救命現場に遭遇してしまった方のこころのケアをしています/横須賀市消防局の取り組みを知って下さい

バイスタンダーとは

突然あなたの目の前で通行人やクラスメートや職場の同僚が倒れたり交通事故に会ったとします。

そんな現場に偶然に居合わせたあなたのことを『バイスタンダー』と呼びます。

救急車が到着する前にバイスタンダーによって心肺蘇生などの応急手当を行なうことができれば、その人の命が助かる可能性はとても高くなります。

ある研究によれば、救命率は1.2倍に上昇するとされています。

ぜひこちらのサイトをご覧ください。

AEDもバイスタンダーの武器の1つ

フジノはバイスタンダーによる救命率を高めたいという想いから、2004年9月議会でAEDの設置を提案しました(16年前!)。

この提案はすぐに採用されて、2005年3月には消防局の車両に21基のAEDが配備されるようになりました。

2005年3月16日・毎日新聞より

その前から救急車には設置されていたのですが、これをきっかけに市内のあらゆる公共機関への設置が始まりました。

今では市内どころか、全国的に設置されるようになりましたよね。

これはある市民の方の実体験から行なった提案でした。

その方は目の前でご家族を亡くしてしまいました。自分にできることはなかったかとご自分を責めて苦しんでいました。

一方、フジノは海外の空港ではAEDが設置されていることをたまたま知っていたことから、ご相談を受けてすぐに「AEDを日本でも普及させれば良いのだ」と考えて、提案につながったものです。

でも助けられないことも。バイスタンダーの心のケアが必要

一方で、バイスタンダーがどれだけ懸命に応急手当を行なっても亡くなってしまう場合もあります。

たとえ赤の他人であっても、自分の目の前で命が失われていくことは大きなショックです。

また、深刻な事故現場などに遭遇した場合にはバイスタンダーは心理的に大きなダメージを受けることが知られています。

さらにたとえ助けることができたとしてもバイスタンダーが受けるストレスはかなり大きいことも研究で分かっています。

(例えば、こちらの論文など)

バイスタンダーの心のケアが必要です。

消防局が始めたバイスタンダーの心のケア

早く提案をしなければとフジノは考えていましたが、ありがたいことに2018年9月9日から横須賀市消防局が独自に『サンキューカード』という取り組みをスタートしてくれました。

それがサンキューカードの配布です。

横須賀市消防局サンキューカード(表面)
横須賀市消防局サンキューカード(表面)
横須賀市消防局サンキューカード(裏面)
横須賀市消防局サンキューカード(裏面)

救急現場で応急手当を行なって下さった方に

  • 感謝の気持ちを伝えること
  • 心のケアを行なうこと

この2つが『サンキューカード』配布の目的です。

表面に「ありがとう」と感謝の気持ちを記すとともに、裏面に

  • あなたが応急手当をしたことで責任を問われることはありません
  • 応急手当を行なったことであなたの心や体に不調が起こったら相談窓口にぜひ相談して下さい

この2つのことを記しています。

昨年はバイスタンダーが224名も!

今日の決算審査でフジノは、配布スタートから2年が経ったこのサンキューカード配布について取り上げました。

  • どれだけ配られているのか
  • 心身のケアが必要な方に適切なケアが提供されているか

この2つを確認したかったのです。

実際に行なったのが、下の質疑応答です(文字起こしの上で読みやすくしてあります)。

委員会での質疑応答より

Q.フジノの質問

救急現場などで勇気をもって心肺蘇生法などの応急手当を行っていただいた方々に「よかったありがとう」の感謝の意を伝えるとともに応急手当後のこころの不安などに対するサポートを目的に『サンキューカード』の配布を平成30年9月9日から行なって頂いています。

2点、伺います。

まず1点目は、サンキューカードの配布はどの程度行われてきたのでしょうか、お聞かせください。

A.救急課長の答弁

『サンキューカード』の配布ですが、基本的には救命現場などでバイスタンダーとして処置を行なって頂いた方にお渡ししております。

そのバイスタンダーの数が基本的にはお渡ししている数になります。

昨年中で言いますと、224名の方にお渡ししている状況でございます。


Q.フジノの質問

224名という数字をお聞きして、大変多くの方にお配りしている、つまりバイスタンダーになって下さっている方々がそれだけ多いんだなとすごく驚きました。

2点目も伺いたいのですが、サンキューカード配布の重要な目的のもう1つに心理面のケアがあります。

『サンキューカード』の裏面には「応急手当を行なったことで心や体に不調がありましたら相談窓口にご連絡ください」という文言と消防局の電話番号が記されています。

実際に相談窓口への電話はどの程度あったのかお聞かせください。

A.救急課長の答弁

今、委員がおっしゃったように、やはりバイスタンダーの方はけっこうひどい現場で処置を行なってくれています。

その部分で、心のダメージを受ける方もおられる。

そこで私どもは『サンキューカード』に心の不安、もしくは血液を触ってしまったといった不安などを少しでも解消できるようにということで裏側に私どもの救急課の電話番号を記載しています。

ここに電話をかけてこられる方は、だいたい基本的に「血液を触ってしまったんですけど、どうしたらいいですか」という問い合わせです。

データは取っていませんが、あとは「近くに居たんですけれどちょっと心配なんです」という不安からの電話かかってきたケースもございます。


Q.フジノの質問

やはり実際に電話がかかってきているということでサンキューカードを配布しているというのは本当に重要だなと改めて思いました。

すでに保健所とタイアップしながら心理的なケアを行なって頂いてるということで、これからも引き続きこの取り組みを継続していただきたいと思います。

一体どれだけのバイスタンダーの方が心身のケアを必要としていたか、という人数的なことは分かりませんでした。

けれども、消防局と保健所が連携するシステムが確立されていることが答弁されました。

実は、フジノは事前に調べていて返ってくる答弁が分かっていて質問をしています。

というのも、バイスタンダーの心のケアがとても大切なのに、残念ながら横須賀市のホームページや公的な文書を読み漁っても、全くサンキューカードの実績について取り上げられていないから。。。

こうした取り組みは大切です。

ひとりでも多くの方にバイスタンダーとして救命に力を貸していただきたいと願っています。

けれども、バイスタンダーとして応急手当をお願いするならば、多くの方が受けるであろうストレスや心身のダメージへのケアの体制が必要です。

そしてその体制を横須賀市は作っています。

この事実をぜひ市民のみなさまに知ってほしかったのです。

どうか市民のみなさま、もしもあなたがバイスタンダーになった時には、あなたの心身の許す範囲で救命に力を貸していただきたいのです。

これからもどうかお願い致します。

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