東京電力からPPSへの切り替えから1ヶ月経過、全く問題なし!
これまで横須賀市は、市役所をはじめとする市の全ての施設で使う電気を『東京電力』1社だけから買ってきました。
しかし今年度からついに『競争入札』を導入して、『東京電力』以外からも電気を買える仕組みをスタートしました。
まず今年度(2012年度)は、市立小中学校70校に先行して導入します。
この成果を検証して、市の施設全体へ拡大するかを検討します。
これはすでにお伝えしてきたとおりで、福島第一原発事故を受けてフジノら『脱原発議連』が繰り返し提案を行なって実現しました。
東京電力ではない、『PPS(=新電力)』から電気を買うことによって複数の大きなメリットがあります。

議会報告会の資料より。フジノが担当して作成したスライドです
- 東京電力以外=PPSから電気を買うと、より安く買うことができる
- 原発ではないクリーンエネルギーで作った電気を買うことができる
「デメリットは無い」
と、言い切っても差し支えありません。
PPS導入へのスケジュール
さて、下のスケジュールの通りで、5月に入札が行なわれて無事に事業者が決定しました。

電力購入への一般競争入札導入のスケジュール
ここまでは新聞報道などでも広く報じられてきたのですが、その後について報告しますね。
- 7月1日から、まず28校をPPSに切り替えました。
電気を買う相手を東京電力からPPSに切り替えるには、新たに『メーター』を取り付けること以外に、特別な手続きはありません。このメーターを交換する工事もPPSが行ないます。
PPSへの切り替えから1ヶ月が経過しましたが、当然ながら、何の問題もありません。
停電が起こったりするようなことは一切なく、今までどおりに電気は供給されています。
契約先が『東京電力』からPPSに切り替わったおかげで『基本料金』が安くなりました。
しかも、これまでの東京電力と大きく違うサービスがあります。
各学校ごとにIDとパスワードが与えられて、PPSのホームページにログインすると
30分単位・1時間単位・1日単位などの電気の使用量をリアルタイムで見ることができるようになりました。
節電をすすめる上でも、また、コスト意識を持つ上でも、電気の使用量をデータで『見える化』することは、とても重要です。
- 9月1日から、残り42校もPPSに切り替えます。
残りの学校については8月中にメーターの交換を行なって、予定通り、9月1日から完全移行します。
次の目標は「市の全施設へのPPS導入」です
9月1日の完全移行後も定期的に状況をお伝えしていきたい、とフジノは考えています。
そして、フジノの次の目標は『市の全施設へのPPS導入の拡大』です!
吉田市長は『東京電力』に対する遠慮があるのか、PPSの導入にずっと消極的でした。
つい最近も6月26日の市長記者会見で、記者に対してこのような答弁をしています。
2012年6月26日・市長記者会見より
記者の質問
電気料金について、先日、市立学校の電力調達入札を実施して契約がまとまりましたが、他の施設にも広げる考えはありますか?
市長の回答
他の自治体の例を見ると、必ずしも競争入札で成功しているとは限りません。
今回は試行として市立学校に導入しましたが、他都市の事例なども含めて判断したいと考えています。
これはひどい。
吉田市長が述べている
「他の自治体は(略)成功しているとは限りません」
についてですが、
確かに震災後に『一挙にPPS導入が普及して入札を行なってもPPSが参加しないような事態』も起こっています。
ですから、さも正しいことを言っているかのように見えます。
けれどもこうした事態が起こっている原因はハッキリしていて
『PPSが供給できる電気の量』に政府が縛りをかけているから
です。
この縛りがある限りは、今後も入札がうまくいかないのは目に見えています。
もしも吉田市長が本気で
- 「電気を安く購入したい」=「市民の税金をムダにしたくない」
- 「クリーンエネルギーで作った電気を購入したい」=「脱原発を進めたい」
と考えているならば
政府に対して現在の問題点について強く改善を求める行動を取っていくべきなのです。
フジノはこの点も吉田市長の姿勢をただしながら、よりいっそうの競争入札の拡大を求めていきます。
後日談:2013年度の効果額は約4000万円!
2014年9月議会での決算審査において、教育委員会の施設にPPSを導入した成果額が答弁されました。
「あくまでも東京電力と契約した場合と新電力(PPS)で契約した場合の比較なのですが、概算ではあるのですが、4000万円から4500万円程度は効果があったのではないか」
との答弁がなされました。
東京電力から電気を買うよりも4000万円も安く、かつクリーンエネルギー。
素晴らしい成果があがっています。