失敗に終わった「美術館改革」を2015年度はどうするのか/2015年予算議会でのフジノの質疑(その8)

予算議会で市長・教育長に対して行なう質問を紹介します

前の記事から続いています)

5.美術館改革について

市長・教育長の拙速な進め方が原因で2014年度中の「美術館の市長部局への移管」は失敗に終わった。
 
しかし、2015年度当初予算に改めて「美術館のあり方の検討」が18万5000円計上された。

「2015年度当初予算説明資料・教育委員会」より

「2015年度当初予算説明資料・教育委員会」より

「2015年度予算の概要」より

「2015年度予算の概要」より


その使途は「先進都市の視察、調査、庁内プロジェクトチームでの検討」とされているが、既にそれらは全て過去に行われた。

【質問】
(1) これ以上、重ねて一体何を視察し、調査し、検討を行うというのか。


【質問】
(2) 市長・教育長は、この「検討のゴール」は具体的に何がどの ようになることだと考えているのか。明確に答弁されたい。

以上で、3月2日の本会議でフジノが市長・教育長に行なう質問のご紹介は終わります。

12年間ただひとり全ての本会議で質問を行なってきた『横須賀市議会の質問王』フジノが、全身全霊をかけて3期目最後の本会議での質問を行なってきます!

どうかみなさま、ご注目下さいね。



美術館改革の1つとしての「平成27年4月に美術館を教育委員会から市長部局へ移管する」ことを断念せざるを得なくなった問題/2014年12月議会・発言通告(その1)

けさ、発言通告書を提出しました!

本日、議会事務局に『発言通告書』を提出しました。

市長や教育長に本会議で一般質問を行なう為には、あらかじめ質問の内容(かんたんな項目程度)をまとめて議会事務局に提出するルールになっています。それが『発言通告書』です。

フジノの発言通告書の一部

フジノの発言通告書の一部


傍聴に来て下さった市民のみなさまに耳で聴いただけでは質問の内容が分かりづらいことも多いことから、フジノは『発言通告書』かなり詳細に内容を記しています(先輩議員からは「細かすぎるよ」とお叱りを受けていますが)。

来週11月26日(水)に開催される議会運営委員会を終えてから市議会HPで全員分の発言通告書が公開されます。

横須賀市議会ホームページより

横須賀市議会ホームページより


それよりも早く、フジノは自分の発言通告書をブログでみなさまに公開しています。

とても長い文章ですが、ぜひお付き合い下さい。



美術館改革の1つとしての「平成27年4月に美術館を教育委員会から市長部局へ移管する」ことを断念せざるを得なくなった問題について

まず、第1問目です。

12年前に立候補した時からフジノが追い続けてきた美術館問題を、今回も追及します。

1.美術館改革の1つとしての「平成27年4月に美術館を教育委員会から市長部局へ移管する」ことを断念せざるを得なくなった問題について

  

私は「横須賀美術館の教育委員会から市長部局への移管という方向性」は正しかったと信じている。

したがって「来年4月の実施」を断念せざるを得なかったことは、極めて残念だと受け止めている。

2014年11月19日付・神奈川新聞記事より

2014年11月19日付・神奈川新聞記事より


しかし、この4カ月間、全ての経緯を追いかけてきた私は「教育委員4名の判断は正しかった」と言わざるを得ない(*)

横須賀市教育委員会ホームペジより

横須賀市教育委員会ホームペジより

(*)横須賀市教育委員会委員は合計5名です。しかし、委員の1人である青木教育長は、吉田市長から選ばれて委員になっているので、実態は『青木教育長=吉田市長』だとフジノは考えています。



今年8月、教育委員会定例会に『美術館運営改革プロジェクトチーム』の中間報告書が突然提出されたこと、

それを受けて教育長を除く4名が戸惑いながら議論を始め、

社会教育委員会議へ諮問し、

社会教育委員会議での4回の議論と答申、

答申を受けて改めて教育委員会での議論、

その次の定例会では突然の「移管の撤回」の報告

「移管に賛成」の私でさえ、結論ありきのめちゃくちゃな進行方法に怒りを感じた。

トップの方針である以上、このようなやり方に従わせられた美術館運営課をはじめ、現場の職員たちはあまりにも可哀想だと感じた。
  
今回の失敗の理由は3つだと私は分析している。

市長・教育長が

①初めから「十分な議論ができない、結論ありきの強引なスケジュール設定」をしたこと、

②「市長部局へ移管後の収支改善の具体的な目標値」を全く示さなかったこと、

そして最も大きな原因として、

③「市長・教育長のトップ2人が教育委員の皆さんとの十分な意思疎通をしてこなかったこと」

である。

市長も今回の断念に至った経緯を素直に反省し、分析すべきだ。

そして、先送りした移管をゼロから仕切り直し、美術館の赤字を改善する為のハコモノ改革を着実に行なわねばならない。



(1)失敗の原因の分析について




今回の失敗を分析して私は3つの原因を挙げたが、市長・教育長は「移管を先送りせざるを得なくなった理由」をそれぞれどのように分析しているのか。



(2)市長・教育長と教育委員の皆さんの十分な意思疎通を図る為の意見交換について



ア.市長は、教育委員4名の方々と「教育政策」を初め、「横須賀市の現状と課題、今後の目指すべき将来像、その実現のための政策」について、どれだけ意見交換や意思疎通ができているのか。

「子どもが主役になれるまち」を掲げている市長のあらゆる政策は、教育委員の皆さんの理解なしに進めることはできない。

担当部局の課長や職員ではなく、市長ご自身が教育委員の皆さんと電話でお話する、じかにお会いする、意見交換をする等の対話をこれまではどれだけの頻度で行ってきたのか。
   
それは十分だったと考えているのか。

また、今後はどのように対話の機会を持っていこうという考えを持っているのか。




イ.教育長は、就任後、教育委員4名の方々と「教育政策」に関する対話を日常的に行っているのか。

市長への先の質問と同じく、担当部局の課長や職員ではなく、教育長ご自身が教育委員の皆さんと電話でお話する、じかにお会いする、意見交換をする、こうした対話をこれまでどれだけの頻度で行ってきたのか。
   
それは十分だったと考えているのか。
   
また、今後はどのように対話の機会を持っていこうという考えを持っているのか。

(3)なぜ「移管後の収支改善の目標」について、市長はみずから語らなかったのか



市長部局に移管することによって具体的にどう変わるのか、つまり「収支改善のイメージ」を社会教育委員・教育委員の多くが繰り返し示すように求めた。

しかし、かつて経済部主導で実施された2回の試行事業(「L’Arc~en~Ciel 20th L’Anniversary EXHIBITION」「70’sバイブレーション~70年代ニッポンの音楽とポップカルチャーが横須賀に蘇る~」)は、事業者である電通から出されたあまりにもいいかげんな報告書を見ても分かるように、十分なデータが得られたとは思えない。

それでも担当部局である美術館運営課は、何とか回答すべく、他都市の「市長部局が所管する美術館」のデータを集めるなどして推計値を出そうと懸命な取り組みを行ってきた。

しかし、担当部局が収支改善の推計値を示すことではなく、改革によってどうなるのかを示すのは市長が「政治的な目標」として示すべきものだと私は考えている。
  
「ハコモノ3兄弟」の改革について市長と私は繰り返し質疑を交わしてきたが、「長井海の手公園ソレイユの丘」に関しては明確に「指定管理料を半減させたい」といった答弁などで改革後の姿を示してきた。

それにもかかわらず、今回の「美術館の市長部局への移管後の収支改善の目標」を、なぜ、市長はみずから示さなかったのか。



(4)今後の「美術館改革」のあり方について


 
ア.「美術館運営改革プロジェクトチーム」(2011年8月設置)の「中間報告書」をきっかけにスタートした一連の騒動をきちんと総括した上で、今後もプロジェクトチームの議論を継続していくべきだが、「最終報告書」の提出はいつを目指しているのか。

また、いつまでに改革の結論を出すつもりなのか。




イ.そもそも「市長部局への移管」は、「横須賀美術館」を「指定管理者制度へ移行」するための第一段階に過ぎないはずだと私は考えている(*)

2010年3月12日号タウンニュース紙より

2010年3月12日号タウンニュース紙より

(*)過去のフジノの質疑に対して「指定管理制度も視野に研究する」と吉田市長は答弁している。



市長は「指定管理者制度への移行」に向けた検討を継続していくのか。







次の記事に続きます)



横須賀美術館の市長部局への来年4月の移管は「とりやめ」になりました/教育委員会定例会

毎月開催の教育委員会定例会が開かれました

今日は、『教育委員会・定例会』が開かれました。

教育委員会定例会の会場にて

教育委員会定例会の会場にて


今回のプログラムは下のとおりです。

議事次第

議事次第


『横須賀美術館を教育委員会から市長部局へ移管する』というテーマについて、2回目の議論が行なわれる予定でした。

しかし、事務局から突然の発表がありました。

ものすごく残念な結果になりました。



事務局が「4月移管とりやめ」を発表しました

あっけなく、方針撤回です。

『来年4月の移管』は、とりやめになりました。

配布された説明資料は、以下の通りです。

報告事項5

横須賀美術館の在り方について

横須賀美術館の在り方については、2014年市議会第3回定例会に報告として説明したが、この中で、今後の方向性として、「集客やイメージの向上に資する為、教育を目的とすることだけに縛られない、自由な発想の中から幅広い活用を図る為に、美術館を教育委員会から他部課との連携がより緊密に取れ、文化行政を所管する市長部局(政策推進部)へ移管することを考えている」とし、これに向けたスケジュールを示した。

しかしながら、教育委員会での検討を重ねた中で、引き続き十分な議論をする必要があると考え、教育委員会会議を経た上で市議会第4回定例会に予定していた美術館条例ほか関連条例の改正議案の上程は行なわないこととした。

今後は、社会教育委員会会議の答申及び教育委員のご意見を踏まえ、美術館をより一層活用できるよう、『美術館運営改革プロジェクトチーム』で引き続き検討していく。

また、検討状況に応じて教育委員会会議で報告をし、慎重に議論していき、美術館の在り方の方向性を定めたい。

●これまでの経過

  1. 省略
  2. 省略
  3. 省略
  4. 省略
  5. 省略
  6. 10月24日の教育委員会会議では、答申についての報告を受け、今後の進め方を審議した。その中で下の意見が示され、引き続き十分な議論をしていく必要があるとの考えに至った。

    (10月24日の教育委員会会議における意見概要)
    (1)市長部局へ移管することで集客増や幅広い活用が期待できるとの説明だけで、その具体的なものが示されておらず、期待増だけでは判断が行なえない。

    (2)移管すべきか否かより、社会教育委員会議から要請されている「市民に身近で市民や地域に開かれた美術館」をどうやって実現するか、その課題についての方向性とその手段を考えていかなければならない。

    (3)例えば、教育委員会の所管には残すけれども、事務の委任のかたちで、実質的に業務は市長部局で行ない、教育を目的とする事業の確認の為に教育委員会に事業計画を見せるなどの方法を可能性として考えるべき。

    (4)社会教育委員会議の答申を踏まえて、教育委員会として十分な議論をした上で、美術館の在り方を選択していくべき。

  7. 改めて市長部局と教育委員会事務局が協議し、当初予定していた議案の提出は行わないこととした。




毎年3億5000万円の赤字を減らして、こどもたちを守る為にもっと予算を使いたい!

フジノがずっと望んできた、美術館の赤字を減らすこと。

赤字の穴埋めに使ってきた市民のみなさまの税金を、もっとこどもたちの為にこそ充てるべきだから。

その為に、美術館の在り方を変える方法を今までいくつも提案してきました。

その手段の1つが『教育委員会から市長部局への移管』でした。

しかし、今日開かれた教育委員会定例会で、事務局から「来年4月の移管とりやめ」が報告されました。

フジノにとっては、悔しさでいっぱいです。

あと少しで実現するところでした。

移管に向けたスケジュールのうち、終わっていた手続きは下の表でグレーに色付けしたところです。

市長部局への移管に向けたスケジュール

8月22日教育委員会会議
・中間報告書について報告。
・美術館の在り方について社会教育委員会議に諮問
8月28日社会教育委員会議
・諮問(美術館の在り方について)を受ける。
9月5日第3回市議会定例会
・美術館の在り方について報告
9〜10月社会教育委員会議
4回の議論

10月22日社会教育委員から教育長へ答申
10月24日教育委員会会議(答申を受け、審議)
11月14日教育委員会会議→今日はココです
11月第4回市議会定例会(条例改正議案上程・組織改正報告)→とりやめ
2014年4月市長部局(政策推進部)へ移管→とりやめ

でも、終わりではありません。

もう1度、仕切り直しです。

もう1度、改革を実現させる為にリスタートしなければなりません。

フジノは12年間ずっとハコモノ改革を訴えてきたのです。これからも改革が実現する為、何度だって立ち上がります。



市民のみなさまに知っていただきたいこと

ひとつ、市民のみなさまに知っていただきたいことがあります。

この改革を潰した責任は誰にあるか、ということです。

教育委員の4名ではありません。

(教育委員は5名いますが、教育長は除きます。彼は戦犯の1人だからです)

教育委員のみなさまは、社会教育委員会会議への諮問を出したことをはじめ、答申を受けた前回・今回とも誠実な議論を行なわれました。

フジノからすれば賛成はできなくとも、彼ら彼女らの立場からすれば、定例会の議論で発言された全てのご意見は十分に理解することができるものばかりでした。

つまり、教育委員としての責務に忠実であった訳です。

では、誰がこの改革を潰したのか?

担当課である美術館運営課長が悪いのでは、絶対にありません。

課長・学芸員のみなさんをはじめ、スタッフのみなさんが汗を流してきた姿をフジノは知っています。

では、誰がこの改革を潰したのか?

今回の問題の根本は、

  1. 市長と教育長のトップ2人がちゃんと4人の教育委員のみなさんと意思疎通を続けてこなかったこと。

  2. 条例提出のスケジュールが先に決められていて「結論ありき」での議論に、社会教育委員も教育委員も誰もが『不快感』を抱いたこと。

の2点です。

つまり、市長・教育長のトップに最大の責任があります。

これによって、またハコモノ改革が遅れました。きっと最低でも1年は先送りになるでしょう。

吉田市長への失望は、本当に大きい。フジノには怒りを通り越して呆れしかない。現場の職員が可哀想でならない。

これから始まる12月議会でも、この件に関しては激しい追及がなされることでしょう。

けれども、どうか市議会のみなさま、矛先を誤らないで下さい。

市民のみなさまもどうか知っていて下さい。

この改革を潰したのは…いや、そもそも無理なスケジュールで最初から改革を実現するつもりが本当にあったのか。今となっては本気度にさえ、疑問を感じてしまう。

市長と教育長がもっとしっかりと教育委員・社会教育委員・市議会のみなさんに対して、丁寧に意思疎通を図っていたならば、違う結果になったとフジノは考えています。

今はただ、悔しくてたまりません。

また改革が潰された。