横須賀の小児医療を崩壊させない・守る為にやるべきこと/市民病院小児科の入院診療廃止に対するフジノの質疑(その8)

この記事の内容は、こちらの記事から続いています。

TVK「News930」より

TVK「News930」より


横須賀市立市民病院小児科の入院診療廃止問題について、教育福祉常任委員会協議会が開催されました。

横須賀の小児科医療を崩壊させない・守る為にやるべきこと

フジノが行なった質疑をシリーズで報告しています。

前回に続いて『横須賀の小児医療を崩壊させない・守る為にやるべきこと』についてです。

「かかりつけ医」を持ってもらうこと
question(フジノ)
集約を実施した後のさらにうわまち病院の小児科が崩壊してしまったら、本当に横須賀市の小児科というのは壊滅してしまう。

実際に今もお話聞いたところによると、小児科医の数は全体で11名、うわまち病院は10人ということでした。

これでは『集約』というよりも、なんとか『現状維持』をしていくのがやっとだ、という状況も分かりました。

そこで、同時にうわまち病院の小児科を崩壊させないことも『市の方向性』として打ち出して頂きたい、と思うんです。

具体的にはまず『かかりつけ医を持っていただくこと』です。

先ほど西地区には小児科の診療所は1つしか無いというお話でした。

しかし、小児科を標榜していなくとも実質的に小児科をできる診療所は複数あるはずです。

『かかりつけ医』を持ってもらうということをきちんと誘導していく、お伝えしていくという取り組みも必要ではないかと思うのですがいかがでしょうか。

answer(地域医療推進課長)
うわまち病院は『地域医療支援病院』ということで『かかりつけ医』を持つような推薦を病院としてもやっています。

市の方で、もし「不足している」ということがあれば、引き続き周知・ご案内もしていきたいと思います。

フジノ自身は幼い頃、ふだんは『〜こどもクリニック』とか『〜医院(小児科)』というように、小児科をメインにする診療所・クリニックには行きませんでした。

ご近所にある、ふつうに誰もが通っている『〜医院』にかかっていました。

これを『かかりつけ医』と呼んでいます。

いわゆる開業医(診療所・クリニックのドクター)は、誰もが総合病院や大学病院で勤務医として働いたのちに、地域で開業をしています。どの科が専門かを問わず、基本的にあらゆる疾患を広く診療することができます。

ですから、一般的な病気では『かかりつけ医』に診ていただくことが合理的です。

その『かかりつけ医』での診察の結果、より専門的な治療が必要だと判断された場合に『病院の小児科』で診察を受けるのです。

つまり、一般的な疾患には、地域の『かかりつけ医』に診ていただく。

そして、重い病気やケガのこどもたちは、より専門的な治療ができる『病院の小児科』で診ていただく。

医師不足の現状があっても、このように疾患の重さによってかかる診療所・病院を住み分けすることで、誰もが安心して治療が受けられるようになるのです。

2次救急を疲弊・崩壊させない対策
question(フジノ)
『2次救急』を引き受けていただくうわまち病院に必要以上に患者さんが集中しないように、やはり小児救急電話相談をさらに周知したり、軽症の場合には休日・平日深夜の受診はできるだけ控えていただく。

こうした広報をさらに強めていく必要もあると思うのですが、いかがでしょうか。

answer(地域医療推進課長)
特に『1次救急』の比較的軽症の患者さんが病院にかかることで医師の負担が多いということは、全国的に言われております。

ただ横須賀市の場合は、三春町の『救急医療センター』で『1次救急』の患者さんについては夜間も対応できている、というように理解をしております。

『救急医療センター』が新港町に移転をしますが、新しく小児科のブースも増えますので、その中で対応していきたいと考えております。

日本は、世界一の医療の質を誇る国です。

そして、誰でもいつでも診療所・病院にかかることができる(フリーアクセス)、世界で最も優れたシステムを持つ国です。

けれども、政治・行政は医療のすごさに甘えてきました。

市民のみなさまに大切なことをきちんとお伝えしてこなかったのです。

医療は、ドクターや看護師をはじめとする『人』によって支えられています。わが国は『人』を守る仕組みを全く取ってきませんでした。

その結果、医療は完全に疲弊しています。

医師も看護師も、強い倫理観をもって医療の世界に入ったものの、疲れ果てて現場を去っていきます。

この現実を変えなければなりません。

当たり前だけど大切なこと

  • 『診療所』と『病院』は、役割が違います。
  • 『1次救急』と『2次救急』は、目的が違います。

まず、この基本的なルールを市民のみなさまに知っていただくことが大切です。

そして、実際におこさんが発病やケガをした時も、焦らずに小児救急相談電話などを活用していただきながら、診療所(かかりつけ医)と病院を使い分けていただかねばなりません。

これだけで本当に多くの医師・看護師を疲弊から守ることができるのです。

(フジノの質問その9に続きます)

病院が重大な変更を行なう際は伝えるべき期限をルール化すべき/市民病院小児科の入院診療廃止に対するフジノの質疑(その6)

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TVK「News930」より

TVK「News930」より


横須賀市立市民病院小児科の入院診療廃止問題について、教育福祉常任委員会協議会が開催されました。

病院の重大な変更は伝える期限をはっきりとルール化すべき

フジノが行なった質疑をシリーズで報告しています。

前回に続いて『市と指定管理者の在り方』についてです。

市民病院の小児科の入院診療廃止の申し出が、あまりにも唐突だったことにフジノは問題を感じます。

また質疑をとおして、すでに1年前に指定管理者から申し出があったにもかかわらず、横須賀市側がその申し出を市議会にも市民のみなさまにも一切オープンにしてこなかったことが分かりました。

こうした姿勢は極めて問題です。

そこで「市立病院の運営について何か重大な変更を行なう時は、あらかじめ1年前に伝えねばならない」などの期限を指定管理者にも市にも定めておくべきだ、とフジノは考えています。

重大な変更はいつまでに伝えねばならないと期限をルール化すべき
question(フジノ)
ぜひ『ルール化』を行っていただきたいと思うんです。

現時点ではこういった重要な変更について、特に「いつまでに伝えなさい」という定めが無い。指定管理者の仕様を読んだんですけれど、特に見つけられなかった。

今回の入院診療の廃止について、これを平成25年3月に「(計画的に)1年後に廃止します」と言われて1年間の猶予があったならば、と考えずにはいられないんです。

重要な変更が予測される場合にはあらかじめいついつまでに伝えるというようなルールを明文化すべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

answer(地域医療推進課長)
これまで明文化してこなかったのは、「分かりしだい、すぐ教えて下さいね」ということで、あえて協定の中に「いつまでに」ということを設けてこなかったということはございます。

ただ、実際にルールを設けても、それより以前には話はできなかったという状況もありえると思います。藤野委員がおっしゃった「いつまでに」という表現も、かなり難しいところもあります。

それはよく指定管理者とお話をして、ルール作りまでいくか分かりませんけれども、検討していきたいと思います。

下水道使用料や保険料の値上げなどをはじめ、市民のみなさまの不安と負担の増加につながることは今後もあります。

そうした際には、説明を尽くすとともに市民のみなさまと意見交換をするなどの期間が、半年から1年間は必要です。

ましてや、市民のみなさまのいのちに直結している『医療』については、説明・意見交換・周知・準備などの期間を十分に取らねばならないはずです。

これをルール化すべきです。

フジノの質問に対する答弁として

「期限をルール化してもそれまでに伝えられないこともある」

と課長は述べました。

特殊な状況下では期限までに報告できない可能性がある、そんなことはフジノだって分かっています。

しかし、今回の小児科の入院診療廃止についても、実際はすでに1年前に指定管理者から横須賀市側には伝えられていました。

指定管理者は早くから廃止の意向をきちんと伝えていたのです。

その情報をオープンにせずにいたのは、横須賀市の責任です。

しかし、現在はこうしたルールが無い為に、市は情報をオープンにしなかった。それが今回の混乱の原因です。

市長をはじめとする市側が積極的に情報をオープンにしない以上、必ず情報をオープンにさせる期限の『ルール化』が必要です。

市民のみなさまの不安と負担の増加を少しでも減らす為にも、絶対に『ルール化』すべきです。

フジノの質疑その7に続きます)

ようやく市長がコメント。しかしこんな説明では理解は得られない/市民病院小児科の入院診療廃止

ようやく市長がコメントを出しました

昨年12月、市議会の教育福祉常任委員会のメンバーである市議たちに、健康部幹部がこの問題を説明して回りました。

やがて複数の新聞報道が出て、西地区をはじめとする市民病院を利用する市民の方々から不安の声が多数あがりました。

市議会の教育福祉常任委員会も急きょ開催されました。

この1ヶ月間、それでも吉田市長は市民病院小児科の入院診療廃止問題について何も説明を果たしてきませんでした。

ようやく昨日の記者会見で、初めて自らの見解を述べました。

あまりにも遅すぎるし、説明責任を果たすというトップの在り方としてはあまりにも消極的すぎます。

2014年1月31日・神奈川新聞より

2014年1月31日・神奈川新聞より

以下に神奈川新聞の記事を全文引用します。

「マイナスに作用しない」
市民病院小児科入院休止問題で市長見解

横須賀市立市民病院(同市長坂)が小児科の入院を休止する問題について、吉田雄人市長は30日の会見で、「医療体制の集約により、横須賀の子どもの命という意味では格段に医療体制を確保できる。決して、(子育てを重視する)市の方針にマイナスに作用しないと思う」との認識を表明した。

市長は、入院休止の一方で、小児科外来の拡充、1次救急の受け入れ充実、紹介状のない患者への応対を代替的に始めると強調。

「内容としては横須賀市の小児医療が後退するわけではない。1次救急などが手厚くなるので理解していただけると思う」と語った。

2期目の吉田市政が掲げる「若い世代の人口増が一番のテーマ」と相反するといった批判が市議会から上がっているが、市長は「そういうイメージを持つ人がいるかもしれないが、横須賀の小児医療を守るためには是非もない判断だった」と主張。

「(代替策により)子育てがしやすくなる環境にもつながる。批判は当たらないと思う」などと述べた。

市民病院のある西地区などから懸念が上がっている点については、「西部地域の方の心情は理解できる。できるだけ心配をかけないよう説明を尽くしたい。(もう一つの市立病院の)産科医師との連携や、NICU(新生児集中治療室)などのサービスも一緒になって提供できる体制を市として取るので、安心してほしい」と訴えた。

こんな説明で理解は得られない

記者会見の全文が発表されていないので、新聞記事からだけでは吉田市長が正確にはどのような見解を述べたかは分かりません。

ただ、記事に記されたコメントを読む限り、

「こんな説明では、西地区をはじめとする市民病院を利用してこられた方々の不安をぬぐうことはできない」

とフジノは感じました。

吉田市長は、一刻も早くこの問題をテーマにしたタウンミーティングを開催すべきです。

全ての情報を市民にオープンすべき!/市民病院小児科の入院診療廃止に対するフジノの質疑(その5)

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TVK「News930」より

TVK「News930」より


横須賀市立市民病院小児科の入院診療廃止問題について、教育福祉常任委員会協議会が開催されました。

市民のみなさまを信じて情報は全てオープンにすべき

フジノが行なった質疑を引き続き報告します。

情報は全てオープンにすべき
question(フジノ)
「市民病院の小児科をうわまち病院に集約したい」という意向は、すでに2013年の市民病院の『病院年報』で宮本診療部長(小児科)によって語られていました。

市民病院「病院年報」より

市民病院「病院年報」より


市議会においては長谷川昇議員がいちはやくこの問題に気づいて議論をしてきました。

僕自身への反省も含めて、本来この問題についてもっと早くアナウンスしておけば、市議会にも住民の方にもアナウンスしておけば、心構えだけでもできたのではないかと思います。

『医師不足』という現状は日本全体の現状としてあって、横須賀市健康部地域医療推進課としてはなんとか食い止めようとする努力はしている。

そういう姿も含めて、全てオープンにしてくるべき責任があったと思うのです。

もちろん指定管理者(地域医療振興協会)にも責任はあると思うのですが、この点についてはどんな風に捉えていらっしゃいますか。

answer(地域医療推進課長)
『病院年報』に宮本小児科部長が書いたことについてお話されていると思いますけれども、

地域医療振興協会から今回の『集約化』の相談があった時点で、横浜市立大学医学部長等とお話する機会がありました。

「やはり集約した方がいいんじゃないか」というご意見がだいぶ多かったです。

もう少し私の方ももっと早く気が付いて、そういった方向性についても検討すれば良かったかな、とは反省はしているところでございます。

question(フジノ)
『休止』なのか『廃止』なのかという言葉のあやではなくて、「横須賀市の小児科医療を今後どうしていくのか、周産期医療をどうしていくのか」を語るべきです。

僕は『集約化』そのものは「決して悪では無い」と思っていますし、むしろ市民のみなさまに良い『メリット』もたくさんあると思っています。

問題は、指定管理者(地域医療振興協会)に引きづられる形でズルズルとやってはいけない。

今回は確かにそういうふうに引きづられてしまったけれど、『メリット』もたくさんある。

それを『横須賀市の周産期医療のビジョンとして語る』っていうことが必要だと思うんです。

今、惣田課長がおっしゃったとおりで、医療関係者のみなさん、気づいておられたと思うんです、このままではいけないであろうということを。

それを早い段階で市議会・市民のみなさまと共有をして、そして「今、地域医療推進課はこういう取り組みをしています。ただ見通しとしては厳しいかもしれません」ということもお伝えしていっていただきたいなと思います。

今回の入院診療廃止についての最大の問題は、横須賀市側が1年間にわたって情報をオープンにしてこなかったことです。

こうした姿勢は、絶対に変えなければならない。

情報を出さなければ、何も議論ができません。より良い解決策も見つかるはずがありません。

特に医師不足の現状に対応するには、市民のみなさまの協力が不可欠です。

全国どこであっても、市民のみなさまと現状の危機を共有して、そして対応策を一緒に考えて見つけ出していくというプロセスが絶対に必要なことが分かっています。

横須賀も情報は全て出すべきです!

フジノの質疑その6に続きます)

小児科医が6名も退職する原因は何故か?/市民病院小児科の入院診療廃止に対するフジノの質疑(その4)

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TVK「News930」より

TVK「News930」より


横須賀市立市民病院小児科の入院診療廃止問題について、教育福祉常任委員会協議会が開催されました。

小児科医が6名も退職する原因を把握すべき

フジノが行なった質疑を引き続き報告します。

退職理由を把握せねば、対策を打てない
question(フジノ)
『指定管理者』と『横須賀市』の今回の在り方について伺います。

今日、資料に対する口頭の報告であったのですが、4名の小児科医の方がお辞めになる見込みとのことでした。

この理由はお聞きになっておられるのか?

また、市民病院の所属なのか、うわまち病院の所属なのか?

こういった具体的な理由が分からなければ、対応策も異なってくると思うのですね。

その点についてはどんなふうにお聞きになっているでしょうか。

answer(地域医療推進課長)
結果として11名ということで、お辞めになる方は6名です。

それからそれについて今確保しているのですが、現状は2名は見つかっているということで、差し引くと11名という話だそうです。

病院現・医師数退職採用差引
市民病院5人6名2名
うわまち病院10人
合計15人6名2名11名

市の職員ではないので市の方で個々に面談ということは難しいのですが、小児科の部長を通じて聞いている話では、当初の予定通りで、病院に2年~3年くらいは居るつもりだったので今回これで(退職する)、という方もおられます。

今回のことが影響しているかどうかというところまでは伺っておりませんけれども、どちらかというと辞める方は毎年必ずいらっしゃるので、それを埋める方を苦労していると。

苦労していることのひとつに、「こういった市民病院・うわまち病院で入院の体制を維持していくということもちょっと気にしている方もいるかもしれない」というお話はありました。

辞める内訳については、市民病院・うわまち病院あわせて、ということでございます。

question(フジノ)
今回、配布された資料では「市立2病院で現在の体制を維持する場合に懸念されること」として『医師の離職』ということが挙げられています。

健康部は説明資料P1において「市立2病院で現状の小児科の診療体制を維持する場合に懸念されること」として「医師の離職」を挙げた

健康部は説明資料P1において「市立2病院で現状の小児科の診療体制を維持する場合に懸念されること」として「医師の離職」を挙げた


この内容というのはよく理解できることです。

やはりみなさんスキルアップもしたいし、宿直は本当に体にきついので1人に負担がかかるというのは『立ち去り型サボタージュ』という言葉ではありませんが、医療崩壊につながってしまう1つの原因だと思います。

ただ今回お辞めになる方々が、そういった『懸念されること』と一致している内容で『離職の意向』を示しておられるのか。

それとも全く関係のない理由なのか。

ドクターですから、そんな関係の無い理由でお辞めになるということは無いと思うのですけれども、やはりそこは把握しておいていただきたいんです。

それを議会に報告するかどうかはともかく、今後の運営に役立てる為にも、せめて地域医療推進課は確認しておいていただきたいと思うのですが、いかがですか。

answer(地域医療推進課長)
おおむね小児科の診療部長を通じて、だいたいの「どういったことが理由で」ということは聞いております。

ただ「予定どおりこのくらいで」という方もいらっしゃいますし、あるいは、なかなかこうでというはっきりした理由をおっしゃらない方もいるかもしれません。中には今回のことが原因という方もいるかもしれませんけれども。

ちょっと個別にひとりひとりどうこうということまでは把握しておりませんけれども、通常の自分が考えていた範囲の中で辞めるという方です、としか、公的にはなかなかちょっと申し上げにくいというところがございます。

フジノが知っている小児科医のみなさんは、熱意が高く、できれば自分が担当したこどもたちを元気になるまでずっと診てあげたいと願っています。

それにもかかわらず退職せざるをえない理由というのは、やはり『心身の疲弊』が最大のものだとお聴きしています。

その視点に立てば、市民病院で入院診療を維持することでの『宿直回数』の増加は大きな『心身の疲弊』につながります。これが理由での退職ならば、フジノは共感もできます。

ただし、市は今回6名もの小児科医の方々が退職する理由を、ハッキリとは把握していないのです。

これでは今後の対策の取りようがありません。

うわまち病院に集約をしても、退職理由が改善されていなければ、うわまち病院でも小児科医療の崩壊が起こります。

この質疑をとおして、相手が指定管理者に所属する医師であろうとしっかりと退職の理由を把握すべきだとフジノは訴えました。

もしも医師のみなさんが『心身の疲弊』などではなく、何らかの理不尽な理由でお辞めにならざるをえないならば、市はそれを指定管理者に是正を指導することもできます。

また、市民のみなさまがとても共感も理解もできないような身勝手な理由での退職であれば、市は指定管理者に対して「何としてでも医師を招聘せよ」と厳しく迫ることもできます。

いずれにしても、退職理由が不明なんてことは市がだらしなさすぎます。

市は、今後は必ず把握すべきです。

フジノの質疑その5に続きます)

ずっと前から問題は明らかだった/市民病院小児科の「入院診療の廃止」問題

申し出は「突然」だったが、問題そのものは「ずっと前」から分かっていた

市民病院の小児科の入院診療の廃止について、昨日のブログで記しました。

「わずか3ヶ月後(今年4月)に入院診療を廃止する」という地域医療振興協会による「突然」の申し出のやり方に、フジノは怒りをおぼえています。

けれども「この問題そのもの」は、フジノにとって「突然」ではありませんでした。

フジノだけでなく、医療関係者のあいだでは『小児科の集約化』は「ずっと前」から課題でした。

この課題がかねてから課題として認識されてきた事実を、報告します。




フジノは「医療は地域全体で対応すべき」という考えです

まず、フジノについてです。

昨年2013年11月28日、教育福祉常任委員会が開催されました。

そこで、市内の医療体制についての報告がありました。

横須賀市救急医療センターの移転にあわせて、横須賀市医師会と横須賀市が数年前に約束した『診療科』を増やすという覚書がありました。

しかし、2014年度の移転を目前にして、診療科を増やすことが実現できなくなった、という報告を受けました。

その報告に関する質疑で、フジノは次のように発言しました。

フジノの質問

救急医療センター単体で「診療科目が増えない」というと、とても残念なことに感じられます。

でも、横須賀市、あるいは横須賀・三浦2次保健医療圏域で考えれば、ここの1次救急が無くても、うわまち病院・湘南病院があるので、そこで診て頂くほうがドクターの限られた人数の中ではより効率が良く、患者にとっても良い。

そういった『包括的な観点』からの説明がもしあれば、市民の方々も安心されると思うのです。

(略)

小児科についても『集約』していくことで、身近には無くなったけれども地域全体ではかえって手厚くなってより専門性の高い安定した小児科勤務ができるようになるという形で、統合する地域も増えてきています。

(略)

地域全体で医療は行なっていくのだ、ということを市民の方々にも伝えていって頂きたいです。

産婦人科・小児科をはじめとする、医療人材の不足の現実があります。

そこでフジノは、医療資源を『集約化』することによってより専門性の高い安定した医療を実現する、という考えを持っています。

小児科医療についても『横須賀・三浦2次保健医療圏』全体で対応していくしかない、と考えてきました。

大切なことは、「医療は地域全体で行なっていくのだ」ということを市民のみなさまにきちんと理解していただくこと。

その為に、市は積極的に情報発信を行なっていかねばならないのです。

2次医療圏(青色が横須賀・三浦2次保健医療圏)

2次医療圏(青色が横須賀・三浦2次保健医療圏)


そこで、委員会でもそのように発言したのです。



現場の医師からはすでに2年前に問題提起されていた

続いて、医療の現場からの問題提起についてです。

年1回、市民病院とうわまち病院は、それぞれの取り組みを『病院年報』によって報告しています。

市民病院の病院年報

市民病院の病院年報

2年前(2013年2月)に発行された、市民病院の『病院年報』の中で、小児科の宮本診療部長は下のように問題提起をしています。

2013年2月に発行された「市民病院・病院年報」より

2013年2月に発行された「市民病院・病院年報」より


特に注目していただきたいのは『小児救急医療への考察』という一文です。全文を引用します。

小児救急医療への考察

22年度に横須賀市内の夜間・休日の2次医療をうわまち病院に集約した後も、横須賀市内の小児救急は安定した運営を行っている。共済病院も2次輪番は行っておらず、入院人数は半減している。集約化されたうわまち病院でさえ、入院患者がほとんどない期間も出てきている。

少子化に伴い、入院が必要な小児患者への対応は、当市の場合うわまち病院だけで十分であるということが明らかになってきている。

それでも、日曜日はやや入院ベッドに苦慮する場合があるため本年度から市民病院が2次輪番を担当させた。しかし、日曜日に入院する児は平均1名弱であった。

市民・うわまち両病院の小児科の運営をみるに、本市の小児人口で、今の小児入院管理料の額では2つの小児科を経営的に成り立たせるのは不可能である。

小児科学会の提唱する小児医療グランドデザインを参考にすると、当地域の小児医療は、市民・うわまちどちらかの病院の小児病棟を増床し集約化したほうが効率・質ともにさらに向上する、と思われる。

宮本診療部長の『考察』は「半分間違っていて、半分正しい」とフジノは考えています。

現在の小児人口と診療報酬の兼ね合いから経営が成立しない、という経営の観点から『集約』の必要性が語られています。

しかし、この観点は間違っています。

「民間病院が取り組めば不採算になってしまうからこそ、公立病院が取り組むのだ」という『公立病院の存在意義』を宮本部長は理解しておられないのではないか、と感じます。

ただ、小児科の入院ベットを1つの病院に集約することで効率と質が向上する、という点についてはフジノも同感です。

いずれにしても、現場の医師からはすでに2年前に問題提起がなされていたのです。



この問題を真正面から取り上げてこなかった横須賀市の姿勢こそ問題

小児科のドクター不足、それによる当直回数の増加、医師の疲弊。

全国で起きている現実に対して、医師会、日本小児科学会、厚生労働省などからあらゆる形で対策が提言されてきました。

「小児医療提供体制の改革ビジョン、2004・日本小児科学会」より

「小児医療提供体制の改革ビジョン、2004・日本小児科学会」より


厳しい現状は、横須賀市でも同じでした。

だからこそ、もっと早くから吉田市長をはじめ横須賀市は、市民のみなさまにその現実を真正面からお伝えしてくるべきでした。

これまで取られてきた対策は、地域医療振興協会に医師を増やすよう要請するだけでした。

本来であれば、計画的に「医師不足を解消すると共に医療の質を高める為に●年後に小児医療を1病院に集約化する」という手段を取るべきでした。

そうせずに後手に回った結果、今回の「突然」の廃止の申し出に至ったのだとフジノは考えています。

つまり、西地区をはじめとする多くの方々に不安を与えている原因は、そうした横須賀市の姿勢にあります。



市民のみなさまの不安と負担感の増加を拭う対策を市は今すぐ取り組むべき

課題を課題として認識していながら、後手に回った結果、より悪い状況に陥ったことを、市は深く反省すべきです。

フジノ自身も含めた横須賀市の医療政策に関係ある全ての者は、今から全身全霊をかけて市民のみなさまに現実をお伝えしていかねばなりません。

徹底的に説明を尽くすと共に、入院するこどもたちの看病をするご家族の負担感を少しでも少なくできる為に取ることができる対策を全て行なうべきです。

かねてからフジノは「医療環境に関するタウンミーティングを実施すべきだ」と提案してきましたが、今こそ吉田市長は西地区を回ってタウンミーティングを行なうべきです。

医療機能の分化や、地域全体で支える医療について、市民のみなさまの理解を求めるべきです。

また、医師会には診療所の積極的な協力をお願いすべきです。

この問題への対応は、医療にかかわる健康部の取り組みだけではダメです。

例えば、西地区の交通の悪さなどの改善には、都市部の積極的な取り組みが必要です。神奈川県にも道路整備のスピードアップを求めねばなりません。



市民のみなさまへ

市民のみなさまにも、ぜひこの問題についてはご意見を寄せて頂きたいと願っています。

医療については、社会の変化とともに『医療の在るべき姿』も大きく変わってきています。

市民のみなさまと対話を重ねることで、市と市民のみなさまのあいだに『医療の在るべき姿』とは何かを共有できるようになりたいとフジノは願っています。

市民のみなさまと少しでも多くの対話をさせて頂けますよう、どうかよろしくお願いします。



市民病院小児科の入院診療廃止について、急きょ教育福祉常任委員会を開きます

教育福祉常任委員会の来週開催が決定

本日、市議会・教育福祉常任委員長から委員に対して招集の通知が出されました。

急きょ1月27日に『教育福祉常任委員会』(協議会)を開くことになりました。

横須賀市議会ホームページより

横須賀市議会ホームページより


協議の内容は、

市立2病院の小児科医療体制等の変更について

です。

指定管理者として市民病院の運営を行なっている地域医療振興協会から「横須賀市立市民病院の小児科の入院診療をこの4月から廃止したい」と申し出があった為です。

地域の市民のみなさまから頼りにされている小児科の入院診療を、わずか3ヶ月後に廃止してしまう。

あまりにも性急なこの申し出には、大きな問題があります。



市民病院小児科の入院診療廃止が与えるダメージ

すでに地元メディアによって報じられているので、この問題の具体的な内容についてご存知の方も多いと思います。

2014年1月17日・タウンニュース紙より

2014年1月17日・タウンニュース紙より


1月17日にはタウンニュース紙が報じています。

横須賀市立市民病院、小児科の入院廃止へ
うわまち病院と機能分担

市内長坂にある横須賀市立市民病院の小児科で、今年4月から入院診療が廃止される見込みだ。

昨年末、市民病院を管轄する市健康部地域医療推進課から西地区の市議会議員らに知らされたもので、

「一方的だ」

と議論を求める声も上がっている。

市民病院の運営は平成22年から、『公益社団法人地域医療法人振興協会』が行なっている。

小児科の入院診療を廃止する理由は、同協会の運営する市立うわまち病院と市民病院を比べ、患者数と医師数の割合がアンバランスになっているから、というもの。

市民病院では、小児科医師5人に対して、1日平均の入院患者数は、平成24年度の調べで5.6人(外来患者は9.5人)、うわまち病院では医師10人に対し、入院患者数25.8人(外来42.4人)となっているという。

また、市民病院では、常勤産科医師の不在で分娩を行っていないため(院内助産は月1例ほど)、周産期医療を要せず、生後すぐに小児科へ入院するようなケースもなくなっている。こうした現状から、同協会では小児科入院診療の廃止の意向を市に打診した。

市民病院では、小児科外来患者に関しては紹介状を要するため、急診に応じてもらえないケースもあったという。

「患者数だけ比べて不要と決めてしまうのは拙速ではないか」

と地元出身の伊東雅之市議は話す。

市によると、4月以降は、入院診療をうわまち病院に集約。

市民病院の外来診療時間の延長、紹介状のない患者の受け入れなどで対応する。

2つの病院で機能分担することで、体制を維持していく方向だという。

西地区の医療体制は

「地域の中核的病院として、二次救急体制づくりに多くの人が奔走してきた経緯がある中で、一方的に廃止ではなく、もっと議論をすべき」

と同市議。

市民病院に関しては、経営の健全化に向けて平成22年に公設民営化し、指定管理制度に移行。三浦半島地区の中核的病院として、地域連携にも力を入れてきた。

ただ、小児科と同様に医師の確保が難しく、入院診療を休止している診療科もあるのが現状だ。

「経営改善のために民営化し、市の予算も投入している。市民サービスの後退に、地域住民は不安を感じるのではないか」

「西地区からうわまち病院へとなると、子どもの入院治療に付き添う親の負担も大きくなる」

との声も上がっている。

一方、市立荻野小と連携して設置されている市民病院内の院内学級に関しては、整形外科への入院児童もいるため、継続する方向だという。

取材に答えておられる伊東雅之議員の想いには、フジノも全く同感です。

2014年1月18日・神奈川新聞より

2014年1月18日・神奈川新聞より


翌18日には神奈川新聞が報じています。

小児科の入院休止検討、横須賀市立市民病院

横須賀市立市民病院(同市長坂)が4月から、小児科の入院を休止する方向で検討している。

市中心部にある市立うわまち病院(同市上町)に集約する。

市民病院では代替的に小児科の外来を拡充する方針だが、市西部で入院できる小児科がなくなるため、論議を呼びそうだ。

市民病院では2010年に産科を廃止したことに伴い、小児科の入院患者が減少。現状では1日あたりの平均が2.5人で、10年度の14.1人の2割。現状で27.5人のうわまちとの比較では1割程度の水準となっている。

一方、小児科医は市民が5人、うわまちが10人体制で、入院患者数と比べると、うわまちの医師の負担感が強くなっているという。

両病院は自治医科大が母体の公益社団法人が指定管理者として運営。

両病院間の負担感是正に加え、経験を積んで腕を磨きたいという若手医師の流出への危機感などを市側に伝え、今回の見直し案に至った。

市民病院では代替として、現在は午前中のみの小児科外来を、午後も開設する予定だ。

市地域医療推進課は

「西地区で入院できる小児科がなくなるので、地域の方には大きな不安があると思うが、うわまちでフォローする。市民病院小児科では外来を増やすことでプラスになるので、ご理解いただきたい」

と話している。

市民病院の小児科に入院するのは、肺炎やインフルエンザなどの感染症が主。

入院患者は市内が中心だが、3割は三浦、逗子市や葉山町からで、近隣自治体の住民にも影響が出る。

横須賀市の西地区をはじめ、三浦市、葉山町などの地域において、市民病院の小児科入院診療に与えるダメージなどの主要な問題点は、2紙が報じているとおりです。

また、かねてから長谷川昇議員(研政)は、市議会において、地域医療振興協会による市民病院の運営の在り方を取り上げてこられました。

長谷川議員のブログには、今回の提案に至る経緯を含めた問題点が詳しく解説されていますので、ぜひみなさまにご覧いただきたいです(1月15日の記事1月17日の記事)。



ダメージだけでなく、実は「集約化」には大きなメリットもあります

この問題が市民のみなさまに与えたショックは大きい、と思います。

フジノは市民病院が位置する西地区で30年以上暮らしてきましたので、身を持って『西地区に暮らすみなさまにとっての市民病院の重み』を知る1人です。

その立場から、『地域医療振興協会』の今回の申し出のやり方には、強い怒りを感じます。

多くの方々がこどもたちがケガや病気をした時に、十分な治療が受けられるのか不安でたまらないことと思います。

ただ、その一方で、政治家としてフジノは医療政策を真剣に考え続けてきました。

全国の医療の在り方を見つめてきましたが、ここ数年の流れとして『小児科医療の集約化』は、少ない医療資源をより有効に活かす重要な手段の1つなのです。

少ないドクターで数カ所の小児科診療を行なっていくことよりも、1ヶ所(拠点病院)にドクターを集約することで高い質の医療が受けられるようになるのです。

理想を言えば、身近な場所で『外来』と『入院』ができれば安心です。

けれども、医師不足の今、それがなかなか難しい。

そこで現実的な対応策として『小児科医療の集約化』=『拠点病院方式』は効果をあげています。

「わが国の小児医療・救急医療提供体制の改革に向けて」(2004年)より

「わが国の小児医療・救急医療提供体制の改革に向けて」(2004年)より


実際に『小児科医療の集約化』を実施した他都市(例えば、藤沢や横浜もそうです)の取り組みを見ても、大きなメリットがあることは事実です。

今回の『地域医療振興協会』の突然の申し出のやり方には強い怒りをおぼえますが、医療改革として全国で行なわれてきた『小児科医療の集約化』と同じく良い効果を生むとフジノは考えています。

つまり、『市民病院小児科の入院診療の廃止』=『デメリット』ではなく、『小児科の入院診療のうわまち病院への集約』=『大きなメリット』、とフジノは考えています。



変化する社会における医療体制の在り方を市民のみなさまと議論したい

フジノは、変化する社会における医療体制の在り方を市民のみなさんと議論したいと強く願っています。

地域の医療体制を守り、良くしていく為に、どうか一緒に情報を共有して問題を直視して議論をさせて下さい。

まずは27日の『教育福祉常任委員会協議会』の開催です。

よろしくお願いします。