2013年12月議会・質疑

藤野英明です。よろしくお願いします。

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『議案第165号 教育委員会委員の選任について』

つまり、来年2月1日から、教育委員会委員として新たに青木克明さんを選任する議案について、市長に質問します。

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11月25日に開催された議会運営委員会において、市長から教育委員会委員の人事案件の内示がなされました。

『教育委員会委員選任理由について』

という書類が配布されたものの、そこに記されていたのは次のわずか353文字だけでした。

青木克明氏は、35年の長きにわたり本市職員として行政運営にご尽力いただきました。

この間、4課で課長職、2部で部長職を歴任され、特に、平成23年3月の東日本大震災発生時には市民安全部長として市民生活や事業活動に混乱が生じる中、市民の不安心理の解消に向け、指揮にあたられたことは記憶に新しいところです。

人柄は実直、職務に対しては忠実であり、組織をけん引するリーダーシップがあります。

また、大学時代には教育学部に籍を置き、小学校、中学校、高等学校の教員免許を取得するなど、教育に関する基本的な知識が培われております。

私的な活動においては長きにわたりラグビースクールで子どもたちの指導にあたるなど、スポーツを通じ本市の体育・健康教育や青少年の健全育成に貢献されております。

様々な課題を抱える本市教育行政にあって、このような人柄・経歴をお持ちの青木克明氏が本市教育委員会委員に適任であると考えています。

わずかこれだけです。

実は、今回の人事案が認められれば、青木さんは新しく教育長にも選任される見通しです。

つまり、これまで6年半にわたって教育長を勤めてこられた「永妻和子教育長を再任しない」という議案でもある訳です。

横須賀市の教育行政のトップを選任する為の情報として、わずかこれだけの説明では、僕には全く判断することができません。

僕は、11年間の市議会議員生活を通して、課長時代から永妻教育長の仕事ぶりに接してきました。率直に、とても尊敬しております。

2007年6月にわずか60才で急逝された田中教育長の後を受けて、同年8月、新たに永妻教育長が新たに選任された訳ですが、その日のブログに僕はこう記しました。

こども育成部の部長であった永妻和子さんが新しい教育長になりました。永妻さんは、まさに適任だと思います。

彼女のこれまでの仕事ぶりに対してフジノはとても信頼を置いています。

この人事は、このまちの行政の歴史において、最も祝福されるべき人事の1つだと思います。

この時に記した想いは、今も変わっていません。

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民生・教育経済・教育福祉の3つの常任委員会での議論と日々の意見交換などを通して、政治・行政と立つ位置は違えども、永妻教育長とは横須賀のこどもたちを守る為にともに闘ってきた同志という想いです。

弱い立場・厳しい状況にある方々、マイノリティの人々に寄り添う姿勢、温かいまなざしは素晴らしく、これまで永妻教育長のもとで横須賀市教育委員会は全国に誇るべき先進的な取り組みをいくつも実施してきました。

特に、いわゆる性的マイノリティとされるこどもたちへの支援と、『横須賀方式』として知られている学校給食食材と提供食の放射性物質の測定の取り組みは、今も全国各地から横須賀市教育委員会の動向が注目され続けています。

こうした横須賀市教育委員会の取り組みは、来年度以降も永妻教育長のもとでさらに推進されていくと信じていた僕にとって、今回の人事案件はあまりにも突然のことで全く信じられませんでした。

そして、永妻教育長のもとで進められてきた様々な取り組みが方向転換され、廃止されてしまうのではないかと強い不安の気持ちに襲われました。

僕は、今回提案された青木さんを批判しているのでは全くありません。

そうではなくて、永妻教育長が横須賀の教育行政から去らねばならないことによって、これまで推進されてきた取り組みが後退するのではないか、こどもたちを守る為の取り組みが弱体化してしまうのではないか、と危惧しているのです。

こうした想いは僕だけでなく、市内の保護者の方々、現場の教職員の方々、横須賀市教育委員会の取り組みを注目している全国のあらゆるマイノリティの方々に共通したものです。

そうした多くの不安の声に対して、吉田市長にはきちんとお答えいただきたいのです。

吉田市長は新たに教育委員に任命する方のお考えを十二分にご存知だからこそ、今回、任命されたはずです。

そこで、以下の質問について、青木さんがどのようなお考えを持っておられる方なのかをご説明いただきたいのです。


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1.学校教育について

学校教育に対する以下の13点についてお答え下さい。

  1. 「こどもの貧困」と「教育機会の不平等」についてどのようにお考えか。
  2. 生活保護基準の引き下げに伴う「小・中学校の就学援助の在り方」についてどのようにお考えか。
  3. 経済的理由により高校への就学が困難な生徒を対象とした「横須賀市奨学金の増額と対象人数の拡大」についてどのようにお考えか。
  4. こどもの食のセーフティネットとしての「中学校への給食導入」に対してどのようにお考えか。
  5. いじめ・不登校・自殺など様々な課題の背景にある貧困や家庭の問題に対応する「スクールソーシャルワーカーの全市立学校への配置の必要性」についてどのようにお考えか。
  6. 「学校における自殺対策の必要性」についてどのようにお考えか。
  7. いわゆる「性的マイノリティ」とされるこどもたちへの支援の必要性についてどのようにお考えか。
  8. 学校教育を通じた「男女共同参画社会の推進」に対してどのようにお考えか。
  9. 障がいのある児童生徒の「インクルーシブ教育を推進する必要性」についてどのようにお考えか。
  10. 「高校における特別支援教育」を積極的に実施する必要性についてどのようにお考えか。
  11. 「横須賀方式」として知られる給食食材と提供食の放射性物質の測定を継続する必要性についてどのようにお考えか。
  12. 学校敷地内に仮置きとして埋設されている「除染土への対応」をどのようにすべきだとお考えか。
  13. 「全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」の結果を学校別に公表するという問題に対してどのようにお考えか。



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2.社会教育について

社会教育および教育委員会所管施設について、以下の3点を伺います。

  1. 今後の市立図書館の在るべき姿についてどのようにお考えか。特に、佐賀県武雄市の『TSUTAYA図書館』のような企業による図書館運営についてどのようにお考えか。
  2. 横須賀美術館のこれまでについてどのように評価しておられるのか。特に、美術館建設反対運動が起こり、ハコモノ行政への批判がなされてた経緯を、どのように受け止めておられるのか。
  3. 今後の横須賀美術館の在るべき姿についてどのようにお考えか。また、経済部の主導で実施された特別企画展について、どのように評価しておられるのか。



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最後にもう1点、伺います。

3.優先課題について

教育委員および教育長に就任したのち、特に優先して取り組むべき課題だと認識しておられることは何か。

以上、17の質問は大変多岐に及びますが、市長が新たに教育委員に任命される方がどのようなお考えをお持ちなのか、ぜひご説明下さい。

これで質問を終わります。ありがとうございました。



市長の答弁

御質問ありがとうございました。

まず、子どもの貧困と教育機会の不平等について御質問をいただきました。
 
今日、子どもの貧困は大きな社会問題になっています。子どもの貧困が教育機会の不平等につながってしまうことは、あってはならないことと考えていただけると思います。

次に、小・中学校の就学援助のあり方について御質問をいただきました。
 
この点につきましても、就学援助のあり方を検討し、生活保護基準の引き下げが子どもの学校生活に影響となってあらわれることがないよう努めていただけると考えています。
 
次に、『横須賀市奨学金』の増額と対象人数の拡大について、御質問をいただきました。

奨学金については、例年多くの方から御希望をいただいていますが、必ずしも全員の方に支給できていないのが現状です。
 
今後も状況を的確に把握しながら、適切な対応を図っていただけると考えています。

次に、中学校への給食導入について御質問をいただきました。

中学校給食について、子どもの食のセーフティネットとしては捉えていません。

中学校においては、家庭からお弁当を持参できない場合に、パンやお弁当を注文できるスクールランチを実施しています。このスクールランチの充実を図っていくことで、中学校給食のニーズにこたえていただけると考えています。
 
次に、スクールソーシャルワーカーの全市立学校への配置の必要性について、御質問をいただきました。
 
スクールソーシャルワーカーの果たす役割については、私も十分に認識をしています。
 
スクールカウンセラーや各種相談員との連携も含め、多くの子どもの支援に結びつく方策を工夫していただけると考えています。
 

次に、学校における自殺対策の必要性について、御質問をいただきました。
 
学校での自殺対策の必要性は、私も認識しています。
 
今後も、相談機能や体制を充実させて未然防止に努めていただけると考えています。
 

次に、性的マイノリティとされる子どもたちへの支援の必要性について、御質問いただきました。
 
横須賀市としても、人権施策の観点から、性的マイノリティとされる方々への支援に取り組んでいるところですが、性的マイノリティとされる子どもに対して、支援教育の視点からさまざまな対応をしていただけると考えています。
 

次に、男女共同参画社会の推進について御質問をいただきました。
 
男女共同参画社会の推進は、重要なことであると私も認識しています。
 
学校教育においても、人権教育を通じて男女共同参画社会の推進に結びつけていただけると考えています。
 

次に、インクルーシブ教育を推進する必要性について御質問いただきました。
 
インクルーシブ教育を推進することは、障害のある子どもの成長に大きな意味があると考えています。
 
また、障害のない子どもにとっても、差別を生まない社会をつくる上で大切な教育の機会になると思います。
 
こういった観点に立ち、インクルーシブ教育の推進に努めていただけると考えています。
 

次に、高校における特別支援教育について御質問いただきました。
 
神奈川県では、養護学校の分教室を県立高等学校内に設置するなど、さまざまな方法で高等学校段階での特別支援教育の推進を図っています。
 
これからも、神奈川県とよく連携をしていただきたいと考えています。

次に、給食食材と提供食の放射性物質の測定を継続する必要性について、御質問をいただきました。
 
現在、実施している学校給食の放射線量測定は、今年度末まで継続される予定です。来年度以降の測定に関しましては、国の動きや全国的な測定結果など勘案した上で、改めて検討し、決定していただけると考えています。
 

次に、除染土への対応について質問をいただきました。
 
学校敷地内に仮置きとして埋設している除染土砂は、適切に処分することが望ましいと考えています。
 
今後も引き続き、処理が可能な事業者を探すとともに、空間線量の測定を定期的に行っていただけると考えています。
 

次に、全国学力学習状況調査の結果を学校別に公表することについて、御質問をいただきました。
 
現状では、学校別に公表することは慎重に考えていただけると思っています。
 

次に、今後の市立図書館のあるべき姿について、御質問をいただきました。
 
各自治体の環境はおのずと異なりますので、武雄市の図書館と全く同じ図書館運営が横須賀市に適合するという考え方ではなく、横須賀市の図書館サービスにとって何が必要なのかを民間団体による運営の是非も含めて、今後、検討していただけるものと考えています。
 

次に、美術館のこれまでの評価と今後のあるべき姿について御質問をいただきましたので、あわせて回答いたします。
 
建設に当たっては、見直しに向けた運動があったものの、今、現にある美術館をいかに都市資源として有効活用していくかという観点を持っていただけると考えています。
 
毎年、約10万人の観覧者をお迎えしていることなど、一定の評価をしていただけると思いますが、さらに市民の役に立つ美術館に生まれ変わらせるように、運営面での課題をしっかり乗り越えた上で、昨年の特別企画展のような取り組みを検討していただけるものと考えています。
 

次に、教育委員に就任した後、特に優先して取り組むべき課題について御質問をいただきました。
 
私としては、学力の向上、いじめや不登校などの学校問題への対応、総合高校の飛躍、中学校給食ニーズへの対応、美術館などの施設のあり方の改革、生涯現役社会の実現のための生涯学習の推進、オリンピック開催を踏まえたスポーツの振興などに積極的に取り組んでいただきたいと考えています。