健康被害を救済するしくみ/子宮頸がんワクチンの定期接種化と副反応(その2)

前回に続いて、子宮頸がんワクチンの定期接種化と副反応について、フジノなりに記したいと思います。

ワクチンの健康被害を救済するしくみ

今回は、市民のみなさまにぜひ知っておいてほしい『健康被害』を救済するしくみについてです。

『国の制度』と『市の組織』の2つがあります。

まず『国の制度』である『予防接種後健康被害救済制度』をご紹介します。

種痘後脳炎などの副反応が社会問題化した為、1970年に閣議了解の形で救済制度がスタートしました。

その後、1976年の予防接種法改正によって、この救済制度が法定化されました。

厚生労働省が配布している「予防接種後健康被害救済制度」のリーフレット

厚生労働省が配布している「予防接種後健康被害救済制度」のリーフレット


ワクチンに限らず、全ての医薬品には必ず『副反応』があります。

『副反応』には、心身に大きな影響を与えるものもあれば、ほとんど気づかないような軽微なものもあります。

副反応について

「予防接種後被害救済制度」リーフレットより・副反応について


もしもワクチン接種によって重篤な『健康被害』が起こった場合、被害に遭った方々は国の責任において必ず救済されなければなりません。

『健康被害』の原因が予防接種だと厚生労働大臣が認定した時には、市町村から『救済給付』としてお金が支払われます。

ながれ

「予防接種後被害救済制度」リーフレットより・救済給付のながれ

  1. 被害者・保護者の方がもよりの市町村に請求を行なう
  2. 市町村は厚生労働省に書類一式を送付する
  3. 厚生労働省は第三者による『疾病・障がい認定審査会』に意見聴取する
  4. 『疾病・障がい認定審査会』は審査を行ない、審査結果を厚生労働省へ回答する
  5. 厚生労働省は「認定・否認」を市町村へ回答する
  6. 市町村は被害者・保護者に結果を伝え、救済給付を支給する/しない

この結果、救済給付として支給されるのは下の通りです。

給付の種類

給付の種類

給付される金額
医療費かかった医療費の自己負担分
医療手当入院通院に必要な諸経費(月単位で支給)
障害児養育年金一定の障害を有する18歳未満の者を養育する者に支給
1級:152万400円(年額)
2級:121万5,600円(年額)
障害年金一定の障害を有する18歳以上の者に支給
1級:486万円(年額)
2級:388万8,000円(年額)
3級:291万6,000円(年額)
死亡一時金死亡した方の遺族に支給
4,250万円
葬祭料死亡した方の葬祭を行う者に支給
20万1,000円
介護加算1級:83万4,200円(年額)
2級:55万6,200円(年額)

予防接種法改正で副反応の監視体制が強化されました

今年2013年3月29日に成立した改正予防接種法では、『健康被害』への対策を強化しました。

改正予防接種法における「副反応報告制度の法定化」「報告先を国へ変更」の条文

改正予防接種法における「副反応報告制度の法定化」「報告先を国へ変更」の条文


これまでは、副反応が起こった後、医療機関は『市町村』に報告することになっていました。これを改めて、医療機関の報告先を『国』へ変更しました。

また、医療機関によるこの『副反応報告』を義務化し、制度として法定化しました。

これにより情報収集がより早くすすめられることが期待されています。

予防接種後副反応報告書

各医療機関が記述する予防接種後副反応報告書

被害者本位の救済制度を作れないだろうか

このように『健康被害』に対する救済制度があり、さらに法改正によって体制強化も図られました。

ただ、この国によるしくみは『副反応』が『ワクチン』によるものだと因果関係が認定されない限りは、機能しません。

一方で、現実には、予防接種の後に『ワクチン』の『副反応』とは認められなくとも、『接種』によるショックから起こる症状もあります。

例えば、典型的なものに『複合性局所疼痛症候群』があります。

こうした症状が起こった時にも、『副反応』に準じたものとして、救済措置を取るべきではないかとフジノは考えます。

つまり、『予防接種後健康被害救済制度』の第1のセーフティネットがワクチンと直接の因果関係を持つ副反応を対象とするものとして、新たに第2のセーフティネットとして被害者本位の苦痛や生活障がいを対象とする制度を創るのです。

被害者本位の救済制度に変えることができれば、今ある苦しみは少しだけでも取り除くことができるはずです。

こうした改善もフジノは求めていきたいと考えています。

(次回は、市の組織についてご紹介します)