5月22日に「抗原検査」で「陽性」と診断・発表されたうわまち病院勤務の看護師が翌23日に「PCR検査」で「陰性」と診断された背景を説明します/横須賀市の新型コロナウイルス感染症対策

(今日のブログ記事は横須賀市の公式見解でもうわまち病院の公式見解でもありません。藤野英明個人の責任で記しています)

5月22日にうわまち病院勤務の看護師が「抗原検査」で「陽性」と診断・発表されました

5月22日付けで、横須賀市立うわまち病院に勤務する看護師が『抗原検査』の結果、『陽性』と診断されました。

うわまち病院は5月22日に陽性と発表しました

うわまち病院は5月22日に陽性と発表しました


うわまち病院は公式サイトで発表しました。

横須賀市が5月22日に陽性と発表しました

横須賀市が5月22日に陽性と発表しました


発生届を受けた横須賀市も『陽性』と発表しました。

繰り返しになりますが、この方は微熱があったことを受けて『抗原検査』を受けて『陽性』と診断されました。



しかし翌23日うわまち病院から「PCR検査」の結果「陰性」だったと発表されました

しかし事態は急転します。

翌23日、うわまち病院から公式に以下の発表がなされました。

うわまち病院のプレスリリースより

うわまち病院のプレスリリースより


『PCR検査』を行なった結果、当該看護師の方をはじめ、濃厚接触者として検査を受けた17名全員が『陰性』と診断されたのです。

昨日と全く逆の結果が出てしまいました。

これを受けて、多くの市民の方(特にうわまち病院に通院・入院している方とそのご家族)からたくさんのお叱りを頂きました。

みなさま、院内感染のリスクを恐れたのです。

通院しておられる方も入院しておられる方もみなさまとても不安だったと思います。

また、いったん『陽性』と診断されて公表までされた看護師の方のお気持ちを想って「横須賀市は謝罪して名誉回復をせよ」という厳しいお言葉もフジノは頂きました。

そこで、何故このような事態が起こったのかをフジノなりにご説明したいと思います。



簡単でスピーディーに結果が出る「抗原検査」ですがデメリットもあります

市民のみなさまは『PCR検査』の結果が出るまでに数時間かかることをご存知だと思います。

他のまちで検査件数が増えない理由に高度なPCR検査に充てられる人材が足りないということが挙げられます。

その一方で、『抗原検査』には特別な検査機器が必要ありません。

さらに約30分と短時間で結果が出ることから「早く利用を認めてほしい」という声が出ていました。

抗原検査キット「エスプライン SARS-CoV-2」(富士レビオ)

抗原検査キット「エスプライン SARS-CoV-2」(富士レビオ)


そこでアメリカでは5月10日から新型コロナウイルス感染症に対して『抗原検査』を導入しました。

日本も、厚生労働省が5月13日に『ガイドライン』を公表し、同日から『抗原検査』を導入しました。

ところで、市民のみなさまの多くが『抗原検査』を受けたことがあるはずなのです。

実は、インフルエンザの陽性・陰性を検査するのに使われているのが『抗原検査』なのです。

ただ、インフルエンザウイルスの検査はかなりの確率で『偽陰性』や『偽陽性』が出てしまいます。

つまり、感染していないのに『陽性』と結果が出たり、感染しているのに『陰性』と結果が出てしまうのです。

その為、導入前から「新型コロナウイルス感染症でも『抗原検査』は『PCR検査』と比べて正確性はかなり劣るはずだ」との指摘がありました。

そもそも検査の種類ごとにそれぞれにメリットとデメリットがあるのです。

『PCR検査』が優れていて『抗原検査』が劣っている、ということではそもそもありません。



厚生労働省「ガイドライン」に基づき、発生届の受理と発表がなされました

5月13日付けで厚生労働省が正式発表した『SARS-CoV-2抗原検出用キットの活用に関するガイドライン』です。

実物を画像で貼り付けます。

SARS-CoV-2抗原検出用キットの活用に関するガイドライン
SARS-Cov-2抗原検出用キットの活用に関するガイドライン
SARS-CoV-2抗原検出用キットの活用に関するガイドライン

フジノが黄色の蛍光ペンを引いた通りで、厚生労働省は

「(抗原検査の)本キットで陽性となった場合は確定診断とすることができる」

「新型コロナウイルス感染症は、感染症法において『指定感染症』として定められており、本キットにより新型コロナウイルス感染症患者と診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届ける必要がある」

と明記しています。

うわまち病院では患者さんの対応にあたっている看護師の方が微熱などの症状を示していたことから『抗原検査』を行ないました。

『抗原検査』が『陽性』と結果を示した為、厚生労働省『ガイドライン』に従って『確定診断』と判断し、感染症法に基づいて保健所に届出をしました。

法定の手続きに基づいて保健所は届出を受理しました。

そして、公表するに至ったという訳です。

これが5月22日までの経緯です。



「ガイドライン」でも「抗原検査」と「PCR検査」の併用を強調しています

厚生労働省の『ガイドライン』においても『抗原検査』の限界を指摘しています。

上に記した通り、『PCR検査』よりも正確性は劣る為、『PCR検査』を補う検査という位置付けになります。

その為、「当面は、『PCR検査』と『抗原検査』を併用して使用」と明記しています。

うわまち病院もこの『ガイドライン』に沿って『PCR検査』を同時に実施したと思われます。

ただ、『PCR検査』の結果が出るには数時間を要します(検査した時間帯によっては結果は翌日になります)。

そして5月23日、『PCR検査』の結果が判明した為に『陰性』と発表した、というのが経緯となります。

これが全ての経緯になります。



この問題を今後起こさない為にはどうすべきなのか

現在、うわまち病院と横須賀市保健所の間で協議が行なわれており、明日5月25日には対応が決まり発表されることになると思います。

改めて、国の『ガイドライン』に対してもとても重大な問題提起がなされたと受け止めています。

『抗原検査』が『PCR検査』の補助的な位置づけならば、『抗原検査』の結果だけで『確定診断』とせよ、という『ガイドライン』には矛盾があります。

市民の方からご指摘いただいたように、陽性だと言われて公表までされた看護師の方の心身のダメージは計り知れないものがあると思います。

今後ご本人に寄り添ってそのダメージの回復の為に横須賀市もうわまち病院も心を砕かねばならないと思います。

また、院内感染のご不安を抱かれた、うわまち病院に通院・入院しておられるご本人・ご家族に丁寧にご説明していく必要があります。

とはいうものの、法的には横須賀市保健所にもうわまち病院にも対応の間違いは何もありません。

フジノとしては、改めて『ガイドライン』の記述(確定診断とする)を変更すべきではないかと思います。

市民のみなさまにおかれましては、何故、診断が昨日と今日で変わったのかについての背景をぜひ知っていただきたいと願っております。



後日追記:5月25日に横須賀市が以下の発表を行ないました

翌25日に、横須賀市HPにて公式に以下の発表が行なわれました。

正式に「陰性」がアナウンスされました

正式に「陰性」がアナウンスされました


正式に『陰性』がアナウンスされました。

そっけない文章に「あんまりじゃないか」とお感じになれる方もいらっしゃるかもしれません。

けれども、法的には横須賀市保健所にもうわまち病院にも問題はありませんので、現時点では事実をご報告するのみにとどまりました。

これからどのような対応を取っていくべきかについては、保健所内でも議論が続けられています。



新規感染者数が横須賀市の公表とメディア報道でズレがある理由を説明します/横須賀市の新型コロナウイルス感染症対策

横須賀市とメディアの報道で統計にズレが起こりました

本日5月19日、メディアでは

「横須賀市で新たな陽性判明1名」

と報道しました。

メディアでは5月19日に横須賀市で新たに1名の陽性が判明したと報道されました

メディアでは5月19日に横須賀市で新たに1名の陽性が判明したと報道されました

しかし、横須賀市保健所は公表をしていません。

横須賀市の公表とメディアの報道の間で、感染者数にズレが起こってしまいました。

この理由をご説明します。



新型コロナウイルス感染症に限らず感染症の統計と対応には2つのルールがあります

今回の新型コロナウイルス感染症(SARS-CoV-2)に限らず、感染症の報告と公表には2つのルールがあります。

  1. 患者さんの居住地にかかわらず、「発生の届出を受けた保健所・保健福祉事務所がカウントする」というルールがあります
  2. カウントとは別に「実際の対応は患者さんの居住地の保健所・保健福祉事務所が行なう」というルールがあります

今回の患者さんはたまたま鎌倉保健福祉事務所(所管は神奈川県)の管内でPCR検査を受けました。

そして陽性が判明したので、1番目のルールに基づいて、鎌倉保健福祉事務所(所管は神奈川県)が発生届を受け付けました。

その為、鎌倉保健福祉事務所においてカウントされて、発表も鎌倉保健福祉事務所を所管している神奈川県が行ないました。

発生届を受理した鎌倉保健福祉事務所(所管は神奈川県)がカウントし公表しました

発生届を受理した鎌倉保健福祉事務所(所管は神奈川県)がカウントし公表しました


このルールがありますので、もしも横須賀市保健所がカウント・発表をしてしまうと『ダブルカウント』になってしまいます。

その為、横須賀市保健所ではカウントも発表もできませんでした。

横須賀市の5月19日の新規患者数は0名と発表しました

横須賀市の5月19日の新規患者数は0名と発表しました


今回の方は横須賀市の50例目にカウントされません。

このルールは全国共通なので、他都市でも同じように処理をしています。

けれどもこうした感染症の統計ルールは報道機関にとっては関係ありませんよね。

そこで、居住地が横須賀市なので報道機関は「横須賀市で新たに1名判明」と報じた訳です。

これが『ズレ』が起こった理由です。

実はこの『ズレ』はこれから先も起こる可能性があります。

市民のみなさまにとっては「市内居住の方が新たに感染した」という事実のみが重要ですから、このルールは分かりづらいですよね。。。

また、2番目のルールに基づいて、患者さんご本人への対応や濃厚接触者調査などは横須賀市保健所が行なっています

繰り返しになりますが、これは新型コロナウイルス感染症だけのルールではなく、通常の対応です。

どうかご理解下さい。



【速報】横須賀市で最初の新型コロナウイルス感染症の感染者が確認されました/横須賀市の新型コロナウイルス対策

新型コロナウイルス感染症、横須賀市で初めての感染者が確認されました

先程ツイッターでお知らせしたとおり、本日3月15日、横須賀市内にお住まいの方が新型コロナウイルス感染症に感染していることが確認されました。

19時から市長が記者会見を行ないました。

20時30分には横須賀市ホームページに正式に情報が掲載されました。

横須賀市の新型コロナウイルス感染症の感染者の確認について

横須賀市の新型コロナウイルス感染症の感染者の確認について


市民のみなさまは大変に大きなショックを受けられたかと思います。

ただ、WHOがパンデミックを宣言した今、日本だけ、横須賀市だけが感染症から免れることは決してできません。

フジノとしても「いつか来るべきものが今日やってきたのだ」と冷静に受け止めています。

横須賀市も本日に至るまで、感染者が出た時を想定してシミュレーションを行なってきました。さらなる感染の拡がりに備えた想定も行なってきました。

今後の対応についても上地市長は記者会見の場で

  • 横須賀市は感染した方と接触した全ての方にPCR検査を行なう
  • 横須賀市は感染した方の行動経路を徹底して調べる

との方針を明言しました。

施設に勤務しておられる方の陽性判明であることから、施設内での感染の拡がりを徹底して防ぐ必要があります。

さらに施設の外へ感染を拡大させない為に、行動歴・濃厚接触者の有無の調査も保健所を中心に徹底的に行なっていきます。

SARS-CoV-2がどのような症状を引き起こすのか、ウイルスが今後どのように変化していくのかは、まだ世界中の誰にも分かりません。

ご不安な気持ちは誰もが感じずにはいられないと思います。

けれども、どうか市民のみなさま、ともに乗り越えていきましょうね。

できるだけ落ち着いて、公による情報発信を受け止めて、感染対策の為に取れる行動を引き続きお願いしたいと思います。

19時から市長が開いた記者会見の様子はNHKがウェブで生中継をしてくれました。

市長記者会見の様子をNHKがウェブで生中継してくれました

市長記者会見の様子をNHKがウェブで生中継してくれました


すぐにフジノはSNSで生中継があることを発信したのですが、19時という時間帯もあって、リアルタイムで観れた方はごくわずかでした。

残念ながらNHKはアーカイブ(録画)を配信してくれなかったので、詳しい情報が市民のみなさまにはなかなか伝わりきらず、とてももどかしい想いでいます。

これから横須賀市は個人情報に配慮しつつも、市民のみなさまの安全・安心の為に情報発信を積極的に行なってまいります。

フジノも市民のみなさまからのご質問やご意見には可能な限り早くお答えをしていきます。

市民のみなさまにおかれましては、引き続き感染症予防の為に十分な睡眠と栄養と運動と、手洗い・15秒程度のうがいを続けて頂きたいです。

「そんなことしかできないの?」

とお感じになるかもしれませんが、まずは心身の健康はあらゆる病気に対して、とても大切です。

さらに、ウイルスを口や目から体内に入れないように手洗いとうがいはあらゆる感染症に有効な対応策です。

どうかよろしくお願い致します。

最後になりますが、ひとつ申し上げたいと思います。

いろいろなお考えがあるのは承知しておりますが、3.11の時と同じく

いまだ正体が解明されていない物に対して、より安全を望む声をフジノは支持したいと思います。

たとえそれが少数派であっても、です。

以上です。



【4月1日追記】当日の市長記者会見のやりとり

2020年4月1日、ようやく市長記者会見の議事録が公表されました。

さっそくこちらこ追記します。

案件:新型コロナウイルス感染症による市内の患者確認について
日時:2020年3月15日(日)19:00~19:30
場所:横須賀市役所1号館3階会議室

市長

急きょ、お集まりいただきましてありがとうございます。

本日(3月15日)16時に、検査の結果、新型コロナウイルス感染症に感染した患者さんが確認されました。

残念でありますが、横須賀市内に居住の方で、市内で感染が確認された初めての患者さんです。1日も早い回復を祈りたいと思います。

今後、濃厚接触者の把握と健康観察等を実施し、感染拡大の防止を図ります。

患者さんの概要を申し上げます。

年代は70代、性別は女性です。

職業は看護職で、勤務先は介護老人保健施設「ハートケア湘南・芦名」です。

濃厚接触者など詳細については、現在調査中です。

症状については、資料に記載のとおりです。3月3日から腹痛・軟便の症状がみられましたが、体温は36度台でした。8日に咳・倦怠感の症状が出現し、症状が続いた為、13日に市内の医療機関を受診しました。

その医療機関から『帰国者・接触者相談センター』に連絡があり、同センターが受診調整を行ないました。

14日に市内の別の医療機関を受診し、PCR検査を実施しました。

本日、15日に陽性が判明いたしました。

渡航歴は、2月23日から3月1日までエジプトに渡航し、2月24日から2月26日までナイル川クルーズに乗船されています。

行動歴については、現在、調査中です。

現在、患者さんの医療機関への入院については調整中です。

また、施設の今後の運営についても、保健所長と施設で調整中です。

市では、利用者の方々はもとより、市民の皆さんにも安心していただく為、繰り返しになりますが、施設と共に、濃厚接触者の把握と健康観察等を実施し、感染拡大の防止に全力で取り組んでまいります。

私からは以上です。

質疑応答

記者

患者さんの勤務先について、再度、教えていただけますか。

市長

介護老人保健施設「ハートケア湘南・芦名」です。

記者

患者さんは帰国後も勤務していたのでしょうか。

保健所長

はい。帰国後の数日間、勤務をされていたと聞いております。

また、その際、マスクを着用し、手洗いも行なっていたと聞いております。

記者

施設を利用する高齢者との接触はあったのでしょうか。

保健所長

そのような情報は把握しておりませんが、介護老人保健施設という性質上、接触した可能性はあると思います。

記者

通勤時には、公共交通機関を利用していたのでしょうか。

保健所長

自家用車で通勤していたと聞いております。

記者

患者さんの家族構成を教えていただけますか。

保健所長

お一人で暮らしていると聞いております。

記者

濃厚接触者の範囲について、どの程度が予測されるでしょうか。

保健所長

今後の調査により、濃厚接触者の範囲を決めていく予定です。

市長

現在、接触者や勤務状況を施設に確認中です。

患者さんは、施設内で様々な方と接していたと考えられます。

その為、可能であるならば、PCR検査を施設内の全員に実施していただきたいと私から指示をいたしました。

記者

その場合の検査対象者は何人程度でしょうか。

市長

調整をしている最中ですので、正確な数字は把握しておりません。

記者

「ハートケア湘南・芦名」のホームページには、入所150名、通所50名と利用定員が記載されていますが、患者さんが通所の方々と接触した可能性はあるのでしょうか。

保健所長

患者さんの勤務形態を調査中です。現状では、その可能性を否定できません。

記者

利用者の方々には、この件についてどのように周知を行なうのでしょうか。

保健所長

施設を通じて周知する予定です。

記者

これから行なうということでしょうか。

保健所長

はい。現在、その方向で作業を進めています。

市長

市が施設と連絡を取り合い、周知方法を検討中です。

市長室長

本日判明したことですが、可能な限り、早い段階で行ないたいと考えています。

保健所長

また、施設に対しては、明日(3月16日)からの休止を要請しております。

記者

どのような休止内容ですか。

保健所長

通所利用の休止です。

記者

これまで、土曜日・日曜日、祝日・休日も通所利用は可能だったのでしょうか。

保健所長

詳細は把握しておりません。

記者

通所利用の休止は、要請、指示のどちらでしょうか。

保健所長

要請です。

記者

それに対して、施設側はどのように回答したのでしょうか。

保健所長

まだ、お返事をいただいておりません。

記者

では、現状は、保健所として通所の休止を要請したという段階でしょうか。

保健所長

はい。おっしゃる通りです。

記者

この要請について、法律上の根拠はあるのでしょうか。

保健所長

新型コロナウイルス感染症対策に関する国の考え方に基づき、要請させていただきました。

市長

法的根拠はなく、強制はできませんので、要請という形です。

記者

患者さんの職業について伺います。

看護職と表記されていますが、看護師ととらえてよろしいのでしょうか。

保健所長

看護師と聞いております。

記者

では、准看護師等ではなく看護師ということですか。

保健所長

はい。おっしゃる通りです。

記者

今回の件は、横須賀市内で感染が確認された初めての患者さんということでよろしいのでしょうか。

市長

はい。おっしゃる通りです。

記者

症状としては軽症ととらえてよろしいのでしょうか。

保健所長

はい。症状は軽症で、現在も症状の悪化はみられません。

市長

体温が36度台でしたので、一般論では感染したとは考えにくい状況だったと思います。

記者

入院の調整をされているということですが、現在は自宅療養中なのでしょうか。

保健所長

はい。自宅にいると聞いております。

記者

帰国後の数日間、勤務をされていたということですが、具体的な日数を教えていただけますでしょうか。

保健所長

帰国後、数日間と聞いております。

記者

発症後も勤務していたということでしょうか。

保健所長

はい。発症後も勤務されていたと聞いております。

市長

「症状が出た」という意味で、軟便が確認された3月3日以降ということになりますので、4日、5日、10日、11日と聞いております。(※)

記者

では、帰国後の数日間というのは、4日間ということでしょうか。(※)

市長

はい。おっしゃる通りです。(※)

(※)会見実施後、上記4日間(3月4日、5日、10日、11日)のほか、15日にも勤務し、帰国後、5日間勤務していたことを確認済み(3月16日現在)。

記者

最高の体温も36度台だったのでしょうか。

保健所長

はい。36度7分と聞いております。

記者

ナイル川クルーズへは、お1人で参加されていたのでしょうか。

保健所長

現在、調査中です。

記者

患者さんは、現在もご自宅にお一人でお住まいなのでしょうか。

保健所長

はい。そのように考えています。

記者

受診した2つの医療機関は、いずれも市内ということですが、横須賀市からこの患者さんについての発表は、今回が初めてということでよろしいでしょうか。

保健所長

はい。おっしゃる通りです。

市長

今後の対策といたしましては、感染の拡大を防ぐ為に封じ込めを徹底し、できる限りのことを市として行なっていきます。

これまで、皆さんにご協力いただき、なんとか封じ込められていたのだと思います。

現在、患者さんの足取りを全てつかめていないという意味では、心配な部分はあります。

しかし、素人考えではありますが、36度台の体温で軽症でもあったことから、感染力は弱いのではないかと思っています。

初動が大切ですので、明日以降、施設とともに、調査等を行なってまいります。

記者

施設利用者の中に、症状がみられる方は現時点でいらっしゃらないと考えてよろしいのでしょうか。

保健所長

現時点では把握できておりません。

記者

利用者、特に通所の方々への周知は、すべて施設で行なえるのでしょうか。

市長室長

施設は、利用者一人ひとりの通所日を管理し、受け入れを行なっています。

その為、市としては、施設から利用者全員への周知が可能であると思っています。

市長

行政が立ち入ることのできる範囲は限られています。

個人情報の問題や、施設に対して、指示や命令ではなく、要請しか行えない点には、非常に歯がゆい思いです。

市は、後方支援に徹する為、何ができるのかを考えてまいります。

記者

濃厚接触者の人数や対応などの続報については、どのような形で発表するのでしょうか。

市長

状況については、逐一発表する予定です。

市長室長

基本的には、時期を失しないために「投げ込み」(報道発表資料による情報提供)で対応します。

市長

基本的には「投げ込み」ですが、重篤なケースが発生した場合などは、その都度、私から直接説明する必要があると思っています。

患者さんはもとより、不安を感じる市民の方々のことも気掛かりですので、さまざまな手段で対応していきます。

記者

今回の患者さんの話に戻りますが、参加したナイル川クルーズは、他自治体においても話題に挙がっていたクルーズのことでしょうか。

市長

はい。まさに同時期です。

記者

検査を実施することができる市内の病院数を教えていただけますか。

保健所長

市内3カ所の『帰国者・接触者外来』で検体を採取し、市保健所で検査を実施することができます。

市長室長

市内3カ所のうち、感染病棟のある病院はそのうち1カ所です。

市長

横須賀市民病院です。

記者

現在、市内で患者さんを受け入れるキャパシティはどの程度でしょうか。

保健所長

市民病院に6床あり、現在、6床すべてが空いています。

記者

市外から受け入れる予定はないのでしょうか。

保健所長

ございません。

市長室長

最後に、市からお知らせいたします。

この後、20時から本件の周知徹底と今後の対応について、全部局長が出席する本部員会議を実施いたします。

よろしくお願いいたします。



妊婦健診にはHIV検査がありますが、妊婦さんは「偽陽性」で「陽性」と結果が出る確率が高いことを知っていて下さい/AIDS文化フォーラムin横浜(3日目)その1

「AIDS文化フォーラムin横浜2017」3日目も参加しました

おととい昨日に続いて、『AIDS文化フォーラムin横浜』に参加しました。

第24回AIDS文化フォーラムin横浜

第24回AIDS文化フォーラムin横浜


3日間にわたるフォーラムも、ついに今日が最終日です。

「AIDS文化フォーラムin横浜」会場入口にて

「AIDS文化フォーラムin横浜」会場入口にて


今日も気合いを入れて学びます。



講座「母と子を守る〜感染者の分娩・未受診妊婦〜」へ

フジノは、講座『母と子を守る〜感染者の分娩・未受診妊婦〜』に参加しました。

会場には60人くらいの参加者がつめかけ、ぎゅうぎゅうの満席でした。そのうち男性は8人くらいで、残りはみなさん女性でした。

「母と子を守る〜感染者の分娩・未受診妊婦」会場前にて

「母と子を守る〜感染者の分娩・未受診妊婦」会場前にて


この講座では、妊娠したお母さんからお腹の胎児にHIV感染する『母子感染』について、これまでと現状について学びました。

母と子を守る〜感染者の分娩・未受診妊婦〜

主催:認定NPO法人AIDSネットワーク横浜

『ハイリスク出産』の名医、聖マリの水主川純先生が、感染者の分娩、飛込み分娩、未受診妊婦の問題を語る。

それにしても、主催の『認定NPO法人AIDSネットワーク横浜』はすごいです。

毎年、『AIDSボランティア学校』という連続講座を開催しているのですが、今年でなんと25周年を迎えます(素晴らしい!)。

第25期AIDSボランティア学校・講演会の概要

第25期AIDSボランティア学校・講演会の概要


今年の10回連続講座のプログラムの『第5回』が、今日の『AIDS文化フォーラムin横浜』のこの講座にあたります。

聴きたい1つの講座だけ受講することもできて、こうして『AIDS文化フォーラムin横浜』ともコラボしていて、参加しやすくてすごく良い取り組みだと感じました。



妊婦健診の血液検査に「HIV」も入っています

『妊婦健康診査(妊婦健診)』では血液検査を行ないます。

血液型(ABO式、RhD式)、不規則抗体検査、血液一般検査、血糖の検査、血液生化学検査(肝・腎機能)、梅毒検査、B型肝炎、C型肝炎、HIV検査、風疹抗体、HTLV-1検査、トキソプラズマ抗体検査

上のリストのとおりで、HIVの検査も行ないます。

HIVも母子感染予防(お母さんから胎児に伝染することを防ぐこと)の対象になっているからです。

HIV感染、3番目の経路「母子感染」

HIV感染、3番目の経路「母子感染」


妊婦健診の対象項目になってからの歴史はまだ浅いです(2010年に血液検査の項目に加わりました)。

受診率
2000年79.4%
2006年95.3%
2015年99.6%(最新データ)

けれども現在では、ほぼ全ての妊婦さんに検査が行われています。



どうしても知っていてほしいこと。実は、妊婦さんは「偽陽性」が0.1〜0.3%も出ます

今日のテーマからは外れるのですが、このブログを読んで下さっているみなさまにぜひ知っていてほしいことがあります。

それは「あらゆる検査に完璧・完全は無い」ということです。

ここでは妊婦健診の血液検査での『HIV』について詳しくお伝えしたいのです。

本当は『陰性』であるにもかかわらず、はじめの検査(スクリーニング検査)では『陽性』という結果が出てしまうことがあります。これを『偽陽性』と言います。

妊婦さんは一般の方々よりもHIV検査で『偽陽性』が0.1〜0.3%程度も出てしまうのです。

つまり、日本では妊婦さんが1年間に1000人〜3000人ほどHIV検査で『偽陽性』なのですが、『陽性』と反応が出る。

この1000〜3000人の中で、確認検査(≒精密検査)を行なった末に本当にHIV感染していると診断される人は、わずか50〜100人しかいません。

つまり、950〜2900人もの妊婦さんが妊婦健診の血液検査で実際はHIV感染をしていないのに「『陽性』の可能性があるので精密検査を受けて下さい」と言われているという現実があります。

ぜひこちらのパンフレットをご覧下さいね。

パンフ「妊婦HIV検査(一次検査)で結果が陽性だった方へ」より

パンフ「妊婦HIV検査(一次検査)で結果が陽性だった方へ」より


日本のお産の半分は診療所の開業医によって行なわれています。

そして、全てのドクターがHIVについて詳しい訳ではありません。その為、妊婦健診の血液検査の結果、『陽性』と出た時に『偽陽性』の可能性の説明ができないこともあります。

「ぜひ総合病院に行って精密検査を受けて下さい」

とお伝えして終わり、ということも現実にしばしばあるそうです。

わが国ではHIV・AIDSに対する誤った情報や偏見が根強く残っています。

そのような中で、十分な説明が無いままに

「あなたは妊婦健診の結果、HIV陽性でした」

と言われて、ひどくショックを受ける妊婦さんが多いです。

「AIDSを発症して死んでしまうのではないか」とか「夫から見放されてしまう」と恐れて、ストレスフルな精神状態に追い込まれて孤立してしまう方もいます。

その後、妊婦健診に一切来なくなってしまう妊婦さんもいらっしゃいます。

夫に話した結果、結婚そのものがダメになってしまうこともあります。

そのような厳しい現実があるからこそ、全てのドクターが気をつけて説明をする必要があります。けれども同時に全てのドクターがHIVに詳しい訳ではありません。

そこでぜひみなさまに知っていてほしいのです。

妊婦健診におけるHIV検査の弱点

血液検査の結果、本来は陽性ではないのに陽性とでてしまう『偽陽性』が0.1〜0.3%ほどあります。

日本では1年間に1000人〜3000人ほどの妊婦さんが、『偽陽性』なのですが、『陽性』と結果が出ています。

確認検査(≒精密検査)を行なった結果、最終的にHIV感染していると診断される人は、わずか50〜100人しかいません。

さらに、HIV感染していたとしても絶望のどん底に落ちる必要はありません。

「これだけは知っておきたい 安心と早期発見のためのHIV検査」グラフィックインターナショナル(株)発行より

「これだけは知っておきたい 安心と早期発見のためのHIV検査」グラフィックインターナショナル(株)発行より


そうなんです。

親がHIV感染していても、赤ちゃんは『陰性』で産まれることができる時代になったのです。




(この記事は次の記事に続きます)



デング熱に感染した横須賀市民はすでに軽快し退院しました/市の対応が市議会(教育福祉常任委員会)に報告されました

今回の事態を受けての「横須賀市の対応」を報告します

先日のフジノブログにおいて、横須賀市民の女性が『デング熱』陽性反応が出た件について、情報提供と対応を報告しました。

そして今日、開会中の9月議会(教育福祉常任委員会)において、健康部から改めて報告がなされましたので、お伝えします。

教育福祉常任委員会に追加提出された報告

教育福祉常任委員会に追加提出された報告


その内容は、以下の通りです。

デング熱への対応について

  1. 経緯

    平成26年8月29日、横浜市から、横須賀市内在住の方が横浜市内医療機関にデング熱に感染している疑いで入院している旨の連絡が保健所にありました。

    • 患者は10歳代女性、海外渡航歴は無い。
    • 8月16~18日 都立代々木公園周辺に滞在
    • 8月23日 発熱等の症状が出現し、医療機関を受診
    • 8月28日 症状が軽減せず、医療機関を再び受診
    • 8月29日 横浜市内の医療機関を紹介受診し、同日から入院
    • 9月1日 症状が軽快し、退院

    関係者の調査の結果、患者が発症前に都立代々木公園周辺で『デングウイルス』を保有している蚊に刺されて感染した可能性が疑われています。

  2. 対応

    (1)市民対応

    (2)医療機関対応

    • デング熱の国内感染が疑われる事例においては、診断前であっても速やかな情報提供を依頼

ご不安があれば、保健所・かかりつけ医療機関にぜひご相談下さい

デング熱の症状は、厚生労働省のQ&Aページなどでも紹介されているとおり、適切な治療を受ければ1週間ほどで回復するものと言われています。

2014年9月2日・朝日新聞より

2014年9月2日・朝日新聞より


実際、すでに横須賀市民の女性は症状は治り、無事に退院もしておられます。

フジノからお伝えしたいことは「恐れすぎないで下さい」というお願いです。

先日のブログで記したことの繰り返しになりますが、

  • 蚊に刺されないように長袖・長ズボンを着ること
  • 蚊避けのスプレーなどを利用すること
  • 発熱などの症状にご不安があれば保健所やかかりつけ医療機関に相談すること

がオススメです。

また、今後も市民のみなさまにお伝えすべき情報はどんどん発信していきます。

ご質問があればいつでもメールやツイッターなどでフジノまでお願いします。

横須賀市民1名に「デング熱」陽性反応が出た件の報告と、「デング熱」の基本的な情報について

横須賀市民1名からデング熱の陽性反応が出ました

すでに報道でご存じの方も多いとは思いますが、改めてお伝えします。

8月31日夜、横浜市から連絡を受けました。

横浜市内でスクリーニング検査を受けた横須賀市民1名に「デング熱」陽性反応が出たとのこと。

感染症法に基づいて、受診した医療機関のある横浜市が今後の対応を行なってまいります。

横浜市によるプレスリリース

横浜市によるプレスリリース

ぜひ正確な情報と知識で不安を取り除いて下さいね!

デング熱についての厚生労働省の「Q&A」コーナーをぜひご覧下さいね。

厚生労働省のデング熱に関するQ&Aページ

厚生労働省のデング熱に関するQ&Aページ


いくつかご紹介しますね。

【問い】
罹ると重い病気ですか?

【答え】
デング熱は、体内からウイルスが消失すると症状が消失する、予後は比較的良好な感染症です。

しかし、希に患者の一部に出血症状を発症することがあり、その場合は適切な治療がなされないと、致死性の病気になります。

【問い】
治療法はありますか?

【答え】
対症療法となります。

痛みと発熱に対してのアスピリンの投与は、出血傾向増悪やライ症候群発症の可能性があるので禁忌です。血漿漏出などの症状が出現した場合は、血漿漏出による循環血液量の減少を輸液により補うことが治療の中心になります。

【問い】
患者の経過と予後はどうでしょうか?

【答え】
デング熱の予後は比較的良好です。

血漿漏出と出血傾向が主症状の場合は適切な治療がなされないと致死性が高いですが、症状が回復し始めると迅速に回復するのが特徴です。

適切な治療を受けられれば、予後は良好です。

【問い】
日本国内でデング熱に感染する可能性はあるのでしょうか?

【答え】
日本にはデング熱の主たる媒介蚊のネッタイシマカは常在していませんが、媒介能力があるヒトスジシマカは日本のほとんどの地域(青森県以南)に生息しています。

このことから、仮に流行地でウイルスに感染した発症期の人(日本人帰国者ないしは外国人旅行者)が国内で蚊にさされ、その蚊がたまたま他者を吸血した場合に、感染する可能性は低いながらもあり得ます。

ただし、仮にそのようなことが起きたとしても、その蚊は冬を越えて生息できず、また卵を介してウイルスが次世代の蚊に伝わることも報告されたことがないため、限定された場所での一過性の感染と考えられます。

なお、ヒトスジシマカは、日中、屋外での活動性が高く、活動範囲は50~100メートル程度です。

国内の活動時期は概ね5月中旬~10月下旬頃までです。

予防方法については、このような説明がありました。

【問い】
蚊に刺されないようにするにはどうしたらよいでしょうか?

【答え】
ヒトスジシマカやネッタイシマカは日中に活動し、ヤブや木陰などでよく刺されます。

その時間帯に屋外で活動する場合は、長袖・長ズボンの着用に留意し、忌避剤の使用も推奨します。

長袖・長ズボン、また蚊をよけるスプレーなども良いようです。

横須賀市の感染症対策のご紹介

先日、市内の学校の先生から

「生徒たちが蚊にさされると『デング熱だ!』と指さしあったりしてて。。。」

という報告を受けました。

こどもたちは率直にニュースに敏感です。

『感染症対策』にかぎらず、不安や怖れに対しては、正確な情報提供に尽きるとフジノは信じています。

フジノの知識の範囲ではありますが、爆発的な感染(パンデミック)の恐れは低い、感染症だと受け止めています。

また、横須賀市には「保健所」が設置されており、「感染症対策担当」も設置されています。

横須賀市ホームページの感染症対策のコーナー

横須賀市ホームページの感染症対策のコーナー


フジノは、市が設置している感染症対策委員会の傍聴もしていますが、医師会をはじめ、市内医療機関の感染症対策への意識は高いと感じています。

さらに、新港埠頭に新設した救急医療センターには感染症用の特診室も5部屋もあります。

ベッド

これからもしっかりと情報発信につとめて、市民のみなさまのご不安を取り除けるように努力しますね。

フジノとしては、これからも市民のみなさまにお伝えできる情報は全て発信してまいります。

(*後日、続報をお伝えしました)