エイジング・イン・プレイスを当たり前にする為に/神奈川県・WHO共催シンポジウム「超高齢社会を乗り越えるために」

*文章が途中までなのですが、掲載します*

神奈川県・WHO共催のシンポジウムへ

今日は、横浜・日本大通りの産業貿易センターへ向かいました。

県庁のすぐそば

県庁のすぐそば


神奈川県WHO(世界保健機関)が共同開催したシンポジウム

『超高齢社会を乗り越えるために〜誰もが住み慣れた地域で、元気に長生きできる豊かな未来社会の実現へ〜』

に参加する為です。

このシンポジウムは、さらに厚生労働省・経済産業省・内閣府の3府省が後援をしています。

神奈川県・WHO共催シンポジウム「超高齢社会を乗り越えるために」リーフレット

神奈川県・WHO共催シンポジウム「超高齢社会を乗り越えるために」リーフレット


2期目の黒岩知事は『未病』という概念の活用と、『特区』を活用した最新のテクノロジー技術の発展を、海外にアピールしてきました。

2015年8月、韓国訪問

2015年8月、韓国訪問

2015年6月、アメリカの州知事と

2015年6月、アメリカの州知事と


昨年2014年11月には、WHOにも黒岩知事は訪れており、それがきっかけで今日のシンポジウム共催にいたりました。

国の政府とWHOではなくて、いち地方公共団体である神奈川県とWHOがじかに提携してイベントを開催した、ということはとても珍しいです。

会場にて

会場にて


そこで、今日のシンポジウムがどのようなものになるのかを知りたくて参加しました。



黒岩知事の基調講演

まず、黒岩知事の基調講演です。

『神奈川県の超高齢社会に対するビジョン』

神奈川県知事 黒岩祐治

黒岩知事による基調講演

黒岩知事による基調講演


実際の内容は簡単なプレゼンテーションで、4つのことが語られました。

まず第1に『未病』という概念の説明です。

「未病」という概念の説明

「未病」という概念の説明


ただ、フジノは「黒岩知事が『未病』という概念にこだわりを持ちすぎていること」に強い違和感があります(黒岩知事の1期目と全く同じ構造です)

さらに2期目に入ってからの黒岩知事は『未病』を『ME-BYO』と英語にして世界に発信をスタートしました。

『健康長寿・健康寿命の延伸』『生活習慣病予防』などを徹底的に進めていく上で、確かに『ひとことで言い切れる新しいキーワード』は重要かもしれません。

けれども、超高齢社会への突入に直面する世界各国が求めているのは『未病』という概念そのものではありません。

そうではなくて、神奈川県が特区を活用して連携しているサイバーダイン社をはじめとする、日本の介護ロボットなどの最先端かつ優れた新たな科学技術だとフジノは考えています。

『未病』という概念にこだわりすぎるあまりに政治的に足元をすくわれて、健康長寿をすすめるという重要な取り組みそのものが停滞させられないか、強い不安をフジノは感じています。

つづいて、第2に『未病を治し、健康長寿社会を目指す』という理念の説明です。

「食」「運動」「社会参加」この3つはとても大切ですね

「食」「運動」「社会参加」この3つはとても大切ですね


第3に『未病を治す為の、最新のテクノロジーの紹介』です。

「これこそが世界各国から最も求められているものだ」とフジノは考えています。

AminoIndex(アミノインデックス)

AminoIndex(アミノインデックス)


『味の素』の『アミノインデックス』では、少量の採血をすることだけであらゆることが分かるようになります。

血液中のアミノ酸濃度を測定することで、健康状態やさまざまな病気の可能性を明らかにする2種類(AICSとAIMS)の解析サービスです。

2015年8月現在では、胃がん・肺がん・大腸がん・前立腺がん(男性のみ)・乳がん・子宮・卵巣がんのリスクスクリーニングが可能です。また、栄養不足のリスク・内臓脂肪蓄積リスク・脂肪肝リスク・食後高インスリンリスクの測定が可能です。

つまり、ほんのちょっとの血液だけで『生活習慣病リスク』『がんリスク』が分かるという優れた技術です。

TOTOの「ヘルスモニタリングトイレット」

TOTOの「ヘルスモニタリングトイレット」


TOTOの新たなトイレの技術では、ウォッシュレットで尿の量や出方をデータ化して調べることができます。

ひとはみな毎日トイレに入る訳ですが、そこでのおならやおしっこを自動的に測定して、体調や生活習慣病リスクや疾病リスクが分かる、というすごい発想です。

すでにこの技術は実現化していて、帰宅してからインターネットで調べたのですが、販売もスタートしているようです。

こうしたテクノロジーが全ての家庭に普及してくれれば、フジノが必死に推進しているような『特定健診の受診』に市民のみなさまにわざわざ足を運んでいただく必要も減っていきます。

未病への新しいアプローチ

未病への新しいアプローチ


第4に、『神奈川県がこれまで行なってきたこと、これから行なっていくこと』です。

未病を世界へ発信

未病を世界へ発信



WHO上級政策アドバイザーによる基調講演

2つ目の基調講演はWHO側からでした。

『グローバルヘルシーエイジング〜私たちにとって意味するものとは?〜』

イズレネ・アラウジョ・デ・カルバーリョ氏
WHOエイジングアンドライフコース上級政策アドバイザー

「エイジフレンドリーな環境(どう訳せば良いのかな。。。高齢になろうとも暮らしやすい当たり前の環境づくり、だろうか)を創るのがWHOの重要な目標だ」と述べておられました。

その為に

  • 年齢差別との戦い
  • 自律性の確保
  • あらゆる政策と政府のすべてのレベルにおける健康な高齢化

が必要だとのことでした。

イズレネ・アラウジョ・デ・カルバーリョ氏による基調講演

イズレネ・アラウジョ・デ・カルバーリョ氏による基調講演


WHOでは『高齢化と健康に関するワールド・レポート』という報告書を発行しています。

高齢化と健康に関するワールド・レポート

高齢化と健康に関するワールド・レポート

「ここで述べられているWHOの目指す姿と、神奈川県による『ヘルスケア・ニューフロンティア』はとても似た考え方だ」とイズレネ氏は述べていました。

同感です。

これから世界全体が超高齢社会を乗り越えていく為の政策パッケージは最終的にいくつかに収斂されていくのだと思いました。

このワールド・レポートの日本語概要版はこちらからご覧になれます)

エイジフレンドリーな環境づくりの為に

エイジフレンドリーな環境づくりの為に


健康長寿に投資をするということは未来を創るということ、との言葉が繰り返し述べられました。全く同感です。




特別講演

『超高齢社会を支えるロボットテクノロジー』
筑波大学大学院教授 山海嘉之

山海嘉之教授による特別講演

山海嘉之教授による特別講演

いまや世界的に有名なHAL

いまや世界的に有名なHAL

単間接型のHAL

単間接型のHAL





セッション「神奈川県発のME−BYOプロジェクト」

続いて、神奈川県の顧問を務めている宮田俊男氏(日本医療政策機構エグゼクティブ・ディレクター、内閣官房健康・医療戦略室戦略推進補佐官)から神奈川県の取り組みの説明がありました。

「ライフイノベーションの実現に向けて」

「ライフイノベーションの実現に向けて」


「黒岩知事の考え方はオバマ大統領の考え方と同じ」とか、とにかく黒岩県知事に対するヨイショ発言が多く、聴いていてあまり意味の無い講演でとても残念でした。

宮田氏の講演で初めて知ったことが2つありました。

まず第1に、神奈川県庁主体で『ライフイノベーションセンター』を作っていくそうです。

神奈川県がすすめているライフイノベーションセンター

神奈川県がすすめているライフイノベーションセンター


そこには、臨床研究、医療機関、さらにファンドにも入ってもらうとのこと。

2020年に羽田空港と殿町を橋で結ぶ計画

2020年に羽田空港と殿町を橋で結ぶ計画


第2に、さらにオリンピックが開催される2020年に、ライフイノベーション特区の川崎・殿町と羽田空港の間の海に橋を渡す計画があることを知りました。

これには少し驚きました。



パネルディスカッション「高齢期を住み慣れた地域で生活するために」

○パネリスト
・WHOエイジングアンドライフコース専門官 
 アン・マルグリート・ポット (Dr. Anne Margriet Pot)

・WHOエイジングアンドライフコース上級政策アドバイザー
 イズレネ・アラウジョ・デ・カルバーリョ (Dr. Islene Araujo de Carvalho)

・筑波大学大学院教授 山海嘉之

・セントルイス大学医学部教授 ジョン・モーリー (Dr. John Morley)

・国際高齢者団体連盟(IFA)国際事業部長
 グレッグ・ショー (Mr. Greg Shaw)

・メキシコ国立老年医学研究所長
 ルイス・ミゲル・グティエレズ・ロブレド (Dr. Luis Miguel Gutierrez-Robledo)

・リエージュ大学教授 
 ジャン・イーブ・レジンスター (Dr. Jean-Yves Reginster)

・アフリカ人口保健リサーチセンター
 イザベラ・アボデリン (Dr. Isabella Aboderin)               




エイジング・イン・プレイスを誰にとっても当たり前にする為に

どの方のどの講演や発表もとてもベーシックな内容でした。

会場ビルからの眺め

会場ビルからの眺め


実際のところ、地域包括ケアを重要政策としているフジノにとって『予想を上回るもの』はありませんでした。

どれもとても『基本的な概念』ばかりです。

でも、この普及こそが最も難しいポイントなのです。

専門家や現場の関係者は誰もが『エイジング・イン・プレイス』『健康長寿』『地域包括ケア』などの理想を当たり前として実現すべく、毎日その実践に向けてがんばっています。

けれども、それが本当に必要とされるご高齢の方々やご家族、さらにはご高齢になる前の30〜50代の若い世代の人々には、ほとんど浸透していないのではないか、と感じるのです。

フジノはすでに3年前の一般質問でも『エイジング・イン・プレイス』をテーマに質疑をした時、全く同じ感想を述べています。

一部の自覚的な方を除けば、エイジング・イン・プレイスなどの概念も知られていません。



2015年の今、その重要性はますます高くなっています。

  • もっともっと伝えていくこと。
  • 理解していただくこと。
  • そして、健康長寿な超高齢社会を無事に乗り切れる政策を実現すること。

これらは、フジノたちこそやらねばならない仕事です。

その意味で、『黒岩知事の発信し続ける姿勢そのもの』は(まだまだ県民に浸透しているとは思えないけれど)大切なことだと感じます。

(『未病』という概念にこだわりすぎるのも、あまり意味が無いとも感じます)

『保健』『予防』『ヘルスケア』あるいはどんな単語を使っても良いのですが、2025年〜2050年の超少子・超高齢・多死社会を乗り越えていく為にはこうした取り組みをひとりひとりの個人が実践していかねばムリなのです。

けれども個人がいきなり生活様式(ライフスタイル)を変えることはできませんし、そこには政府をはじめとする政治行政と産学官民連携でのあらゆる取り組みによる支援が必要です。

改めて、自らの責務を深く痛感させられたシンポジウムでした。



後日談:10月22~23日に「未病サミット」が開かれました

10月22~23日に「未病サミット」が開かれました。

専門家のみが参加可能でフジノは行くこともできなかったのですが、とても関心がありました。

当日の様子を神奈川新聞が報じてくれました。

2015年10月23日・神奈川新聞より

2015年10月23日・神奈川新聞より




2015年10月24日・神奈川新聞より

2015年10月24日・神奈川新聞より



ついに「高齢化率」が28.42%へ!横須賀初のサテライト型小規模多機能型居宅介護が承認されました/介護保険運営協議会(2014年度第2回)

介護保険について議論する「介護保険運営協議会」が開かれました

今日は『介護保険運営協議会』(2014年度第2回)が開催されました。

介護保険運営協議会・会場にて

介護保険運営協議会・会場にて


フジノがものすごく大切にしている審議会の1つです。

議事次第

議事次第


さっそくですが、今日の審議会での決定や報告から2つの重大なことを記したいと思います。



ついに横須賀市の高齢化率が28%を超えました

まず、重大発表その1です。

昨年同じ時期に開かれた『介護保険運営協議会』をお伝えするブログ記事で「ついに横須賀市の『高齢化率』は27.35%になりました(2013年10月1日現在)」と書きました。

しかし、今日発表された最新の統計(2014年10月1日現在)によれば、

横須賀市の『高齢化率』は28.42%

になりました。

横須賀市の総人口41万8,783人のうち、65才以上は11万9,033人となりました。

より一層の高齢化が進んだ形になります。

横須賀市民の約3人に1人が65才以上、というのが現状になった訳です。



高齢化率はさらに高くなります。でも、みんなで超高齢社会を輝かせることも必ずできるはずです

けれども『高齢化率のアップ』は驚くべきことではありませんし、恐れることでも何でもありません。

長生きは喜ばしいことですし、何よりも今の65才以上(いちおう定義では65歳以上が高齢者なのです)は、昭和の頃の65才とはケタ違いにお元気です。

大切なことは『超高齢社会』に突入した今、そこで直面する課題をひとつずつしっかりと乗り越えていくこと。

例えば、先進諸国では認知症対策はとっくに『国家戦略』に位置づけられていました。

イギリスの認知症対策の国家戦略への経緯

イギリスの認知症対策の国家戦略への経緯


イギリス、アメリカ、フランス、オランダ、デンマーク、オーストラリアなど多くの国々が国家戦略として取り組んできました。

フランスの認知症対策の国家戦略への経緯

フランスの認知症対策の国家戦略への経緯


かたや日本では『認知症施策推進5カ年計画(通称オレンジプラン)』という計画はあるものの、『国家戦略』にまでは位置づけられていませんでした。

しかし、11月6日に開催された『認知症サミット日本後継イベント』(国際会議です)の場で、総理が「認知症対策を『国家戦略』に位置づけること」を明言しました。

社会保障や高齢者福祉の関係者はみんな「やっと日本も動き出した」とホッとしました。

でも、こうやって1つずつ1つずつ課題を解決に向けてみんなでがんばっていくことで、社会は変わるんです。

超高齢社会は決して暗いものにしない。

むしろ、元気で長生きできる素晴らしいまちにできる。

そうフジノは信じて毎日仕事をしています。



市内初!サテライト型小規模多機能型居宅介護が承認されました

そして、重大発表その2です。

12月1日から横須賀市内で初めての『サテライト型小規模多機能型居宅介護』がスタートします!

太陽の家 馬堀倶楽部
所在馬堀町1-1-7
開始平成26年12月1日
登録定員18人
定員通い:12人 宿泊4人
建物木造2階建て

大通り沿いで、フジノもよく前を通るところです。

良い場所ですね。

『地域包括ケア』を実現する上で、この『小規模多機能型居宅介護』は不可欠の存在です。

大切な『地域密着型サービス』の1つです。

現在、横須賀市内に小規模多機能型居宅介護事業所は3ヶ所しかありません。

  1. 小規模多機能ホームゆりの花 南武(武)
  2. 太陽の家 安浦倶楽部(安浦)
  3. 小規模多機能併設グループホーム 和の里(米が浜)

これでついに合計4ヶ所となります。



そもそも「小規模多機能型居宅介護」とはなにか?

そもそも『小規模多機能』って何でしょう?

小規模多機能型居宅介護のイメージ図その1

小規模多機能型居宅介護のイメージ図その1


『小規模多機能』という呼び名は省略形で、正式には『小規模多機能型居宅介護』のことです。

  • 小規模=特別養護老人ホームなどの大規模の施設と比べて小さいという意味です。
  • 多機能=「訪問サービス」プラス「通い」プラス「泊まり」と、複数の機能を1箇所で持っているという意味です。
  • 居宅介護=自宅(居宅)で暮らして行かれるように介護サービスを行なう、という意味です。

他市や他県からの人も利用できる特別養護老人ホームとは違って、『小規模多機能』はそのまちの人しか利用できません。

『泊まる』ことはできるけれど、特別養護老人ホームやグループホームと違って『暮らす』ことはできません。

農地などの『市街化調整区域』に建設を認められてきた特別養護老人ホームと違って、小規模多機能は住宅地など地域の中にしか立地できません。

つまり、全ては『自宅(=在宅)での暮らし』をサポートしていくのが目的だから、です。

小規模多機能型居宅介護のイメージ図2

小規模多機能型居宅介護のイメージ図2


さらに、『小規模多機能』には『サテライト型』という新しいバージョンがあります。

社会保障審議会介護給付費分科会資料より

社会保障審議会介護給付費分科会資料より


サテライトは、やや小さめ。

より柔軟な形でのサービス提供ができるようになります。

フジノ個人としては、国が『サテライト型』導入を決めた時には諸手を挙げて賛成はできませんでした。

けれども現実として今、特別養護老人ホームの待機者数も減らない中、こうした地域密着型サービスの存在はとても重要です。

どんなに介護度が高くても最期の時まで自宅で暮らせるように、横須賀市では一生懸命に在宅療養連携を進めています。

あらゆる保健医療福祉サービスを駆使して、ひとりでも多くの市民のみなさまにお元気に暮らしていただけることが大切だと考えています。

その意味において、今回の『サテライト型小規模多機能型居宅介護』である『太陽の家馬堀倶楽部』スタートは、こころからお祝いすべきことです。

12月1日にオープンした後は、ぜひ見学させていただきたいなぁと思っています。

もっともっとお伝えすべきことはあるのですが、ブログを書く時間が取れなくて、今日はここまで。

ではでは。



ケア・サイクル論/世界のどの国も体験したことのない「未踏高齢社会」に突入した日本が取るべき新しい理論

地域包括ケアを実現の最新の理論と事例を学ぶべく大学院へ

今夜は、大学院での聴講でした。

高橋紘士先生・武藤正樹先生による「医療福祉の連携と総合化〜地域包括ケアシステムの展開へ〜」です。

国際医療福祉大学院での聴講へ

国際医療福祉大学院での聴講へ


今夜のゲスト講師は、長谷川敏彦先生でした。お話を伺うのは昨年4月以来、1年ぶりです。

長谷川先生は3月いっぱいで日本医科大学教授を退官されたのですが、その熱弁は1年前と全く変わりませんでした。

身振り手振りを交えて、熱く語りつづける長谷川敏彦先生

身振り手振りを交えて、熱く語りつづける長谷川敏彦先生

  • 現在の日本は、世界のどの国も体験したことのない『未踏高齢社会』に突入している。
  • 日本の取り組みを、世界が注目している。
  • 『未踏高齢社会』の先駆者として、日本はその取り組みを世界に発信していかねばならない。
  • そして、その『未踏高齢社会』では、理論も制度も新しい枠組みを構築していかねばならない。

その為の新しい理論として長谷川先生が提唱しておられるのが

『ケア・サイクル論』

です。

長谷川敏彦先生の「ケア・サイクル論」とは

と言っても、全く難しいものではありません。

長谷川先生がおっしゃるほど新しい概念でも無くて(長谷川先生、ごめんなさい)、今では多くの方々が直感的に感じておられるであろう「ケアの在るべき姿」のことです。

ケアサイクル

ケア・サイクル


フジノなりに理解した『ケア・サイクル』を説明してみます。

『ケアサイクル』とは、1人の患者が受ける連続したケアのこと。

様々な保健資源・医療資源・福祉資源から、その時点の状況に対応したケアを受ける、というもの。

ひとことで定義すると、上のようになるとフジノは思います。

ケアサイクルの概念

ケア・サイクルの概念


かつて『病気』は、毎回孤立した出来事でした。

ドクターの仕事(使命)は、救命して完治させることでした。

その『病気』だけにピンポイントで責任を果たしていれば良かったのです。

例えば、肺炎になった方がいれば、ドクターは肺炎を治すことだけを目指して治療をすれば良かった訳です。

けれども、そういう時代は終わりました。

ほとんどの人は、複数の病気を抱えているものです。

例えば、入院して肺炎そのものは治っても、ご高齢の方は病院に入院してベットでの生活を送った後には、退院したら寝たきりになってしまうことがあります。

つまり、『病気』そのものは治せても『生活』が守れなければ、それは治療として正しく無いのです。

その時その時の処置によって、ある『病気』の状態は良くなります。

けれども、他の『病気』や『障がい』や『生活レベル』は元のようには完全には戻らないことが多いものなのです。

こうして、人はみな、完全な健康では無い状態のまま、寿命を迎えるその日まで生き続けていきます。

そこで、人の健康を『ケア・サイクル』で見ていく必要があるのです。

長谷川先生の提言というのは、このようなことだとフジノは考えています。

決して特別な考え方ではなくて、むしろ今の時代では「当たり前」という感じですよね?

ただ、それが実際の現場レベルではまだまだ実現していない。

だからこそ、長谷川先生のようにあえて理論化して訴えていくことが必要なのかな、とフジノは理解しています。

医療の新たな目的

医療の新たな目的

  • ある病気が発生する。
  • 日常の生活動作(ADL)が低下する。
  • 病院(急性期)に入院して、回復する。
  • 自宅で在宅ケアや福祉支援を受ける。
  • また容態が変化する。
  • 治療を受けて、回復すれば自宅に戻る・福祉施設に入所する。
  • このサイクルを繰り返しながら、最後は死を迎える。

長谷川先生によると、「男性は4~5回、女性は7〜8回のケア・サイクル回転をする」とのことでした(この根拠を伺ったのですがフジノには理解できませんでした)。

保健・医療・福祉のあらゆる職種が役割を分担して、地域全体で人々の暮らしを包括的に支援していくことが重要です。

さらには、都市政策・住宅政策も重要です。

こうした取り組みがフジノの考える『地域包括ケア』です。

2025年まで、あとわずか12年しかありません。

一刻も早く『地域包括ケア』を実現していきたいです。

今夜の講義では、そうした基本的なスタンスを再確認させていただきました。

横須賀は2025年をのりこえられるか?/看取り難民をはじめ、様々な問題が起こっていきます

看取り難民など様々な問題が2025年まで一斉に起こり続けていきます

けさのタウンニュース紙の1面は、『看取り場所どこに? 2025年問題、市「避けて通れない課題」』という記事でした。

12月議会で一柳洋議員が行なった一般質問をメインに、『2025年』問題について横須賀市の状況を分かりやすく説明してあります。

記事の最後で6月議会でフジノが行なった一般質問も報じてくれました。下の画像の、赤い枠の中がフジノの質疑について触れているところです。

タウンニュース紙1面より

横須賀の「看取り難民の推計」

今回の市長の答弁によれば、2025年の横須賀市において、死ぬ時の場所が病院でも施設でも自宅にも見つからない、いわゆる『看取り難民』とされる方々の数は約1000名にのぼる、との推計でした。

けれども6月議会でフジノが示した国のデータに基づいた推計(下の文章と画像)では、横須賀市の『看取り難民』はすでに2020年で3630〜6060人にのぼります。

(フジノの質問より)
さらに、2007年6月に厚生労働省老健局が公表した推計によると、介護施設を現在の2倍に増やして自宅での看取りが1.5倍増えたとしても、亡くなる時に、病院にも介護施設にも入れず、自宅にもいられない「看取り難民」が 2030年には約47万人にのぼるとしています。



現状のままでは「死に場所」さえ無い社会になります。

まず1度目の巨大な波がやってくるのは2025年です。今すぐ、準備が必要です。

だからこそ、病院でも無い、施設でも無い、自宅でも無い、新たな高齢者向け住宅(サービス付き高齢者向け住宅)の建設を6月議会では提案したのです。

フジノの推計を2000〜5000人も下回る推計を出した横須賀市ですが、そんなに低い見込みで良いのか、疑問です。

いわゆる『2025年問題』は、タウンニュース紙が報じてくれた『看取り』の場所が全く足りなくなる=『看取り難民』の大量発生も、確かに問題の1つです。

ただ『看取り難民』は、いくつも起こる問題のうちの1つに過ぎません。

最も根本的な問題は、社会保障制度そのものが崩れてしまいかねないことです。

生きていく為のセーフティネット=社会保障制度そのものが崩壊してしまえば、まさにお金のある人だけしか生きていかれない社会へと追い込まれていくことになります。

それを防ぐ為に政治がやらなければならないことは、ハッキリしています。

『値上げ』と『サービスのカット』です。

医療を守る『国民健康保険』、福祉を守る『介護保険』、あらゆる市民サービスのもととなる市財政、その他全ての社会保障制度において、市民のみなさまが支払わなければならない保険料・料金・税金は、よりいっそうの値上げが進みます。

さらに、受けられる保健医療福祉などのサービスはよりいっそう減ることになります。

もちろん、ムダを無くす、滞納を無くす、不正受給を許さない、などは全て行なった上です。それでも『値上げ』と『サービスのカット』を避けることはできません。

やがて来る2015年、2025年は、今までとは完全に人口構成が変わるからです。

現在でさえ、保険料や税金は高いのにもっと値上げしていかざるをえません。現在でさえ、医療も福祉も足りていないのにもっとサービスをカットせざるをえません。

こんなフジノの絶望的な言葉は、当然、市民のみなさまから大きな批判を受けることだと思います。

それでも社会保障制度そのものが無くなるよりは絶対的にマシなのです。

だからフジノたち世代の政治家は、どんなことがあっても社会保障制度を守る為にあらゆる取り組みを行なっていくことが最大の使命だとフジノは考えています。

フジノには、その覚悟はできています。

6月議会では、その覚悟が吉田市長にもできているのかを問いただしました。それが下の質疑応答です。

2012年6月議会・市長への一般質問
 フジノ
ここで、ぜひあらゆる立場を超えて認識を同じくしたいと思うのですが、市長と僕は、団塊ジュニア世代の最後の方です。僕たちが2050年に後期高齢者になります。その後は、日本の人口は一気に減少していきます。

その時まで、介護保険や高齢者福祉、社会保障制度をキープしていく。たとえ給付が少なくなっても、制度をキープしていく。

これが僕たちの世代に課せられた最大の責任だと思っています。まず、この点を市長と認識を共有したいと思います。どのようにお考えでしょうか。

 市長
2050年を待つまでもなく、すでに介護保険や国民健康保険に対して、市の財政的な持ち出しが随分出てきています。

介護保険の制度だけではなく、横須賀市全体の財政制度という観点からも、高齢者への給付の財政負担がどんどん増えてきて、市の財政そのものが持続できなくなる恐れもあると考えています。

そういう意味では、2050年を待つまでもなく、横須賀市を持続可能な横須賀にしていく為に、様々な取り組みを行っていく必要がある、と私も認識しています。

 フジノ
全く同感です。

そこで僕は今回の質問のタイトルをあえて『2025年』と付けました。

僕たちが後期高齢者になるのは2050年ですが、その波というのはわが国にとって第2回目の波であって、まず最初の波は2025年〜2030年にやってきます。今、部長クラスでおられる皆さんがちょうど後期高齢者になる時期に、まさに団塊世代が後期高齢者に突入する。

『2015年』が最大の1番目の大きな波としてやってまいります。

市長がおっしゃったように、2050年を待つまでもなく、今現在から対策が必要だということについては僕も全く同じ認識です。

現時点で、どこまで吉田市長は本気なのか。その本気度を確かめるのが「ハコモノの完全な廃止ができるかどうか」です。

何故なら、まもなく「今までは当たり前に提供されてきたあらゆる市民サービス」をカットしなければならなくなります。

そんな状況がすぐ目の前に迫っている今、ハコモノさえカットできないとすれば、それ以上の市民サービスのカットなんて絶対にできないからです。

こんなしがらみさえ断ち切れないならば、それ以上に強固な既得権を断ち切ること(=今までは当たり前に受けられると考えていたサービスを廃止・削減すること)は不可能です。

自分が市長の任期中だけは先送りできる、なんてことは、絶対にありえません。もはや誰も逃げ切ることはできないのです。

そんな危機感を持つフジノから見ると、答弁とは異なり、吉田市長の本気度はかなり疑問です。

「地域包括ケア」を実現する為に、さらに学び、実践していきます/『地域連携の理論と実践』受講スタート

大学院での「地域連携の理論と実践」聴講スタート

今日は、夕方から東京・青山へ。

前期(4月~8月)に続いて今日から毎週土曜日の夜は、国際医療福祉大学院でフジノは聴講をします。

大学院の玄関にて

大学院の玄関にて


2025年までに『地域包括ケア』を実現する為に在るべき制度の姿成すべき実践について学ぶのが目的です。

フジノは、やがてくる2025年に向けて強い危機感を持っています。

わが国は、政治も経済も不安定な社会状況が続いています。世界のどの国も体験したことが無い激しいスピードで超高齢社会に突入した日本は、まさに未踏高齢社会と言えます。

本来であれば、全国あまねく安心して暮らせるシステム作りが必要ですが、国には十分な財政力も無く、ましてや地方も厳しい状況にあります。

『地域包括ケアシステム』は、受け身で待っているだけでは実現できません。

国の制度を熟知して、新たな動きをしっかりと注視していくとともに、全国のあらゆる地域での実践活動から成果を学んで、自分の暮らす地域のニーズに合ったきめ細やかな地域包括ケアの仕組みを作っていかねばなりません。

だからこそ、しっかりと強い問題意識と危機感を持って、自ら積極的に取り組みを進めていかねばならない、とフジノは考えています。

地域包括ケアシステムのイメージ

地域包括ケアシステムのイメージ


後期の講義のタイトルは『地域連携の理論と実践~地域連携コーディネーター養成コース』です。地域包括ケアシステムについて、最先端の実践を行なっている方々を講師としてお招きして、理論と手法の検討を行なう、という内容です。

コーディネーターは、高橋紘士先生です。

高橋紘士先生

高橋紘士先生


今夜の講師は、山岸暁美さん(厚生労働省医政局在宅医療推進室)です。山岸さんの所属しておられる『在宅医療推進室』は、今年から新たに厚生労働省に設置された部署です。

山岸暁美さん(厚生労働省医政局在宅医療推進室)

山岸暁美さん(厚生労働省医政局在宅医療推進室)


講義では『在宅医療・介護あんしん2012』をはじめとする、地域連携の制度について、そして地域での様々な実践例についてお話ししていただきました。

施設中心の医療・介護ではなく、住み慣れた生活の場で必要な医療・介護サービスが受けられて、安心して自分らしい生活を実現できる。そんな社会を目指して、特に今年度は『在宅医療・介護』の推進に向けて施策が総動員されました。

  1. 予算での対応
  2. 制度的な対応
  3. 診療報酬・介護報酬の同時改定における対応

フジノはこうした国の動きをまずは、横須賀市の取り組みにしっかりと落とし込んでいくとともに、神奈川県に対しても、横須賀市の実態を的確に反映した、実効性のある保健医療計画を策定するように働きかけていきます。

山岸暁美さんのパワーポイントより

山岸暁美さんのパワーポイントより


前期の初めの頃には講義で何が話されているのか分からないこともあったのが、毎日、医療政策の文献を必ず読むようにして、今では講義についていかれるようになりました。

今後はさらに議論に参加できるようにならなければ。もっともっと学んで、たくさんの方々と意見を交わしていきたいです。

そんな活動の中でフジノが出会ってきた厚生労働省や国土交通省の方や国の審議会委員の方々のお話をうかがうと、とても強い熱意をもってより良い社会を目指して、真剣に議論をし、制度を設計しておられます。

けれども、県・市など地方自治体の現場では、これまでの慣習に引きずられて「医療は都道府県の仕事。介護は市町村の仕事」と、連携どころか縦割りのままでいます。

県の審議会を傍聴しても、市の担当部局にヒアリングしても、そうした姿勢が根強く残っていることをフジノは痛感しています。例えば、9月6日の活動日記でフジノが書いた

せっかく国が指針作りをしっかりがんばったのに、県レベルでそれを潰してしまってどうする!!今後も県の動きを追いかけ続けますが、どうかこの審議会がもっと本質的な議論を行なってほしい、とフジノは強く願っています。



という言葉のとおりです。

2025年まであと13年。

残された時間はわずか。

こんな現実を、変えていきたいです。