自殺をもう1度減らしていく為に保健師と精神保健福祉士を増員すべき

心理学的剖検を行なう必要性

先日書いたブログに対して、質問のメールを頂きました。

『心理学的剖検』とは、単に『調査』の為に行なうものではありません。

実施することで、同時にそれが『ご遺族のサポート』の役割を果たせなければなりません。

フジノはとても有効な取り組みだと考えています。

未遂者支援と精神保健福祉相談を立て直す必要性

さて、今日フジノが記したいことは、保健師と精神保健福祉士の増員の必要性についてです。

今回は市長への一般質問でもこのテーマを取り上げます。

精神保健福祉の砦である『保健所健康づくり課こころの健康係』は、近年取り組むべき課題が増えていく一方です。

ここは、8名の常勤職員と1名の非常勤職員で構成されています。

フジノが政策として取り組んでいるその多くの課題が『こころの健康係』の存在抜きには改善することができません。

そもそもの本来業務である精神疾患・精神障がいのある方々のリカバリーの支援。さらに、自殺未遂に追い込まれた方々の生活支援、いわゆる性的マイノリティーとされる方々のメンタルヘルス、社会的ひきこもりの状態にある方々の社会復帰など様々な課題があります。

しかし、そうした課題の増加に見合った人員配置とは全く言えないのが現状です。

  1. 未遂者支援が十分にできていない
  2. 精神保健福祉相談への対応が激減している

こうした現状を、9月26日の委員会質疑を通して、紹介します。

2013年9月26日・教育福祉常任委員会
question 自殺対策推進事業の中の『自殺未遂者対策』について伺います。

これは本当に全国的に見てもまだまだ取り組んでいるところが少ない中で、横須賀市が特に頑張っていただいている。平成24年度では、28人の支援をしていただきました。

年度 人数
平成22年度(10月開始) 7名
平成23年度 22名
平成24年度 28名

この成果として、予後はどうだったのか。

回復をされて、その後未遂をせずにおられるのか。

あるいは再企図をしてしまった(再び自殺未遂をしてしまった)、既遂をしてしまった(自殺によって亡くなってしまった)というような、支援のその後の状況というのをお聞かせいただければと思います。

answer 答弁者=保健所健康づくり課長
まず、直接支援に関わった人の中で、再企図をした人(再び自殺未遂をした人)は1~2名いたかと思いますけれども、再企図者は非常に少なく済んでいるということがございます。

当初事業を始める時に、その方の悩みが例えば多重債務で苦しんでいるとか、そういうことに寄り添って、何かそれを解決することによって支援が終了できるというようなもくろみがありました。

しかし、実際に関わってみると、支援してもなかなか簡単に解決のできるような問題ではない方が大変多うございます。もともと家族間の人間関係に問題があったりといった場合、その人間関係を修復するということは、行政が手を差し伸べてもできることではございません。

そうなると、半永久的に支援を続けるというわけにもいきませんので、どういった時に支援を終了するかといいますと、本人の自殺念慮(死にたいという気持ち)が消失したというふうに思われる時に、1回支援を切らざるを得ないというのが実際なんですね。

ですから、そういう意味では支援を終了した後も、寄り添った相談員の気持ちとしては、「あの人どうしているんだろうか。まだ大丈夫なのかな」とか、そういった思いの残る事業となっています。本当にすっきり解決してよかった、よかった、めでたしというケースは、本当にごくごく少ないというのが実際でございます。

question 先ほど他の委員からもマンパワーのお話があって、部長・課長からもそれぞれ「現実的に人手が厳しくてキャッチアップし続けることができない」というお話がありました。

この『未遂者対策』についても今御答弁いただいたように、できればマンパワーをもう少し何とか増やして、もちろん希死念慮がなくなれば他の部局であったり、精神保健福祉相談で一般相談みたいな形でサポートすることになるのかもしれないけれども、もう少し超短期ではなくて、短期から中期ぐらいはサポートできるような体制を作れないのか。

その点についてはいかがでしょうか。

answer 確かにもう少しマンパワーがあれば、もう少し長く支援をしたいという思いはございます。

そんなことで現実的には後ろ髪を引かれながら、「今回で終わるけれども、いつでも何か困ったことがあったら、また連絡してきてね」という形で1回はお別れしなければいけないというのが本当に実情でございます。

question 自殺や自殺未遂を経済的な指標で評価したものが『自殺対策白書』に掲載されていますが、人の命が絶たれるということはものすごく大きな損失になると思います。

国立社会保障・人口問題研究所による自殺・うつ対策の経済的便益(自殺やうつによる社会的損失)」

国立社会保障・人口問題研究所による自殺・うつ対策の経済的便益(自殺やうつによる社会的損失)」


それから、『私(わたくし)』間の人間関係にとっても厳しいものがあると。その一番大事なところを支えていただいているのがこういう事業だと思うんですね。

市が経済対策を打つのと同じかそれ以上の意味があると思うんです。経済対策に比べると華やかさもないし、すごく時間のかかることでなかなか人員増というのを認められなかもしれない。

確かこの年度は『生きる支援相談員』という非常勤の方も雇用されていたと思うんですけれども、本当にあらゆる補助金を使ったり、あらゆる形で財政部を説得して、何とか人員を確保していただきたいと思うんですが、重ねて御答弁いただければと思います。

answer 確かに、先ほど他の委員の御質問でもありましたように、もともと精神保健福祉相談というのが本当の基本中の基本の仕事です。

3~4年前は4,000件を超えるような数でございました。

年度 件数
平成22年度 3,911件
平成23年度 3,526件
平成24年度 2,921件

それが今2,000件台になってしまっているということは、これはある意味問題だと思っております。

一方で、こういう支援というのはやり出したら切りが無いというのも一方ではあるので、その辺のかける金額と効果とか、そういったことはある程度考慮しながら進めていかなければいけないのかなというふうには思っています。

ただ実際の現場の声としては、人手が非常に少ないという印象を持っていますので、課長としてもその辺の気持ちはくんで、管理部門には訴えたいなとは思っております。

question 特に平成25年度の7月末現在の自殺の数字を見てみると、過去5年間で一番低い数字です。

これは平成24年度やその前の取り組みがきいてきているからあると思うんですね。

そこで人手が足りなくてサポートができなくて、ということになると、今度またがたがたがたと増えたりするようなこともあると思います。

今が本当に勝負のしどころだと思うんです。

何とかマンパワーの確保ができるようにお願いしたいと思います。

明日の一般質問で市長からどのような答弁が得られるか、自殺対策をもう1度立て直す為にも全力で議論を行なってきます!

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