東京大学の協力で「在宅医療推進のための多職種連携研修会」を開催/全国で実施できるシステムづくりをめざして

全国で6番目の開催、より良い「多職種連携の研修」を目指す取り組み

今日は、朝から夕方まで逸見の生涯学習センターで開かれた研修会に参加しました。

『在宅医療推進の為の多職種連携研修会』という研修です。

横須賀市・横須賀市医師会の主催、東京大学高齢社会総合研究機構の協力によって、開催されました。

会場のウェルシティ

会場のウェルシティ


全国では6番目の開催となるこの研修は、まさに全国から注目されています。

今日も近隣のまちをはじめ、遠くの県からも傍聴者が訪れて下さいました。

この「研修会」を行なう目的その1、わがまちの人材育成

実は、この研修会には2つの目的があります。

  1. 自分のまちの為(研修を行なう)
  2. 全国のまちの為(研修を作り上げる)

1番目の目的は、研修を行なうことで『自分のまちの多職種連携の力を高めていくこと』です。

これは当たり前の目的ですね。

会場にて

会場にて


国は、2012年から多職種連携の人材育成を3段階で取り組んできました。

国の構想における位置づけ

国の構想における位置づけ


第1段階:都道府県のリーダー育成

  • 2012年年10月、国が実施
  • 対象者:県行政職、在宅医療連携拠点担当医師等

第2段階:市区町村のリーダー養成

  • 2013年3月、県が実施。
  • 対象者:市町村職員、郡市医師会医師、その他

第3段階:地域の多職種への研修

  • 第2段階で養成されたリーダーが、地域の多職種への研修を実践する

横須賀は今、第3段階にあります。

今日の研修会は、第3段階の取り組みの1つとして開催されました。

この「研修会」を行なう目的その2、全国で利用できる研修モデルづくり

そして、もう1つの目的があります。

それは、国家レベルの目的です。

日本の国家的な課題である超高齢社会に対応する為の『システムづくり』が必要です。

今まで、ある特定の進んだ地域だけで『在宅療養』『地域包括ケア』が進められてきました。

でも、それではダメなのです。

日本の全てのまちが今すぐ走り始めなければ、2025年・2050年には対応できません。

そこで、全てのまちで取り組みがスタートできるような『プログラムの作成』が求められています。

「これをやれば、自分のまちでも『地域包括ケア』の実現に向けた取り組みをスタートできる!」

という、プログラムを作るのです。

そこで、こうして実施した研修の結果をもとに『全国のまちで活用できる研修を作り上げていく』のです。

2025年問題に直面する全国のあらゆるまちで対応できる研修モデルが必要

日本全国が『超高齢・多死社会』となる『2025年問題』に直面しています。

しかし、いくつかの先進的なまちで優れた取り組みがあるだけで、圧倒的多数のほとんどのまちでは「何からスタートすれば良いか分からない」という状況にあります。

そこで、全国のどのまちでも「この研修会を実践すれば最低限の取り組みはスタートできる」というプログラム化・システム化・パッケージ化された研修会の開発が進められています。

『豊四季台団地』での、千葉県柏市・東京大学・厚生労働省による実践をもとにして、東京大学高齢社会総合研究機構が開発した研修プログラムが、『在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会』です。

在宅医療推進の為の多職種連携研修会ホームページより

在宅医療推進の為の多職種連携研修会ホームページより


さらに、これをもとに全国のあらゆるまちに応用できるように、人口規模や経済社会環境に応じたいくつかのバージョンを作る必要があります。

つまり、実際に全国各地で研修会を開催しながら、実践をもとにブラッシュアップしてより良いものにしていくのです。

試行錯誤を重ねて、柏市では現在5回の研修を実施しました。

柏市の取り組みを基に、それぞれに地域特性を持つ大阪市東淀川区・沖縄県浦添市・東京都大田区大森地区・千葉県松戸市の4ヶ所が各1回ずつ実施してきました。

そのような状況の中で、今回、横須賀市は先進的な取り組みを進めている『都市型のまち』の1つとして参加したのです。

いち市議会議員としてではなく、社会保障・社会福祉を守るべき政治家として、フジノはこの2番目の目的をとても重視しています。

「全国の同規模のまちや類似した経済社会環境にあるまちに活用してもらえる為の、モデルとなる『研修会』づくりに横須賀は貢献できる」

とフジノは考えています。

ですから、今日の研修会はわがまちの為であると同時に、全国のまちの為でもある、重要な取り組みなのです。

研修期間を1日に短縮し、495分に濃縮した横須賀方式

さっそく研修会の様子を報告します。

従来の研修期間は約2日(1.5日間)でしたが、横須賀市では1日に凝縮して行なうことにしました。

ただでさえ忙しい医療・看護・福祉の各分野の現場のみなさんを2日間にわたって拘束するのは難しいことや、同等の効果を生み出せる1日バージョンの研修にもトライすべきではないかといったことが理由です。

ということで、朝から夕方まで延べ495分の研修となりました。

時刻タイトル講師
9:30開会挨拶横須賀市長
9:35趣旨説明横須賀市
9:40アイスブレイク

アイスブレイクの様子

司会
9:45【講義1】
在宅医療が果たすべき役割

飯島先生の講義

飯島勝矢准教授(東京大学)
10:15【講義2】
在宅ケアにおいて何故 IPW(専門職の連携協働)が必要なのか?

春田先生の講義

春田明郎医師(横須賀中央診療所・院長)
10:35休憩
10:50【講義3】
認知症の基本的理解

阿瀬川先生の講義

阿瀬川孝治医師(汐入メンタルクリニック)
11:30【事例検討1】
行動心理兆候(BPSD)へのアプローチ

グループワークの光景

グループワークの光景

阿瀬川孝治医師(汐入メンタルクリニック)
12:30休憩
13:30【講義4】
がん疼痛緩和に必要な知識

講義の風景

大友宣医師
14:10【事例検討2】
事例検討:がんの症状緩和と多職種による在宅療養支援

グループワーク後の発表

大友宣医師
15:10【講義5】
在宅医が知っておくべき報酬や制度

講義の風景

土田医師
15:30休憩
15:45【DVD視聴】
訪問診療の実際と同行研修の意義

DVD視聴

DVD視聴
16:05【討論】
グループ討論:在宅医療を推進する上での課題とその解決策
目標設定:在宅医療の実践に向けて
千場純医師
17:35修了証書授与遠藤医師会会長
17:45閉会挨拶遠藤医師会会長
アンケート記入・集合写真撮影
18:15懇親会

(つづく)

介護の日/24時間対応の訪問看護介護とまちづくりの先進2事例

「介護の日」イベント

2008年から、今日11月11日は『介護の日』と定められました。

介護について理解と認識を深め、介護従事者、介護サービス利用者及び介護家族を支援するとともに、利用者、家族、介護従事者、それらを取り巻く地域社会における支え合いや交流を促進する観点から、高齢者や障害者等に対する介護に関し、国民への啓発を重点的に実施するための日(厚生労働省サイトより)

という訳で、今日は全国で様々なイベントが行われています。

横須賀市内では神奈川県立保健福祉大学を会場にして『第1回かながわ介護感動大賞』の表彰式や介護ロボットのお披露目などが行なわれました。

フジノは横浜・桜木町の『はまぎんホールヴィアマーレ』へ向かいました。

桜木町駅前

横浜市開催の『介護の日記念フォーラム〜となりの介護〜』に参加しました。関心のあるプログラムが2つあったからです。

  1. 超高齢社会のまちづくりの先進的な取り組みとして知られる2つの事例(柏市豊四季台と横浜市公田町団地)によるパネルディスカッション
  2. 横浜市で10月からスタートした、24時間対応型の『定期巡回・随時対応型訪問看護介護』の事業所によるブース

会場入口のフジノ

 

まず、パネルディスカッションです。

1.コミュニティで創る新しい高齢社会

超高齢社会のまちづくりの『お手本』としてよく知られている2つの取り組みからパネリストが出演して、意見交換が行なわれました。

どちらの活動も、すでに何度かフジノはお話をうかがったことがあります。

ただ、2つの取り組みが1つの場に集って意見交換をする機会はフジノにとって初めてでしたので、強く関心を持ちました。

豊四季台団地は、東京大学と厚生労働省が主導しているまちづくりです。言うならば、『外側から与えられた改革』です。一方、公田町団地は、住民たち自らが立ち上がったまちづくりで、『内側から自発的に起こった改革』です。

これまでフジノはどちらの取り組みにも物足りなさを感じてきました。この2つが一体化すればもっと良い取り組みになるはずなのに、と。

ただ、今日のパネルディスカッションを通して、お互いの団地を訪れてお互いから学びあっていることが分かりました。それぞれから学びあったことが取り入れられて数年後にはより良い形に発展していってほしいと願っています。

 

「人口が増え続ける」「人口構成は若者が多い」という高度経済成長期の前提で作られたハードとソフトが、今もそのままの形で日本には存在しています。建物も、道路も、制度も、人々の慣習なども。

けれども、この前提はすでに破綻しています。「人口は減り続ける」「人口構成は高齢者が多い」という社会に日本は変わりました。十数年のうちには、圧倒的に後期高齢者が増加します。

現実の在り方にマッチしていないハードとソフトでは、人々は暮らしやすいはずは無く、あらゆる問題がどんどん噴出してきます(介護難民、買い物難民、孤独死などはそうした問題のひとつです)。

だから、この数年のうちに、現実の在り方に新たにマッチするハードとソフトへと日本社会を変えていかなければならないのです。

横須賀も一刻も早く変わらなければいけません。特に、ハードもソフトも横須賀は大きく変わらなければいけません。

豊四季台団地や公田町団地の取り組みから学ぶべきことを学んで取り入れながらも、横須賀市はそれぞれの日常生活圏域に合わせた独自の姿を考えていかなければいけません。

もっと強い危機感と圧倒的なスピード感を持って、可能な限り早く変えていかなければならないのです。

今日のもう1つの目的は、オープンイベント『これからの24時間在宅ケア』です。ロビーにブースが設置されています。

2.これからの24時間在宅ケア

今年4月から新しく介護保険制度に加わった24時間対応型サービスの『定期巡回・随時対応型訪問介護看護』。

残念ながら横須賀市ではまだ実現していません。横浜市では、この10月からすでにスタートしています。

まず8月から先行して3区でスタートして、10月からは18区全てに1事業所ずつ設置されました。

それらの事業所が『よこはま地域ネット24』という団体を作っています。本格スタートからまだ1ヶ月しか経っていませんが、その実績などを伺いました。

緊急通報システム

今年4月、全国で第5期の『介護保険事業計画』がスタートしました。

横浜市の第5期計画では、この『24時間対応型サービス』を2014年度までに各区2ヶ所、合計36事業所の整備することを目標としています。

一方、横須賀市では2014年度までに1事業所の整備が目標値ですが、「もっと増やしていかなければならない」というのがフジノの考えです。

横浜市の第5期計画

横須賀市でもついに事業者の募集が10月31日で締め切られて2事業所の応募がありました。

11月現在は、事業者から提出された申請書類についてのチェックが行なわれています。例えば、建築基準法に適合しているかを関係部署がチェックする、法人の財務が適正であるかを公認会計士にチェックしてもらう、などです。

その後、12月10日頃までには『整備審査会』が開かれる予定です。これは、福祉部長を委員長に、市役所の関係課長6名(総務課長、指導監査課長、障害福祉課長、生活福祉課長、介護保険課長、高齢福祉課長)によって構成されるものです。

審査会を経て、12月20日頃には『介護保険運営協議会』に報告される予定です。

このまま順調にチェックが終われば、2013年にはついに横須賀市でもこの24時間対応の取り組みがスタートします!

これまでずっと実現を目指してきた訳ですが、ここから先は実現した後の日常的な運営をしっかりチェックしていくことがフジノの仕事になります。市民のみなさまに利用していただけるように支援していくことが大切です。

今日はその意味でとても参考になりました。横須賀市の取り組みにしっかり活かしていきます!

その他に、樋口恵子さんの講演もありました。いつもながら切れ味するどくユーモアもある樋口さんのお話はとても勉強になりました。

樋口恵子さんの講演