけないはずです。

次に、参加者の方々の勤務先はというと...。

  • 神奈川県立精神医療センター芹香病院
  • 北里大学医療衛生学部作業療法学専攻
  • 横浜市立みなと赤十字病院
  • 横浜市総合保健医療センター訪問看護ステーションみんなのつばさ
  • 東横恵愛病院
  • 在宅療養支援ステーションかえでの風
  • 訪問看護ステーションACT-J
  • 北里大学東病院
  • 訪問看護ステーションKAZOC
  • 横浜市立みなと赤十字病院
  • 横浜市南区福祉保健センター
  • 横浜市神奈川区生活支援センター
  • うしおだ診療所
  • 横浜市港北区生活支援センター
  • 横浜舞同病院
  • 久里浜医療センター
  • 横浜市こころの健康相談センター
  • 曽我病院
  • すペーすあい

その他にもいらっしゃるのですが、フジノがメモを取りきれませんでした。

横須賀からは、フジノの他にお一人いらしてました。良かった!

実は、カフェトーク参加経験者が4人も居ました。つまり7人に1人の割合です!会場でお互いに初めて参加を知って、嬉しかったです。

ぜひ次回は、横須賀・三浦、県西部、県の全域からもっと参加して頂きたいです。ご関心のある方はぜひいらして下さいね。

かながわ精神科訪問看護&アウトリーチ研究会

今夜は第1回ということもあって、参加者全員の自己紹介(これまでの取り組み、今後取り組んでいきたいこと)を行なっただけで予定の時間を過ぎてしまいました。

次回のテーマ(横浜市独自の取り組みである『障がい者自立生活アシスタント』についてのミニレクチャーと、ディスカッション)を決めて、解散となりました。

今後の活動が楽しみです。

精神科訪問看護とは

せっかくの機会なので、『精神科訪問看護』についてご紹介しますね。

『訪問看護』という言葉の響きから「看護師さんが自宅/地域を訪れて医療的に診てくれる」というイメージが浮かぶと思います。

実は、訪問できるのは看護師だけではありません

  • 看護師
  • 保健師
  • 准看護師
  • 精神保健福祉士(PSW)
  • 作業療法士

多職種による『チーム』のイメージが近いかもしれません。

また、症状やクスリのことなどのいわゆる医療面の専門的な相談・支援を行なうだけではありません。その他にもいろいろな支援を行なってくれます。

訪問看護師の方々に実際に『提供しているケア』を調査した結果が下の図です。

平成21年度厚生労働科学研究費補助金障害福祉

平成21年度厚生労働科学研究費補助金障害保健福祉総合研究事業(伊藤班)より


このグラフから多い順に挙げていくと

  • 力づける援助
  • からだのケア
  • 人づきあいに関するケア
  • こころのケア
  • 日常生活に関するケア
  • 社会資源の利用に関するケア

「からだのケア」は2位ですが、それ以外のサポートの方が圧倒的に多いんです。

1位「力づける援助」、3位「人づきあいに関するケア」、5位「日常生活に関するケア」、6位「社会資源の利用に関するケア」といったことは、つまるところ、自宅や家庭や地域において、安心して日常生活を送ることができるようなサポートをしていくということですね。

さらに「家族への支援」も行なってくれるのも大きな特徴です。

こうしてみると、『精神科訪問看護』という言葉が与えるイメージと、実際の支援の内容はだいぶ違いますよね。

『精神科訪問看護』は、もっと身近なサポートをしてくれるものです。

もっと正確な姿が広くきちんと伝わったら、利用してくれる人も増えるのではないかなぁとフジノは感じています。

増加するステーション

もともと訪問看護は高齢の方々を対象にスタートしました。介護保険制度の導入と共に増えていって、今では『訪問看護ステーション』が全国に5,922ヶ所あります。

このうち『精神科訪問介護』を実施しているのは、59.6%です(2011年11月現在)。

以前に比べたら、自宅・地域で訪問看護を受けられる機会はかなり増えてきたと言えます。

医療そのものが病院中心から地域中心へ移行しつつある中で、精神科医療も地域中心に少しずつ移りつつあります。

横須賀市の状況

横須賀・三浦には『訪問看護ステーション』が合計19ヶ所あります。

このうち、『精神科訪問看護』をしているのは下の8ヶ所です。

  • よこすか訪問看護ステーション(三春町)
  • 湘南訪問看護ステーション(追浜町)
  • 衣病訪問看護ステーション(小矢部)
  • 衣病訪問看護ステーション長瀬(長瀬)
  • 聖ヨゼフ訪問看護ステーション(緑が丘)
  • せいれい訪問看護ステーション横須賀(長坂)
  • 福井記念病院 外来訪問看護室(三浦市初声町)
  • かしこ(長沢)

ステーションの数が増えて、利用して下さる方がもっと増えていくと良いなあとフジノは考えています。

今後の行方

フジノがここ数年追いかけ続けている『医療計画』においても、『訪問看護』は大切なポジションを占めています。

2013年4月からスタートする『医療計画』から、新たに『精神疾患』が計画に組み込まれます。

医療体制の構築の為には『現状を把握する為の指標』を調査しなければならないのですが、『精神疾患』の指標として『精神科訪問看護』も入りました。

指標 治療・回復・社会復帰
ストラクチャー 精神科訪問看護を提供する病院・診療所数 必須
プロセス 精神科訪問看護の利用者数 任意

(2012年10月9日厚生労働省通知『精神疾患の医療体制の構築に係る指針の改正について』より)

「提供する側」と「利用する側」の数が指標として入れ込まれて、5年ごとに現状がチェックされていくことになります。

新しい精神保健医療福祉へ

下の図をご覧下さい。

研究結果からも、『精神科訪問看護』を利用した方が入院日数が減ることが明らかになっています。

22shorter

誰もが地域でふつうに暮らしていかれる為に、『訪問看護』の存在はとても重要です。

こうした取り組みをさらに広げる為に、フジノも政治家として努力していきます。

どうか現場のみなさまも、一緒に広げていきましょうね。

そして市民のみなさまも一緒に、こうした活動を応援して下さいね!