「よこすか福祉LINE相談」の改善を市長に提案しました/24時間365日すぐ返信などもっと相談しやすい体制づくりを!(2021年予算議会)

本会議で上地市長に質問を行ないました

今日の本会議でフジノは市長へ質問に立ちました。

感染防護のアクリル板に囲まれて質問に立つ藤野英明
感染防護のアクリル板に囲まれて質問に立つフジノ

いくつものテーマで質問をしたのですが、今回の記事では『よこすか福祉LINE相談』(福祉に特化したLINE相談)についてご紹介します。

先日のブログ記事でフジノは

2021年度予算案の目玉は『よこすか福祉LINE相談』です

とみなさまにご報告しました。

LINEを使って福祉相談を受け付けるという発想そのものは素晴らしい。

でも、まだその中身は不十分だとフジノは感じています。

さらに改善すれば、もっと市民のみなさまにとって相談しやすい体制を作ることができるはず。

そこで市長にフジノなりの改善策を提案しました。

その本会議でのフジノと上地市長が行なった質疑応答を下に掲載致します。

よこすか福祉LINE相談をもっと相談しやすいものにする提案をしました

質疑応答の様子を紹介します。

よこすか福祉LINE相談の存在そのものを知ってもらう取り組みが必要

コロナ禍によって従来の貧困とは異なる、そして表面化しづらい新たな「見えない貧困」が広がっています。

これまでの人生において市役所の相談窓口とは一切無縁の生活を送ってこられた方々が困窮に追い込まれています。

その為、本来は公的な支援を受けられるのに、ご本人たちには「市役所に相談する」という発想が全くありません。

生活費を切り詰める、複数の就職先で働く、車を売る、貯金を取り崩す、といった思いつく限りの対応をし尽くしてもなお困窮に追い込まれているのに

「相談は恥ずかしい」

「福祉のお世話になるのはもっと厳しい人でしょう」

とおっしゃる方さえいます。

また、はたから見ると順風満帆な生活に見える方々もいます。

例えば、30代で夫婦共働き、新築のマンションと新車を買ったばかり、幼いこどもが複数居る世帯。

困窮とは無縁に見えますが、生活設計は完全に崩れました。

マンションと車のローンは妻の収入で返済していたものが、コロナ禍で妻は失業。それまでは生活費に充てていた夫の収入からローンの返済もしなければならなくなりましたが、飲食店に務めていた夫の収入は激減し、貯金を取り崩して生活してきました。

妻は再就職先が無く、夫の収入も減少したまま、貯金は底をつきました。

この年末年始はたまたま僕から本市の年末特別食料支援を聞いて何とか食べつなぐことができました。

こうした今まで公的な相談窓口とは全く接点が無かった方々にもアプローチできる、新たな福祉相談体制の構築が必要だと僕は考えています。

市長も同じ危機感を抱いているのでしょう。

来年度から、市民と行政のタッチポイントを増やす必要性から『福祉コミュニケーションツールの充実』を新たにスタートします。

福祉サービスが必要なのにつながらない、つながりにくい人が行政につながりやすくなる取り組みを実施する、とのことです。

その1つとして『よこすか福祉LINE相談(福祉に特化したLINEアカウントの運用)』を行ないます。

実際に運用を行なう地域福祉課に詳しく伺うと、相談フォームを作り、開庁時間帯は市職員が回答する、閉庁時間帯は「翌日対応させていただきます」という自動返信を送り、翌営業日に職員が回答する。

現在の市民相談室の取り組みをLINEで行なうイメージとのことでした。

今は音声を使った電話さえ使わない世代が増えていることから、電話でもなく対面でもない、24時間365日利用できるLINEを用いることは現実的であり、この『よこすか福祉LINE相談(福祉に特化したLINEアカウント)』をスタートすることは高く評価しますが、実際の運用にあたってはさらに工夫をしていただきたいです。

そこで伺います。

【質問】
若い世代には従来の広報よこすかやホームページや市内の掲示板だけではまず届きませんし、民生委員との接点も無く、相談支援を受けることに抵抗感や拒否感を持っていればなおさら情報にもアクセスしないので、そもそも新設する『よこすか福祉LINE相談(福祉に特化したLINEアカウント)』の存在を知っていただくこと自体が極めてハードルが高いことを市長も感じておられるはずです。
 
福祉サービスが必要なのにつながらない、つながりにくい人々に対して、新設する『よこすか福祉LINE相談(福祉に特化したLINEアカウント)』の存在をどのようにして知っていただくのか、いかに登録していただくのか工夫が必要ですが、その取り組みをお聞かせ下さい。

上地市長の答弁

LINE アカウントの周知についてです。

広報よこすかやホームページ、市の掲示板、民生委員の方を通じた周知を行うとともに、市公式 Twitter などのSNSや、 動画を活用した周知も図っていきます。

しかしながら、議員ご指摘の通り、それらの方法だけではサービスにつながらない、つながりにくい方などには十分に伝わらないことが想定されます。

少しでも多くの方に情報が届くように、市内で活動されている様々な団体の方にチラシなどによる周知についてご協力をお願いし、クチコミでも情報が広がるように、取り組んでいきたいと考えます。

よこすか福祉LINE相談は24時間365日すぐに返信できる体制にすべき

登録していただいたら使っていただく工夫が必要ですが、LINEを使う若い世代には返信のスピード感が大切です。

しかし新たに始める「よこすか福祉LINE相談(福祉に特化したLINEアカウント)」の返信は、あくまでも開庁時間帯のみと限定的です。

すぐに既読がつかなかったり「翌日対応させていただきます」との自動返信に失望してやりとりを途中で断念してしまうことを僕は懸念しています。

【質問】
そこで、新たに運用する「よこすか福祉LINE相談(福祉に特化したLINEアカウント)」の対応は、閉庁時間帯や土日祝日や連休や年末年始も可能な限り即時に返信できる体制を検討していただけないでしょうか。

福祉制度に精通した市職員による返信は望ましいことではありますが、例えば閉庁時間帯などは外部委託を活用するなど、24時間365日対応を実現する為にあらゆる方法を含めてご検討いただけないでしょうか。

市長の答弁

即時の返信についてです。

『よこすか福祉LINE相談(福祉に特化した LINE アカウント)』に寄せられる相談は、福祉に関する多岐にわたる内容が寄せられる可能性が高く、関係課や関係機関での確認が必要が必要となる場合も数多く想定されます。

その為に、閉庁時間帯などに即時に回答できる体制を確保することは現時点では難しいのではないかと考えます。

まずは、少しでも早く相談受付を開始したい為、開庁時間内での対応を基本とし、閉庁時間については、開庁時間内での対応となる由を自動返信を行なうことで、運用を開始したいと考えます。

そして、時間外の対応については、 相談件数や緊急性等を含めた相談内容を見ながら検討してまいりたいと思います。

また将来にわたっては AI の発展により AI チャットボットの活用も視野に入れていきたいと思います。

フジノの再質問

『よこすか福祉LINE相談(福祉に特化したLINEアカウント)』と、それから横須賀こころの電話の在り方の検討についてに関連して伺います。

市長、ちょっとした質問にお答え下さい。

10代の1日の平均利用時間を調べた総務省情報通信政策研究所が実施した『令和元年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査』があります。

固定電話、携帯電話、SNS、それぞれどれが一番使われていると思いますか?

市長の答弁

SNSではないですか。

フジノの再質問

おっしゃるとおりです。

しかも、10代の1日の平均利用時間は、固定電話0.4分、携帯電話3.3分、SNSは64.1分。

完全に固定電話は使わない。携帯でも音声は使わない。

使うのはSNSなのです。

慶應義塾大学の学生(大空幸星さん)が立ち上げて、大変有名になりました『あなたのいばしょ』というチャット相談は、利用者の8割が10代と20代です。

昨年は児童・生徒の自殺が過去最多でしたが、本気で守るなら、手段は電話相談だけでは効果がありません。

ですから、『よこすか福祉LINE相談(福祉に特化したLINEアカウント)』は必ず有効になりますし、横須賀こころの電話も、電話だけでは「救う気なし」と思われても仕方がない、というふうに考えています。

また、もう1つ、テキストメッセージの利点があるのですが、相談したくても、同じ家の中に加害者がいる、DV、児童虐待、性暴力の加害者がいる、そこに音声で電話するなんて不可能なのです。

ですから、LINEを通じたテキストメッセージ、すごく重要だというふうに思っています。

そのあたりで『よこすか福祉LINE相談(福祉に特化したLINEアカウント)』、それから横須賀こころの電話の在り方の検討では、ぜひ意識していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

市長の答弁

当然ながら意識して、それを進めているところです。

フジノの再質問

るる申し上げてまいりました。

1974年から2014年の間に、早稲田大学の上田路子准教授が、自殺の犠牲となった約90万人の死亡時刻を調べたところ、深夜から7時59分までに亡くなった方が多いというふうに判明しました。

ですから、横須賀こころの電話だけでなく、本市のあらゆる相談支援機関、深夜から明け方にかけて相談体制をつくったり、拡充しなければ、全然救えない、守れないのです。

ですから、そこはぜひ意識していただきたいと思います。

質疑応答は以上です。

よこすか福祉LINE相談はもっと良くすることができる

2月15日に公表された来年度予算案の目玉である『よこすか福祉LINE相談』。

それからフジノは担当課にヒアリングを重ねました。

すると見えてきたのは・・・

  • LINE相談を受け付けるのは、地域福祉課のパソコン。
  • 受信した相談を返信するのは、そのパソコンから職員が手入力で行なう
  • 相談受付時間帯はあくまでも平日の市役所オープン時間のみ
  • 市役所が閉じている平日夜、土日祝日は、職員による返信は無し
  • 平日夜、土日祝日に届いた相談は、翌営業日に出勤してから返信を行なう
  • 平日夜、土日祝日に届いた相談には「翌営業日に返信します」などの自動返信が送られる

これでは、今まで窓口・電話で受け付けてきた相談対応と同じで、ただLINEという手段が加わっただけ。

今この瞬間に助けを求めている人たちに「夜だから・土日祝日だから返信は待ってくれ」というのでは、LINEの即時性が全く活かされません・・・。

フジノは質問の中でも触れましたが、現在、NPO法人あなたのいばしょが実施している『あなたのいばしょチャット相談』への相談の8割が10~20代です。

横須賀市が最もアプローチできていない世代に対して、民間のチャット相談がアプローチできているその理由は、やはり24時間365日すぐに返信がかえってくるからです。

(『あなたのいばしょ』は最短5秒で返信する仕組みを構築しています!)

コロナ禍で増加してしまった自殺の犠牲の多くは、こども・若者・女性です。

この最もアプローチしたい方々に市役所にご相談をしていただく為には、せっかくスタートさせる『よこすか福祉LINE相談』がもっと使いやすいものに改善しなければなりません。

今日の市長への質疑では、即改善するという答弁は得られませんでした。

けれどもこれからもスタートまでの間、担当課とくりかえし意見交換をしながら改善を実現させていきたいです。

スタートまでの数ヶ月、全力を尽くして改善をしていきます!

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