【横須賀市】人権施策推進指針にも「ケアラー支援」が明記へ/6月議会での提案がまた1つ形になりました

 今日2026年8月18日、横須賀市役所で『横須賀市人権施策推進会議』(2026年度第2回)が開催されました。

横須賀市人権施策推進会議を傍聴する藤野英明

 今回の会議では、現在改定作業が進められている『横須賀市人権施策推進指針』について、改定案(事務局案)が示されました。

 その資料の中に、フジノが注目した記述があります。

「ケアラーに対する支援について【コラム】にて追記を検討している」

というものです。

横須賀市人権施策推進会議・資料3より抜粋

 つまり、今回の改定案において、ケアラーに対する支援を人権の視点から取り上げる方向性が改定案として示されたのです。

 まだ最終決定ではありません。これから『人権施策推進会議』での数回の議論やパブリック・コメント手続きなどを経て正式な改定版となります。

 それでもフジノはこの動きを非常に重要な一歩だと受け止めています。

「人権」と「ケアラー」は別の問題ではありません

 『横須賀市人権施策推進指針』は、横須賀市の人権施策を進めていく上での重要な『道しるべ』です。

 まず2007年に『横須賀市人権都市宣言』を行ない、その理念に基づいて2009年に『横須賀市人権施策推進指針』を策定しました。その後、2019年に初めて改定されています。今年2026年に7年ぶりに改定されることになりました。

 フジノは、2009年の策定、2019年の改定の両方に深く関わってきました。当時のフジノが特に強く意識してきたのは、性的マイノリティ、自殺、犯罪被害者などの人権と人権課題を横須賀市の公式文書に初めて明記させることでした。

 そして今回の改定でフジノが強く意識している新たな人権課題がケアラーの人権です。

 ケアラーとは、家族や身近な人の介護、看護、見守り、日常生活上のお世話などを無償で担っている人たちです。高齢者の介護だけではありません。障がいのある家族、医療的ケアが必要なこども、精神疾患や難病のある家族、ヤングケアラー、ダブルケアを担う人など、その姿は本当に多様です。

 ケアを担うことそのものは問題なのではありません。ケアを担うことによって、

「学校に行けない」

「仕事を続けられない」

「友人と会えない」

「自分の夢を諦める」

「自分自身の健康を損なう」

「誰にも相談できず孤立する」

といった状況に追い込まれてしまう方々がとてもたくさんいらっしゃる現実があります。

 本来、自分らしく生きる権利を持っているはずの一人ひとりが、家族等のケアを理由にその権利を大きく制限されてしまう。ケアラーも夢と希望ある未来を信じて今を生きていく当然の権利があります。

 フジノは、ケアラー支援は福祉政策であると同時に人権政策であると強く訴えてきました。

(以前からフジノが発信してきた「ケアラーをひとりの個人として尊重する社会」についてのショート動画です)

6月議会でフジノは「行政計画への明記」を求めました

 今年2026年6月の横須賀市議会の一般質問でフジノはケアラー支援について取り上げました。横須賀市独自のケアラー支援条例の制定について、市長から「前向きに検討する」との答弁を得ました。

 しかし、条例制定には一定の時間がかかります。そこでフジノは、条例化だけでなく、2026年度に改定される様々な行政計画に、横須賀市としての基本姿勢としてケアラー支援を明記すべきだと提案しました。

具体的には、

  • 横須賀市高齢者保健福祉計画(介護保険事業計画を含む)
  • よこすか障害者計画(障害福祉計画・障害児福祉計画を含む)
  • 横須賀市男女共同参画プラン

など、様々な行政計画への明記を求めました。この質問に対して、市長からは、

「今後は、これまで実施してきた既存施策をケアラーの視点で整理し、ケアラー支援に資する事業であることが分かるよう、各種計画の改定に合わせて、必要な記載をしっかりと行なう」

との答弁を受けました。

 その市長の答弁(=約束)が少しずつ現実になり始めています。

まず「障害者計画」にケアラー支援が明記されました

 7月16日に開催された『横須賀市障害福祉計画等検討部会』。ここで示された障害者計画の事務局案には、初めて『ケアラー支援』が独立した項目として明記されました。そして、検討部会はこの事務局案を承認しました。

 6月議会でフジノが求めた『各種行政計画へのケアラー支援の明記』が、まず障害者計画という形で具体化しました。

 そして今日。今度は『横須賀市人権施策推進指針』の事務局案においても、

「ケアラーに対する支援について【コラム】にて追記を検討している」

との記述が示されたのです。

 本当に大きな前進です。

だからこそ「行政の文書に明記する」ことにこだわる

 何故フジノがそこまで計画や指針などの行政の文書に明記させることにこだわり続けているか。

 それは、行政は計画などに明文化されたことは予算化したり事業化したり取り組みを実施しなければならないからです。

 (*もちろん明記された全てがただちに予算化・事業化される訳では無い現実もあります)

 『計画行政』という言葉がありますが、行政は各種計画に基づいて毎年の取り組みを行なっています。

 だからフジノは、行政の計画や指針に書き込まれるように必死にはいずりまわっています。表舞台の本会議や委員会で質問をするだけではなく、日頃から担当課のみなさんと意見交換を繰り返し、審議会があれば委員の方々とも議論を重ねさせていただくのです。

 全ては政策を実現する為に。

 もちろん、今回の『人権施策推進指針』についても、まだ正式決定ではありません。「コラムにて追記を検討している」という段階です。これからの審議をしっかりと見守り、必要であれば意見を述べていきます。

 全ては人権を守る為に。

ケアラーがひとりの個人として尊重される社会へ

 フジノがケアラー支援にこだわる最大の理由は、ひとりの個人として尊重される社会に変えたいからです。

 現在のわが国では、家族等の介護やケアをしている人は「家族だから・親族だから・こどもだから・親だから・恋人だから、その人のケアをするのが当たり前」とされてきました。

 けれども、家族等を大切にすることと、ケアラー自身の人生を全て捧げることは同じではありません。ケアを担う人にもひとりの個人としての人生があります。

 ケアラーを「支援される家族等」としてだけではなく、ひとりの個人としてその人自身の人権を守るという視点が必要です。

 今回の『人権施策推進指針』の改定において『ケアラーに対する支援』が明記されれば、それは横須賀市がケアラーを人権の視点からも捉えていくための重要な一歩になります。

 これからも議論の行方を注視していきます。そして、議論を重ねて、一歩でも理想に近づけるように全力を尽くしていきます。

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