今の医療体制では10年後対応できないから改革を議論しているのに他市町議員の傍聴はゼロ。あなたのまちの医療はそれで大丈夫なのですか?/三浦半島地区地域医療構想調整専門部会(第4回)その1

「三浦半島地区地域医療構想調整専門部会」へ

お昼にスタートした『予算決算常任委員会』は夕方にようやく終わりました。

その後、『議会IT化運営協議会』が開かれたのですが、夜になってもフジノの仕事はまだ終わりません。

横須賀市保健所へ向かいました。

地域医療構想調整専門部会の会場にて

地域医療構想調整専門部会の会場にて


神奈川県が主催する『三浦半島地区地域医療構想調整専門部会』を傍聴する為です。

昨年8月にスタートして、今回で4回目となります。



今回も傍聴はたった3名、市議はフジノだけ。なぜ他市町の議員は傍聴にこないのか?

今回も傍聴は3名のみ。

内2人はフジノと健康部地域医療推進課市立病院担当課長なので、純粋な傍聴者は1名だけ。

この会議で話題となるのは、横須賀市・鎌倉市・逗子市・三浦市・葉山町の医療です。

これら三浦半島の全てのまちの保健・医療・福祉(特に医療)の在り方を決める会議なのに、他市町の議員の傍聴がゼロなのは本当に悲しいです。それで良いのでしょうか。

今回だけではありません。おおもとの会議である『神奈川県保健医療対策推進会議』にも、他市町の議員は傍聴に誰も来ません。

そんなに無関心であなたがたのまちの医療体制(=地域包括ケアの実現も)は大丈夫なのですか。いつも強く疑問を抱いています。

横須賀市議会の場合、フジノは他の議員のみなさまにも関心をもって議論を進めていただく為に『横須賀・三浦2次保健医療圏』や『地域医療構想』に関することを、市の健康部から『教育福祉常任委員会』の場で必ず定例会のたびに資料配布・報告してもらっています。

その結果、多くの議員が活発な質疑を交わしています。

『地域医療構想』は横須賀市だけでは実現できません。

『横須賀・三浦2次保健医療圏』の全ての保健・医療・福祉・行政・政治・そして住民のみなさまの協力なしには実現できません。

だからこそ、せめて住民の代表である議員のみなさまには、今まさに進行形の議論の場に立ち会ってほしいです。

もちろん議員だけでなく、三浦半島の住民のみなさまにもぜひいらしていただきたい、本当に大切な会議です。



もう現状のままの「医療」の提供体制では変化した社会に対応できない

全体的な印象ですが、出席しておられる委員の方々の『地域医療構想』そのものへの反発が強かったです。

ここ数年間かけて進めてきた議論を巻き戻すようなご発言もありました。

議事次第

議事次第


フジノは厚生労働省の味方をする訳ではありませんが、そうした後ろ向きなご意見には賛成できません。

2050年を見据えて在るべき地域の保健医療福祉の姿を考える為に、この数年間ずっと国の審議会・県の審議会の傍聴を続けてきました。

また、国の議論をリードする方々が多くおられる大学院での聴講も続けてきました。

2025年、2050年と大きく縮小していく人口/変化していく人口構成に対して、現在の保健医療福祉のままで対応できるはずがありません。

この現実を早くから直視した人々は、官僚・研究者を問わず、ずっと前から警鐘を鳴らしてきました。

ようやくここ数年、何とか現在進行形の変化に急いで対応できる姿を模索してきたのが、国や県の審議会です。

そして、地域での『医療』を市民のみなさまにどのように提供していくのかを『医療計画』や『地域医療構想』『診療報酬の改訂』で進めていこう、というのがここまでの結論です。

厚生労働省のやり方に納得はできないかもしれません。

でも、それ以外に具体的にどのようなやり方ならば、2025年、2050年に対応していかれるのでしょうか。

『現状のやり方で進めていく』ということは『現状維持』ではなくて『現状よりマイナスへ向かうこと』だとフジノは受け止めています。

もう『地域医療構想』をやる・やめる、という議論はすべき段階は終わっていると思います。

厚生労働省資料「医療・介護制度見直しの今後3年のスケジュール」より

厚生労働省資料「医療・介護制度見直しの今後3年のスケジュール」より


ですから、この会議で議論すべきことは

「『地域医療構想』を作らねばならない中で、最も現場に近い市町の医療関係者が、国や県の机上の空論の部分をいかに現実に即した内容へ改善していくか」

であるべきだとフジノは考えています。

上に示されたスケジュールのもと、机上で作られた制度に魂を吹き込むのがこの専門部会のみなさまの役割だとフジノは信じています。




次の記事に続きます)



【ご協力お願いします!】精神科の薬、ゆっくり減らして/全国の医療機関・薬局にポスターを貼り出してほしいのです

どうかご協力をお願いします

2010年からフジノが理事を務めている『NPO法人地域精神保健福祉機構(通称コンボ)』では、現在とても大切なキャンペーンを行なっています。

診療報酬の改定によって、今年10月から抗精神病薬などの『多剤処方』に制限が設けられます。

そこで、コンボでは

「クスリをのんでいるみなさま、クスリを減らすのは不安だと思いますが、ゆっくり減らせば大丈夫ですよ」

「ドクターのみなさま、クスリを減らすのは丁寧な説明ときちんとした体調管理のもとで行なって下さい」

と訴えるポスターを作成しました。

20140710poster

こうしたことをお伝えすることが目的です。

  • 今年10月から、『多剤処方』に制限が設けられることになったことを、当事者・家族のみなさまにぜひ知ってほしい。
  • いきなりクスリを減らすことはとても不安ですが、ゆっくり時間をかけて減らせば大丈夫、ということを、当事者・家族のみなさまに知ってほしい。
  • 減薬への不安を感じているみなさんに、ドクターも丁寧に説明をするようになってほしい

このポスターを全国の医療機関や薬局などに張ってもらいたいのです。

その為に、ぜひ1人でも多くの方々にご協力をお願いしたいのです。

イラストを描いてくれたのは…

ポスターのイラストは、『コンボライター』のぼうえんぎょさんが描いて下さいました。

『こころの元気+』には、『コンボライター』という制度があります。

『コンボライター』はすべてではありませんが、原則当事者がなることになっています。

多くの当事者が『コンボライター』として登録していて、特集のページで顔と名前を出して、記事を書いています。

「コンボライターという制度」より引用)

世界の流れとは逆に、日本の精神科医療は「多剤大量処方」を続けてきました

これまでの日本の精神科医療では、何種類ものクスリを大量に出すという『多剤大量処方』を当たり前のように行なってきました。

2009年8月6日開催・厚生労働省「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」資料1より

2009年8月6日開催・厚生労働省「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」資料1より


『統合失調症』に対して、日本では3種類以上のクスリを処方されている方々が過半数にのぼりますが、他の国々ではそんなことはありえません。

2009年8月6日開催・厚生労働省「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」資料1より

2009年8月6日開催・厚生労働省「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」資料1より


『うつ病』などに処方される抗うつ薬も、調査によれば日本は多剤併用の傾向がハッキリとあらわれています。

しかし、「『多剤大量処方』はダメだ」というのは、ずっと昔から世界的な流れです。

イギリスの『国立医療技術評価機構(NICE)』のガイドラインでは

抗精神病薬の多剤併用は「効果が上がることについて支持する証拠はほとんどない」「おのずと高用量になるので副作用のリスクをあげる」

と明記しています。

『多剤大量処方』はダメだ、ということは、フジノが臨床心理を専攻していた大学時代(20年以上前)から言われていました。

けれども日本はずっと変わりませんでした。

ずっと日本は、世界の流れに反して、独自の『多剤大量処方』を続けてきたのです。

「多剤大量処方」が続いてきたしくみ

「多剤大量処方」が続いてきたしくみ

これは完全な『医療政策の誤り』です。



(*上の動画はコンボとは無関係なのですが、多量多剤による当事者の苦しみや悲しみをとても分かりやすく表現しておられたので紹介させていただきました)

『多剤大量処方』は、精神疾患を治療するどころか、人々を苦しめてきました。

特に、副作用によって人々の『生活の質』を著しく下げてきたことに対して、フジノは怒りを感じています。

さらに(あくまでもフジノの私見ですが)、「精神疾患のある当事者の方々が若いにもかかわらず突然死する悲劇がしばしば起こってきたのは『多剤大量処方』が原因ではないか」と感じてきました。

こうした想いを抱いているのは、フジノだけでは無いはずです。

実際、コンボでは『統合失調症の人が知っておくべきこと〜突然死から自分を守る〜』という本も出版しています。

必読です

必読です


また、『多剤大量処方』はリカバリーの観点からも間違っています。

コンボとしても長年にわたって、『多剤大量処方』ではなく『シンプルな単剤の適量処方』の必要性を訴えてきました。

ようやく日本も「多剤大量処方」を認めない方向へ舵を切りました

こうした精神科医療の在り方を改善する為に、厚生労働省は2014年度の診療報酬改定によって『政策誘導』を行ないました。

精神科における薬剤の多剤処方に制限をする規定を設けたのです。

抗不安薬・睡眠薬の処方は2種類まで、抗うつ薬・抗精神病薬の処方は3種類までとなりました。

それ以上のクスリを処方すると、処方料・処方せん料・薬剤料が減らされることになります。

つまり、たくさんのクスリを処方する精神科ドクターは、収入が減らされます。

10月からの新しいしくみ

10月からの新しいしくみ


こうした『政策誘導』によって、ようやく日本の精神科医療も、クスリは『単剤適量』へと変わっていくはずです。

今年10月1日から適用されます。

「急な減薬」は体調を崩す原因になります。一定の猶予期間が必要です

ようやく日本の精神科医療も、改善される方向に舵を切りました。

それは良いことです。

でも、今まで『多剤大量処方』をされてきた方々は、突然クスリが減らされることはとても不安だと思います。

フジノも約20年にわたって精神科のクスリをのんでいるので、断薬による離脱症状の苦しみはとてもよく分かります。

クスリを急に減らすことで、離脱症状などの症状悪化が実際に起こることは、研究でも臨床でも明らかです(個人差もありますので必ず起こる訳ではありません)。

そこで、クスリを減らすことは、丁寧な説明と体調管理のもとで、時間をかけてゆっくりと行なうことが推奨されています。

今回の診療報酬の改定でも、多剤処方に制限を設ける規定は「いきなり4月1日から」ではなくて「10月1日から」と半年後からの適用となっています。

厚生労働省も「これは減薬に必要な期間を設ける為」と発表しています。

ポスターで「減薬はゆっくり時間をかける必要性がある」と伝えたい

こうした診療報酬改定の作業にあたって、一部の精神科の業界団体が反対しました。きっと『多剤大量処方』を続けたいという人々なのだと思います。

診療報酬改定が決定した後になっても、いろいろな理由をつけて反対している人々がいます。

フジノは、そうした人々を心の底から嫌悪しています。

もう『多剤大量処方』は絶対にやめるべきです。

今回このポスターを作成した理由は、『多剤大量処方』を延命させる為ではありません。

あくまでもコンボがこのポスターを作成した理由は、以下の2点からです。

  1. 今回の診療報酬の改定によって、多くの方々の処方の内容が変わる可能性があります。処方が変わるのは、こうした「多剤処方」への制限が設けられたことをみなさまに知ってもらう必要があること。
  2. 何よりも、減薬をすることとになるみなさまに、ゆっくりと時間をかけて減薬をする必要があることを知ってもらいたいこと。

ポスターを貼る場所への働きかけをどうかお願いします

みなさまにお願いがあります。

このポスターを、病院・クリニック・薬局・行政機関・地域生活支援センターなどに貼っていただきたいのです。

医療関係者のみなさまだけでなく、当事者のみなさま、家族のみなさま、福祉関係者のみなさま、行政関係者のみなさまにお願いです。

このポスターを病院・クリニック・薬局・行政機関などにお願いをして下さる方がいらっしゃいましたら、どうかご連絡ください。

コンボから必要枚数のポスターをお送りいたします。

【連絡方法】
インターネットのアンケートサイトに、ポスターの送り先などを書き込むためのフォーマットをつくりましたので、こちらにご記入ください。

申し込みサイト

申し込みサイト

【募集期間】
7月18日(金)15:00まで。

どうぞよろしくお願いいたします。

診療報酬改定を振り返って、2014年改定の内容/厚生労働省保険局医療課長・宇都宮啓さんの講義でした

厚生労働省保健局の宇都宮医療課長の講義

今夜は、大学院での聴講です。東京・青山一丁目へ向かいました。

大学院にて

大学院にて


中村秀一先生『社会保障の政策形成の最前線』の第6回目にあたります。

今回の講師は、厚生労働省保健局医療課長の宇都宮啓さんです。

今回の「診療報酬」の改定が目指しているもの

宇都宮課長は、過去3回連続で診療報酬の改定に携わるという厚生労働省(旧厚生省時代から見ても)でもたぶん唯一の珍しいキャリアを持つ方です。

2008年、『診療報酬』改定
2012年、『診療報酬』と『介護報酬』の同時改定
2014年、『診療報酬』改定
パワーポイントより

パワーポイントより

パワーポイントより

パワーポイントより


2012年の診療報酬改定は2025年に向けての第一歩の改定でした。これを進めることが2014年改定の基本的な方針です。

1.社会保障と税の一体改革の推進

  • 医療機関の機能分化を推進する
     受け皿側が本当に少ない
  • どのステージの患者でも在宅に復帰できることを推進する
     患者さんの生活を分断しない
  • 医療・介護の連携
     介護側からみた医療の敷居の高さ
     連携を超えて統合、一体的な推進

2.実績に応じた評価

  • アウトカム評価を強く意識した
     ストラクチャー評価、プロセス評価

3.データ収集

  • エビデンスに基づく評価に向けて
     日頃の診療がそのままデータになれば最も効率が良く効果的

…ここまで書いてきたのですが、やはり心身の疲れが全く取れず昨夜に続いてブログ更新はここまでで中断します。

写真だけでごめんなさい。

講義風景

講義風景

「地域包括ケア」を実現する為に、さらに学び、実践していきます/『地域連携の理論と実践』受講スタート

大学院での「地域連携の理論と実践」聴講スタート

今日は、夕方から東京・青山へ。

前期(4月~8月)に続いて今日から毎週土曜日の夜は、国際医療福祉大学院でフジノは聴講をします。

大学院の玄関にて

大学院の玄関にて


2025年までに『地域包括ケア』を実現する為に在るべき制度の姿成すべき実践について学ぶのが目的です。

フジノは、やがてくる2025年に向けて強い危機感を持っています。

わが国は、政治も経済も不安定な社会状況が続いています。世界のどの国も体験したことが無い激しいスピードで超高齢社会に突入した日本は、まさに未踏高齢社会と言えます。

本来であれば、全国あまねく安心して暮らせるシステム作りが必要ですが、国には十分な財政力も無く、ましてや地方も厳しい状況にあります。

『地域包括ケアシステム』は、受け身で待っているだけでは実現できません。

国の制度を熟知して、新たな動きをしっかりと注視していくとともに、全国のあらゆる地域での実践活動から成果を学んで、自分の暮らす地域のニーズに合ったきめ細やかな地域包括ケアの仕組みを作っていかねばなりません。

だからこそ、しっかりと強い問題意識と危機感を持って、自ら積極的に取り組みを進めていかねばならない、とフジノは考えています。

地域包括ケアシステムのイメージ

地域包括ケアシステムのイメージ


後期の講義のタイトルは『地域連携の理論と実践~地域連携コーディネーター養成コース』です。地域包括ケアシステムについて、最先端の実践を行なっている方々を講師としてお招きして、理論と手法の検討を行なう、という内容です。

コーディネーターは、高橋紘士先生です。

高橋紘士先生

高橋紘士先生


今夜の講師は、山岸暁美さん(厚生労働省医政局在宅医療推進室)です。山岸さんの所属しておられる『在宅医療推進室』は、今年から新たに厚生労働省に設置された部署です。

山岸暁美さん(厚生労働省医政局在宅医療推進室)

山岸暁美さん(厚生労働省医政局在宅医療推進室)


講義では『在宅医療・介護あんしん2012』をはじめとする、地域連携の制度について、そして地域での様々な実践例についてお話ししていただきました。

施設中心の医療・介護ではなく、住み慣れた生活の場で必要な医療・介護サービスが受けられて、安心して自分らしい生活を実現できる。そんな社会を目指して、特に今年度は『在宅医療・介護』の推進に向けて施策が総動員されました。

  1. 予算での対応
  2. 制度的な対応
  3. 診療報酬・介護報酬の同時改定における対応

フジノはこうした国の動きをまずは、横須賀市の取り組みにしっかりと落とし込んでいくとともに、神奈川県に対しても、横須賀市の実態を的確に反映した、実効性のある保健医療計画を策定するように働きかけていきます。

山岸暁美さんのパワーポイントより

山岸暁美さんのパワーポイントより


前期の初めの頃には講義で何が話されているのか分からないこともあったのが、毎日、医療政策の文献を必ず読むようにして、今では講義についていかれるようになりました。

今後はさらに議論に参加できるようにならなければ。もっともっと学んで、たくさんの方々と意見を交わしていきたいです。

そんな活動の中でフジノが出会ってきた厚生労働省や国土交通省の方や国の審議会委員の方々のお話をうかがうと、とても強い熱意をもってより良い社会を目指して、真剣に議論をし、制度を設計しておられます。

けれども、県・市など地方自治体の現場では、これまでの慣習に引きずられて「医療は都道府県の仕事。介護は市町村の仕事」と、連携どころか縦割りのままでいます。

県の審議会を傍聴しても、市の担当部局にヒアリングしても、そうした姿勢が根強く残っていることをフジノは痛感しています。例えば、9月6日の活動日記でフジノが書いた

せっかく国が指針作りをしっかりがんばったのに、県レベルでそれを潰してしまってどうする!!今後も県の動きを追いかけ続けますが、どうかこの審議会がもっと本質的な議論を行なってほしい、とフジノは強く願っています。



という言葉のとおりです。

2025年まであと13年。

残された時間はわずか。

こんな現実を、変えていきたいです。