前市長が作った計画の失敗をくりかえさない為に「徹底した市民参画で新たなプランづくりを」と訴えました/FM戦略プラン審査特別委員会(第2回)

前市長が作った「施設配置適正化計画」は、廃止されました

前回の『FM戦略プラン審査特別委員会』についてフジノがブログを書いた後で、市民の方から質問をいただきました。

「『FM戦略プラン』とは何なのか?」

「何故『FM戦略プラン』を作るのか?」

そこで、これまでの経緯をかんたんに説明しますね。

前市長時代の2015年1月に『施設配置適正化計画』というものが作られました。

38年もの超長期計画だった「施設配置適正化計画」(2015年1月策定)

38年もの超長期計画だった「施設配置適正化計画」(2015年1月策定)


市の施設の統廃合を示したもので、2052年度までの38年間にわたる計画です。

施設の廃止・統合ばかりがクローズアップされた計画でした

施設の廃止・統合ばかりがクローズアップされた計画でした


人口構造・経済・財政など社会のシステムが変化した中で、これまではどれほど市民のみなさまに愛されて利用されてきた施設であっても、従来のように維持・補修・更新していくことは財政的に不可能です。

けれども、ピンチは大きなチャンスです。

身近な地域に必ず1つずつあった施設を統合せざるをえないかわりに、1つの建物の中にあらゆる機能がビルトインされた複合施設でより市民のみなさまに愛されるような施設に変えていくことなどができる可能性があります。

全国の自治体が直面している問題ですが、市民のみなさまとともに知恵をしぼって、新たなまちづくりに成功しているところもあります。

フジノは、計画づくりの当初はとても期待していました。

しかし、計画づくりの途中で審議会は紛糾し、完成した計画は期待を大きく裏切るものでした。

新たなまちづくりどころか、市民のみなさまにとって必要な公共施設をとにかく廃止・統合することが強く打ち出された単なる『スクラップ計画』でした。

そして、この計画にもとづいて実際に廃止された『婦人会館』のように、地域のみなさまから愛されていた歴史的価値のある存在さえ、「存続してほしい」というたくさんの声も無視されました。

このように、市議会だけでなく、市民のみなさまの声も聞かずに作られたこの計画には反対の声がとても強く、市長選挙でも大きな争点となりました。

この計画の見直しを訴えた上地市長が当選し、昨年9月の所信表明演説においてもこの計画の凍結(実際は『廃止』です)と新たなプランの策定が打ち出されました。

上地市長の所信表明演説(2017年9月4日・本会議)より

ファシリティマネジメントの推進についてです。

私自身、議員時代に、もう10年以上も前からファシリティマネジメントの重要性を訴え続けてきましたので、今後の人口減少社会に向けて、公共施設をどうしていくべきかしっかりと考えていく必要があると認識しています。

しかし、個別施設の面積削減をクローズアップした現行の計画では、市民の皆様の理解は得られないと思いますし、私自身も納得できるものではありません。

現行の計画は凍結し、1度立ち止まって精査した上で、例えば、中心市街地等での再開発との連携や、地域コミュニティの再生に寄与するような公共施設の更新や再編のあり方、将来像などについての戦略的なプランを策定してまいります。

こうして前市長が作った『施設配置適正化計画』は廃止されて、所信表明で上地市長が述べたとおりに、新たなプランづくりがスタートしています。

この新たなプランの名前を『FM戦略プラン』といいます。

取り組み及び推進体制のイメージ

取り組み及び推進体制のイメージ


そして市議会としても「今度のプランは徹底的に議論してより良いものにしていきたい」という強い想いから、『特別委員会』を設置しました。

以上がこれまでの経緯となります。



財政部から「骨子素案」が示されました

本日、第2回となる『FM戦略プラン審査特別委員会』が開かれました。

FM戦略プラン審査特別委員会の開会前の藤野英明

FM戦略プラン審査特別委員会の開会前に。


前回は正副委員長を決める為の開催で、今回から実質的な議論がスタートしました。

FM戦略プラン審査特別委員会(第2回)議事次第

FM戦略プラン審査特別委員会(第2回)議事次第


今回は、財政部から『FM戦略プラン骨子素案』が示されました。

財政部から示された「FM戦略プラン骨子素案」

財政部から示された「FM戦略プラン骨子素案」


行政の計画づくりの手順としては、まず『骨子』を作ります。その『骨子』を作る為の『たたき台』にあたるのが『素案』です。

つまり、『計画のもとのもと』になるものがこの『骨子素案』となります。

全文を掲載しましたので、こちらからぜひご覧下さいね。



フジノは「徹底した市民参画による新たなプランづくりを」と訴えました

議会側は強い反対を続けてきたにもかかわらず、最終的には前計画の策定を止められませんでした。

したがって前計画の失敗には、議会側にも一定の責任があるとフジノは考えています。

だから、「新たなプランづくりでは絶対に前計画の失敗は繰り返さないぞ」という想いを強く抱いています。

この想いは他の委員のみなさんも同じだったのではないかと考えています。

多くの委員が様々な観点から『骨子素案』について質疑を行ないました。

フジノもいろいろな角度から提案を行なったのですが、そのうちの1つをご紹介します。

「徹底した市民参画による新たなプランづくりを行なうべきだ」というものです。

FM戦略プラン審査特別委員会(2018年3月5日の質疑)

フジノの質問

FM戦略プラン推進の基本方針について伺います。

FM戦略プラン推進の基本方針

FM戦略プラン推進の基本方針


今回、基本方針として5つ挙げていただきました。

ここに新たに加えていただきたいという想いがあります。

まず、僕自身は「前の計画が失敗だった」と受けとめているのですが、それは議会だけではなく多くの市民の方から共感が得られなかったことにあるのではないかと受けとめています。

そこで、率直な反省に立って、基本方針にも次のような内容をぜひ加えていただけないでしょうか。

それは、「市民と行政がともに問題意識を共有し、横須賀市の未来の姿を市民と行政がともに描く計画とする」といったような内容、これをぜひ検討していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

施設配置適正化担当課長の答弁

今ご提案いただいたものは少し持ち帰って今後考えさせていただきたいと思います。

フジノの質問

今申し上げたことなので即答は難しいと思うのですが、やはり基本的な方針の中に、市民とともにつくる計画であるということ、それからもう1点御提案させていただきたいのですが、市民の理解と満足度を高める計画とすることを方針に明記していただきたいと思います。

これは自明の理だと議会も行政も考えていることだと思うのですが、あえて明文化することで、市民のみなさまにプランを御提示する時に、このプランというのは前を向いて、ダウンサイジングはするが、これによって皆さんの暮らしがより豊かになる、より良いものになる。これは行政、議会だけがつくったのではなくて一緒につくっていくものなのだ、ということをぜひ打ち出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

財政部長の答弁

横須賀市の『基本構想』の中に、市民協働によるまちづくりというのが位置づけられているのは委員ご承知のとおりだと思います。

今回のプランの中でも、当然、市民の理解と満足度を高める。市民とともにつくるという思想は重要な視点だと思います。

基本方針の中の1、2、3、4、5、6に位置づけるのか、はたまた総論に位置づけるのか、どういう位置づけるになるか分かりませんが、御意見の点については、中でもう1度議論させていただきたいと考えています。

フジノの質問

同じ趣旨から、今度は説明資料をごらんいただきたいのですが、説明資料の1ページをごらんください。

計画策定スケジュールについてです。

計画策定スケジュール

計画策定スケジュール


大変わかりやすいスケジュール一覧になっているのですが、市民参画について記述が薄い。

この予定表からでは、市民参画の機会が『公募市民』と『パブリックコメント』ぐらいしか受けとめられない。

先ほど基本方針に入れていただきたいと言ったことと同じ趣旨なのですが、計画策定の段階から市民への広報が積極的になされるべきと考えています。

計画をつくっていることをお知らせしていただきたいですし、定期的に進捗状況もニュース的に発信をしてほしいと思っています。

そして、計画策定スケジュールにも市民参画の機会を盛り込んでいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

施設配置適正化担当課長の答弁

確かにそのとおりだと思います。

ホームページ等では少しずつ発信しておりますが、今委員からいただいた意見のように少し考えていきたいと思っています。

フジノの質問

続いて、やはり同じ趣旨からの質問なのですが、有識者会議での議論、これは非常に大事なものだと思います。当然、傍聴もできるとは思います。

ただ、やはり議論をリアルタイムでどなたでも観られる、またその時間帯に来ることができなければ議事録の公開が可能な限り早く行なわれる、またはインターネットで会議の様子の録画を公開する、そういった形で可能な限りリアルタイムで情報を市民のみなさまと共有できるようにしたい。

というのも、計画策定の期間は大変短いです。

そして、このまちの未来を決める10年間ものプランをつくります。

当然つくった後で「知らなかったよ」ということにはなりますし、どんなに広報してもそれは起きることですが、可能な限り行政側は全部情報を出してほしいと思っているのです。

市民と一緒につくっていくプランにしたいと思っているのです。

今までの審議会の在り方とはだいぶ離れてしまうかもしれないのですが、とにかく議事録を早く出す、そして定期的に情報発信をする。

また、検討委員会の様子も動画などの形で可能な限り早く見られるようにしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

施設配置適正化担当課長の答弁

情報の開示は確かに重要だと思いますので、できる限り早く開示すべきだと思っています。

議事録につきましては、各委員の確認が必要になりますので、確認ができ次第、公関するようにしたいと思っております。

動画については、現時点でどうするかというのはお答えが難しいと思っております。

フジノの質問

それから、市民参画のあり方というのはどういったものがよいのかというのは、事前にいろいろなことを意見交換させていただきました。

例えば出前トークは絶対やられるでしょうし、前市長の呼び方ではありますが車座会議のように市民の方に集まっていただいて意見を積極的に聞かせてほしいという場を開いていくと思います。

こういったものもお考えいただいた後には計画策定スケジュールに明記していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

施設配置適正化担当課長の答弁

この計画づくりの中での市民の方々への説明ということもありますが、計画からリーディングプランに至るまでの過程というものも大事なのかと思っております。

そういった段階で市民の方の意見を聞いて、例えば更新・再編の際に、どういった施設を複合化していくのかというようなことも検討が必要だと思っております。

そういった点については、リーディングプランの第7章に少し書いてありますが、計画の中に更新・再編の検討手順、検討時期というものの中で少し考えてスケジュールに入れていきたいと思っています。

この他にも、

  • 全国でブームになっている図書館を複合化してまちのにぎわいづくりに利用するようなことは、結論有りきで進めるべきではない。

  • 隣市や半島内の各市町が美術館を持っている中で、美術館を本市が本当に持ち続ける必要があるのか、検討を行なっていくべきだ。

  • 10年もの長期にわたる計画は必ず経済社会状況の変化が起こるものであり、細やかな進捗管理と定期的な見直しをしていくべきだ。

などの提案をしました。

次回の特別委員会は、2018年5月18日(金)です。

この1ヶ月間を利用して、さらに市民のみなさまとともに在るべき横須賀の姿を考えて、市民の多くの声を『FM戦略プラン』に反映させていきたいと思います。



3月に廃止された「婦人会館」が早くも売りに出されました。約1億8000万円の為に歴史的な遺産を売却するとは・・・/売却先は9月2日に決まります

横須賀市は「歴史的な価値を守るべき責任」を1億8000万円を得る為に捨てたのだ、と分かりました

3月末をもって廃止された『婦人会館』が早くも売りに出されてしまいました。

「婦人会館」を売りに出す為の「市有財産売却一般競争入札説明書」

「婦人会館」を売りに出す為の「市有財産売却一般競争入札説明書」


郵送による『一般競争入札』という仕組みで、売却先を決めるそうです。

廃止からわずか2ヶ月、売却の為の入札の応募が始まりました

廃止からわずか2ヶ月、売却の為の入札の応募が始まりました


フジノはブログで

「売却されるまで、門こそ閉じられていますが、その美しい庭を門越しにぜひ観にいらして下さい」

と書きました。

「婦人会館」の建物(玄関から左側は後年に増築されたものです)

「婦人会館」の建物(玄関から左側は後年に増築されたものです)


しかし、それができるのもあと数ヶ月だけになってしまいました。

こうして図面だけになると、歴史的な価値やコミュニティ機能も全く見えなくなって悲しいです

こうして図面だけになると、歴史的な価値やコミュニティ機能も全く見えなくなって悲しいです


その『説明書』を読んで、深く落胆してしまいました。

「1億8070万円以上」が「婦人会館」の売値です

「1億8070万円以上」が「婦人会館」の売値です


『1億8070万円以上』というのが、地域の大切なコミュニティ拠点であり歴史的な価値も高かった『婦人会館』の売値です。

この説明書を読んで分かったことは、約2億円という現金収入を得る為に、横須賀市は歴史的価値を守る責任を捨てたということでした。

虚しい気持ちに襲われて、ため息がたくさん出ました。

売却先が決まるのは9月2日です

売却先が決まるのは9月2日です


売却先が決定する(郵送による一般競争入札が改札される)日は、9月2日です。

「引き渡しから1年以内に建物等を取り壊せ」とのルールで売却します

「引き渡しから1年以内に建物等を取り壊せ」とのルールで売却します


そして、あの素敵な『建物』は、引き渡しから1年以内に取り壊すことが売却のルールとして記されていました。

築100年を超える大切な古民家がまたひとつ消えます

築100年を超える大切な古民家がまたひとつ消えます


『婦人会館』の庭園を愛し、自らの小説の中で触れるまでした菊池寛は、とても悲しんでいるのではないかと思いました。

悲しむと言えば、つい先日、米が浜の『料亭小松』が火災によって失われてしまい、ゆかりのある全国の方々が悲しみにくれました。

『婦人会館』もとても大切な歴史的な価値のある建物・庭園でした。

横須賀から大切なものがどんどん失われていってしまうことに、さみしさを感じます。

しかも『料亭小松』は火災によって失われてしまいましたが、この『婦人会館』は地域住民の反対にもかかわらず、『横須賀市の決定』で廃止されたのです。

市が自らの歴史を守る責任を放棄する、それも現金約2億円を得る為に。

なんて虚しいことだ。

説明書に記載されている「参考事項」より抜粋

  • 本物件の旧用途は、市立婦人会館です。同会館は、平成28年3月31日をもって閉館となりました。
  • 売買物件引渡しの日から1年以内に敷地内に存する建物及び敷地西側の万年塀を解体撤去することを条件としますので、建物の所有権移転登記は行いません。
  • 建物解体完了後、速やかにその旨を報告してください。現場検査後に建物滅失登記に要する委任状を交付します。
  • 敷地内にある建築物、工作物(池、灯篭、井戸、藤棚等)及び立木(樹種、本 数等は判然としません。)は所有権移転の時点における現状有姿での引渡しとなりますので、解体撤去等は落札者の負担で行ってください。
  • 本件土地の区画形質の変更を行う場合、敷地全体を開発区域に設定した一体の開発行為で計画する必要があります。
  • (中略)

  • 土地利用(解体工事を含む。)を行う際は土地利用計画及び工事車両の通行について、地元町内会を対象とした事前説明会を実施するように努めてください。なお、対象となる町内会は工事車両の通行が予定されている幅員8m未満の道路が存する町内会とします。
  • 工事車両の通行に当たっては、地域住民の生活に配慮し安全確保に努めてください。
  • 敷地南側の市道と本件土地の塀を利用してごみ集積所が設置されています。土地利用に伴い新設、増設又は移転(一時的な仮移転も含む。)が必要な場合、馬 堀町1丁目町内会と協議を行った上で必要な措置を講じてください。
  • 本件土地に道路を新設し、その新設道路を南側で接面する道路(市道1799号) に接続する場合、その付近の安全に配慮し、必要に応じてカーブミラー等の設置を検討してください。
  • 特定建築等行為のお知らせ看板を設置したときは、速やかに資産経営課あて報告してください。

かたやDeNAベイスターズ2軍が横須賀から出て行ってしまわない為に、あっという間に数十億円の市税を出すことを市長は決めてしまいました。

こうした姿勢はとてもおかしいとフジノは感じずにはいられません。

今の横須賀市政は間違っています。

とても虚しいです。



後日談:神奈川新聞が報じてくれました

市民のみなさまに馴染みの深かった『婦人会館』の売却について、地元紙・神奈川新聞が報じてくれました。

2016年5月27日・神奈川新聞より

2016年5月27日・神奈川新聞より


こうした大切なことを報じてくれる新聞メディアの存在は、本当にありがたいです。



「婦人会館」1階の様子をご紹介します/「婦人会館」が2016年3月31日をもって閉館されました(その2)

前の記事から続いています)

館内の様子を写真で紹介します

では、続いて『館内』の様子を写真でご紹介いたします。

館内の配置図

館内の配置図

玄関

玄関


菊池寛さんの小説『不壊の愛』の中に、『婦人会館』の過去の様子が記されています。

菊池寛「不壊の愛」より

菊池寛「不壊の愛」より


(このボードは市民の方が寄贈して下さったものです)

不壊の愛

菊池 寛

「私は、数年来毎夏、湘南大津に避暑してゐる。

毎年定まって、同じ家を借りてゐる。

その家は庭が少しもないのだが、その家の二階から見下ろす隣家の庭が、芝生を一杯に植ゑた、西洋風の美しい庭園なので私はいつも、

『この家は、庭はちっともないが、お隣の庭を自分の家の庭だと思ってゐたら、それで間に合ふ。』

と、云ってゐる。

隣の邸は、三百坪ばかりの広い庭だのに、建物はごく小さく、わづかに四間か五間かの平屋が、庭の一隅に、小ぢんまりと建ってゐる丈だった。

しかし、それはそこに住んでゐる老人夫婦には、充分な広さであった。

夫婦は子無しであるらしく、夏海に行っても子や孫らしい家族は見かけなかった。

老人の姓は、松波謙介と云った。

もうすっかり白髪になってゐたが、雄偉と云ってもよい堂々たる体格であった。

老妻の方は小柄な上品なお婆さんで、目鼻の整った、若い時はどんなに可愛かったであろうと思はれる老女であった。」

こうして菊池寛さんにも愛されたのが、ここ『婦人会館』なのです。

玄関に貼られている「利用者のみなさまへ」の文書

玄関に貼られている「利用者のみなさまへ」の文書


横須賀市の所管になってからは、地域コミュニティの拠点として貸し館をしてきました。

囲碁や将棋をするグループ、裁縫やお花の教室など、いろいろな方々がここに集い、交流し、生きがいを見つけてきました。



まずは1階の様子です

それでは1階の様子です。

玄関から左側を観たところ

玄関から左側を観たところ


玄関から左側は、後年になって増築されたものです。

玄関から右側へ

玄関から右側へ


明治四十年からのオリジナルの建物は、玄関から右側の部分になります。

明治四十年の建築当時のまま

明治四十年の建築当時のまま


関東大震災、東日本大震災を乗り越えてきました。

学習室1と2のあいだにある「欄間」

学習室1と2のあいだにある「欄間」


最終日ということで職員のみなさんも片付けに忙しかったのですが、フジノがお邪魔すると手を休めていろいろなお話を聴かせて下さいました

所管として管理運営をして下さった教育委員会職員のみなさん

所管として管理運営をして下さった教育委員会職員のみなさん


毎日の出来事、東日本大震災の日、大吹雪の日など、様々な出来事を聴かせていただきました。いかに『婦人会館』が愛されてきたのかを改めて感じさせられました。

110年、風雪に耐えてきた


これまでずっと『婦人会館』を守って来て下さった職員のみなさまに対しても、「閉館・廃止を止められなくて申し訳ございませんでした」と深くお詫びをしてまいりました。

学習室1の廊下

学習室1の廊下

学習室7の廊下

学習室7の廊下

廊下を照らす電灯


学習室7と8の様子

学習室7と8の様子

廊下でふと立ち止まっても見とれてしまう光景

廊下でふと立ち止まっても見とれてしまう光景

趣のある廊下

趣のある廊下

柔らかな陽射しと長い月日を経た木材

柔らかな陽射しと長い月日を経た木材

和室


廊下の木目も美しい

廊下の木目も美しい




(次の記事へ続きます)



長年にわたって「婦人会館」を愛してこられたみなさまに心からお詫びを申し上げます/「婦人会館」が2016年3月31日をもって閉館されました(その1)

本日2016年3月31日をもって「婦人会館」が閉館します

吉田市長によって定められた『施設配置適正化計画』。

吉田市長が定めた「横須賀市施設配置適正化計画」

吉田市長が定めた「横須賀市施設配置適正化計画」


この中で、『廃止』が明記されていました。

「施設配置適正化計画」P29より

「施設配置適正化計画」P29より


ここに至るまで、『婦人会館』を愛してこられた方々は多く、たくさんの閉館反対の声がありました。

市議会にも反対を求める『陳情』が出されました。

しかし、残念ながら結論は覆りませんでした。

2016年3月24日・神奈川新聞より

2016年3月24日・神奈川新聞より


すでにメディアの報道でもご存知の方も多いと思いますが、本日2016年3月31日をもちまして『婦人会館』が閉館されます。



その美しい建物と庭園をせめて写真に残したいと思いました

最終日の今日。

政治家としては『婦人会館』を守れなかったお詫びに、個人としては素晴らしき歴史的文化財を目に焼き付ける為に、『婦人会館』へと向かいました。

なるべくたくさんの写真を撮って、画像だけでも遺しておきたいと思います。

京急大津駅を降りて歩くこと三分ほどで、印象的な生け垣が見えてきます。

馬堀町1丁目に婦人会館はあります

馬堀町1丁目に婦人会館はあります


ココです!

「婦人会館」の門です

「婦人会館」の門です


懐かしい。

「門」をくぐると建物が見えてきます

「門」をくぐると建物が見えてきます


門を入ると、美しい庭が広がっています。

旧佐賀藩士が別荘としたそうですが、この美しい庭を愛でたのでしょうね。

でも、まずは建物の外側をじっくりと眺めましょう。

「婦人会館」の建物(玄関から左側は後年に増築されたものです)

「婦人会館」の建物(玄関から左側は後年に増築されたものです)


この建物は、大きく2つに分かれています。

明治40年に建設された最も古い部分が右側です。

「婦人会館」と言えば「松」です

「婦人会館」と言えば「松」です


『婦人会館』の松はどれも本当に印象的ですね。

玄関とその右側はまさに明治40年に建築されたまま

玄関とその右側はまさに明治40年に建築されたまま


玄関から左側と2階は、昭和14年に『浦賀船渠』の保養所にかわってから建て増しされました。

ぐるりと裏側へ

ぐるりと裏側へ


建物の裏側にも行ってみます。

右側の裏側へ

右側の裏側へ


そういえば、裏側に回ったのは今回が初めてでした。

同じ側面を少し離れたところから(松が印象的ですね)

同じ側面を少し離れたところから(松が印象的ですね)


市は「耐震化工事をしていない」ことも廃止の原因の1つに挙げていましたが、そもそも建築後に関東大震災を乗り越えて、さらに2011年には東日本大震災も乗り越えて、建物の損壊はありませんでした。

再び正面玄関に戻ってきました

再び正面玄関に戻ってきました


さて、正面玄関に戻ってきました。

それでは建物の中に入ります!

それでは建物の中に入ります!


次の記事では建物の中をご紹介しますね!

次の記事へ続きます)



「婦人会館」の売却反対を求める陳情について質疑しました。有料化してでも守りたいという住民の想いを尊重すべきです/2011年12月議会

吉田市長の「婦人会館」売却の方針に対して、地域住民の方々から「売却反対」の陳情が出されました

本日の教育福祉常任委員会では、市民の方々から市議会に提出された『陳情』についても審査を行ないました。

ここで特に触れたいのは、『婦人会館』についての陳情です。

陳情「婦人会館の売却反対について」

陳情「婦人会館の売却反対について」


住民の合意を得ないままに突然に市長が方針転換を行なった『婦人会館』の廃止・売却に対して、市民の方々から「反対」の陳情が出されました。

まず陳情の全文を掲載します。

陳情第22号

住みやすい大津の街を作る会代表A(現物では実名)
署名1,224名

婦人会館(馬堀町1丁目6番3号)売却に反対する為の陳情書

2011年8月10日市長参加の車座会議が『大津行政センター』で行なわれました。

その場で会場の質問に答えて、市長は『大津行政センター』を新築移転すること、その財源として現行政センターと『婦人会館』を売却する、と答えました。

かつて市長は『建て替え』ではなく、耐震の調査をして持たせる方向であると言明しました。

まして、市の財政赤字を抱え、市民の負担はいっそう重くなるばかりの状況があると思います。

そのような中で、しかも、本庁舎では無い支所的な現行政センターに近隣の住民はバリアフリー以外何の不都合も感じていません。東京都でさえ、区の役所に大津行政センター並みのものがそのまま活用されているものがあります。

その中で、新築移転の財源に、文化財級の歴史的遺産『婦人会館』を売却するということは、市制110年を超える横須賀市制始まって以来の暴挙です。

歴代の市長はこのような暴挙を行なったことはありません。

横須賀市制誕生とほぼ同年に建造された『婦人会舘』は、芥川賞・直木賞を設定し、文芸春秋社を創設した文豪・菊池寛の小説『不壊の愛』にも登場します。

110年間以上、関東大震災にも耐えて市民に広範囲に今なお愛着を持たれて活用されているものです。

明治40年に創建された別荘建築の典型的な和風様式で、その庭園の松17木含め、市内では稀少価値のものです。

建築文化研究所によると、「横浜市金沢区野島にあって、新築リニュアルオープンされた、史跡指定、伊藤博文別荘跡の元の建築様式と同じもの」と言う評価をされています。

文化財保護法は保存活用を提起しています。

現行政センターとそのコミュニティ機能を補強もしつつ、大津地域の文化や歴史に根づいてきた歴史の語り部的存在で、その機能だけ移転できるようなものではありません。

『婦人会館』の庭園と伺じような、相模原市の旧陸軍士官学校校舎・庭園は市指定遺跡となっています。

大津行政センター新築移転の為の『婦人会館』売却に反対します。

地域住民の願いを踏みにじる以外のないものでもない行為であり、市制に汚点を残すものと言っても過言ではないと思います。

市婦人会維持費は年間200万円と聞いています。

有料にしてでも保存活用できるよう切望します。

この『陳情』の趣旨はもっともで、フジノは強く賛同します。



「陳情」に対する市の所見

横須賀市議会では『陳情』を審査するにあたって、事前に、横須賀市が『所見』を述べることになっています。

この『陳情』に対する横須賀市の所見は以下の通りでした。

陳情第22号について、教育委員会の所見を述べさせていただきます。

本陳情の趣旨は、『大津行政センター』新築移転のための『婦人会館』の売却に反対し、有料にしてでも保存活用することを求めたものであります。

『婦人会館』は、明治40年、現在の横須賀市馬堀町1丁目に建築された木造建築物及び敷地を、昭和55年に住友重機械工業株式会社から本市が購入し、『婦人の社会生活の向上と福祉の増進を図る為』に開館いたしました。

現在は、全13室が、趣味のサークル活動や会議の場などとして活用され、平成22年度は、789団体7,655人が利用しております。

しかしながら、近年は、建物の老朽化が著しく、耐震工事が行われていないなど、利用者の安全が確保できない状況にあります。

一方、『大津行政センター』についてはエレベーターが無く、高齢者や障害者の方々に不便を強いており、また、コミュニティセンターは床面穫が狭く、貸館の際の部屋数も少ない為、地元からの建替え要望も強く、市民部において検討を行なってまいりました。

平成18年には『集中改革プラン』に、『大津行政センター』の移転新築に合わせて、『大津コミュニティーセンター』の機能拡充と、『婦人会館』の開舘が位置付けられております。

こうした状況の中、本市の厳しい財政状況を勘案し、国庫補助金等の活用や、現在の『大津行政センター』施設・用地、『婦人会館』、建設残地の売却など、財源確保に努めながら行政センターの建替えを行なうこととなったものであります。

現在計画している『行政センター』の施設案では、『婦人会館』の機能を可能な限り盛り込むために、部屋数を現在より増やし、学習室などの整備を計画しています。

移転後は、利用者はより良い環境で快適かつ安全に活動ができることとなりますので、教育委員会といたしましては、その機能が新施設に移った時点で『婦人会館』は廃止いたします。

利用者の皆様にご不便をおかけすることの無いよう、新たな『コミュニティセンター』が完成するまでの問きちんと管理した上で、完成後は廃止することでご理解をいただきますようお願い申し上げます。

以上で、陳情第22号についての所見とさせていただきます。

厳しい財政状況があること、地域住民から大津行政センター建て替えの要望があること、その建て替えの財源に婦人会館を売却して充てたいこと、耐震化工事がなされていないこと、などが述べられました。

そして改めて『婦人会館』売却の方針に変更は無いことが述べられました。



フジノは売却反対の立場で質疑を行ないました

『陳情』に対して11名の委員のうち、伊藤順一議員・井坂新哉議員・長谷川昇議員が質疑を行なって下さいました。

フジノが行なった質疑の全文を以下に掲載します。

2011年12月1日・教育福祉常任委員会での質疑

フジノの質問

陳情第22号『婦人会館の売却反対』について数点伺います。

今回、この陳情の中に市民の方は、「有料にしてでも保存活用できるよう切望します」と記載しております。

ただ「何かをしてくれ」というのではなくて、「自分たちも負担をしていくよ」という覚悟を示していただいているものと受けとめました。

そこで、伺いたいのですが、有料化することの検討というのはなさったのか。

今の入場人員であれば、1人250円とれば維持費自体は拠出できると思うのですね。

こういったことについても検討されたのかどうかを伺います。

生涯学習課長の答弁

まず、前提としてコミュニティセンターが有料化をしていませんので、『婦人会館』がコミュニティセンターに先行して有料化をしようという検討は実際にはしておりません。

ただ、目安として今、藤野委員から「1人当たり」という御質問がありましたけれども、通常私どもが所管する『生涯学習センター』などでは1人当たりという料金設定はやはりできませんので、これは今回の場合ですと、『生涯学習センター』が和室が1時間300円で、3時間で900円です。これを昨年の789件に掛けますと、約70万円という収入が見込まれます。

これは有料にした場合の減る分は見込まずにということになります。
 
一方、年間維持費は陳情には200万円と書いてございますが、平成23年度の婦人会館費の予算は年間500万円予算を議決をいただいておりますので、500万円に対して71万円ということは、なかなか維持管理の費用を賄えるという判断はしてございません。

フジノの質問

公式な有料化の検討はしたことは無いけれども、見込みというのは行なっていただいた、というのを伺いました。

有料化のあり方は従来の方法に合わせていくと、有料化したとしても維持管理はなかなか難しいということは承知しました。
 
財政的な部分について、今回は新大津行政センターとの一体的な取り組みの中で婦人会館の売却を例に挙げておられますが、文化的な価値以外の側面の価値も考えてみたいと思うのです。
 
大津地域というのは、今、おりょうさんの墓ですとか、本当に観光振興に頑張っておられると思うのです。

そんな中で、『婦人会館』というのも観光的な価値もあるのではないかと考えます。

この点については、経済部とも話し合いは行なわれたのでしょうか。

生涯学習課長の答弁

観光的な利用を図っていくという趣旨での検討、あるいは所管課との打ち合わせは行っておりません。

フジノの質問

この点は、やはりぜひ連携して話をいったんはしていただきたい、と思います。

『婦人会館』というもののイメージを、僕が政治家になる前からも含めて思った時に、やはりその庭園のすばらしさですとか、そういう観光的な価値も大きく感じたのですね。そこは考えていただきたいと思います。
 
それから、最後になりますが、『文化的価値』『経済的価値』に続いて、やはり一番重視しなければいけないと思うのは『地域のコミュニティーとしての価値』です。

建物を建てかえれば、入れる人は増えたり、スペースは確かに確保できると思うのです。
 
ただ、この110年間、大津の地域に根づいたランドマークとして非常に地域の方々の愛着のある建物としてあることで、そこに集う方々が8,000人近くおられる。

そのコミュニティー機能をここで売却してしまって維持できるのか。

地域の方々のきずなを維持できるのか。

大津といえば社会福祉協議会も頑張っていることでも非常に有名ですし、そういうのはこの『婦人会館』の存在というのも大きいのではないかと思うのですね。この点についてはどのようにお考えでしょうか。

生涯学習課長の答弁

藤野委員のおっしゃるように、年間8,000人の方が利用していただいて、私も『婦人会館』は所管ですのでよく行きますが、ある一定以上の年配の方々がたくさん集っていただいて囲碁をやっているとか、御近所の方が集まって会合しているとかというようなコミュニティー的な利用は本当にしていただいているという状況は、認識はしております。

ただ、一方で、やはり『大津コミュニティセンター』『大津行政センター』を建てかえて、その建てかえの検討の中で、『婦人会館』の機能を--来年以降基本設計ですけれども、可能な限り機能を吸収できるような規模にしていくということを私どもも市民部のほうに申し入れをしてあります。

市民部もそれを受けて検討していくということです。

これを両方、コミュニティー形成に寄与していることは事実ですが、両方の施設をコミュニティー施設として今後も維持していくということについては、これは市全体の判断として難しいということで、『大津行政センター』の建てかえと『婦人会館』の廃止をセットで、以前から市として決定していたということでございます。

フジノの質問

新しい建物をつくっても、そこに魂を吹き込むというのは本当に難しい時間のかかること。

一方、今すでに愛されている建物があって、そこに人が集って、想いもたくさん集まって、記憶も積み重なっている。

それをいったん失なってしまえば、本当に取り戻して再構築するというのは難しい。

それを本当にそのリスクを冒してまで新しい建物に切りかえる必要があるのか、というのは、僕はハッキリ言うと疑問を感じています。
 
全体としてのお考えがあるということは、市長判断と僕は受けとめますので、所管課(教育委員会)には厳しいことも申し上げても仕方がないのかな、ということを思います。

ただ、そのような想いを教育委員会もぜひ共有していただきたい。

市民の方々は、有料化してでも自分たちはここを守りたいのだという思いがあるということを、ぜひ御理解いただきたいと思います。

フジノが行なった質疑は以上です。



「陳情」は「審査終了」となりました

『陳情』については『賛成』『反対』とは言わずに『趣旨了承』『趣旨不了承』という用語を使います。

最終的な各会派の賛否は以下の通りです。

委員名賛否(了承・不了承)
加藤議員不了承
岩沢議員不了承
大野議員不了承
はまの議員不了承
長谷川議員了承
井坂議員了承
フジノ了承

横須賀市議会では『陳情』は多数決ではありません。

全委員が一致して『趣旨了承』か『趣旨不了承』のどちらかの結論になった場合のみ、その結論となります。

今回のように、『趣旨了承』と『趣旨不了承』で意見が分かれた場合には、『審査終了』という結論になります。

つまり、現時点では結論が出なかった、という意味です。

以上のことから、この『婦人会館』売却反対に対する『陳情』への横須賀市議会の結論は『審査終了』となりました。

『審査終了』という結果は、大変に残念です。



「婦人会館」は売却してはならない!

売却すれば、確かに収入を得ることができます。

その収入を財源に、大津行政センターの建て替えを行なうという説明は分かりやすく、なんとなく良さそうに聞こえるかもしれません。

けれども、本質は、全く違います。

『婦人会館』の地域コミュニティにおいて果たしている大きな役割を、横須賀市は絶対に残すべきです。

そこに集う方々の表情を見れば、生き生きとして楽しそうで、人々の暮らしに潤いを与えています。

フジノは文化財や建築学に詳しくありませんので、『婦人会館』の文化財的な価値や建築学的な意義は分かりません。

けれども1度でも実際に『婦人会館』に足を運べば、懐かしい日本建築の建物と美しくて広い庭の素晴らしさに誰もが心を奪われるはずです。

また、大津地域では観光に力を入れています。

その観点からも『婦人会館』は観光資源としても大きなスポットになるはずです。

これからもこの大切な空間を将来にわたって引き継いでいくべきです。

廃止・売却は絶対に間違いです。