こどもたちを守る為に学童クラブ指導員の「処遇改善」に市が取り組むことは当然だ/放課後児童支援員等処遇改善等事業の実施を求める請願を可決(一部採択)しました

学童クラブの指導員の処遇改善を求める請願が約3万筆の署名とともに出されました

12月議会には、横須賀市内の学童クラブが所属している『横須賀市学童保育連絡協議会』のみなさまから『請願』が出されていました。

「放課後児童クラブの安定的運営と質の向上に資する補助金交付を求める請願」より

「放課後児童クラブの安定的運営と質の向上に資する補助金交付を求める請願」より


何故ならば、かねてフジノが指摘してきたように、横須賀の学童保育の現状は極めて厳しいからです。

横須賀の学童クラブの劣悪な現状(市に責任あり)

  • 横須賀の学童保育の保育料は全国ワースト1位クラスの高さ

  • 指導員(放課後児童支援員)の労働状況はきわめて深刻な為、新規採用後の離職率もとても高い

  • ニーズが高いのに学童クラブの数が足りず、待機者が多い

厚生労働省の『賃金構造基本統計調査結果』のデータ(平成26年度調査)と、『横須賀市学童保育連絡協議会』から頂いたデータをまとめると、賃金に関してこんな状況があります。

職種平均年齢平均月収平均勤務時間
横須賀市職員43.5才44万9,887円160時間
小学校教諭43.0才37万0,000円160時間
幼稚園教諭32.4才23万0,000円171時間
保育士34.7才21万6,100円168時間
横須賀の学童クラブ
指導員(常勤29名)
35.3才17万0,000円140時間

どの職種も重要な『対人社会サービス』に関わるものですが、極めて厳しい現状があります。

特に学童クラブ指導員の現状は、その職責の重さに反比例して低い賃金となっています。

今回出された請願には、約3万筆の署名も添えられていました。

請願の全文は以下の通りです。

横須賀市議会議長
板橋 衛様

請願者氏名
横須賀市学童保育連絡協議会

放課後児童クラブの安定的運営と質の向上に資する補助金交付を求める請願

【請願の趣旨】
横須賀市には、2015年9月現在48小学校区に59の放課後児童クラブがあります。

留守家庭児等の3729人の内1555人 (2014年4月現在)が放課後を過ごしています。

民設民営により設立・運営され、国の放課後児童健全育成事業の国庫補助金と横須賀市独自の家賃補助等、利用料金等で賄われています。

横須賀市も補助の拡充を行ってきましたが、「設立・運営ができなし」「職責に見合った待遇で指導員を置くことが出来ず安定した運営が難しい」「利用料金も高く利用できない」等、様々な課題を抱えてきました。

放課後児童クラブについても、市町村が実施する『地域子ども・子育て支援事業』に位置付け、2014年9月議会において、一定水準の質の確保に向けた取り組みをすすめるために国が策定した、「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準(平成26年厚生労働省令第63号)」を踏まえた条例を議決しました。

同時に国は、「集団の中で子どもに保障すべき生活環境や運営内容を明確化し、事業の安定性や継続性を確保する必要がある」とし、『放課後児童クラブ運営指針』を策定しました。

また、その財源措置として、補助項目と補助額を増やし、放課後児童支援員の処遇改善や、補助額が低い 19人以下の学童クラブに対する補助にも取り組んでいます。

各放課後児童クラブでは、条例を満たすべく、放課後児童支援員の複数配置、関所時間の延長等様々な対応を行ってきましたが、横須賀市は、諸課題を軽減する国の補助項目を事業化することなく、4月条例を施行しました。

多くの放課後児童クラブが、さらに厳しい運営を強いられています。

横須賀市が、新制度の理念を踏まえた財源を確保し、以下の国庫補助項目に取り組むよう求めて請願いたします。

【請願項目】
横須賀市における放課後児童クラブの安定的な運営と質の向上を図るために、

  1. 来年度、確実に国庫補助 「放課後児童支援員の処遇改善事業(常勤・非常勤の配置)」に取り組み、各放課後児童クラブに補助金を交付すること 。

  2. 1で要望した事業の今年度分については、市の補助割合である3分の1にあたる額で補正予算を組み、各放課後児童クラブに補助すること。

これは、決して特別な要求ではありません。

国が正式に用意してある補助メニュー(放課後児童支援員等処遇改善等事業)を、現在、横須賀市では利用していません。

(他のまちでもせっかくの補助メニューを活用していないことが問題になっています)

これを活用すれば、指導員のみなさまの処遇改善が(少しですが)実現できて、こどもたちの命と暮らしを守ることにつながります。

だから「横須賀市も国の補助メニューを導入して欲しい」という当たり前の願いが請願には記されています。

請願項目は2つあり、1つ目は「来年度は必ずこの補助メニューを予算化してほしい」というもので、2つ目は「今年度も補正予算を組んでこの補助メニューを予算化してほしい」というものです。

フジノはどちらの請願項目にも賛成(全部採択)の立場です。



教育福祉常任委員会での議論は、一部採択へ

『請願』を審査する教育福祉常任委員会では、フジノも質疑を行ないました。

残念ながら答弁がとても分かりづらく『官僚答弁』になっています。そこでカッコ赤でフジノが解説を入れてあります。

*処遇改善に関する請願の質疑はほぼ全ての委員が行ないました。フジノが最後の質問者でした*

フジノの質問

今までの(他の委員との)質疑をお聴きしていても、

「こども育成部長も教育・保育支援課長も本来は制度を深く理解しておられて、指導員のみなさんや運営委員会のみなさんと同じ気持ちなのではないかな」

と苦しい想いで聴いていました。

自分の所管が教育福祉常任委員会なので、本来市長に一般質問の場で、もう6月の時点でこの処遇改善について市長にお聴きしたかったのですが、所管委員会なのでお聴きできなかったのですけれど

(*横須賀市議会では自分が所属している委員会の所管事項は、本会議で市長に質疑できません)

「部長も課長も市長の姿勢に引きづられて、こういう答弁をせざるをえないんだなあ」と思いながらお聞きをしていました。

ただこの委員会で質疑するしかないので、あえて部長にお聴きをいたします。

本来でしたら『市長に聴くべきこと』と思っています。

学童クラブ、今回は『処遇改善事業』がテーマとなっていますが、何故これを誰の為にやるんだというふうに部長は認識しておられますか?

こども育成部長の答弁

やはりこどもであり、そのこどもを育てている保護者の方であると思います。

フジノの質問

そうなんです。

「こどもたちの為にやる取り組み」なんですよね。

表面的な制度だけ見てしまえば、指導員さんの処遇改善というふうにみえてしまうのですが、こどもたちの健全な成長、放課後の長い長い時間、それから休日祝日・夏季長期休暇を健やかに育ってほしいという、そういう「こどもが主役になれる」為の取り組みなんですよね。

(*他会派の質疑の中には、処遇改善は指導員だけを利するものではないかとの誤解がありました。フジノの考えは全く違います。指導員の立場が安定したものでなければこどもを守ることはできません。処遇改善は「こどもたちの為」なのです)

それを本来であれば、6月の補正予算の時に僕は教育福祉常任委員会で「補助金の交付要綱を読みましたけれども『障害児の受入強化加算』の他にもあるんじゃないですか」とお聴きした時に「今の段階ではこの項目にとどめた」というご答弁を頂いて「さらに研究をすすめていく」ということで、実際には研究していただいていてもうこの処遇改善も念頭にあったんだと僕は受け止めているのですね。

ですから、

「本当に市長の責任は重いな。部局に押し付けて、部局に苦しませて、部局といろんな方の対立構造を作る市長の責任というのは本当に重いな」

というふうに、非常に不快な市長に対する想いを持ちながら今質疑をしています。

今のが大きなお話なのですが、ちょっと各論も質問させて下さい。

(部長・課長は答弁としては)「財政が、財政が」と言わざるをえないと思うのですが、僕は試算してみたのですが、みなさんもとっくに試算しておられると思うのですが、これに対する費用って90万円×59クラブですよね。課長、それで合っていますか?

教育・保育支援課長の答弁

90万円では無いかと思います。

金額的にはですね、国の補助金の項目なのですが、153万9000円というのが上限の項目が1つと、もう1つの方が283万1000円という2つのメニューがございます。ただ、これの3分の1になる、ということでございます。

(*これもフジノの質問を否定するような答弁ですが、結論はフジノの質問の通りです)


フジノの質問

283万円ベースで考えると、市は3分の1ですから約90万円で、59クラブで約4300〜4400万円ですよね、1年間の予算。

これを出せなくて「こどもが主役になれるまち」と謳って良いのか。

この12月議会に市長から提出された補正予算(市内3ヶ所にマイルストーンを設置する)→フジノは反対しました

この12月議会に市長から提出された補正予算(市内3ヶ所にマイルストーンを設置する)→フジノは反対しました


同時期の補正予算で、『自転車半島宣言』を出しているから3ヶ所にマイルストーンを置くなんていうのに数百万円のお金をかけるんですけど、

「そちらにお金をかける、なんてくだらないんだ!そちらにお金をかけるならこっちに持ってこいよ!」

というのが『こどもが主役になれるまち』を標榜する市長に言いたいことなんですね。一般質問で言えないのであれなんですけれど。

(処遇改善の為の)4310万円というのは横須賀市の財政規模からすると、決して「こどもが主役になれるまち」である横須賀にとっては大きなダメージではないと僕は考えています。

もちろん他に国保の会計も観ていますし一般会計だけでなく他の会計も見ていますし、「何故これができない!」というすごく悔しい気持ちで観ています。

次の質問なんですが、仮にこれが国・県・市の協調補助で満額を出せた場合、283万円を僕は想定しているのですが、出せた場合、かねて僕本会議で質疑させていただいているのですが、学童クラブの指導員さんたちが雇用状況がやや違法状態に近いような処遇がある、訴訟リスクありうる、それに対して市は条例を作った後は市の公的責任になんだから訴訟された時は市も責任を取らなければならないよというお話をしたのですが、この補助を出せたらば訴訟リスクの回避に大きく寄与しますよね。

いかがですか?

教育・保育支援課長の答弁

それも含めて実は今現在どういう処遇でいらっしゃるのかというのが私どもきちんと把握できていないというのが現状でございます。

フジノの質問

いや、「本当は把握しておられるんじゃないかな」と思いながら(苦笑)答弁をお聴きしていました。

10年間務められた方が本当は続けたいのに辞めなければならない事例とか本当は全部お聴きしておられると思うんですよ。部局は全部知っておられると思います。

次の質問ですが、処遇改善できれば各学童クラブ、(指導員を)採用しやすくなりますよね?

教育・保育支援課長の答弁

できないとは思いません。

(*これも官僚答弁で分かりづらいのですが、「できないとは思わない=できる」です)

フジノの質問

それから、現在保護者の方々が多く負担している保育料をかなり下げられることにつながるのではないかと推測するのですが、少なくとも10%くらいは下げられるのではないかと思うのですが、ご見解をお聞かせ下さい。

教育・保育支援課長の答弁

基本的にはこの処遇改善というのは、最終的には保育料にも響くかもしれませんが、これ自体は保育料とは実は別というのが考え方が基本的なことでございます。

ですが、やはりそこで処遇改善すれば多少それは出るとは思います。

(*これも官僚答弁ですが、「処遇改善すればそれは出る=処遇改善は保育料引き下げにつながる」です)

フジノの質問

ほとんどの学童クラブが質の高い指導員のみなさんを確保・引き止める為に保育料から指導員のお給料を少しでも高くというふうに捻出しているという状況もきっと課長もご存知ではないかなと思います。

特に横須賀の指導員の方々というのは全県を回ったり全国を回って、指導員の講師として講師もつとめておられるような方がたくさんおられます。

そういった方々を、結婚ができない、生計が維持できないというような理由で辞めさせてしまっているような現状というのは本当にこどもたちのことを考えると不幸な現状だなと思います。

最後の質問ですが、いろいろな現実的な事務的な問題をお聴きしましたが、仮に『請願項目2』が可決された場合はそういったことも一緒に部局としては汗をかいて、各学童クラブと一緒に、運営委員会のみなさんと一緒に、指導員のみなさんと一緒に、この補助が支給できるように汗はかいていただけるんでしょうか。

教育・保育支援課長の答弁

事務処理については汗をかくことについては全くいといません。

質疑応答は以上です。



委員会での結論は「請願項目1のみ採択(一部採択)」

委員会での議論は、大きく2つに分かれました。

  • 補助メニュー導入の必要性は認めるが、補正予算を組んでまでやるべきではない。来年度からやれば良い(一部採択)

  • 補助メニュー導入は当然であり、補正予算を組んで今年度もすぐ対応すべきであり、来年度も当然やるべきだ(全部採択)

ねぎしかずこ議員(共産党)小室たかえ議員(ネットワーク運動よこすか)、フジノの3名は『全部採択』を主張しました。

しかし、他の会派は『一部採択』を主張しました。

議員同士での議論もありましたが一致することができず、最終的に多数決を取ることとなりました。

教育福祉常任委員会での「請願審査報告書」

教育福祉常任委員会での「請願審査報告書」


その結果、『一部採択』が多数可決となりました。



本会議での結論も「請願項目1のみ採択(一部採択)」となりました

会派構成は委員会も本会議も変わりませんので、今日の本会議での最終的な結論も同じでした。

本会議での最終的な「請願審査結果」

本会議での最終的な「請願審査結果」


フジノら3人の委員は『全部採択』を主張している立場から、『一部採択』には反対をしました。

けれども最終的に『請願』は『一部採択』が決定しました。

つまり、「来年度からの処遇改善事業は必ず予算化せよ」というのが市議会の意志として決議されたのです!

今すぐ処遇改善をすべきだと訴えてきたフジノにとって残念ではありますが、それでも大きな前進です。

これまで何年にもわたってずっと処遇改善を訴えてきたのですが、これまでは実現しませんでした。

しかし、ついに市議会が1つとなって「学童クラブの指導員のみなさんの処遇改善が必要だ」と一枚岩になれたのです。

『請願』を採択した以上、横須賀市は来年度から必ずこの補助メニューを予算化すべきです。

この補助メニューを実現したとしても、命を預かる学童クラブ指導員のみなさんの処遇が劇的に向上する訳ではありません。

今までよりは少しマシになる。

少しマシになった分だけ、保護者が強いられてきた高い保育料が少しだけ下げられるかもしれない。

それだけのことなのです。

とてもではありませんが、『こどもが主役になれるまち』なんて市長のキャッチコピーとはかけ離れているのが横須賀の現状です。

これまでのあまりにも脆弱な『こども家庭福祉』の在り方について、市長には猛省を求めます。

イメージ戦略だけ、キャッチコピーだけの『こどもが主役になれるまち』を、本当の意味で実現すべきです。

3万筆もの署名を集めて下さったみなさま、おつかれさまでした。

そして今日この瞬間も学童クラブでこどもたちの健やかな成長の為に尽力して下さっている指導員のみなさま、ありがとうございます。

これからもみなさまがこどもたちの健やかな成長を全力で支援できるように、市議会としても全力を尽くしていきます!



2015年12月15日・本会議での議案への反対討論/共生社会実現のための障害者の情報取得及びコミュニケーションに関する条例制定について

「共生社会実現のための障害者の情報取得及びコミュニケーションに関する条例制定について」への反対討論

『議案第122号・共生社会実現のための障害者の情報取得及びコミュニケーションに関する条例制定について』に反対の立場から討論を行ないます。

まずはじめに、長期にわたり条例案の策定に関わって下さった全てのみなさん、当事者・家族・学識経験者などあらゆる立場の方々、パブリックコメントをくださった市民のみなさまに深く感謝を申し上げます。

長期に渡って条例策定にご協力下さったみなさまに御礼申し上げます


この条例の中身は、2014年1月にわが国が批准した『国連障害者権利条約』に基づいています。例えば、「条約」の第2条「定義」で示された「意思疎通」「言語」などをはじめ、第21条「表現及び意見の自由ならびに情報の利用の機会」などを、改めて横須賀市の条例として位置づけている内容です。

しかし、条例案の中の第9条(財政上の措置)は、そもそも『国連障害者権利条約』に明らかに違反しており、法令として整合性が取れていない内容になっています。

『国連障害者権利条約』の第19条では、障がいのある市民は障がいの無い市民と同様に地域社会で生活し社会参加する「完全に平等な権利」を持っていることを確認し、その権利の実現の為に国・自治体が取るべき措置を定めています。
 
つまり、障がいのある方々が自己の希望と選択に基づいて地域で暮らし社会参加する為に必要な支援は「権利」であり、その保障は国・自治体の「義務」なのです。
 
けれども本市の条例案第9条は、地域で平等に暮らす為に必要な情報取得やコミュニケーション支援が提供されなくてもやむをえない、という内容です。これが本条例案に僕が反対する理由です。

第9条の条文は以下の通りです。

「市は、コミュニケーション等手段の普及及び利用の促進に係る施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする」

つまり、「財政の努力規定」が書き込まれてしまっています。

「努力規定」とは何かというと、この条例に書かれた目的実現の為に施策をやらねばならないとしても、その実現の為に「絶対」に財政支出をするという「義務」ではなくて、市の財政状態によっては「努力」したけれどダメでも仕方がない、という言い訳を許すということなのです。

財政を理由に、いくらでも条例の理念や目的を果たさない言い訳を許してしまうという条文なのです。
 
どれだけ条例の前文や第1条から第8条まで素晴らしい文言が並んでいたとしても、この第9条がある限り、その理想は単なる絵空事に終わる恐れが極めて高いのが今の横須賀市政です。

討論に立つフジノ

この「努力規定」がいかに問題か、分かりやすい具体例を申し上げます。

現在開催されている12月議会に、学童保育の指導員の処遇改善を求める請願が出されています。

12月議会に出された請願第9号

12月議会に出された請願第9号

 
労働基準法違反の労働環境や最低賃金ぎりぎりかそれ以下という中で、指導員のみなさまの熱意だけで何とか今までこどもたちの暮らしが守られてきました。
 
この現状を改善することは、こどもたちを守ることそのものです。
 
国もこの問題にようやく目を向けて、新たに『放課後児童支援員等処遇改善等事業』を作り、ようやく指導員のみなさんの処遇改善が実施しやすくなりました。

これは横須賀市にとっても大変有利な補助メニューで、これまで処遇改善に取り組もうとすれば、その全ての財源は横須賀市が単独で支出しなければならなかったところを、国・県が合計3分の2を支出し、横須賀市はわずか3分の1という以前よりも極めて少ない支出で処遇改善に取り組めるようになったのです。

こどもたちを守る為には指導員のみなさまの処遇改善のメニューを導入するのは当然のことですから、第2回定例会では僕が、第2回定例会では複数の会派の議員が、早期導入を求める質疑を行ないました。

しかし横須賀市は補正予算案を組んで対応するようなことはしませんでした。
 
その為、この第4回定例会では、現状を知る保護者や市民の方々から、こどもたちの健やかな成長を守る為に処遇改善を導入して欲しいとの2万8,000筆を超える署名とともに請願「放課後児童クラブに対する安定的運営と質の向上に資する補助金の交付について」が市議会に出されました。

それに対して横須賀市側は、来年度以降の導入はほのめかしたものの、今年度補正予算を組んでの対応はしないとの答弁を繰り返しました。

「こどもが主役になれるまち」とか「こどもに選ばれるまち」を目指しているはずの吉田市長のもとで何故このような信じられない人権無視の指導員の雇用環境を放置しこどもたちを守らない対応が続けられているのでしょうか。

それは、昨年9月議会において、市長から提案された『放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例(以下、学童保育条例と呼びます)』を横須賀市議会が可決してしまったからです。

上位の法律である「児童福祉法」ではそもそも学童クラブの運営に関しては市の責務だと規定しているのですが、横須賀市の学童クラブの運営に関して定めたこの条例では、市の責務を「努めるものとする」という「努力規定」へと格下げする条文が盛り込まれていました。

僕は4つの理由を挙げてこの条例案への反対討論を行ないましたが、残念ながら反対は僕のみにとどまり、可決されてしまいました。
 
つまり、横須賀市は「あくまでも努力さえすれば良い」という言い訳を「学童保育条例」に定めてしまったのです。市議会が可決した条例という法律的なお墨付けを得た横須賀市は、条例で「努めるものとする」と書いてあるとおり、指導員の処遇改善も努力したけれど財政上できなかったという立場を正当化できるようになりました。

かつて国の新たな補助メニューが無かった頃は横須賀市単独で約1億3,000万円ほどの財源が必要だった処遇改善が、新たな補助メニューができた今ではその3分の1のわずか4,000万円ほどの財政支出で実現できるようになりました。

にもかかわらず、今年、横須賀市はやらないのです。
 
この4,000万円は、こどもたちの命を守る為に必要な予算です。

それにもかかわらず横須賀市が財政支出をしなくても許されるのは、学童保育条例において市の責務を「努力規定」に格下げすることを市議会が許してしまったからです。

1年前、市議会が「市の責務」を「努めるものとする」と「努力規定」に格下げした条例を可決してしまったが故に、今、横須賀市がこどもを守らない財政運営をしていても条例違反ではありません。

このような条例を絶対に許すべきでは無かったし、可決すべきではありませんでした。

討論に立つフジノ


さて、討論を本題に戻します。

この12月議会に市長から提出された「議案第122号・共生社会実現のための障害者の情報取得及びコミュニケーションに関する条例制定について」においても、まさに学童保育条例と同じ罠が埋め込まれています。
 
第9条において市の「財政上の措置」は「努めるものとする」という「努力規定」に格下げされているのです。

障がいのある方々の情報取得とコミュニケーション支援に本気で取り組むには、あらゆる分野において膨大な数の事業を1つ1つ実施していかねばなりません。事業を進めていく為には当然ながら財政の裏付けが必要です。
 
この条例の理念を実現する上で、財源は4,000万円などでは到底済むとは思えません。

今年度、こどもの命を守る為に必要な4,000万円の支出さえ拒否したのが今の吉田市政です。

そんな今の横須賀市が、障がいのある方々の情報取得とコミュニケーション支援に必要な全ての財政支出に本気で取り組むと思うことができるでしょうか。
 
今回の条例案が成立すれば、必ず横須賀市は財政を言い訳にして、障がいのある方々への支援を中途半端な取り組みにしてしまうでしょう。
 
しかし中途半端な取り組みであっても、市議会のみなさまが可決した条例を盾にして、条例では「努力規定」だからと正当化することができてしまうのです。
 
僕は障がい福祉の向上に取り組んできたからこそ、あえて反対します。
 
この「財政の努力規定」が取り除かれない限り、超高齢少子多死社会の進展で縮小する財政を前に、横須賀の障がい福祉は後退してしまう可能性さえあるからです。

『WHO』(世界保健機関)は「世界障害白書」で障がいのある方々は人口の15%だと推計しています。

肢体不自由、視覚障がい、聴覚障がい、盲ろう、精神障がい、知的障がい、発達障がい、難病などのあらゆる当事者のみなさん、ご家族のみなさん、福祉職のみなさんは、毎日の暮らしの中で今の日本が共生社会からは程遠い現実を日々体験しておられます。

決して贅沢をしようというのではない、人としての当たり前の権利が損なわれています。

所得補償・住宅・医療・療育・教育・文化・スポーツ・労働雇用・虐待・建物利用・交通アクセス・災害・政治参加・司法手続き、そして本条例が対象にしている情報アクセス・コミュニケーション保障など、あらゆる課題があります。

必要な合理的配慮を行なうことが当然の基本ルールとされる社会には遠い現実があります。

このような現実を前にして、障がいの無い人もある人もそれぞれが価値ある存在とされるインクルーシブな共生社会を実現する為に1つずつ取り組みを進めていかねばならないとしたのが『国連障害者権利条約』です。

『国連障害者権利条約』は、障がいの無い市民と平等な権利を保障し、その実現に必要な支援を提供することは「義務」だとしています。
 
つまり、財政の壁を口実にしてはならない、人間の尊厳の為の支援は借金をしてでも行なわねばならない、そもそも財源不足を理由にすることができない事柄なのです。
 
日本もこの『条約』を締結し批准しました。
 
今やわが国は、国も自治体も「障がいのある方々の権利を守り、必要な支援を権利として保障し提供していくこと」が国際社会に約束した「果たすべき義務」なのです。
 
多くの新しい理念、特に基本的人権、選択の機会、社会的障壁の除去を実現していく為に、こうした理念を具体的な取り組みに落とし込んで実行していかねばなりません。

その動きの中で、あえて『国連障害者権利条約』に基づいた条例案が、その条約に反する「財政上の努力規定」を設けることは明らかに間違っています。

わが国にはかつて天下の悪法と呼ばれた「障害者自立支援法」という法律がありました。

法律の「目的」では障がいのある方々の尊厳ある社会生活の為の支援の提供をうたっていながら、実際には財政コントロールを優先させた内容になっていました。
 
その結果、全国で障害者自立支援法の違憲訴訟が起こされました。2009年の政権交代のきっかけのひとつになったとも言われています。

僕は今回の条例案が障害者自立支援法とかぶって見えます。

「目的」は素晴らしいが、結局は「財政のコントロールをかける条文」が盛り込まれているからです。

だから、このしばりを外さない限り、人としての尊厳を守る為の障がい福祉に関わる立場として絶対に認めることはできないのです。

傍聴席に語りかけるフジノ


横須賀市議会の先輩・同僚議員のみなさま、『国連障害者権利条約』を締結・批准した世界的な約束に照らしても、本条例案の第9条はあってはならず、この条文がある限り、あらゆる理念や目標は実現しません。

どうかこの条例案はいったん否決して下さい。

そして「財政の努力規定」を削った上で新たな条例案を一緒に作っていただけないでしょうか。

この条例そのものを骨抜きにする条文を盛り込んだまま、可決してはなりません。

どうか本条例案に反対して下さいますよう、心からお願いを申し上げて、反対討論を終わりにします。

先輩・同僚議員に深く頭を下げるフジノ



市議会の採決の結果

反対はフジノのみ、賛成多数で可決されました。



「横須賀子ども未来プラン(素案)」に448件もの意見が寄せられました/児童福祉審議会子ども・子育て分科会(第9回)

「子ども・子育て分科会(第9回)」が開かれました

今日は、児童福祉審議会の『子ども・子育て分科会(第9回)』が開かれました。

子ども・子育て分科会の会場にて

子ども・子育て分科会の会場にて


『子ども子育て支援新制度』が今年4月からスタートするにあたって、新たな計画を作らねばなりません。

2013年8月からスタートしたその計画づくりが、ついに終わろうとしています。



パブリック・コメントの結果、市民のみなさまから448件のご意見を頂きました

今回の議事は下の通りです。

子ども・子育て分科会の議事次第

子ども・子育て分科会の議事次第


昨年末に行なわれた『パブリック・コメント』の結果、市民のみなさまからたくさんのご意見が寄せられました。

199名の方々から、合計448件ものご意見を頂きました。政治家としてフジノは本当にありがたく感じます。

第1章から第4章までのパブリックコメントで寄せられた意見の件数

第1章から第4章までのパブリックコメントで寄せられた意見の件数


最も多くのご意見を頂いたのは、『地域子ども・子育て支援事業』についてでした(141件)。

第4章からその他までのパブリックコメントで寄せられた意見の件数

第4章からその他までのパブリックコメントで寄せられた意見の件数


続いて、『学童クラブの基準条例関係』が101件、『学童クラブの全般』が83件にものぼりました。

学童クラブの今後に対する不安と期待の高さが強く読み取れる結果となりました。

さらに、『子育て支援の推進』も56件とご意見が集中しました。

分野別に見ても、内容を見ても、市民のみなさまの『子ども・子育て支援』の在り方に対する強い関心が伺うことができました。



パブリック・コメントで頂いたご意見へどのような回答をするか議論されました

そのご意見に対して、『子ども・子育て分科会』がどのような回答(『頂いたご意見への考え方』と呼んでいます)をするのかが議論されました。

実際には、事務局である『こども育成部』が作成した回答案をもとに、分科会メンバーのみなさまがその案を読んで、議論をします。

最終的に、事務局の原案どおりに回答を出すことに決定しました。

その内容はこちらです。



児童福祉審議会・全体会へ送られました

この分科会の結果は、最終的に『児童福祉審議会・全体会』に送られました。

とはいえ、実際はわずか1時間後に『全体会』はスタートします。

その内容は次の記事で報告いたします。



知って学んで意見交換して、みんなで「学童クラブ」を高めていこう!/三浦半島学童保育研究集会へ

第11回となった「三浦半島学童保育研究集会」に参加しました

今日は、総合福祉会館へ向かいました。

第11回を迎えた『三浦半島学童保育研究集会』に参加する為です。

「第11回三浦半島学童保育研究集会」プログラムより

「第11回三浦半島学童保育研究集会」プログラムより


名前のとおり、三浦半島の横須賀市・三浦市・逗子市・葉山町の学童保育に関わるあらゆる立場の方々が集まって、みんなで意見交換をして、ともに学びあっていこう、という素敵な場です。

会場にて

会場にて


『学童保育(学童クラブ・放課後児童健全育成事業・放課後クラブなど呼び名はいろいろあります)』といっても、それぞれのまちごとにいろいろなことが違います。

  • スタートした年
  • 位置づけ(逗子市は公設民営。葉山町では公設公営+民設民営。横須賀・三浦は民設民営)
  • 運営主体(横須賀は運営委員会+法人、三浦市は全て保護者会、逗子市は株式会社+保護者会)
  • 保護者が支払う保育料(葉山町では無料。逗子市は1万2,000円。三浦市は1万5000〜1万6000円。横須賀市では1万8,000〜2万5,000円!)
  • 学童クラブが入っている建物(逗子市では全ての小学校に学童クラブが必ず入っている。他のまちは一部学校・残りは民家やアパートやマンションや空き店舗での賃貸など)
  • 学童クラブが開所している時間帯

などなど、何もかもが異なります。

第6分科会資料より

第6分科会資料より


さらに、それぞれのまちの学童クラブもいろいろな形があります。どれが「正解」というものはありません。

そうした『違い』を学びながら、お互いの『良い所』を学びあって、どんどん取り入れ合っていくことがとても大切だとフジノは考えています。

何度目かの参加になりますが、毎回参加するたびに『学び』があります。今日もたくさん『学び』がありました。



第6分科会「三浦半島の学童保育」に参加、意見交換をしました

午前は全体会、午後は6つの分科会に分かれての取り組みとなりました。

  1. 入門講座「学童保育ってなあに?」
  2. 「今どきの子どもたち〜子どもの姿に悩んだら〜」
  3. 「子どもを取り巻くインターネット事情とその課題」
  4. 「今、学校で」
  5. 「一緒にあそぼう」
  6. 「三浦半島の学童保育〜各地域の課題、運動の交流〜」

フジノが選んだのは、第6分科会です。

『三浦半島の学童保育〜各地域の課題、運動の交流〜』

平成27年度に本格実施される『子ども・子育て支援新制度』に向け、全国どの自治体でも『子ども子育て会議』を設置し、学童保育に関しても支援計画や『整備および運営に関する条例』の策定を進めています。

条例に関しては、すでに横須賀市では条例案を示しパブリックコメントを実施、議会で審議がなされています。

三浦市、逗子市そして葉山町でも今年中に条例案の審議がされる運びとなります。

これからの学童保育施策に関わる各自治体の動きを交流し、私たちの望む学童保育を求めるために 今後どのような運動(働きかけ)が必要とされるのかを考えていきましょう。

  1. 学童保育に関する国の動きはどうなっているのでしょう。
    • 児童福祉法の改正
    • 子ども・子育て支援新制度
    • 子ども・子育て支援事業計画
    • 放課後児童クラブの設備及び運営に関する条例(省令)
    • 放課後児童支援員
    • 放課後子ども総合プラン
  2. 自己紹介も兼ねて各地域の現状と課題を出し合いましょう。
    横須賀市、逗子市、三浦市、葉山町
  3. これからの働きかけ

ついおとといの本会議で、横須賀市では『放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例(通称・学童保育条例)』が成立しました。

(まさに)ずっとこの条例(学童クラブの設備や運営の最低基準を法律で定めること)をフジノは追いかけ続けてきました。

第6分科会へ参加しました

第6分科会へ参加しました


それにもかかわらず、横須賀市議会ではフジノ1人だけが反対票を投じ、反対討論にまで立ちました。

何故そうした決意を持つに至ったのか、率直な想いを語りたいという気持ちもありました。

また、三浦半島の他市町はこの条例を議会に提案していません。だから、他のまちの方々にも参考にしてほしいという想いもありました。

意見交換が続きました

意見交換が続きました


この分科会は、約25名の参加でした。

横須賀は約15名、三浦・葉山・逗子からは約5名です。

メンバーは、学童クラブの指導員の方々、保護者の方々、行政の担当者の方々、そして政治家。

しかし、1つ、とても残念なことがありました。

三浦・葉山・逗子からは、こども家庭福祉カンケーの行政担当者の方々が出席されていました。

けれども、横須賀市役所からの参加はゼロでした(涙)

市議会議員の参加は、横須賀からはフジノ、葉山町からは長塚かおる議員でした。

とても良い意見交換ができました。フジノもどんどん発言しましたし、他のまちの方々に質問もたくさんしました。

休憩時間もありましたが、そこでもフジノも意見交換を続けました。



次の勝負は「子ども・子育て支援事業計画」づくりです!

現在の学童クラブを、こどもたちが健やかに安心して暮らしていかれる場にする為に、これからも改善しなければならないことばかりです。

今日の研修は、『その為にやらねばならない多くのこと』をフジノにたくさん教えてくれました。

「子ども・子育て支援事業計画」策定作業

「子ども・子育て支援事業計画」策定作業


『条例』は成立しましたが、次は『子ども・子育て支援事業計画』づくりです。

下は、横須賀市の計画づくりのスケジュールです。

日程内容
平成26年10月第8回分科会
審議内容: 計画案(パブリック・コメント手続案) について
平成26年11月パブリック・コメント手続
平成27年1月第9回分科会
審議内容: パブリック・コメント手続の結果
平成27年1月児童福祉審議会
市長へ計画案の答申
平成27年3月議会報告・計画公表

計画の事務局案はすでにほとんど出ています。

フジノとしては先日の一般質問でも、計画事務局案に足りない視点を指摘しました。

今回の『学童クラブ条例』策定で盛り込めなかったことは、計画の中にしっかりと位置づけるように努力したいです。

学童クラブ関係者のみなさま、12月議会に向けてもう1回、意見交換しましょうね!

ということで、今日の研修は本当に素晴らしい機会となりました。

こどもたちの健やかな暮らしを守る為にがんばっている三浦半島のみなさんと、来年も再来年もぜひこの場でお会いしたいです。

本日はありがとうございました!



横須賀の「学童クラブ条例」づくりのゴールが見えてきました/放課後児童クラブ設備・運営基準検討部会(最終回)へ

全国の市町村で「学童クラブ条例」づくりが進んでいます

横須賀市では新しい『子ども子育て支援制度』を作る為の議論は、昨年2013年5月にスタートしました。

中でも『学童クラブ』は、新しい制度の目玉の1つです。

*学童クラブには様々な呼び名があります。学童保育、放課後児童健全育成事業、放課後児童クラブなども同じ意味です。

児童福祉法改正によって、全国の市町村は新たに『学童クラブ条例』を作らねばなりません。

その条例に盛り込まなければならない内容は、例えば、

  • 職員の数
  • 施設の面積
  • 設置しなければならない設備
  • 開所日数
  • 開所時間

など、あらゆる事柄となります。

全国学童保育連絡協議会資料より一部改変

条例策定のスケジュール(全国学童保育連絡協議会資料より一部改変)


そこで昨年から今年にかけて、全国で一斉に条例策定の作業が行なわれています。

放課後児童クラブ設備・運営基準検討部会へ

横須賀市では、『放課後児童クラブ設備・運営基準検討部会』において、議論が行なわれてきました。

第1回(2013年12月26日)
  1. 横須賀市の放課後児童クラブの現状
  2. 放課後児童クラブガイドライン
  3. 社会保障審議会児童部会、放課後児童クラブの基準に関する専門委員会報告(第7回)
第2回(2014年3月7日)
  1. 社会保障審議会児童部会、放課後児童クラブの基準に関する専門委員会の報告書について
  2. 神奈川県下の放課後児童クラブの条例制定状況について
  3. 横須賀市の放課後児童クラブ運営の現状について(指導員のアンケート結果より)
第3回(2014年4月25日)
  1. 国の放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準(案)に関する意見の募集について
  2. 国の放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準(案)の概要
  3. 国の放課後児童健全育成事業の設備運営基準(案)【未定稿】について
  4. 本市が募集予定 (6月)のパブリックコメントの考え方について
第4回(2014年5月30日)
  1. 放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準(厚生労働省令第63号)とその基準(案)に寄せられたパブリックコメントに対する国の考え方
  2. 第3回検討部会における確認事項について
  3. 本市が募集予定(6月)のパブリックコメントの考え方について

約7ヶ月間の議論を見守ってきましたが、ついにゴールが見えてきました。

会議室にて

会議室にて


フジノは今日、最終回となった第5回目のこの部会を傍聴してきました。

パブリックコメントへの回答を検討しました

今回の議事は下の通りです。

第5回(2014年7月28日)
  1. パブリックコメント手続き(意見募集)結果について
  2. (仮称)放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の骨子(案)について

これまでの検討部会での議論の結果を、市民のみなさまにパブリックコメントの形で報告しました。

6月17日〜7月7日まで行なわれたパブリックコメント

6月17日〜7月7日まで行なわれたパブリックコメント


そして、6月17日から7月7日まで市民のみなさまからご意見を募集しました。

『学童クラブ条例』他6件についてのパブリックコメントだったのですが、合計714件のご意見を頂きました。

このうち、『学童クラブ条例』についてのご意見が693件でした。つまり総意見の97.1%です!

市民のみなさまの『学童クラブ』に対する関心の高さがヒシヒシと伝わってきました。

特にご意見が多かったものを紹介いたします。

条例の中でうたわれている支援員の数の下限・児童数の上限・非常災害対策・衛生管理等の実現に要する費用について、財政支援をお願いする。

また、民間施設を利用するクラブの家賃補助・指導員の資格取得・研修受講に要する費用についても、財政支援をお願いしたい。

(128件)

指導員の処遇について、継続勤務と人材確保のため、何らかの賃金保障・身分保障をしてほしい。

具体的には、市の非常勤職員として雇用しクラブに派遣するとか、社会保険への加入費用や年功序列型の賃金体系の実現のための 財政支援をお願いしたい。これらのことを保護者負担で実現するには、負担が重すぎます。

また、支援員の資格が規定されましたが、 資格と処遇は一緒に考えてほしい。

(98件)

働く保護者のため、寂しい想いをしている子どものために高い利用料を利用しやすい利用料にするため、行政の財政支援をお願いする。

特に、小さいクラブほど運営収支が厳しいので、何とかしてほしい。

(55件)

運営方式について、保護者会運営は保護者の負担が大変なので、児童数に補助金が影響されない『公設』や『委託方式』を検討しても良いのではないか。

運営委員会を年4回程度開催してほしいとのことだが、関係者の負担は大変です。

(54件)

こどもが安全で快適に生活できるよう指導員の数を増員して下さい。

指導員の配置基準について、児童の人数に応じた配置基準にして下さい。

指導員の確保が難しく複数配置ができかねる現状があるので条文を訂正すべきだと思います。

人材が確保できない場合の対応について明記すべきではないのか。

(54件)

専用区画の面積について、「児童1人につきおおむね1.65㎡以上でなければならない」とされていますが、その規定により定員を超えてしまい待機児童を出さざるを得ず、クラブを分割せざるを得ないことも考えられます。

待機児童が生じないように基準に応じた学童クラブを増やして下さい。

(46件)

回答は、ほぼ事務局案どおりになりました

こうしたご意見に対して、どのように回答するかの『原案』は、事務局(横須賀市こども育成部)が作成します。

事務局原案に対して、検討部会メンバーが意見を出していきました。

しかし、根本的な内容の変更が必要な意見は、取り入れられることはありませんでした。

本当に残念です。

パブリックコメント手続き結果(案)

パブリックコメント手続き結果(案)


結果的に、決定された回答のほとんどの内容は

今回検討をした基準は、条例として市内全ての学童クラブ事業者に適用するものです。

その為、規定する項目や内容については、既存の学童クラブの存在を意識して、最大公約数的な項目や内容に絞らざるを得ませんでした。

市独自の項目や内容の設定については、今後の課題として、市にお伝えしたいと考えております。

といったものとなっています。

市の責任を明確に位置づけることや、新たな財政支出が必要となる補助や、学童クラブ全体の底上げになるような基準などは、全く新たに記されることはありませんでした。

重ねて、残念でなりません。

検討部会に参加しているメンバーは現場の方々、事務局であるこども育成部のメンバーも現場の実情を理解している職員ばかり…。

それがこのように現状維持に押し切られてしまうのは、何故なのか。

財政部による財政規律が厳しいのか。市長に学童クラブを改善する意思が無いのか。

いずれにしても、学童クラブ関係者のみなさまにとって、とても残念なパブリックコメント回答となりました。

新しい『子ども子育て支援制度』に位置づけられた学童クラブは、今までと一体何が変わったのでしょう。

まずは新制度の立ちあげに間に合わせることが「最優先」だったのだろう、と言わざるをえません。

フジノや学童クラブ関係者のみなさんの大半は、新たな制度に位置づけられたことを過去最大のチャンスと捉えて、学童クラブの質を向上させてこどもたちの暮らしを守りたい、という想いでした。

そうした切実な願いは、ほとんど叶わなかった形になります。

残念です。

条例骨子案も原案のまま、決定しました

議題2、学童クラブ条例の骨子案についても、原案どおりに決まりました。内容は下の通りです。

(仮称)放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準を定める条例
  1. 条例の概要

    本条例は、放課後児童健全育成事業の適正な実施を確保するために、児童福祉法第34条の8の2第1項の規定に基づき、事業の設備・運営の基準を定めるために制定するものです。

    本市では、基本的には国が示す基準(放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準(平成26年厚生労働省令第63号))と同一の基準を条例に定めたうえで、以下の基準については、本市独自の基準を設けることとします。

    ●本条例において本市が独自に定める基準(経過措置)

    省令(国の基準)の内容本市が独自に定める内容
    なし現在運営されている放課後児童健全育成事業者については、当分の問、放課後児童健全育成事業所に必要な専用区画の面積基準への適合を猶予する。

    (考え方)
    現在運営されている放課後児童健全育成事業者は、新制度への移行後、「児童1人につきおおむね1.65㎡」という放課後児童健全育成事業所に必要な「専用区画」(遊び及び生活の場としての機能並びに静養するための機能を備えた区画)の面積基準を満たせないクラブが生じる可能性があります。

    そこで、新制度への円滑な移行を図るため、条例の施行の時点で運営している事業者については、面積基準への適合を当分の間猶予する経過措置を設けることとします。

  2. 施行期日

    平成27年4月1日(予定)

  3. 条例の見直し

    本条例は、その運用状況、実施効果等を勘案し、施行の日以後 5年以内に見直しを行うものとします。

新しい条例では、こども1人あたりの面積1.65㎡を最低基準とします。

けれども、いきなりすべての学童クラブがこども1人あたり1.65㎡の面積が必要だと定めると、これを守れない事業者も出ます。

そこで、経過措置として5年間の猶予(5年間は1.65㎡以下でもOKと認める)を『横須賀市独自の基準』として認めることとしました。

これが骨子案の内容です…。

条例の骨子案

条例の骨子案


もちろん、このあと9月議会で条例案の審議がなされます。

フジノとしては、こどもたちの暮らしがもっと根本的に守られるように全力を挙げて条例案の変更を求めていきます。

「船越学童保育の会」を見学しました/市内全ての「学童クラブ」を見学したい

「船越学童保育の会」を見学させてもらいました

本会議終了後、急いで市議会を出て京急田浦駅前に向かいました。

「船越学童保育の会」にて

「船越学童保育の会」にて


『船越学童保育の会』を見学させて頂く為です。

みんな超元気!

みんな超元気!


「今年は市内の学童クラブを全て見学したい」と決めてから、5月に訪れた『浦郷学童クラブ』に続いて、2カ所目となります。

こどもたちからヒアリング

こどもたちからヒアリングするフジノ


井坂しんや議員・大村洋子議員・ねぎしかずこ議員と一緒に、4名でお邪魔しました。

ものすごく古い建物に入っていました/こどもたちの暮らしを守る為に市の責任で移転を推進すべき

1985年にスタートした『船越学童保育の会』。

現在、京急田浦駅から徒歩1分のビルの中に入っています。

現在の「船越学童保育の会(第1・第2)」は京急田浦駅から徒歩1分のビルの中にあります

現在の「船越学童保育の会(第1・第2)」は京急田浦駅から徒歩1分のビルの中にあります


けれどもかつての『船越学童』はものすごい古い建物の中に入っていました。

田浦行政センターの分室や公民館としても使われていたそうです

田浦行政センターの分室や公民館としても使われていたそうです


大正5年の建築だそうです(大正15年との説もあり)。旧・田浦町役場の建物でした。

前回報告した『浦郷学童クラブ』も今年度に小学校の余裕教室に移転する前は、とても古い建物を借りて運営をしていました。

大村議員もこどもたちを笑顔で見守っています

大村議員もこどもたちを笑顔で見守っています


横須賀市は「こどもが主役のまち」を謳っていながら、市内の学童クラブの多くが全く不十分な環境に置かれたままです。

こどもたちの暮らしが守られるように、『学童クラブの移転』を市の責任で進めるべきだとフジノは考えています。

通うこどもたちが多くなった為に、学童クラブを分割しました

フジノたちが今回、視察先としてこちらを選んだのは理由があります。

すっかり父親の顔の井坂議員

すっかり父親の顔の井坂議員


学童クラブの『規模の適正化』の観点から国の要綱が改正されて、在籍者が71名以上の学童クラブへの補助金が打ち切られることになりました。

2010年度から3年間の経過措置が取られたのですが、これによって大規模学童クラブの分割が全国で進められました。

今日のおやつ

今日のおやつ


新しいマンションが建ったり、新興住宅地が開発された地域では、当然ながら学童クラブに通うこどもたちの数が急増します。

その為、横須賀市内でもそれまでの学童クラブを分割して、新たな学童クラブを立ち上げた地域がいくつもあります。

みんなおやつを美味しそうに食べています

みんなおやつを美味しそうに食べています


『船越学童保育の会』でも、今年度、新たに2つ目の学童クラブ(船越学童保育の会・第2)を立ちあげたのです。

4階

4階


同じ貸ビルの3階と4階の2つのフロアをそれぞれ別の学童クラブとして運営をしています。

学童クラブも横須賀市が「公的責任」で運営すべきだ

改めて、自分自身がその場に身を置いてこどもたちと一緒に過ごしてみて本当に良かったと思いました。

3階、4階、ともに元気いっぱいのたくさんのこどもたちで、すぐに汗だらけになってしまいました。

こどもたちが安心して暮らせる環境は、やはり小規模であるべきで、指導員の数もこどもたちの数に応じて増やすべきです。

「もっと学童保育に対して公的な責任に基づいた市の関与が必要不可欠だ」

というのがフジノの長年の主張です。

現在の横須賀市のような『民説民営』では明らかにムリがあります。

今日見学させていただいた『船越学童保育の会』は本当に頑張っている学童クラブです。

しかし、他の学童クラブでもここのように運営できる訳では全くありません。

一般論として「大規模だから分割しなければならない」としても、実際にはいくつもの問題があります。

  • その為の土地や建物も保護者たちが探さなければならない
  • 新しい土地や建物が見つかっても、全て契約や連帯保証人も保護者がならねばならない
  • 分割された新しい学童クラブの為の、指導員の求人も保護者が行なわねばならない
  • 会計・決算の手間が2倍に増えるが、それも全て保護者が行なわねばならない
  • 新たな学童クラブを立ち上げると手間は数倍に増えるが、運営の為の補助金は多くの場合、全く足りない
  • 新しいマンション建設や新興住宅地によってこどもの人数が増加して大規模学童クラブを分割しても、数年でこどもは減少する
  • 1度分割した学童クラブを統合することは分割以上に難しい

ちょっと考えるだけでも、問題はいくつもいくつも出てきます。

現在の『民殺民営』という運営形態は、こどもたちの暮らしに対する横須賀市の責任放棄だ、とフジノは考えています。

そうした状況は『子ども子育て支援新制度』の導入によって、国の姿勢として保育同様に学童保育も公的責任が明確に位置づけらて改善されるのではないか、とフジノは期待していました。

しかし、そうはなりませんでした。

ですから、改めて「横須賀市の学童クラブは横須賀市がしっかりと支えていく」と横須賀市自身が認識しなければなりません。

こうした基本的な在るべき姿を今後も市議会で強く訴えていくとともに、ぜひ一人でも多くの保護者の方々にも現状を理解して頂けるように情報を発信していきたいと思います。

本日は、『船越学童保育の会』のみなさま、見学を受け入れて下さってありがとうございました。

フジノはこれからも市内の学童クラブを全て見学したいと思っています。

見学OKという学童クラブは、どうかぜひご連絡ください。

よろしくお願いします!

【質問4】「学童クラブ」を小学校校舎内に移転を推進するならば、こどもたちの生活を守る為に必要な施設整備はしっかり行なうべきではないか

発言通告した質問内容を紹介します(4)

前の記事より続いています)

まもなくスタートする『6月議会』で、フジノは今回も市長への一般質問を行ないます(6月10〜11日)。

質疑を行なう議員は、あらかじめ『発言通告書』を提出しなければなりません。

けさ10時が提出の締め切りでした。

フジノが提出した質問内容を市民のみなさまにご紹介します。

4.「学童クラブ」の小学校校舎内への移転を推進するならば、必要最低限の不可欠な施設整備はしっかり行ない、児童生徒の生活を守る必要性について

さきの第1回定例会で、市長は

『学童クラブ』の小学校への移転を進めて実施計画期間内に25クラブまで拡充する、その為に2014年度は小学校2校の教室を学童クラブ用に改修する」

と打ち出した。

横須賀市の「第2次実施計画」より

横須賀市の「第2次実施計画」より


これに先立ち、2013年度に、本市は『浦郷小学校』を整備して『浦郷学童クラブ』の移転を支援した。

「2013年度横須賀市一般会計・当初予算説明資料(こども育成部)」より

「2013年度横須賀市一般会計・当初予算説明資料(こども育成部)」より

 

旧・浦郷学童クラブ

移転前の(旧)浦郷学童クラブ

新・浦郷学童クラブ

移転後の(新)浦郷学童クラブ

今後の『学童クラブ』の小学校校舎内への移転のお手本となるべき最初のケースであることから、『浦郷学童クラブ』を私は先日見学したが、率直に驚いた。

  • 固定電話は引かれていない
    →何かあったらどうやって連絡をとるのか?
  • 調理用の流しは無い
    →おやつなどの調理ができず、非衛生的で×
  • 玄関にひさしは無い
    →雨の日は傘をさすのもしまうのもずぶ濡れになる
  • エアコンが設置されていない
    →市内学校の教室には全てエアコン設置を終えている。このままでは夏は暑すぎ、冬は寒すぎ
  • 夜間の足下を照らす電灯も無い
    →日の短い冬は帰宅時には真っ暗な中を帰ることになってしまう

児童生徒の生活を守る為の、最低限度の施設整備がなされていなかった。

現在、本市は施設の基準を定めるいわゆる『学童保育条例』を策定しているが、現状がこれでは非常に不安に感じた。

【質問1】
『浦郷学童クラブ』の小学校内への移転後、教育・保育支援課は実際に現場を訪れて、児童生徒・保護者・指導員の声を聴いたのか。

【質問2】
学校校舎内への移転を推進することは大切だが、児童生徒の生活を守る為の必要最低限の施設整備には丁寧に現場の声を聴いて対応していくべきではないか。

(次の記事へ続きます)

浦郷学童クラブを見学しました/策定中の「学童保育条例」をこどもたちの未来を守るより良いものにする為に、市内全ての「学童クラブ」を見学したい

心身の疲れがひどいので、今日は取り急ぎ写真とひとことのみでごめんなさい。

明日改めてきちんと更新しますね。

浦郷学童クラブを見学させていただきました

今年は、市内外の『学童クラブ(学童保育)』を可能な限りたくさん見学しに行きたいとフジノは考えています。

いろいろなところにお声がけをして、見学のお願いをしています。

今日はその第1弾として、『浦郷学童クラブ』にお邪魔させていただきました。

こどもたちの素敵な笑顔をお見せできないのが残念!

こどもたちの素敵な笑顔をお見せできないのが残念!

横須賀市では、新たに『放課後児童クラブの設備及び運営に関する基準の条例』をつくります。

その為、現在は『児童福祉審議会放課後児童クラブ設備・運営基準検討部会』で検討を続けています。

保護者のみなさんとこどもたち。

保護者のみなさんとこどもたち。


どの写真もぼかし処理をしているので、こどもたちのすごく素敵な笑顔がお見せできないのがとても残念です。

今日はとても晴れていて気持ち良い1日だったのですが、そんな天気以上に晴れやかなこどもたちの笑顔と過ごせて楽しい半日を過ごすことができました。

ふだん学童クラブでこどもたちがしている遊びを保護者のみなさんも挑戦。

ふだん学童クラブでこどもたちがしている遊びを保護者のみなさんも挑戦。


『浦郷学童クラブ』のこどもたち・保護者のみなさん・指導員の方々、見学の受入をありがとうございました。大切な保護者会の機会に申し訳ございませんでした。

でも、またぜひお邪魔させてください。

今日はありがとうございました!

後日追記:この見学をもとに一般質問を行ないました

この日に浦郷学童クラブを見学をさせていただいたおかげで、ここで見て聴いて感じたことをもとに考えて、市議会で質疑を行ないました。

2014年6月議会でフジノは

『横須賀市が今後「学童クラブ」を学校校舎内に移転する方針ならば、必ず最低限の施設整備は責任をもって行なうべきだ』

という趣旨の一般質問を行ないました。