「不育症への支援」を横須賀市から神奈川県に拡げていく為に

不育症支援を拡大する3段階の取り組み

9月議会でフジノが市長へ行なった一般質問の1つに、「横須賀市が率先して取り組みを始めた『不育症』への支援を、県全体の『保健医療計画』に載せるよう提案すべきだ」というものがあります。

下が実際に行なったフジノの質問と吉田市長からの答弁です。

フジノの質問

5.不育症への支援に先進的に取り組む本市が『不育症治療費助成事業』を神奈川県の『保健医療計画』に盛り込むよう提案する必要性について

一般質問を行なうフジノ


現在、県が『保健医療計画』の改定を行なっていますが、市民からの相談を毎日じかに受けているのは市町村ですから、現場の声を県に対して積極的に伝えていくべきだと僕は提案してきました。

9月6日に開かれた『神奈川県保健医療対策推進会議』において、『保健医療計画・素案たたき台』の2回目の議論が行われました。

この素案では、不育症への支援が弱く、問題です。

『母子保健対策』の『生涯を通じた女性の健康づくりの支援』という項目の中で『相談員等の人材育成や体制整備の推進』と記述されているだけです。

保健医療計画・たたき台


一方で、不妊症については『不妊に悩む夫婦への支援』という独立した項目立てがなされており、今後の施策として、経済的な負担を減らす為の『特定治療支援事業を継続的に実施する』としています。

この扱いの差は、県の不育症支援がまだ十分ではないことを示しています。

県は不育症について、情報収集、実態把握、関係医療機関の情報提供、不妊・不育専門相談センターでの電話・面接相談を行なっています。

しかし、本市が10月からスタートする経済的な負担軽減の為の治療費の助成は行なっていません。

不育症の当事者団体によるアンケート調査で最も要望が多かったのは治療費への助成なのです。

また、県では専門家による相談体制はありますが、本市では妊婦のみなさまにとって最も身近な存在である市内産婦人科の看護師や助産師や保健師を対象にした研修会を実施しました。

まず不育症の存在そのものを知らない方が多い中で、不育症への気づきを促す為の人材育成です。

こうした本市の支援策が『保健医療計画』に取り入れられて、全県での取り組みになれば、専門の医療機関の増加にもつながり、より不育症についての認知度も上がり、治療の機会も増えることになります。

【質問】
そこで、担当者レベルではなく市長から県知事に対して、本市の不育症支援の取り組みを県の「保健医療計画」に盛り込むようにぜひ提案していただけないでしょうか。

お答え下さい。

これに対して、市長の答弁は下のとおりです。

吉田市長の答弁

本市の『不育症治療費助成事業』を県の保健医療計画に盛り込むよう、県に提案する必要性についてご質問をいただきました。

答弁する吉田市長


県の保健医療計画はその性格上、市町村の個別の課題や事業を位置づけるものではありませんので、本市の『不育症治療費助成事業』そのものを県の計画に記載することは困難であると考えています。

しかし、ご指摘のとおり、県が改訂作業を行なっている『保健医療計画』では、不育症に悩む夫婦への支援に関して独立した項目がありませんので、新たに項目を設けることについて県に対して提案してまいりたいと思います。

この答弁には、良い点と悪い点が1つずつあります。

(悪い点)
答弁そのものが矛盾しています。みなさまはお気づきになりましたか?

吉田市長はこう述べました。

県の保健医療計画は「市町村の個別の課題や事業を位置づけるものではありません」ので、だから「県の計画に記載することは困難である」と。

『不育症』は『市町村の個別の課題』ではありません。もちろん、横須賀市だけにしかない『個別の課題』ではありません。『日本全体で起こっている問題』です。

市長は「市町村の個別の課題」は県の保健医療計画に載せられないと答弁しましたが、まさに『不育症』は個別の課題ではないからこそ、全体の課題として『保健医療計画』に盛り込むべきなのです。

『不育症』は日本全体の問題ですから、本来は、全国どこに暮らす市民の方であっても『国』が支援をする政策を打たなければなりません。でも、現状では国も県も動きがニブすぎます。

だから、フジノは意識して提案してきました。

国が動かない時はまず地方(横須賀市)が実績を作るのです。横須賀市での実績が上がっていけば、必ず国は動きます。

フジノは、3段階に分けて提案を行なっていくことにしました。

  1. 横須賀市に『不育症』への支援をスタートさせる(昨年9月議会で提案済み、今年10月からスタート)
  2. 神奈川県に『不育症』への支援をスタートさせる(この9月議会で提案)
  3. 国全体に『不育症』への支援をスタートさせる

そこで第1段階としてフジノは、昨年の9月議会で「横須賀市がやるべきだ」と提案しました。そして、この10月から横須賀市は独自の取り組みを始めました。

ならば、次のターゲットは県が動くことです。

この9月議会でフジノが行なった「『不育症』への支援を神奈川県全体の取り組みにすべきだ」という提案は、この第2弾にあたります。



5年に1度の県の「保健医療計画」改定に「不育症支援」を盛り込むべき!

今全国の神奈川県では5年に1度の『保健医療計画』の改定作業が行われています。この先の5年間の、県の保健・医療を規定するとても重要な行政計画です。

だからこそ、このチャンスを逃さずに、神奈川県全体の『保健医療計画』に不育症への支援を記すべきだと提案しているのです。横須賀の先進的な取り組みを神奈川県全体の取り組みにさせるのです。

(良い点)
悪い点で挙げたように矛盾している市長の答弁ですが、最後の答弁では「アクションに移す」ことを約束してくれています。

「ご指摘のとおり、県が改訂作業を行なっている『保健医療計画』では、不育症に悩む夫婦への支援に関して独立した項目がありませんので、新たに項目を設けることについて県に対して提案してまいりたいと思います」

と吉田市長は答弁しました。

『不育症』への支援について『独立した項目』が無い、ということは県が『不育症』への支援を課題として認識していないとフジノは感じます。

それに吉田市長も同意して、県に対して提案していくとのことですから、これは評価したいです。

これから吉田市長や市の地域医療推進課が神奈川県とどのような話し合いをするのか、しっかりと注目していきます。

横須賀が行なっている全国のお手本になる取り組みは、どんどん発信していくべきです。それが日本全体の取り組みになれば、救われるいのちがもっともっと増えるのですから。