精神疾患があると身体疾患で救急を呼んでも遠くの病院に連れて行かれる。いつになったら地元の病院で診察してもらえるだろうか。神奈川県はもっと頑張って!/神奈川県精神科救急医療調整会議へ

*はじめに*

予算議会が開会されており、会期中は市外での仕事はなるべく入れないようにしています。

けれども、今日開かれた『神奈川県精神科救急医療調整会議』は精神保健医療福祉をメインの政策にするフジノにとって重要な会議で、初めて開催された時からずっと開催されるたびに必ず傍聴をしています。

正直なところ読まねばならない予算関係資料は山ほどあるのですが、それでも今日の午後はこの会議の傍聴を優先しました。

そして議論されたことはやはり重要なことで、激しい議論が副座長と委員の間でなされた場面もありました。

配布された資料の数々、交わされた議論、あらゆる情報など、ブログでお伝えしたいことばかりです。

ただ、先ほど記した通りで予算議会の会期中でどうしても忙しくて丁寧にブログを書くことは難しい状況です。

写真だけを掲載することに何の意味があるだろうとも思いますが、取り急ぎ、写真だけ掲載します。

後日、がっつりと長文の記事を書きたいと思います。

今は、ごめんなさい!

会議室の窓から見える風景

会議室の窓から見える風景

会場にて

会場にて

議事次第

議事次第

神奈川県の精神科救急医療体制(4県市協調)

神奈川県の精神科救急医療体制(4県市協調)

申請・通報等通報等件数及び診察結果等

申請・通報等通報等件数及び診察結果等

通報等件数及び精神保健診察受理件数の推移

通報等件数及び精神保健診察受理件数の推移

精神科救急医療情報窓口受付状況

精神科救急医療情報窓口受付状況

海と高層建築、横浜らしい景色

海と高層建築、横浜らしい景色

ロベルト・メッツィーナさん、ついに来日/「むかしMattoの町があった」自主上映運動2周年記念講演会「鍵をかけない!拘束しない!トリエステ型地域精神保健サービスを世界へ」

※書きたいことは本当にあふれるほどたくさんあるのですが、市長への一般質問を12月議会で行なう為の発言通告書のしめきり3日前なので、どうか数枚の写真とメモ程度ですがお許し下さい。詳しくは後日アップし直します。

東京大学駒場キャンパスへ

学童保育まつりを途中退出して、東京大学駒場キャンパスへ向かいました。

東京大学駒場キャンパス

東京大学駒場キャンパス

今日は、イタリアから本当に素晴らしいお客さまがいらして講演をして下さるのです。

講演会の会場にて

講演会の会場にて

精神保健医療改革の世界的リーダー、ロベルト・メッツィーナさん

ロベルト・メッツィーナさんです!

ロベルト・メッツィーナ(Roberto Mezzina)

WHOメンタルヘルス調査研修コラボセンター(トリエステ)長。

南イタリア・バーリ大学を卒業し、1978年にフランコ・バザーリアのトリエステ・サンジョヴァンニ病院に赴任。同病院の脱施設化(deistituzionalizzazione)、病院に代わるコミュニティ・サービスの発展に尽力。
2014年春、トリエステ精神局長に就任。バザーリアの「思想と実践」を引き継ぐ新リーダーに。

2009年秋からWHO調査研修協働センター長として、世界中の「精神病院の脱施設化」「精神病院に代わる地域密着型サービスの発展」を支援。2013年はデンマーク、チェコ共和国、オーストラリア、ニュージーランドの精神保健改革をサポート。

2001年から精神保健国際協働ネットワークの推進役として活動し、現在は代表。

世界各国(イタリア、ベルギー、スペイン、イギリス、アイルランド、フランス、スロヴェニア、ブルガリア、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、スイス、スロヴァキア、セルビア、ギリシャ、フィンランド、ルーマニア、アルバニア、アメリカ合衆国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、インド、スリランカ、パレスティナ、イラン、ブラジル、そして今回の日本)の研究所、大学、精神保健サービス機関などから講師、基調講演者として招聘される。

専門分野:
脱施設化、地域サービスの組織化、クライシス介入、精神疾患の治療への統合アプローチ、コミュニティ・ケア、リハビリテーション、利用者参加型の諸活動、疫学研究、認識論、質(クオリティ)の保証、司法精神医療への批判的検討。

(パンフレットの紹介文より)

精神科医療改革で世界の先頭を走るイタリアの、今のリーダーがメッツィーナさんです。

つまり、世界のリーダーがこの方なのです。

ロベルト・メッツィーナさん講演会パンフレットより

ロベルト・メッツィーナさん講演会パンフレットより


映画『むかしMattoの町があった』の自主上映運動を続けて、2年が経ちました。

2周年を記念して、そしてあまりにも立ち遅れた日本の精神科医療を改革する『蟻の一穴』とする為に、企画されたのです。

900番講堂は満席で立ち見も多数でていました

900番講堂は満席で立ち見も多数でていました


650席の会場は、2階席までほぼ満席。立ち見もたくさん出ていました。

実は、事前の申し込みだけで500名を超えていました。当日申込みの方も100名以上来て下さいました。ありがとうございます!

24時間365日、地域にあるいつでもアクセスできる精神保健センター

24時間365日、地域にあるいつでもアクセスできる精神保健センター

通訳をはさみながらの講演でしたが、メッツィーナさんのお話はとても分かりやすかったです。

  • 『生活の場』から切り離されないクライシス対応
  • 苦しみには『意味』があり、『ニーズ』をあらわしている
  • クライシスこそ、関係性を取り戻し、ネットワークにつなげる『絶好のチャンス』

日本にも24時間365日のセンターを、地域ごとに設置したいです。

超満員、大成功でした

超満員、大成功でした

夕暮れの駒場キャンパス

夕暮れの駒場キャンパス

フジノの永遠のヒーロー、大熊一夫さん

フジノの永遠のヒーロー、大熊一夫さん

大阪でも講演があります!

メッツィーナさんは大阪でも講演して下さいます!

ぜひ関西のみなさま、参加して下さいね。

  • 日程:2014年11月22日(土)
  • 時間:13時30分~16時45分(開場13時)
  • 場所:クレオ大阪西 ホール
    (大阪府大阪市此花区西九条6丁目1−20)
    ※アクセス JR環状線・阪神なんば線「西九条駅」より徒歩3分
  • 定員:386名
  • 参加費:500円
  • 懇親会:3500円程度
  • 申込先:http://kokucheese.com/event/index/209897/
  • 共催:
    バザーリア映画を自主上映する180 人のMattoの会
    大阪精神医療人権センター
    大阪弁護士会
  • 後援:
    ACT-K / おおいしクリニック・訪問看護ステーション開く・株式会社レクスド
    問合せ先:
    ロベルト・メッツィーナ大阪講演会事務局
    E-mail peppe.osaka@gmail.com
    Fax  06-6313-0058

横須賀市内で自殺未遂をした方を「市外へ救急搬送した件数」がゼロになりました/自殺未遂者支援

治療後のケアの必要性を考えれば、自殺未遂をした方々は市内で医療を受けられるようにしたい

自殺未遂をした方々が運良く発見・救急搬送されて、体そのものは治療によって回復しても、再び自殺をする確率は極めて高いことが知られています。

およそ10〜30人に1人は再び自殺をする、という調査結果も報告されています。

自殺へと追い込まれた背景には複数の要因があるのですが、それらの要因の解決に向けた支援が必要です。

そこで、横須賀市では救急救命センターと協力して、自殺未遂者支援を実施してきました。

救急救命センターに搬送された方々に、入院中からアプローチし、退院後の『生きる支援』を行なっていくのです。

しかしこの方法には、1つ大きな欠点があります。

横須賀市は『市内』の救急救命センターとの提携によって支援を実施しているので、もしも『市外』へと搬送されてしまうと、この支援の枠からこぼれ落ちてしまうのです。

『市外』へ搬送されることは、自殺未遂をした方々に限らず、どんな病気でも起こる一般的なことです。

そもそも救急救命センターに空きベットが無いケース(フジノ作成)

そもそも救急救命センターに空きベットが無いケース(フジノ作成)


119番通報によって救急車に来てもらえても、市内の救急救命センターのベットに空きが無い場合には、空きベットがある市外の病院へ搬送されることがあります。

治療後も入院が必要だが空きベットがなく市外に転院せざるを得ないケース(フジノ作成)

治療後も入院が必要だが空きベットがなく市外に転院せざるを得ないケース(フジノ作成)


また、治療を行なって入院できても、もっと症状の重い患者さんが搬送されてくればセンターにはベットが必要になります。

そこでひととおりの治療が終わっていれば、未遂をした方であっても、他の病院に転院していただくしかありません。この時、市内に空きベットが無ければ、市外の病院に転院せざるをえません。

こうして、横須賀市の自殺未遂者支援の仕組みからこぼれ落ちてしまうのです。



支援の枠組みから外れてしまうケースを出さない為のフジノの提案

フジノは、何とかして『市外への搬送によって未遂者支援の枠組みから外れてしまうケース』を無くせないか、と考えてきました。

そこで、こんな提案も市議会で行なってきました。

2013年6月10日・教育福祉常任委員会
question(フジノ)
自殺未遂者支援について、健康づくり課と地域医療推進課にあわせて質問します。

横須賀市では、自殺未遂者支援に非常によく取り組んでいただいています。

先日、関係病院、つまり自殺未遂をした方々が搬送される病院のメディカルソーシャルワーカーの方々と意見交換をする機会がありました。

救急車で搬送されて救急救命センターに来ても、残念ながら大半がセンターで受けられなかったり、あるいはセンターで受けても、すぐに横浜市等の市外の病院に転院せざるを得ないような状況がある。

その為、せっかく自殺未遂者支援の仕組みがあっても、関われない方も複数おられる、とのことでした。

そんな中、「どうか市立病院で1ベッドでいいから、自殺未遂者の方を受けられるようなベッドを確保できないだろうか」というお話をいただきました。

僕は「まさにそれはそのとおりだな」と思って、御提案をお聞きしました。

本市では、そういった実態を把握しておられるかということと、ベッドを確保することが可能なのか、健康づくり課長と地域医療推進課長に伺いたいと思います。

answer(保健所健康づくり課長)
今現在、横須賀共済病院と連携して『自殺未遂者対策』をやっておりますけれども、その辺のベッドの有る無しについては、健康づくり課としては情報として今まで頂いておりません。
answer(地域医療推進課長)
市立病院でそういった自殺未遂者用の為のベッドを確保できないか、という御質問だったと思います。

4月からうわまち病院では救急救命センターを開設しましたけれども、現在は20ベッドです。

その中で特定の為に1つ空けておくということは難しいかなと思います。

1ベッドがあったことで救える命というのもありますので、状況の中で、空きがあれば、受け入れることはあるかと思います。

けれども、自殺未遂者支援用に必ず1ベッドをあけておくということは、運用上難しいかなと思います。

question(フジノ)
僕の質問から地域医療推進課長はイメージを共有して下さり、ありがとうございます。

僕は、精神科のドクターも常駐しておられるようになったこともあってうわまち病院をイメージしていたのですが、現状の救急救命センターは20床しか無い厳しさというのも承知しております。

今後の検討課題として、ぜひ研究していただけないかと思っております。

ぜひ御検討をお願いいたします。

自殺未遂だけでなく全ての怪我や疾患の重症度の高い方の為にベットは使うべきものであり、自殺未遂に限定した目的ではベットをキープすることはできない、という答弁でした。



2013年の市外への搬送がゼロ件になりました

それから半年が経った先日、最新の統計データが発表されました。

この問題について良い変化がありましたので、報告いたします。

下の横須賀市消防局が公表した最新のデータ(2013年・医療機関別搬送人員)をご覧下さい。

『自殺未遂』で救急搬送された132名がどこの病院へ搬送されたかを示したデータです。

横須賀市消防局消防・救急課「医療機関別搬送人員」より

横須賀市消防局消防・救急課「医療機関別搬送人員」より


『市外』へ搬送された方々はゼロになりました!

これは、

  1. 2013年は、自殺未遂をした方々が前年より21%減少したこと
  2. 2013年4月から、うわまち病院の救急救命センターがスタートしたこと

による成果だとフジノは分析しています。

特に、この4年間、自殺未遂によって救急搬送された方々の数は減少し続けているのですが、これは横須賀市による支援の効果が現れてきたのだと思います。

そもそも救急救命センターに空きベットが無いケース(フジノ作成)

そもそも救急救命センターに空きベットが無いケース(フジノ作成)


こうして『市外』に搬送される方がゼロになったということは、未遂者支援を進めていく上で『こぼれ落ちてしまうケース』を無くしていくことにつながります。

とても良い結果につながることだとフジノは嬉しく感じます。



次は「市外への転院」を把握する必要がある

その一方で、こちらの②のケースについては統計データそのものがありません。

治療後も入院が必要だが空きベットがなく市外に転院せざるを得ないケース(フジノ作成)

治療後も入院が必要だが空きベットがなく市外に転院せざるを得ないケース(フジノ作成)


今後の対策として、フジノは『市外への転院を把握する方法』や『市外へ転院した未遂者の方々への支援策』などを考えていきます。

全国の自殺対策関係者のみなさまへ

ここで報告したデータですが、今まではこのデータに関心を持つ人は、たぶん市内では数名(フジノと消防局と救急救命センターの方々くらい)しか存在しませんでした。

でも、ものすごく大切なデータです。

自殺対策には、いくつものいくつもの細かな取り組みが必要です。

今回報告したような取り組みも、自殺対策の重要な対応の1つです。

全国の自殺対策にかかわる有志のみなさま。どうか、あなたのまちの救急搬送のデータをぜひ調べて下さい。

国もようやく未遂者支援の取り組みをスタートさせていますが、細やかな調査や対策を実施できるのは現場に最も近いみなさまです。

ぜひあなたのまちのデータを把握して、あなたのまちの対策に活用して下さい。

どうかよろしくお願いします!



精神保健福祉審議会へ/「保健医療計画」の精神疾患ワーキンググループ

今日は、横浜市中区の『波止場会館』へ向かいました。『神奈川県精神保健福祉審議会(第2回)』を傍聴する為です。

これも、ここ数年間フジノが追い続けている『医療計画』のカンケーの審議会です。

12月議会の直前で、準備に忙しくてたまらないのですが、それでもどうしてもフジノにとっては重要な政策の1つなので、傍聴しない訳にはいきません。身体はつらくてしかたがないのですが、行かなければずっと後悔するので、意地で行ってきました。

波止場会館

多くの県では『医療計画』に新たに加えることになった『精神疾患』について、新たにワーキンググループを立ち上げて素案を策定しています。

神奈川県の場合は、既存の審議会である『精神保健福祉審議会』をワーキンググループとして活用して、母体である『保健医療計画推進会議』と並行して開催されて、素案を話し合ってきました。ここでの議論をもとに『精神疾患』についての素案を確定して、母体である『保健医療計画推進会議』へ送られます。

ただ、本当にフジノが残念に感じていることは、ワーキンググループの開催がわずか3回しか無かったことです。9月5日に第1回、11月7日に第2回、そして今日ここでの話し合いで、最終回となります。

その理由として、県は、国の最終的な指針(精神疾患の医療体制の構築に係る指針の改正について)が出されたのが10月9日ととても遅かったことも理由に挙げています。

最終的な指針

しかし、国の指針が遅くなることはいつものこと。

指針の完成版が出される前であっても、国が指針を作るまでに開かれた様々な審議会での議論をもとにして、積極的に県の素案づくりを早くから進めてほしかったです。

議題

ワーキンググループの第1回が開催された後、10月中に県内の関係団体(約200ヶ所)に文書で意見照会を行ないました。

精神疾患に係る保健医療計画策定に関する意見照会送付先(合計193ヶ所)

  • 県精神障害者連絡協議会
  • NPO法人じんかれん
  • NPO法人横浜市精神障害者家族会連合会
  • 神奈川県精神科病院協会
  • 神奈川県精神科病院協会非加盟医療機関
  • 神奈川県病院協会
  • 神奈川県精神神経科診療所協会
  • 県薬剤師会
  • 県精神保健福祉士協会
  • 県看護協会
  • 日本精神科看護技術協会神奈川県支部
  • 神奈川県訪問看護ステーション連絡協議会
  • 県精神障害者地域生活支援団体連合会
  • 神奈川労働局(自殺対策委員宛)
  • 保健福祉事務所
  • 精神保健福祉センター
  • 地域産業保健センター
  • 神奈川産業保健推進センター
  • 政令指定都市主管課
  • 市町村障害福祉課等自殺対策主管課
  • 精神保健福祉審議会の構成員
  • 精神科救急医療調整会議・同部会の構成員
  • かながわ自殺対策会議の構成員
  • 自殺対策に係る庁内会議(県)構成員
  • 認知症対策連絡協議会議構成員
  • 精神医療センター
  • 県立病院機構(病院事業課)

ワーキンググループでの2回の議論と、この意見照会で得られた回答を盛り込んで、素案が作られました。

今日示された素案では『精神疾患』はこんな構成で記述されています。

  1. 現状
    (1)取り組み、指針・計画等
    (2)精神疾患対策
  2. 課題
    (1)予防
    (2)治療・回復・社会復帰(地域生活)
    (3)精神科救急
    (4)身体合併症
    (5)専門医療
  3. 施策
    (1)予防
    (2)治療・回復・社会復帰
    (3)精神科救急
    (4)身体合併症
    (5)専門医療
  4. 目標
    (1)予防
    (2)治療・回復・社会復帰
    (3)精神科救急
    (4)身体合併症
    (5)専門医療

『目標』の具体的な内容は、下の画像の通りです。

目標

今回初めて見た訳では無いのですが、この県の『精神疾患』の素案を見て、正直なところフジノは落胆しています。

まず圧倒的な分量の少なさについてです。これでは必要な指標を盛り込むことさえできません。

これは『精神疾患』についてだけではなく、5疾病全てについて、それぞれわずか6ページしかありません。現状・圏域の設定・連携の検討・課題の抽出・数値目標の設定・施策を全て6ページに押し込めているのです。これでは少なすぎます。

もちろん事務的な制約があることは理解しているのですが...。

国の審議会を追いかけ続けてきた中でフジノが感じたことは、「審議会で示されたあらゆる角度からの指標(医療機能ごとの指標、ストラクチャー・プロセス・アウトカム指標など)を盛り込んで毎年必ず進捗管理としてチェックを続けていけば、かなり精神保健医療福祉は変わっていくだろう」ということでした。

けれども、実際には上に載せた画像の通りで、目標は5つだけ。これを1年ごとに評価・公表を行なうのですが、この5つの目標だけで『精神疾患』についての保健医療体制が改革されていくとはフジノには考えられないのです。

例えば『予防』では、かかりつけ医(みなさんのまわりの内科医など)に「うつ病対応力向上研修」を受講する人数が平成24年度は1,122名なのを5年後には3,000名以上にすることが目標です。

でも、これだけが『精神疾患』の『予防』の目標としてふさわしいかと言えば、明らかに違います。

フジノも自殺対策を進めてきた中で、この目標と同じ「GP連携」(=かかりつけ医と精神科医の連携)の重要性を感じて取り組みとしてきました。

けれども、これだけしか目標にしない、というのは「違う」と考えています。

もっと多くの指標を目標として盛り込むべきです。

せっかく『医療計画』という武器が県にはあるのだから、最大限に活用していけばいいのに。

分量が多くなることを気にするのは『紙ベース』の資料作成の時代の発想に基づいている訳ですが、今の2倍の分量にしたとしてもそれらはインターネット上に掲載すれば良い訳です。量が多くなれば指標の管理も大変かもしれませんが、それが医療を変える為に必要なことならば、やるべきです。いや、やらなければならない責任があります。

波止場会館からの帰り道の風景

終了予定の時間を過ぎても審議会は続いていましたが、フジノは市議会事務局から一般質問のことで連絡があり、残念ですが途中退出しました。

電話での連絡と資料のやりとりをメールでしなくてはならないので、とりあえず波止場会館の隣のカフェに入りました。

(仕事で波止場会館に来るたびに、景色がきれいで素敵なカフェもたくさんあるので「いつかプライベートで来てみたいなあ」と思いつつも、1度も叶いません。いつも仕事で来て、資料を読んだり作る為にカフェに入って、全然景色も目に入ってこないし、食べてるものの味も憶えてない...そんな感じばかりで残念。来年こそは時間を作って、プライベートでこのあたりに来てみたいです)

波止場会館の隣のカフェ

折り返しの電話を待つ間、行きの電車で読んでいた専門誌の最新号を読み返しました。書店に注文してようやく届いたので、市長への一般質問を作りながらも一生懸命読んでいます。

医学書院「精神医学」最新号

こうした精神保健医療福祉の業界の論文などを読んでいると、『医療計画』に『精神疾患』が加えられたことを強く歓迎する論調が多いです。それによって、ついに精神科医療の改革がスタートする、という想いでいる関係者は多いはずです(フジノもその1人です)。

論文より

でも、期待するだけではダメなんです。計画づくりにどんどん自ら関わっていかなければいけないんです。

フジノが今、実際の計画づくりの現場を見ている限りでは、膨らんだ期待はやがて完成する医療計画によって萎んでしまうことになると思います。期待を現実にするべく、精神保健医療福祉に関わるみなさんは、声をあげていかなければならないんです。

たしかに国の審議会では、改革に向けた方向が打ち出されました。でも、県が作っている実際の計画はどうでしょうか?

さらに、どんな計画が完成するのであれ、策定した後は、しっかりと実現に向けてチェックを続けていかなければなりません。

理想や理念は、現実のものに落としこんでいかなければなりません。さらに、毎日毎日の取り組みの積み重ねによって、実現していかなければなりません。さらに定期的にその取り組みの方向性が正しいものかどうかを検証して軌道修正していかなければなりません。

こうした地味で地道な作業こそ、改革を現実のものにしていきます。

フジノは、精神保健医療福祉に関わるみなさまに、この地味で地道な作業にどうか一緒に関わってほしいと強く願っています。どうかお願いします。

フジノは必死に情報を発信します。資料をどんどん公表します。みなさまはどうかそれぞれの立場から、声をあげて下さいね。

県庁裏の美しい紅葉

さて、明日も仕事は盛りだくさんです。

『議会運営委員会』と『議会IT化運営協議会』、さらに議案を事前に説明したいと教育委員会から連絡を受けたので、ヒアリング。市長への一般質問の原稿もまだ完成していないので、パソコンにもかじりつかなければなりません。

12月議会も大忙しですが、目の前の課題とともに、精神保健医療福祉の改革というライフワークにもしっかりと取り組んでいきます。

がんばります。

精神疾患のある方が身体疾患を合併すると診てもらえない現実/神奈川県精神科救急医療調整会議

精神疾患のある方が身体疾患を合併すると診てもらえない現実

夕方から、横浜市の日本大通りにある情報文化センターへ。
 
神奈川県が開催した

『第1回・神奈川県精神科救急医療調整会議部会』

を傍聴しました。

この部会は、今年12月まで5回開催予定で『搬送受入基準(案)』を作成します。

消防法の規定に基づいた基準があるのですが、『観察基準』『選定基準』『伝達基準』『受入医療機関確保基準』などを決めていきます。

会場入り口にて

会場入り口にて


今年、全国の都道府県が『医療計画』の改訂を行ないますが、精神保健医療福祉の改革を進める為にとても重要な動きです。

課題は山積みですが、特にフジノが重視している課題の1つが

『精神疾患のある方々が身体疾患を合併した時の救急医療』

です。 

『精神疾患のある方』がケガや病気をする(=身体合併症を起こす)と、救急患者として病院が受け入れないことがとても多くあります。

もちろん119番をかければ、救急隊は来てくれて『搬送できる病院』を探します。

でも、照会をかけても、病院側から受け入れを拒否されてしまうのです。

理由は

「ベットに空きが無い」

「精神科医がいないので精神障がいのある方は診察できない」

といったものです。

これは一般の方々には知られていませんが、実は、精神疾患のある方々にとってはよくある身近な問題です。

しかも、命を落としかねない、深刻で切実な問題です。

例えば、単なる『腸閉そく』が起こっただけなのに、搬送先が見つからない為に亡くなってしまうということも実際に起こっています。

ガンや生活習慣病は誰にでも当然起こりますし、精神疾患があろうと無かろうと同じです。

さらに精神疾患のある方は長い間クスリを服み続けている影響で『身体合併症』を併発しやすいです。

それなのに精神疾患があるだけで、『ケガや病気になった(=身体疾患を合併した)時に受け入れ病院が無い』という現状は、絶対に変えなければいけません。



実際にあった「事例」は悲しいものばかりでした

今日の部会では、県の『精神科救急医療情報窓口』において、実際にあった事例の紹介がありました。

精神科救急医療情報窓口

精神科救急医療情報窓口


こちらをご覧ください)

救急隊が現場についてからも、搬送できる病院が見つからない為に現場に滞在し続けた時間が30分以上になってしまったケースのうち、

『背景として精神疾患あり』が第1位(14.96%)となりました。

2位(6.16%)は『飲酒あり』でした。

横浜市の消防局・救急担当の方からはより具体的な話がありました。

『現場滞在時間』が245分間(約4時間)もかかったケースがありました。

『頭部打撲』で119番通報したのですが、受け入れてくれる病院が見つかるまでに4時間もかかったのです。

その方には統合失調症があったそうです。

会議室から県庁とランドマークタワーが見えました

会議室から県庁とランドマークタワーが見えました


フジノはこうした話を身の回りでよく聴きます。

そこで、現状をデータで確認する為に横須賀市の消防局・救急に『搬送困難事案』にはどのような背景があるのかを洗い出してもらっています。



改善に向けた神奈川県の取り組み

こうした状況に対応する為に、県も動きをスタートさせてはいます。
 
例えば、『地域医療再生計画』です。

おととし12月から1年間かけて作られた県の『地域医療再生計画』の『追加分』が昨年12月に発表されました。

ここでも救急受け入れ体制の整備がとりあげられています。

(県の『地域医療再生計画』より抜粋)

6.具体的な施策

(3)精神科医療体制の強化

ア.精神科的背景のある身体合併症救急患者の受入体制の整備

【目的】
精神科的背景のある身体合併症救急患者の受入体制を整備し、受入拠点病院を確保する。

【事業内容】
病院における身体合併症救急患者の受入体制を確保する取組みに対し補助し、支援を行う。

【総事業費】1億2000万円

イ.地域医療機関支援のための緊急相談窓口の設置

【目的】
精神科を設置していない地域の医療機関に対し、身体合併症救急患者への精神症状への対応を大学病院の精神科医が支援する。

【事業内容】
地域の医療機関が精神科的背景のある身体合併症救急患者を受け入れた場合の精神症状への対応について、電話等により北里大学東病院の精神科医等が支援を行なう緊急相談窓口の運営に対し補助し、支援する。

【総事業費】1億円

ウ.精神科救急基幹病院の再整備

【目的】
精神科救急医療や新たな精神科医療の充実を図り、精神科救急基幹病院の機能強化を図る。

【事業内容】
県立精神医療センター芹香病院及びせりがや病院を統合・再整備し、精神科救急医療の充実と、思春期医療やストレスケア等の新たな精神科医療への拡充を図る。

【総事業費】58億8084万円

(5)医療人材の養成

ア.精神科的背景のある身体合併症救急患者に対応できる専門医の養成

【目的】
精神科的背景のある身体合併症救急患者に対応できる専門医を養成するための卒後講座を開設し、各救命救急センターや地域の医療機関に専門医を供給し、精神科的背景のある身体合併症患者の対応の強化を図る。

【事業内容】
東海大学医学部及び北里大学医学部において、精神科的背景のある身体合併症救急患者に対応できる専門医を養成するための卒後講座の開設に伴う教授等の人件費、運営費等に対し寄附を行う

【総事業費】2億2000万円

この問題に日本で最初に取り組んだのは1973年、都立松沢病院がスタートです。

それからすでに約40年近くが経ちますが、いまだ解決には至っていません。

問題の根深さを考えるにつけても、すぐに解決するのは難しいのかもしれませんが、『精神疾患があろうと無かろうと、救急医療が差別なく誰もが受けられる体制』を作りたいです。

フジノは自分のテーマとして、これからもしっかりと関わり続けていきたいです。



広田和子さん(精神医療サバイバー)の横須賀での講演が実現しました/精神科救急の問題

広田和子さんが講演会を行なってくださいました!

実は今日、あの広田和子さん(精神医療サバイバー)が、このまちで講演をおこなってくださいました!

タイトルは『心の病と精神の病について』です。
 
(横須賀市教育委員会の主催する『人権セミナー』として行なわれました)

ところで、この講演の内容をみなさまに詳しくお知らせしたいのですが、実はちょっとお時間をください。

広田和子さんとフジノ

広田和子さんとフジノ

 
広田さんとお話をしてたら意気投合をしてすっかり話し込んでしまい、あげくに

「フジノくん、そこまで分かってるなら、どうせブログに書くなら『広田さんが来ました』なんかで終わりにしないで、精神科救急についてばっちり書いてよ」

ということになりました。

フジノは広田さんの書いた文章は数年前からほとんど読んでいますし、やたらめったら詳しいのです(笑)。

横須賀で講演してほしくてたまらなかったので、ナミねぇやアサノ知事の時と同じく『突撃アポなし』でお会いしにも行ってます。

だから講演会の内容だけにとどまらず、このまち、そしてこの県が抱えている大きな問題点を広田さんの過去の文章なども参考にしてきちんと文章にして、さらに広田さんにゲラチェックをしてもらって、その上でHPに載せることにしました。

なんかすさまじく長い文章になってしまいそう...。

でも、書くのうれしい。

広田さん、ちょっと遅くなりますけど、気合入れて書きますから待ってて下さいね!

24時間の精神科救急を実現させること

フジノにとっても『24時間の精神科救急』を行なうことは、大切な政策の1つです。

だからこそ、当選してすぐにまず横須賀警察署の生活安全課にお話をうかがいに行きました。

(あと、救急ですね。現場が1番大切ですからね)

本来ならば、この県の精神科救急システムがきちんと機能しているならば、精神的な調子を崩した方は、ふつうに救急車に乗って他の病気と同じように病院に行けるのです。

しかし、このまち(いや、この県全体です)では、精神科救急は機能しているとは言えません。

精神保健福祉の改善を公約に掲げる政治家としては、絶対にこんな状況では言うことができません。

だから、病気で苦しんでいるにもかかわらず、警察署に連れて行かれてしまうのです。

全く納得ができない!

病気で苦しんでいるんだから、行くべき場所は病院だ!

警察の方々も本来の業務をはずれて対応をしてくださっています。

この本来は警察の業務ではない仕事を解放するためには、きちんとした精神科救急システムの確立が必要なのです。

これらは県の仕事ではありますが、これまで児童相談所だって県の仕事だったのを「中核市なのだから」と沢田市長はこのまちで児童相談所を持つことにしました。

フジノは、24時間の精神科救急システムを、この中核市である横須賀市で行いたいと政策として考えています。

この国では精神疾患を持つ方々は、病にかかっている苦しみだけでなくて当たり前の医療が受けられないという2重3重の苦しみがあります。

僕はこういうことが全く納得ができない!

精神科救急の現状に怒りを感じてきた「先輩」が広田和子さん

この怒りの気持ちを僕よりも長い間ずうっと体験してこられたのが広田和子さんです。

広田さんの想いを、僕の文章にうまくおとしこめるか(いや、絶対にやってみせる)。

近日中に、精神科救急の問題点を報告したいと思います。