教育福祉常任委員会が開かれました
昨日は、『教育福祉常任委員会』が開催されました。

教育福祉常任委員会の開会前に
委員会では、
- 市長から提出されている議案について質疑を行なって採決すること
- 市民の方々から出された陳情・請願を審査し採決すること
- 法律で定められた報告事項と市からの一般報告事項を聴取して質疑をすること
という流れで進行します。

教育福祉常任委員会・議事次第より
そして最後には、教育福祉常任委員会が所管している3部1局(福祉部・健康部・こども育成部・教育委員会)に対して、何を質問しても良い『所管事項に対する質疑』という議事があります。
「所管事項に対する質疑」はフジノにとって「本会議での一般質問」と同じ重みがあります
毎議会、フジノにとって教育福祉常任委員会での『所管事項に対する質疑』は『本会議での一般質問』と同じ重みがあります。
施策の細かな点まで部長・課長らとしっかり質疑を重ねられるので、市長と本会議で質問するのとは違って、より専門的な内容を深く追及できるのです。
本会議の答弁者
- 市長、教育長、上下水道局長
- 副市長、各部局長
委員会の答弁者
- 教育長、上下水道局長
- 部長、課長
『所管事項に対する質疑』の持ち時間は、30分間与えられています。議員側が質問をする時間と行政側が答弁をする時間を合計したものです。
フジノにとって、この30分間は本当に毎回が真剣勝負です。
産科でも精神科でもケアが不十分な精神疾患のある妊婦さんを守る為にやるべきこと
今回の所管質疑では、大きく4つの質問をしました。
今日のブログではその中から1つ、『産科でも精神科でもケアが不十分な精神疾患のある妊婦さんを守る為に行なうべきこと』についての質疑をご紹介します。
フジノの質問
『精神疾患、精神障がいのある方々で妊娠をされた・出産をするという方々に対する相談窓口が欠けている』という問題に対して、保健所とこども育成部で協力して対応を行なうべきではないか、という観点から質問をします。
今お伝えしたとおりですが、精神疾患・精神障がいのある方々が妊娠をした際に、精神科のクリニックや精神科の病院からは、ただ即日、断薬、薬を止めることです。
断薬を求められて、おしまい。
産婦人科からは、「精神科のことはよく分からないから精神科に相談して下さい」と言われてしまう。
精神科クリニックや精神科病院に行って、そのこと(妊娠)をお伝えしても、実際みなさん御承知のとおりの3分治療の中では、妊娠のこと、断薬のこと、つらさのことに寄り添っていただけることはまずありません。
精神疾患そのもので御苦労されている方、そして本来であれば喜ぶべき妊娠を喜ぶことがなかなかできずに、断薬の苦しさや妊娠への不安から本当に多くの方々がお困りになっている。
例えばインターネットを調べると、そういう情報を当事者同士で、全然まちも違えば、制度も違う中で情報のやりとりをしているというのが散見されますが、組織的な支援あるいはネットワークを民間が行なっているといったことは聞いたことがありません。
そこで、こども育成部と健康部に伺います。
精神疾患、精神障がいのある方々の不安に寄り添い、妊娠継続につなげられるような相談支援に何らかの形で取り組んでいくべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
こども健康課長の答弁
各健康福祉センターまたは『はぐくみかん』内にありますこども健康課窓口におきまして、妊娠されると母子手帳の交付を行ないます。
その時に、保健師が面接などを行ないまして、既往歴ですとか、今の体調ですとか、妊娠をしてうれしかったとかとまどったとか、そういったことをひととおりお聞きします。
その中で、病気等がありまして支援が必要な場合は、地区担当の保健師が継続して支援をさせていただいています。
フジノの質問
地区担当の保健師・助産師のお話は承知をしております。
例えば急な不安に襲われた時に、電話をかけたならば、開庁している時は担当して下さっている保健師・助産師が必ずお話を聞いて下さると思うのですが、そうでは無い時間帯に何らかの支援というのはあるものなのでしょうか。
こども青少年支援課長の答弁
こども青少年支援課のほうで24時間行なっております『子育てホットライン』がございます。
この中で、直接その場ですぐお答えするということはなかなか難しい部分もございますが、いわゆる傾聴の部分、それから具体的な翌日以降の相談窓口の御紹介と医療機関の御紹介とか、そういったものは24時間の『ホットライン』の中で対応させてもらっております。
フジノの質問
すみません。医療機関にはすでにかかっておられるので、産科とはつながっていて、そして精神科ともつながっているから断薬を求められているということで御不安になる。
そして、妊娠継続に対して恐怖感があるということで、医療の御紹介をしていただく必要は無い訳です。
これは決して揚げ足をとった訳ではなくて、その時その時の不安に寄り添っていただく組織的な体制を取っていただきたい、ということを申し上げております。
市役所が開いている時間帯に関しては、地区担当の保健師・助産師が担当して下さる。
5時以降は『子育てホットライン』が、ある程度までは聞いて下さる。
そういうことでよろしいでしょうか。
こども青少年支援課長の答弁
『ホットライン』の対応の中で、御相談内容によりまして、具体に地区担当の保健師なり『健康福祉センター』につなげた方が良いという判断があれば、翌朝なりにそういったところにつなぐということもしておりますので、できる範囲でもって対応はさせてもらっております。
フジノの質問
その瞬間の不安に寄り添っていただけるのか、ということをお聞きしております。
繰り返しますが、揚げ足をとっているのではありません。
翌朝つなげるという話ではなくて、その場で今つらいという時にお話を聞いていただけるのか。
そもそも本来は民間の精神科クリニック、そして産婦人科にもっと産科医・助産師が居て下されば問題ないのですが、本市は助産師支援ももうやめましたし、産科医への補助金もやめてしまった。
市長は「充足されている」という発想のようなのですが僕は全然そう思っていなくて、現場はやはり忙しくて、精神疾患のある妊婦さんのことなどは相手をしてやれないというのが現状だということが僕は分かりました。
そんな中で、「民間ができないことは行政がやるべきだ」というのが僕の発想なのです。
ですから、開いている時間帯は地区担当が担当して下さって、お話を聞いて下さる。
5時以降は、その不安に『子育てホットライン』で寄り添っていただけるということでよろしいのですね?、とお聞きしました。きっとそういうことなのでしょう。
ならば、もう1点お願いをしたいのは、ぜひこのことを周知していただきたいということです。
どの御相談をお聞きしても、どこに相談していいかなどというのは分からない訳です。
新年度から横須賀市は、出産をした妊婦さんに対しては産後うつのケアのために、出産後も『産婦健診』を2回無料にしてケアを行ないます。

産婦健康診査
でも、そこの部分ではなくて、妊娠中から不安を感じておられる方、精神疾患が無くても不安を感じておられる方はたくさんいらっしゃると思うのです。
そこにアプローチする為に
「精神的な疾患や障がいのある方々の御不安もぜひお聞きします」とアナウンスをしていただきたいと思うのです。
いかがでしょうか。
こども青少年支援課長の答弁
答弁が不的確ですみません。
夜間の時間帯のいわゆる傾聴、相手の方の不安を和らげるという部分でのお話を伺うということは、当然のことでありますが、させてもらっております。
かなり長い時間お話が続くと。それで、結果的に気持ちが和らいだという内容の報告も上がっておりますので、そういったことは『ホットライン』の時間の中でさせてもらっております。
フジノの質問
傾聴はしていただいている、それから長い時間じっくり話も聞いているということだったのですが、精神疾患がある方、精神障がいのある方、例えばパニック障がいを持ちながら妊娠をしたという方はめちゃくちゃたくさんいる訳です。
でも、薬がのめなくなった、産婦人科に行くバスにも乗れなくなってしまった、タクシーで行くのも本当につらい、などという相談を含め、めちゃくちゃいっぱいある訳です。
でも、薬をのむことはできない。
また、うつ病の人も本当に多いですし、統合失調症で妊娠される方もたくさんいる。
赤ちゃんを守りたい。それは当然の思いだと思うのです。
民間のクリニックが全く対応できていない中で、横須賀市は地区担当の保健師・助産師がいる。そして、『子育てホットライン』がある。
これを「精神疾患・精神障がいのある妊婦さんの話も聞きますよ」とアナウンスをしてくれないか、と提案を申し上げているのですが、いかがでしょうか。
こども健康課長の答弁
おっしゃるとおり、実際に個別の支援をしていたにしても、その周知がしっかりしていなければ、相談に乗れるのだよ、話を聞けますよ、ということが伝わらないと、実際に精神障がいをお持ちの妊婦さんはとても不安なお気持ちになると思います。
私たちも、母子手帳交付のときには全ての方の既往歴等、それから病歴等を見て、精神疾患のパニック障がい等々がある方については、症状の重さ軽さに関係なく、一度は必ず連絡をとらせていただいて、「困っていることは無いですか」とか、「病院のほうとの関係はどうですか」といったことは確認させていただくようにしています。
その中で、やはり不安感が抜けない場合には継続的な支援もさせていただいています。
ただ、そうは申しましても、話を聞いた時々で、そういう情報が頭に残る場合もあれば、すっと消えてしまう場合もあると思います。
その辺はどんな形でお知らせをしたらいいのか、まだぱっとイメージで湧きませんが、例えば『すかりぶ』ですとかホームページですとか、またはチラシといったものでしょうか、何かその方のお手元や頭の中に残るようなお知らせを考えたいと思います。
フジノの質問
今は、本市が行なっていただきたいという取り組みについて申し上げました。
加えて、医師会などにこういった話があったということをお伝えしていただけないでしょうか。
精神科医会も産婦人科部会も忙しいのは十分承知していますが、精神障がいがあろうと発達障がいがあろうと、そこにいらっしゃるのは1人の人間で、妊婦さんであることに変わりは無いと思うのです。
そうした方々が健康な妊婦さん、経産婦さんの中に埋もれて、ないがしろにされるということはあってはならないと思うのです。ぜひきちんと、まずは病院でしっかりお声を聞いていただけるようにしていただけないか。
保健所やこども健康課ができることは、やはり傾聴しかないと思うのです。
本来は、病院がまずしっかり対応するべきだと思うのですが、そういった声を医師会などにお伝えしていただけないかと思うのです。
いかがでしょうか。
こども健康課長の答弁
実は、私どものほうでは年に1度『周産期連絡会』というものを行なっておりまして、横須賀市の妊婦さんたちが主に出産する市内の医療機関ですとか、近隣の産婦人科または『こども医療センター』などと、その年々のお産の現状ですとか、それから病院に来られる方の課題ですとか、地域との連携といったようなことを話し合う機会を設けています。
その中でやはり話題に出るのは、精神疾患を持った方のケアはとても難しいということをお聞きしますし、地域のほうでもすぐに対応するのでぜひ御連絡をくださいということもお伝えはしています。
ただ、なかなかそれがうまくいっていない方もいらっしゃるということもお聞きしましたので、また改めてお伝えをし、連携をお願いしていきたいと思います。
以上です。
フジノのまわりには、そして市民相談の中には、妊娠をしたい精神疾患のある方・精神疾患のある妊婦さんがたくさんいます。
妊娠中に精神科クリニックから断薬するように言われる、けれどもそれ以外の手段を何も教えてくれない。
時々まともなクリニックでは、妊娠に悪影響の無い漢方薬をすすめてくれたりするけれど、ほとんどのメンタルクリニックや精神科病院では何もしてくれない。
産婦人科では「精神的な問題はメンタルクリニックに相談してほしい」「精神科のクスリは赤ちゃんに悪影響だからすぐやめてほしい」としか言われない。
誰も相談にのってくれない。苦しくて仕方がない。
中には、流産・死産をしてしまった、という方がたくさんいらっしゃいます。
この現状を変える為にフジノは、行政の精神保健福祉部門と妊娠・出産・子育てに関わる部門とが連携をして、支援の必要な方に積極的にアプローチすべきだと考えています。
精神疾患・精神障がいのある方々が妊娠・出産・子育てをできるのが当たり前の社会にすることは、フジノの高校時代からの願いです。
これからもこのテーマをずっと追い続けていきます。
どうか市民のみなさまからのご意見もたくさんいただきたいと思います。よろしくお願いします。