2025年の市立2病院は「慢性期ゼロ床」で本当に大丈夫か。徹底的に議論しました。うわまち病院移転建て替え後の新病院と市民病院の「新たなベッド数」と「機能」が健康部から報告されました(その4)/2018年12月議会

前の記事から続いています)

健康部による2025年の市立2病院の姿にフジノはたくさん質問しました

2025年の市立2病院のベット数と機能について健康部が行なった報告を、3回に分けて紹介してきました(その1その2その3)。

フジノにとって市立2病院の改革は長年の大切な政策で、取り組んできた具体的なテーマは本当にたくさんあります。

市民のみなさまが受けられる医療をより良いものに改善すべく、たくさんの質疑を重ねてきました。

今回こうして具体的な発表がなされたので、これまでの提案がどのように活かされたのか(あるいは活かされなかったのか)改めて質問しました。

そこで、フジノが行なった質問を記したいと思います。



「慢性期ゼロ」で本当に大丈夫か?

フジノにとって、父が12年間にわたって植物状態(遷延性意識障害)となって慢性期の療養病床に入院を続けた日々が様々な政策の原点にあります。

慢性期の方々とご家族を支える為のフジノの主な提案

  1. 介護職の方々が医療的ケアを実施できるようにすること
    →実現しました
  2. 在宅で療養できる方々が増えるように地域包括ケアシステムを構築すること
    →現在も実現中です
  3. 慢性期の療養病床を市立2病院に確保すること
    →今日「2025年の市立2病院は慢性期ゼロ床」と発表されました

この3つは、特に徹底して質疑を行なってきましたので、歴代の健康部・福祉部の方々は耳にタコができているのではないかと思います。

上に記したとおり、2つ目までは実現(実現中)しました。

しかし、最後のテーマである『慢性期の療養病床を市立2病院に確保すること』については、真逆の発表(慢性期病床を廃止してゼロにする)がなされてしまいました。

新病院(旧・うわまち病院)の2025年のベッド数

新病院(旧・うわまち病院)の2025年のベッド数


市民病院の2025年のベッド数

市民病院の2025年のベッド数


在宅医療の取り組みが進んだことをはじめ、医療制度の変更によって慢性期の概念も変化するなど、フジノが問題提起をした当時とは大きな状況の変化がありました。

けれども、改めてそうした状況の変化も含めて市民のみなさまにぜひ知っていただきたいと思い、「本当に慢性期ゼロで大丈夫か」と質問しました。

下に、今日の質疑応答を紹介します。超長文ですが、お付き合いください。

教育福祉常任委員会での質問

フジノの質問

市立2病院の病床数及び機能について伺います。

慢性期病床について、新病院の慢性期はゼロ床とするとしたことについて伺います。

まず福祉部介護保険課に伺います。

本市には『介護医療院』が存在しておりません。

そんな中で慢性期ゼロ床ということが発表されたことに対して、慢性期の療養が必要な方々に対応できると介護保険課はお考えになったのか。

事前に協議があったと思うんですけれども「ゼロで行けるよ」とお返事をなさったのか。

お聞かせ下さい。

介護保険課長の答弁

市民病院の病床の計画の時に、福祉部の方にもまさに『介護医療院』のことで協議がございました。

その時、介護保険課だけでなく関係する課と協議をしたんですけども、市民病院の休床しているところに『介護医療院』を設置するということについては福祉部としては「希望しない」という回答をさせていただきました。

理由としては、横須賀市はこれまでも市立の介護施設を持たずにこれまで介護環境を整えてまいりました。

市立の『介護医療院』を開設することが、現状、横須賀市の介護産業の中では適当でないと考えました。

それと『介護医療院』はこの4月に開設されたばかりで11月末時点において県内には1つも開設されていません。

その為、運営方法やどのような方の利用が適当であるかなどについては今後の推移を見守るべきだと考えております 。

フジノの質問

僕が提案した「『介護医療院』を市民病院内にぜひ設置してほしい」ということについて協議をしていただいたと。

また、その回答として『介護医療院』は設置しないと答えたと。

今回、市立2病院が慢性期病棟病床を一切持たなくなるということに対して介護保険課としては「一切不安は無い」という風にお答えになったんでしょうか。

お聞かせ下さい。

市立病院担当課長の答弁

今、介護保険課長がお話しさせていただいた通り、「市立病院として療養病床を持たない」ということについての相談はしてきました。

まず病院側の方から見た時には、医療政策というか診療報酬上の誘導になるんですが、

『病院としての療養病床』はどんどん縮小の方向にあるという中で、病院だけを見た時の慢性期というのはまずこの先大きく伸びていくことは無いであろう、と。

ただ『慢性期』という状態を少し広くとらえて、病院に入る療養の患者さんだけではなくて、例えば『介護医療院』というお話もございましたが、それ以外も含めた介護施設の利用者の方々。

また横須賀市でも同じく進めている在宅療養の推進。

こういった『広い意味での慢性期』ということを考えると、この部分のニーズは今後ますます出てくるという意識をまず共有しています。

その中で、介護保険課としてできること、市立病院担当課としてできること、また在宅の関係で言えば地域医療推進課としてできること。

お互いどんなことができるのかという話は、この市立病院の病床をどうするのかという話をしたことをきっかけに、具体的にまだ何が解決策だと見いだせてはいないんですが、話を持つように今し始めたところです。

『広い意味での慢性期の方々』に対する対応というのはやはり考えなければいけないんですが、それをどういう風に対応していこうかというところはまだ現在具体的にどういう方法が望ましいのかというところはまさに考えている最中という状況でございます。

フジノの質問

続いては、同じ質問を健康部の地域医療推進課にぜひ伺いたいです。

本市の在宅療養・地域包括ケアの実現のための取り組みは全国的にも高く評価をされております。

しかし一方で、在宅療養ができない方々も存在しており、慢性期の療養病床と在宅との間を行き来できることというのが非常に大事なこと、現実的な対応だというふうに考えています。

今、市立病院担当課長から答弁があり、3課で打ち合わせ等をしているし今後もしていくというお話だったんですけれども、これからどうこうするというよりやはり市立2病院がバックベッドとして療養病床を持ってくれているということは大変大きいと思っているんです。

けれども、地域医療推進課は「在宅療養の取り組みで対応できるから新病院及び市民病院は慢性期をゼロで構わない」という風にお返事をしたのかどうかお聞かせ下さい。

地域医療推進課長の答弁

大変難しいご質問をいただきました。

「市立2病院が慢性期病床を持つか持たないかで在宅医療のバックベッドとしての役割が果たしてできるのか」

というお話かと思いますけれども、私どもとしては病院は市立病院だけを対象に考えてはおりません。

大きな範囲で、やはり『病床』というのは2次医療圏で見ていくものでございます。

ただ、医療政策を担当しているとはいえ、私ども(横須賀市)は2次医療圏全体を統括できる立場にありませんので、どこの病院の病床をどうすべきという意見は私どもとしては個別には持っておりません。

けれども、広い意味では市内全体の病院の在り方をバックベッドとしてお願いをしているところです。

実際に私の方で拠点方式でセンター連携拠点として横須賀市医師会に委託をしております。

この横須賀市医師会では在宅患者をあらかじめ万が一の時に治療が必要な時にバックベッドとして事前に登録するという仕組みも、私どもと一緒に取り組んできた中で生まれてきております。

市立病院にも地域包括ケア病棟というのがございますので、そちらもバックベッドとして大いに活用させて頂いてるところでございます。

また、市内全域と致しましては慢性期病床が確かに市立病院からは無くなるということでございますが、こちらの資料にもございますとおり、他の病院でもパシフィックホスピタル、湘南病院、聖ヨゼフ病院では慢性期病床を用意してございます。

これから先も2次医療圏の患者動向はある程度推計はされておりますけれども、実際に2025年を超えた先がどうなっていくかということも考えますと、今の段階ではこの今市立病院担当課の方からご報告させた内容でもトータルでは対応できるのかなと考えております。

具体的に在宅療養もこれから進めていくというところではさらなる取り組みを進めていきたいと思っております 。

フジノの質問

市立病院担当課長からも地域医療推進課長からも、市立病院だけが慢性期病床を持つ必要は無い現状を、民間病院が慢性期を356床を持っているから大丈夫だというお話がありました。

一方で、僕はかねてから『民間病院に任せてしまうことのリスク』についても質問をしてまいりました。

例えば、経営判断から病床の削減や病院経営そのものからの撤退という判断を民間病院はすることが考えうる、ということを申し上げてきました。

そのような状況の中で、慢性期が今356床あるからといってそれで本当に安心していかれるのかどうか、市民の方にご説明していかねばならないと思うんですね。

特にVREの問題があったとはいえ、うわまち病院において慢性期の病床が50床あったということは大きな安心につながっていた訳です。

民間病院の撤退リスク。

そういったことをどうやって市民の方々に説明をしていくのかお聞かせいただきたいと思います。

市立病院担当課長の答弁

まず、病院としての療養病床を市立病院として持たないという考え方のところで、資料の方にも4ページ目の所に、市内3病院で療養病床はおおよそ対応できるであろうと。

このうち藤野委員の方からのおっしゃられました通り、民間病院ですので経営難で撤退するだとかそういうような可能性が十分あるというのは承知しております。

その中で、この注のところに記載してある3つの病院の内、湘南病院と聖ヨゼフ病院はいわゆる在宅療養の方々などを支えるためのバックベッドとしての役割を持つ機能、いわゆる『回復期』であったり、『急性期』でも少し『回復期』寄りの診療ですね、そういったところを担っていますので、将来的に変わる可能性はあり得るのかなと思います。

これに対してパシフィック・ホスピタルについては横須賀市内の医療機関で唯一療養を中心に運営している医療機関ですので、やはりこの医療機関の動向というのは考慮する必要があるのかなと思っております。

そうした考えのもと、実は私と健康部長とパシフィック・ホスピタルを実際に訪問いたしまして、理事長さんなどとお会いして今の経営方針をどういうふうに考えていらっしゃるのかであったり、後は患者の状況などを伺ってまいりました。

伺ってきたところ、現在ベッド数は259床ありますが、入院患者は大体200人から210人程度で今推移していて、これをもう少し病床稼働率を上げていきたいというお話をされていました。

実際に患者はどの病院から入ってきてますかというお話を聞かせて頂いたところ、やはり急性期病院の3つ、市民病院とうわまち病院、横須賀共済病院。

こちらから入ってくるのが入院患者のおよそ9割ぐらいを占めたと。

そういう状況で、その3病院をはじめ他の医療機関からの転院依頼があった時には、現在はよっぽどタイミングが悪いという事を除けば、ほぼをお断りすることなく今は入院対応できている、と。

今後この3病院を中心にしたところからの患者の入院が大きく増えることが望まれるかどうかということについては、多分現状の状況がしばらく推移していくのではないのか。大きく増えることはおそらく無いのではないか。

一方、全体としての患者が増えるのは、『回復期』や『急性期』でもちょっと下の方辺り、この辺りが増えるんではないのか。

そういうようなご意見を伺っています。

そうすると現時点では、あえて市立病院として療養病床を持つ必要性は無いのかなと考えて、こういう形に致しました。

その上で、万が一、他の医療機関で療養病床が運営がなされなくなる時の考え方としましては、説明資料の6ページ目になりますが、表の療養病棟の新病院の所の説明の但し書き以降ですね、

「将来の医療制度改正柔軟に対応できるよう新病院の建設時には回復期リハビリテーション病棟は現在の療養病棟の施設基準を満たすように整備することを検討します」

要するに、運用としては回復期として病院としては運用していきますがハード整備は将来的に療養病棟にも移ることを考慮して考えていきたいと。

こういうことで藤野委員のおっしゃられますリスク回避というところは考えていきたいと考えております。

フジノの質問

課長、大変丁寧にありがとうございます

その答弁に対して2点伺いたいと思います。

まず1点目は、前段でお話があった在宅療養を支える意味合いとしての湘南病院と聖ヨゼフ病院なのですけれども、僕は将来的にこちら(慢性期病棟)は無くなってもおかしくないなという気持ちを正直持っています。

例えば、聖ヨゼフ病院だったら2020年に新病棟を建て替えると聞いているんですけれども、その時に具体的に現在の慢性期47床を確保してくれるのかどうか。

その辺は正直議員としてはまだ分からない況なんですね。

もしお話を聞いておられれば、増減があるのか把握しておられたら、ぜひお聞かせいただきたいと思います。

市立病院担当課長の答弁

湘南病院や聖ヨゼフ病院の動向ですが、直接私どもの方で確認したということではございませんが、年に1回『病床機能報告』というもので各医療機関が将来的にどういう医療機能を持つのかということを病床機能別で報告をしております。

神奈川県のホームページでも公表されておりますが、これまでの報告状況の数字を見ますと、聖ヨゼフ病院も湘南病院も慢性期については現在の病床数と、聖ヨゼフ病院は現在建て替えを進めているので数字が少し動いておりますが、基本的には慢性期としての機能を引き続き持っていくという報告をしていますので、当分の間は撤退したりするようなことは無いのではないのかなというふうに考えております。

フジノの質問

それから、後段のパシフィック・ホスピタルについて伺いたいと思います。

部長・課長、実際に打ち合わせというかヒヤリングをしに行って頂いて本当にありがとうございます。

他の2病院と違ってこちらは大変療養病棟として優れていますし、入院したい方も多くおられるのを自分自身が患者家族だった時に強く感じています。

一方で、経営という観点から、こちらは例えば特別室があったり個室が20ベッドあったり、差額ベッド代が無い部屋からまず埋まっていってその部屋の待機はすごく多くてもし差額を月例えば10万円払えれば入れるという部屋があって

生計が苦しくてもなんとか家族を入院させたいと思いから差額代を払ってとりあえず入院をして、差額が無い部屋に空きが出るのを待って、そしてなんとか部屋を移ることができるというようないわゆる利用者側にとってハードルが高い側面もあった、というのが正直なところですです。

ですから今お話を部課長が聞いてきて下さって今200から210人で推移していてさらに稼働率を上げたいっていう言葉をお聞きして下さったことは本当にありがたいなと思っています。

稼働率を上げるにはやはり差額ベッド代の部屋を少し減らしていき、より入院しやすくすることしか無いんじゃないかなっていうふうに僕は聞いて受け止めていました。

こういうように改革をされる可能性があるとしても、現状では差額ベッド代が無い部屋から埋まっていって、そうではない部屋、高い部屋には入りたいけれども入れない。ベッドは空いている。つもり稼働率が100%に近づかない理由というのは差額ベッド代のところが大きいんじゃないかなと僕は感じています。

うわまち病院が療養病床を持っていた時にはそういった事は一部を除いてはなかったわけです。

このように、民間病院は差額ベッドの設置に関してもかなり柔軟にできる。

それに対して公立病院はやはり利用しやすさというのがあったという風に感じているんですけれども、この差については埋まっていくという風にお感じでしょうか。

パシフィック・ホスピタルもより利用しやすく「入りたい」と言う方が入りやすくなっていくという風に受け止めてよろしいんでしょうか。

民間病院のことなので市が答えるのはおかしな話だとは思うんですが、安心の為にぜひお聞かせいただきたいと思います。

市立病院担当課長の答弁

今、差額ベッドの取り扱いのお話をいただきました。

うわまち病院の療養病床は、当時、病棟として全部で50床のうち10床が個室でした。

ですから個室の割合としてはパーセントだと20%になります。

そういう状況の中で、実はうわまち病院も医療制度の改正によって、ちょうどこの薬剤耐性菌の院内感染対策を取る少しぐらい前から入院患者が落ち始めていたという事実があります。

ただ実際の決算の数字などではこの薬剤耐性菌の影響の方が大きく出てしまったので、はっきりとは見えないんですが、これまで大体50ベットに対してうわまち病院は個室も含めてですけれども大体46人から48人ぐらいで推移していました。

これがちょうど平成28年ぐらいから45人を割り込んで40人から43人ぐらいで推移する日が多くなってきました。

これは何故だろうと思っていたところ、やはり傾向として、入院された患者の在院日数が短くなってきました。

実はパシフィック・ホスピタルの方に訪問してお話を伺った時にも、パシフィック・ホスピタルの方でも同じようなお話をされていました。

3年ぐらい前までは患者ご家族の感覚からすると、だいたい入院日数が平均300日ぐらいだったものがこの3年間で今平均100日程度まで短くなっています。

そうすると、患者の入れ替わりが多くなってきますので、ベッド数は同じであっても実際に入院したいという方がいらっしゃった時に、結局ベッドが開いていくスピードも早いのでほぼあのお断りなく受け入れられる。

それと差額ベッドのお話もございましたが、仮に差額ベッドしか今は空いてないというようなことでまず差額ベッドの部屋に入ったとしても、他の部屋の開くスピードも速くなっているので、差額ベッド代をやむなく支払わなければならない期間というのも、3年ぐらい前の感覚からすると相当短くなってるのではないのかなと思っております。

それで全て解決できるかとはちょっと申し上げられないんですが、少なくとも相当、いわゆる病院の療養病床に病棟に入院する環境としてはここ1〜2年で大きく変わってきているということはあるのかなというふうに思っております。

フジノの質問

ありがとうございます。

今までのご説明をいただいて、これまでずっと療養病床を絶対残してほしいというふうに申し上げてきたことへの想いというのはひとまず納得はすることができました。

1点強く要望したい事としては、先ほど課長が答弁でも述べて下さった説明資料にも記述してある

「将来の医療制度改正柔軟に対応できるよう新病院の建設時には回復期リハビリテーション病棟は現在の療養病棟の施設基準を満たすように整備することを検討します」

これはぜひ検討をした後、この通りにぜひ進めていっていただきたいと思います。

今後何が起こるかというのは分からない訳です。

特に国の制度改正というのは頻繁に行なわれる状況があります。

誰もが安心して暮らしていかれるように万が一にもぜひ備えていただきたいというふうに思いますがいかがでしょうか。

健康部長の答弁

今、藤野委員から言われた点につきましては、これは市長からも同様に言われてることでございます。

慢性期の方の受け入れというのはやはりどこかが必ずしなければいけないということはあります。

ただ先ほども課長が申し上げたように、現在民間の病院の方でも満杯で入れないという状況では無いので、まずは民間にお任せできるものはお任せをして、これから先もしそういう状況の変化があれば対応できるようにということでここに表記してございます。

そのような形で考えていきたいと思っております。

よろしくお願いいたします。

以上です。




(次の記事に続きます)



休棟している市民病院の病棟を改築して「介護医療院」を新設できないか。医療・介護難民を絶対に生まない為にやれることは全てやるべき/2018年9月議会

「在宅」だけが全てではない現実を直視した取り組みを進めてきました

フジノが市議会議員に転職してすぐに父が脳梗塞で倒れました。

それから12年間、植物状態(遷延性意識障害)の父を受け入れてくれる慢性期の療養病床探しに苦しみました。

理想論でいけば『在宅での療養』をすべきなのでしょう。

しかし現実は厳しいです。

どれだけ訪問看護・訪問介護をお願いしたとしても、柔道・剣道有段者で100Kg近くある父(植物状態)を障がい1級の母だけで暮らしていかれるとは考えられませんでした。

市議会議員としてフジノの休日は年に数日あるかどうかの忙しさ。

両親と同居したとしても父の介護はできなかったと思います。

そんなフジノにとって、慢性期のご高齢の方々の療養を支えることは自らの体験に基づいた重要な政策の原点です。

慢性期の方々とご家族を支える為のフジノの主な提案

  • 介護職の方々が医療的ケアを実施できるようにすること
    →実現しました
  • 在宅で療養できる方々が増えるように地域包括ケアシステムを構築すること
    →現在も実現中です
  • 慢性期の療養病床を市立2病院に確保すること
    →市民病院ゼロ・うわまち病院は院内感染をきっかけにゼロへ

この3つはいつもあらゆる角度からあらゆる部局に提案をしてきたので、教育福祉常任委員会に出席している各部局には耳にタコができているかもしれません。

今日の教育福祉常任委員会常任委員会では、今年2018年4月から国が新たに導入した『介護医療院』について提案しました。

厚生労働省「介護医療院とは」パンフレットより

厚生労働省「介護医療院とは」パンフレットより


厚生労働省「介護医療院とは」パンフレットより

厚生労働省「介護医療院とは」パンフレットより


横須賀市にゼロの『介護医療院』を休棟している市民病院のスペースに新設すべきではないかと提案しました。



国が新設した「介護医療院」を横須賀市に導入すべき

フジノが行なった質問と部局からの答弁は下のとおりです。

フジノの質問

まず『介護医療院』に対する本市の評価です。

超高齢・多死社会における医療・介護ニーズに応える為に、今年4月から新たに創設されたのが『介護医療院』です。

要介護の方々に対して、長期療養の為の医療と日常生活上のお世話、介護の両方を提供できるのが特徴です。つまり、これまでにない医療プラス介護プラス生活支援プラス住まいの機能をあわせ持つ新類型が登場した訳で、2018年度介護報酬改定の目玉とも言われました。

一方で、財政だけを考えれば、医療療養病床の財源は医療保険ですが、介護医療院へ転換することになれば、財源は医療保険から介護保険に移ることになります。

その為、本市の介護保険財政だけを見れば負担の増加につながります。

そこで伺います。

まず、本市は、この介護医療院をどのように評価しておられるのかお聞かせください。

介護保険課長の答弁

 
『介護医療院』ですが、まだ本市には実際に申請がございませんし、もともと介護療養型医療施設が本市に無いものですから、なかなか事業者も利用者のほうも、こういうふうに利用しようとぴんとは来ていないところなのですが、これから地域包括ケアシステムを進めるに当たって、より介護度の高い方は専門家のケアを、そして医療とも連携していくということですので、開設に踏み切る法人がありましたら支援していきたいと思っています。

フジノの質問

現状では、利用者の方も介護サービス事業者側もぴんときていないのではないか、もしも開設をされるという意向があれば支援をしていくということでした。

今回の条例改正は、介護医療院の開設の許可などの申請に対する審査手数料を設ける為です。

今のお話にもありましたが、国ではゼロから新たに『介護医療院』を設置するというよりは、現状ではもっぱら、従来の療養病床から『介護医療院』への転換を促しています。

本市の場合、現状では医療療養病床を持つ病院が1カ所存在しているだけです。

そこで伺いますが、この医療療養病床は将来的に『介護医療院』への転換の意思を持っておられるのでしょうか、お聞かせください。

介護保険課長の答弁

 
『介護医療院』が今回できたことによって聞き取りをいたしましたが、今のところ予定は無いということでした。

フジノの質問

この『介護医療院』への転換をするインセンティブがありまして、早期転換をすることのほうが国の支援が手厚い。

これは2021年3月末までということを指摘したいと思います。

今、提供側の話をしましたが、一方で、サービスを受ける側のニーズについて本市はどのようにお考えなのかを伺います。

第7期介護保険事業計画が今年スタートいたしました。

『介護医療院』については、このように記述しています。

「第7期計画では新規整備は行わず、第8期以降に計画の検討を行います」

つまり、本市は3年後までは動かないと現状では明記した訳です。

一方で、市民の皆様にとって『介護医療院』のニーズが高いものであれば、しっかりと整備をしていかねばなりません。

市民の皆様は、『介護医療院』という単語そのものは御存じないかと思います。

しかし、医療と介護と生活支援と住まいの機能をあわせ持つ介護保険施設ならば、ぜひ利用したいという願いは高いものと推測できます。

そこで伺います。

市民の『介護医療院』の持つ機能に対するニーズは高いのか否か、本市はどう受けとめておられるのかお聞かせください。

介護保険課長の答弁

 
『介護医療院』を第7期計画で規定した時には、『介護医療院』そのものの詳細がまだ示されておりませんでした。

ですから、この計画の中では、こういうふうに詳細がわからず、その以前は介護療養病床を閉じていくという方向でしたので、この介護医療院がわからなかったというところもございます。市民のニーズが高いかどうかにつきましても、先ほど申し上げたように、まだ計り知れないところが現在ではございます。

フジノの質問

繰り返しの質問になりますが、『介護医療院』という単語を聞いて中身がイメージできる方は、行政の職員の皆さんも含めて、我々市議会議員も含めて、市民のみなさまはもっとイメージしづらいと思うのです。

そうではなくて、『介護医療院』の持つ機能、医療+介護+生活支援+住まい、地域包括ケアの要だと先ほど課長も御答弁して下さいました。

この機能に対するニーズは高いのかどうか、それを把握しておられるかどうかをお聞かせください。

介護保険課長の答弁

 
調べたわけではございませんが、ふだんの介護保険課の業務からいたしますと、もしこれが軌道に乗ってくればニーズはかなりあるのではないかと思います。

フジノの質問

そうですよね。

日常業務を行なっておられると、当事者の方のニーズはかなりあると思われますよね。

実際、僕の父ももし生きていれば、ぜひ『介護医療院』にお願いしたいという気持ちでおります。

そこで、改めて伺いたいのですが、『介護医療院』の実態が第7期計画をつくる時には分かりませんでしたが、今は分かるように政府も発表しています。

そして、『介護医療院』の持つ機能に対するニーズが高いものであれば、第7期計画期間中であっても、こうして条例も整備をする訳ですし、市内の医療療養病床に本市は積極的に転換を促していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。

介護保険課長の答弁

介護保険計画は、今後の3年間の給付費の見込みを立てて、そして保険料もその中から決めておりますので、第7期計画の中で、例えば大幅な給付費の増が見込まれるとなると、計画自体が、財政自体が立ち行かなくなります。

そこまでのものでないと想定できれば検討していかなくてはけないと思いますが、今この段階でそれを進めていきますということは、第7期が始まったところですので、なかなかはっきりとは申し上げられません。

フジノの質問

課長、すみません。計画が先にあって行政は実務を進めていく訳では無いはずです。

まず当事者の方のニーズがあって、それを酌み上げて計画にして、3年間かけて財政と給付のバランスをとっていくというものだと思います。

けれども、今のお話を聞くと、受けとめによっては計画を完遂させることが大事であって、ニーズは置き去りに聞こえてしまいます。

ニーズがもし『介護医療院』の機能に対してあるならば、第7期の計画期間であってもしっかりと取り組みをしていくことは決しておかしなことではないと思うのですが、改めて御答弁をお聞かせ下さい。

福祉部長の答弁

 
藤野委員のおっしゃるとおりでございます。

今、第7期介護保険計画では、療養型から介護医療院に転換すること自体は別に問題ないということにしていますので、ニーズが高いようであれば、それはそれで『介護医療院』に転換するということをお勧めすることはできると思います。
 
財政面につきましても、今それほど療養病床の数は多くありませんので、影響の無い範囲内でできるのであれば、と思っております。

フジノの質問

部長のおっしゃるとおりかと思います。

続いて健康部に伺いたいのですが、市民病院で今も閉じたままの病棟に関して、『介護医療院』の検討も視野に入れるべきではないかと伺います。

日本慢性期医療協会の会長である武久会長は、

「今、病院、病床には空床が結構出ており、そこをうまく利用できる。また、特別養護老人ホームの新設がある程度抑制できる。空いている病院、病床をうまく転用して、医療と介護が合わさった新施設にできる」

と述べています。

僕は全く同じ主張を市民病院に対して持っています。

健康部では、今も空けることができていない病棟の今後について『介護医療院』とすることも検討の視野に入れるべきではないでしょうか。

お答え下さい。

市立病院担当課長の答弁

 
市民病院で『介護医療院』の検討をしたらどうかという御質問だと思うのですが、まず、空きベッドについては、現状を申し上げさせていただきますと、この11月に回復期リハビリテーション病棟をオープンさせる予定で、今工事がまさに進んでおります。

こちらにつきましては、平成30年度予算で御審議いただいており、進めているところでございまして、工事が終わって、この病棟がオープンしますと、残りはいわゆる市民病院の中で空きベッドがあるのが小児病棟だけになります。

この小児病棟の取り扱いをどうするのかという中で検討していくような形になるのではないのかなとまず思います。

空きベッドの状況としては以上になりますが、もう1つ、実は市民病院の建物の制約のことが1点ございます。

過去に「いわゆる医療保険の療養病棟を市民病院でできないのか」というお話もいただいたかと思うのですが、実はなかなかそれが現実性を帯びてこない最大の要因が、市民病院の中の病床の面積の狭さと、あと療養病棟ならではの設備をつくらなければいけない。

具体的に言うと、入院中の患者さんが集まって食事ができる、いわゆる食堂のようなものをつくらなければいけない。

そのスペースを今の市民病院では取ることがなかなか難しくて、それで今まで療養病床を進めていなかったという経緯がございます。

この経緯を考えますと、『介護医療院』自体が結局『生活施設』としての機能も兼ね備えた施設になりますので、実は健康部側では具体的にまだ検討を進めていないのですが、恐らく相当の改修をしなければいけないのかなと思っています。

その為、少しハードルは高いのではないかと思っています。

ただ、ニーズとして、先ほど介護保険課長が答弁させて頂きましたが、こういった介護医療に対するニーズというのはあるということは理解しておりますので、また少し長いスパンでの検討になるかとは思いますが、検討は視野に入れて進めていきたいとは思っております。

という結果になりました。

市内の民間事業者が『介護医療院』へ転換(要するに業務体系をまるっきり変えることです)してくれるのを待つよりも、フジノはまるっきり使っていない市民病院の病棟スペースを活用するほうが現実的だと考えました。

フジノは『公設公営』にしろとは一言も言っていません。

このスペースを活かして、民間の事業者にスペースを提供するなどの形が有効だと思います。

そして、市民病院・うわまち病院・共済病院などで急性期~回復期の治療を終えた方々が『介護医療院』で長期療養をできるようになる、これは良い提案だとフジノは信じています。

今後の横須賀市の動きをしっかりみていきたいです。



「介護療養病床」にかわる「慢性期医療を提供する新たな施設」の「たたき台案」が示されました/「第6回療養病床の在り方等に関する検討会」へ

「第6回療養病床の在り方等に関する検討会」へ

7月15日に第1回がスタートした『療養病床の在り方等に関する検討会』ですが、早くも今日で6回目の開催となりました。

「第6回療養病床の在り方等に関する検討会」会場にて

「第6回療養病床の在り方等に関する検討会」会場にて


前回(第5回)で『新たな選択肢の骨格』について議論が行なわれました。

これを受けて今回は『たたき台(案)』が事務局(厚生労働省)から提案されました。

議事次第

議事次第


ただ、フジノからすると『新たな選択肢』と言いながらも

厚生労働省の『介護療養病床』を廃止したいという今までの主張を、単に『新たな選択肢』に置き換えただけではないか

という疑念がどうしても拭えずに今に至っています。

確かに『介護療養病床』には欠点と言うべきものがあります。

例えば、本当に多くの方々が長期間にわたって暮らし続けている『社会的入院』状態にあることや、実際には『看取り』までなされていること(死亡退院と呼びます。自宅への退院よりも死亡退院の方が多い)や、個人のプライバシーが守られにくい(尊厳ある暮らしとは言えない)現状があることなどです。

事務局案ではこうした点を改善できないかという提案もなされています。

検討会は傍聴者もたくさんでした

検討会は傍聴者もたくさんでした


けれども、フジノは思うのです。

そもそも多くの方々が『介護療養病床』で生涯を終えねばならないのは、何故か。

それは、終の棲家である『特別養護老人ホーム』で受け入れられるだけの介護人材を確保できていないからではないか。

本来ならば住み慣れた我が家に帰って最期を迎えたいと誰もが願っているけれども、訪問看護・訪問介護を十分に受けて自宅で暮らせるようなサービスを提供出来るだけの医療人材・介護人材が圧倒的に不足しているからではないか。

この根本的な問題を解決しないままに、『新たな選択肢』という名前の『別の施設』を作っても何も解決しないのではないかとフジノは考えているのです。

つまり、抜本的に『医療人材・介護人材を確保できる為の改革』を進めなければ『介護療養病床』を廃止しても何も解決できない、とフジノは考えざるをえません。

療養病床・慢性期医療の在り方の検討に向けて〜サービスを提供する施設の新たな選択肢について(たたき台案)

療養病床・慢性期医療の在り方の検討に向けて〜サービスを提供する施設の新たな選択肢について(たたき台案)


今日の『検討会』では、委員のみなさまからは『たたき台案』に対して「反対」の論調の声は特にありませんでした。

そのことがフジノには理解できませんでした。

いち市議として、フジノは自分のまちでいろいろな取り組みを進めてきました。

例えば、『特別養護老人ホーム』において気管切開・経管栄養(胃ろう)をしている方々をもっと多く受け入れていかれるように、介護職員の方々に質の高い研修を受けていただいています。

また、『定期巡回・随時対応型訪問看護介護』サービスを提供できる事業所を増やしていく為の取り組みも進めてきました。

同時に、市と医師会との積極的な協力のおかげで、『在宅療養』を受けられる人数を増やす為の取り組みも進んできました。さらに現実に『在宅での看取り』の数もかなり増えてきました。

つまり、厚生労働省が指摘するような、病院を退院しても『特養』にも入れず『自宅』にも帰れない為に『介護療養病床』で死ぬまで暮らす人々が多い、という現実を改善する努力に務めてきました。

そして、『介護療養病床』には本来の目的を実施してもらえることを目指しているのです。

フジノは『介護療養病床』は必要な存在だと考えています。廃止すべきではないと考えています。

厚生労働省が示している『たたき台(案)』によって、本当に人々の『住まい』として『介護療養病床』が生まれ変われるのか、確信が持てないままだからです。

慢性期の医療・介護ニーズへ対応するためのサービスモデル

慢性期の医療・介護ニーズへ対応するためのサービスモデル


この議論はまもなく終わり、やがて2017年の法改正につなげるのだと言われています。

本当にそれで良いのか、今日の検討会の傍聴を終えてもフジノの疑問は消えないままでした。



後日談:4時間後には日経新聞に記事がアップされました。早い!

長期入院病院の転換先、2つの新モデル提示 厚労省

厚生労働省は25日の検討会で、長期入院の高齢者向けベッド(療養病床)を持つ病院の転換先として、2つの新たな施設のモデルを示した。

医師が常駐して必要な治療を施せる医療型の施設や、医療機関と併設する住宅型施設を創設する。既存の介護施設も含めて、転換先を病院自ら決めてもらう。医療サービスを必要な人に絞り込む。

年明けにも議論をまとめる。同省の社会保障審議会医療部会や介護保険部会で施設基準や介護保険と医療保険のどちらを適用するかを詰める。2017年の通常国会に関連法の改正案を出す。

長期入院ベッドは、治療の必要性が乏しいのに、介護施設が見つからなかったり、家族が介護できなかったりして利用する高齢者も多い。医療費が膨らむ一因となっていることから、一部は17年度末で廃止して、他の施設に移行することになっている。

施設案は医療を提供できる介護施設や、医療機関に隣接するサービス付き高齢者住宅のような施設を想定しているもようだ。この日の検討会では施設案に対して目立った反対は無かったが、「所得が低い利用者の負担に配慮してほしい」といった声が出た。

日本経済新聞・電子版・速報 2015年12月25日19:25←早い!)

「第1回療養病床の在り方等に関する検討会」が開かれました/「エンド・オブ・ライフ・ケア」「クオリティ・オブ・デス」の在るべき姿を市民のみなさまと共に考えていきたい

「療養病床の在り方」の議論がついにスタートしました

ついに始まりました。

『療養病床』の在り方を検討する厚生労働省の審議会が今日スタートしました。

「第1回療養病床の在り方等に関する検討会」議事次第より

「第1回療養病床の在り方等に関する検討会」議事次第より


フジノにとっては「またも、ついに始まったか」という気持ちです。

そもそもフジノが『療養病床』の存在を初めて知ったのは、父の脳卒中による入院が始まりでした。

当時は

「父と同じように慢性期の医療的ケアが必要な方々がみんな居場所が無くて苦しんでいる。ご本人とご家族の為に『現実』を変えねばならない」

という想いから、様々な活動に取り組みました。

様々な取り組みを続ける中で、少しずつ視野が広がりました。

これは『療養病床』というひとつの『医療の機能』の問題ではなく、『クオリティ・オブ・ライフ』『クオリティ・オブ・デス』『エンド・オブ・ライフ・ケア』の問題なのだと理解しました。

こうして父の入院から十数年を経た現在に至るまで、ずっと関心を持ち続けるテーマとなりました。今も強い関心を持ち続けています。



2017年の法改正に向けた「提言づくり」が検討会の目的です

今日、厚生労働省(国)がスタートした審議会は、この『療養病床』の在り方を議論します。

会場の「ホテルグランドアーク半蔵門」にて

会場の「ホテルグランドアーク半蔵門」にて


フジノが「またも」とはじめに書いたのは、この議論は何度も形を変えて繰り返し続けられてきたからです。

検討会の会場にて

検討会の会場にて


今回設置された『検討会』の具体的な内容は、超高齢社会の今、『慢性期』の医療ニーズに対応できる医療・介護サービス体制を実現する為に具体的にどのような改革をしていくべきなのか、その選択肢を整理することです。

検討会終了直後の様子

検討会終了直後の様子


ここでの提言をもとに、2017年に法律を改正する予定です。

今日は、初回だったこともあり、参加した委員メンバーの顔合わせと自由に意見を述べ合って終わりました。

次回以降の本格的な議論もしっかりとフジノは追いかけていきます。

配布された資料から、数点を引用してご紹介します。

まず、目的と検討する事項についてです。

目的

  • 本年3月に定められた地域医療構想ガイドラインでは、慢性期の病床機能及び在宅医療等の医療需要を一体として捉えて推計するとともに、療養病床の入院受療率の地域差解消を目指すこととなった。
  • 地域医療構想の実現のためには、在宅医療等で対応する者について、医療・ 介護サービス提供体制の対応の方針を早期に示すことが求められている。
  • 一方、介護療養病床については、平成29年度末で廃止が予定されているが、 医療ニーズの高い入所者の割合が増加している中で、今後、これらの方々を 介護サービスの中でどのように受け止めていくのか等が課題となっている。
  • このため、慢性期の医療ニーズに対応する今後の医療・介護サービス提供体制について、療養病床の在り方をはじめ、具体的な改革の選択肢の整理等を行うため、本検討会を開催する。

検討事項

  1. 介護療養病床を含む療養病床の今後の在り方
  2. 慢性期の医療・介護ニーズに対応するための(1)以外の医療・介護サービス提供体制の在り方



続いて、論点のたたき台(事務局である厚生労働省が出したもの)です。

具体的な改革の選択肢の整理等にあたってご議論いただきたい論点(たたき台)

  1. 慢性期医療の在り方について
    今後の超高齢社会では、複数の疾患を持ち、医療と介護のニーズを併せ持つ高齢者が増加していくが、慢性期医療には急性期医療とは異なる役割があること等を踏まえ、今後の慢性期医療の在り方についてどのように考えるか。

    例えば、次のような視点について、どのように考えるか。
    ・ 病気と共存しながらQOLの維持・向上を目指す医療
    ・ 病気を治すだけでなく、本人や家族の意向も踏まえ、患者の生活全体を視野に入れた「治し、支える」医療
    ・ 尊厳をもって人生の最終段階を迎えることを支える医療 等

  2. 慢性期医療の提供体制等の在り方について
    (1)医療提供側に求められる機能の在り方
    今後の慢性期医療の在り方を踏まえ、医療提供側に求められる機能には、どのようなものがあるか。

    (2)医療提供形態の在り方
    上記(1)の機能を果たすための医療提供形態の在り方としては、「療養病床のように、 医療スタッフを内包して提供する形」と、「在宅医療のように、住まいを拠点として医療を 外から提供する形」に大別されるが、それぞれの提供形態の在り方や、選択肢を考える上 での条件等(患者像等)についてどのように考えるか。

    (3)療養病床における医療等の在り方
    上記(1)(2)の論点も踏まえつつ、療養病床において主として対応することが求めら れる患者像についてどのように考えるか。

    また、患者像を踏まえた療養病床における医療の在り方について、どのように考えるか。 その際、例えば、次のような視点や慢性期医療の役割等を踏まえて、どのように考えるか。

    ・ 病気と共存しながらQOLの維持・向上が図られるよう、在宅復帰や在宅生活の継 続を支援する
    ・ 継続的な医学管理を行い、人生の最終段階においても穏やかな看取りを支える 等

    さらに、上記を踏まえた以下のような論点について、どのように考えるか。
    1 人員体制の在り方
    2 施設や設備の在り方
    3 制度上の位置付けの在り方(医療法、介護保険法、報酬制度等)
    4 基盤整備計画上の位置付け(医療計画、介護保険事業計画)や施設等の整備に対する財政支援の在り方

    (4)療養病床以外の医療・介護サービス提供体制の在り方
    切れ目なく、医療・介護サービスを提供する上で、療養病床における医療等の在り方も踏まえ、慢性期の医療・介護ニーズに対応するための、療養病床以外の医療・介護サービス提供体制の在り方について、どのように考えるか。

明日以降、どうか新聞各紙やメディアがこの検討会とテーマについて取り上げてくれることを願っています。

市民のみなさまにとって、かつてフジノがそうであったように体験するまでは自分にとっては縁のない遠い世界のお話に過ぎません。

けれども、もしも自分と自分の家族にふりかかった場合(この先、2050年までは誰の身にもいつでも起こるでしょう)、本当に重要なテーマだということを誰もが痛感させられることになります。

日常生活の中では極めてマイナーで、誰も関心を持たないことがらです。

けれども、2025年〜2050年を見据えていくのが仕事のフジノにとっては、最重要政策のひとつです。

反対すべきことには徹底して反対していくとともに、これからの『エンド・オブ・ライフ・ケア』『クオリティ・オブ・デス』の在るべき姿を求めてしっかりと議論がなされるようにしていきたいです。

これからも情報発信をしていきます!



社会保障の在り方そのものを変えていく為に学んだ半年間でした。修了証も頂きました/「医療福祉の転換~地域包括ケアシステムの構築へ~」

「医療福祉の転換~地域包括ケアシステムの構築へ~」最終日でした

夕方から、東京・青山一丁目の国際医療福祉大学大学院に向かいました。

4月14日から半年間にわたって毎週土曜日の夜は大学院で聴講してきたのですが、ついに今夜で最終回となりました。

国際医療福祉大学大学院前にて

国際医療福祉大学大学院前にて


今のフジノには「どうしても学ぶべき必然性があった」ので振り返ると、本当に感慨深い半年間でした。



政治家フジノの「ライフワーク」が増えた理由

10年前、フジノが政治家に転職した理由は、2つのことを実現する為でした。

  1. 対策が存在しなかった『自殺対策』を新たに創りだす為

  2. 質・量ともに圧倒的に不足している『精神保健福祉』を向上させる為

この2つへの想いが2003年にフジノを選挙に立候補させました。

政治家としての日々の中で全力を尽くしている政策は他にもいくつもあるのですが、『自殺対策』と『精神保健福祉』は僕にとっては特別なのです。

政治家でなくなっても、どんな立場に変わったとしても、これからの人生を賭けてずっと取り組んでいく『ライフワーク』なのです。

その『ライフワーク』は、当選の翌年に3つに増えました。

2004年12月、父が脳梗塞によって植物状態になってしまったことがきっかけで、新たに『高齢者福祉』についてむさぼるように学ぶようになりました。

高齢者の保健医療福祉について、全ては頭の中で『知識』としては知っていたことなのに、僕は自分自身が体験して、改めてその苦しさを痛感させられました。本当に苦しいことばかりでした。

「手術をしても助からない可能性が高い」

と言われた手術を終えて、あまりにも急なことに気が動転している中で詳しいことも分からないままに、胃ろうの造設や経管栄養を行なうようにドクターに言われるがままに家族として判断をせざるをえなかったこと。

障害者手帳の申請や、生命保険の一時金の申請、介護認定の申請、市役所のあらゆる窓口を駆けずり回ったこと。

3ヶ月が経つとすぐに退院を迫られて自宅で介護をするのか、特別養護老人ホームや療養病床に受け入れてもらえないか、悩みぬいて苦しんだこと。

施設への入所を決めた後も、全く受け入れ先が見つからなかったこと。すさまじい数の待機者がいることを改めて痛感させられたこと。

疲弊しきった家族は心身がボロボロになって家族が倒れたり、入院したりが続いたこと。

そんな時、助けてくれるはずの市役所の相談窓口も、病院の相談室も、何も有効な相談相手にはなってもらえなかったこと。

長期の入院は、医療費以外にも出費がすさまじくて、僕はどんどん借金をしなければ入院費をまかなえなかったこと。

高齢者福祉には、こうした問題がずっと昔から存在していて、しかも今も状況は全く変わっていないことを体験しました。

こうして『高齢者福祉』は『ライフワーク』になりました。

政治家としてこの現実を絶対に変えなければいけないし、家族として父を取り巻く現実を変えなければいけないのです。

最終回の講師は高橋紘士先生ご自身です

最終回の講師は高橋紘士先生ご自身です


植物状態の父との8年間の日々を通して直面した問題に1つ1つ取り組んでいくうちに、その背後に、全てに共通している根っこが見えてきました。

それは、知れば知るほど、学べば学ぶほどにハッキリと見えてきました。

このままの政治・行政が続く限りは、僕と僕の父のような問題はむしろ避けることはできない。むしろ、この先もっと爆発的に増えていかざるをえない、ということが分かりました。

その理由は、

この先わずか30年のうちに人口やその構造が急激に変化していくから

です。

もはや完全に日本社会は変わってしまうのです。

コメントする武藤正樹教授

コメントする武藤正樹教授


それにもかかわらず、確実にやってくるその変化に対応する為の準備はほとんどなされていません。

現在の福祉政策の多くは、戦後60年間続いてきた経済社会状況の古い枠組みの中で、その場しのぎのやりとりをしているに過ぎないのです。

今の日本の社会保障制度のままでは、僕と僕の父よりももっともっと悲惨な状況を味わう人々が凄まじい勢いで爆発的に増えていくことを避けることはできないのです。

『社会保障制度の在り方』そのものを変えていかなければならない。

そんな『危機感』がフジノの中でどんどん強くなってきました。

こうして、『社会保障の在り方』そのものについて取り組むことが4つ目の『ライフワーク』なのだ、と考えるようになりました。



「ライフワーク」の政策に徹底して専念していくと改めて決意しました

3期目に立候補するにあたって、選挙ではそうした『想い』を率直に語ってきました。

しかし、実際には当選直後から今年3月末までは『震災対応』と『原子力事故』に関する仕事にひたすら追われていました。

そして、あっという間に1年間が過ぎていきました。

もちろん、『震災対応』も『原子力事故』に関する仕事も大切です。

けれども僕は

「自分の能力や心身のキャパシティを考えると自分の成すべきことを絞らなければならない」

と感じました。

「いくつもいくつも抱えすぎているテーマをリセットしなければならない」

とハッキリと思いました。

次から次へと相談を受けるがままに取り組んでいくだけでは自分はすり減っていくばかりで、本来成すべきことを実現できなくなってしまう。

僕が政治家として成すべきことは4つ。

そもそもこの4つだけでも、あまりにも大きすぎるテーマなのだ。

この4つだけに専念しよう、そう決心しました。

「その決心に忠実である為に僕は学ばなければならない」

と感じました。

2030年、2050年に向けて、今までとは全く違う社会構造の中で『地域保健医療福祉』を推進する為にもっと深く学ぶことが必要だと痛感してきました。

そして、これまで読んできた文献や、傍聴を続けてきた国の審議会などで強い関心のあった先生方から直接に学ぶ機会を得る為に、この半年間の講座を受講することにしたのです。

 半年間、通い続けることができて本当に良かったです。

修了証も頂きました

修了証も頂きました


『震災対応』と『原発事故』関連の課題への対応に奔走してきた昨年1年間のフジノのことを応援してきた」

という方々からはたくさんのひんしゅくを買うことになるのかもしれません。

けれどもフジノは本来のテーマに戻って、自分が今成すべきだと信じることに専念していきたいと考えています。

今、聴講を始める前よりもあらゆることを学んで、より一層、『危機感』は強くなりました。

学んだ成果はすでに本会議や委員会での質疑にどんどん反映しているつもりです。

さらに学び続けて、フジノはフジノが成すべきことをしっかりと1つずつ実現していきます。

どうか市民のみなさまには、そんなフジノの活動を信じて見守っていていただきたいです。



2012年3月23日・予算決算常任委員会での討論(議案15号への賛成討論)

特別会計国民健康保険費予算への賛成討論

議案第15号・横須賀市特別会計国民健康保険費予算に対して、賛成する立場からの討論を行ないます。




これまで僕は、2008年度から3年間にわたって特別会計国民健康保険費の予算決算全てに反対を続けてきました。

それをこのたび2012年度予算案では賛成へと立場を変えるに至った理由を表明したいと思います。

まず、これまで反対し続けてきた理由を申し上げますと

2009年3月3日本会議での反対討論において述べたとおり

1款3項3目『病床転換支援金』の存在に反対だからです。

国は、入院治療の必要が無いにもかかわらず退院することができない、いわゆる『社会的入院』の状態のご高齢の方々が減らないのは、全国に35万ベットある『療養病床』がいけないのだと決めつけました。

そして、『療養病床の再編』という政策を打ち出して、医療保険型の『療養病床』はその数を減らし、介護保険型の『療養病床』は制度そのものを廃止してしまうことにしました。

(厚生労働省の資料より)



その方法として、『療養病床』を老人保健施設や特別養護老人ホームへと転換させる為に『病床転換助成事業』を国は始めました。

『療養病床』を他の施設に転換する医療機関に対して財政的に支援して、交付金を出すのです。

この交付金の財源を生み出す為に作られたのが、僕が問題視してきた『病床転換支援金』です。

(厚生労働省の資料より)


2008年4月から『高齢者の医療の確保に関する法律』によって、国は、全ての保険者に対して「病床転換支援金」を社会保険診療報酬支払基金へ拠出するように義務づけました。

その為、本市の国民健康保険からも毎年、「病床転換支援金」を支出してきたのです。

しかし、そもそも「療養病床」は悪ではありません。

僕は、みずからの家族の入院を通して体験した現実の「療養病床」の姿やたくさんの同じ境遇の方々との出会いを通じて、いかに「療養病床」が必要なものであるかを確信しています。

『療養病床』は『社会的入院』を生み出しているどころか、脳出血や様々な障がいによって植物状態などの慢性期になりながらも必死に生きているたくさんの人々の大切な受け皿になっています。

問題なのはむしろ、そうした重度の方々が住みなれた地域や自宅では決して暮らすことができない、在宅サービスの圧倒的な不足や地域包括ケアが実現していない国の福祉への取り組み不足にこそあるのです。




国が『療養病床』をターゲットにしたのは医療費を抑制したいという単なる財政の観点からであったことは、すでに、決定に関与した元官僚の発言や多くの研究から明らかになっています。

地域での受け皿が全く整備されていないままに『療養病床』を無くせば、今以上に多くの『介護難民』を国が生み出すことになります。

それは介護保険制度を設立したときの理念にも反して、家族による介護を固定化・永続化するもので、方針として全く間違った政策です。

また、僕たちが暮らしている神奈川県の現状について言えば、そもそも人口あたりの「療養病床」の数は全国で最も少ないのです。

『神奈川県医療費適正化計画』によれば、人口10万人あたりの療養病床数は全国では281.2床に対して、神奈川県は142.7床と全都道府県の中で最も少ないのです。

(神奈川県医療費適正化計画より)



さらに「療養病床」に入院しておられる方々は重度の方々が多く、国の指摘するような「社会的入院」の状態とは全く逆であることが県のデータから明らかになっています。

「療養病床」は必要な存在であり、むしろ国がすすめてきた「療養病床」を廃止する為の「病床転換支援事業」こそが間違っています。

こうした信念に基づいて、僕は2009年3月の反対討論で、例え国の方針に基づくものであるとは言えども本市の国民健康保険費に本来あるべきではない「病床転換支援金」が計上される限りは今後、全ての予算・決算案に反対していくことを表明しました。

実際に、横須賀市は2008年度は300万円、2009年度は450万円、2010年度は310万円を「病床転換支援金」として計上した為、僕は反対をしてきました。

(2010年度・国民健康保険費・当初予算説明資料より)


これがこれまでの経緯です。

続いて、その後の状況変化について申し上げます。

2010年12月に厚生労働省が発表したのですが「療養病床」の転換が見込みよりも進まなかった為に交付金は、ほとんど使われることがありませんでした。

保険者から集めた「病床転換支援金」をプールしている社会保険診療報酬支払基金にはなんと65億円もの剰余金が生じていることが判明しました。

この為、厚生労働省は「病床転換支援金」の徴収を2010年度分から停止しました。

横須賀市も2010年度当初予算案で計上していた310万円を補正予算でマイナスをかけて、支出ゼロにしました。

翌年2011年度は、横須賀市は当初予算案の段階から「病床転換支援金」を計上しませんでした。

さらにこの予算議会に提案された2012年度当初予算案においても「病床転換支援金」は計上しませんでした。

ただ、国はこれまでの方針を変えること無く、2012年度以降は新たな介護療養病床の設置は認めないこととし、さらに現在存在するものについては期限を6年間延長して、2017年度末までに廃止することとしています。

このような国の方針としての問題は残っていますが、本市に限って言えば予算計上がなされなくなった以上、国の間違った政策である「病床転換支援事業」に横須賀市が加担している形式的事実は存在しなくなりました。

さらに、この予算議会に福祉部から報告された「第5期介護保険事業計画」において計画期間中の介護保険3施設の整備計画が発表されましたが

本市は3年後も「介護療養型医療施設」のベット数は現在のベット数を維持して、変わらず90床のままとされました。

(第5期介護保険事業計画より)



国は2017年度末で廃止すると主張しているものの、本市は少なくとも2014年度までの3年間は「療養病床」を廃止したり転換を進めることはない、という姿勢が明確になりました。

今後、国は「療養病床」の廃止に向けてさらに追加的支援策を講じるとのことですが、その具体的な指示は一切なされておらず、現時点で本市の2012年度予算案には反映されていません。

このように、2つの状況の変化から、

つまり

  1. 2012年度予算案に「病床転換支援金」が計上されなかったこと
  2. 第5期介護保険事業計画において介護療養型医療施設のベット数を減らさないと明記されたこと

から、これまで反対してきた理由が存在しなくなったと判断するに至りました。



そこでこれまでの立場を変えて、新年度予算案には賛成することにいたしました。

以上をもちまして、議案第15号への賛成討論とします。

ありがとうございました。



2010年10月1日・本会議での討論(決算へ不認定の立場から)

藤野英明です。

議案87号・88号・94号の3つの決算議案の認定に対して、反対の立場から討論を行ないます。

決算に不認定の立場から討論するフジノ


3つの議案に反対する理由は全て共通しています。

この決算のもととなる平成21年度当初予算案に対して、平成21年3月5日の本会議の場で反対の立場から討論で僕はこのように述べました。

地方分権の時代においては、国や県よりも横須賀市がやるべきことは、横須賀市に権限と予算を返してもらう。

より市民の皆様に近い存在である横須賀市が行うほうが、もっとスピーディーに、もっと柔軟に、もっとよい取り組みができることは、国でも県でもなく、我が横須賀市が行うのです。

このように述べた立場から今回の決算審議に臨みましたが、その想いを強くせざるをえず、特に3議案に反対します。

それは、

政府によって決められた制度や財政支出であるとは言え、横須賀市がそれにくみして事務執行をすることは市民の利益を大きく損なうことにつながる

という点です。

国が決めた制度、国が決めた緊急経済対策、国が決めた補助金、それらを政府が決めたことだからといって、横須賀市が反論せずにただ受け入れ続けていけば、最終的には市民のみなさまが大きなダメージを受けることがあります。

これが決算審議を通して今回強く感じたことでした。

本会議場にて反対討論に立つフジノ



特別会計「後期高齢者医療費歳入歳出決算」への反対討論

まず、議案第94号『特別会計の後期高齢者医療費歳入歳出決算』についてです。

後期高齢者医療制度を導入した目的は、

これからの超高齢社会において、高齢者に一定の保険料を負担してもらうことで医療費を安定的に支えること、高齢者と若い世代が公平に医療費を負担することによって、高齢者に対する医療介護サービスの質を維持・向上させることだ

と政府は説明してきました。

しかし、実際に導入から2年間の決算を見てきましたが、そのまま『老人保健制度』を継続してきた場合を想定した推計と比べても、導入の目的であった効果が得られたとは全く言えません。

特に、高齢者に対する医療・介護サービスの質が維持・向上されたと感じている方はいるでしょうか。

むしろ、不十分だと感じておられる方々が大半ではないのでしょうか。

制度そのものに疑問を抱いてその導入に反対してきましたが、決算の結果からも改めてその想いを強めました。

したがって、決算議案も不認定とします。

後期高齢者医療費決算に反対討論を行ないました



特別会計「国民健康保険費歳入歳出決算」への反対討論

続いて、議案第88号『特別会計国民健康保険費歳入歳出決算』についてです。

政府がすすめてきた『療養病床』の廃止をすすめる為に、国民健康保険からも『病床転換支援金』を支出することが求められており、本市もこの決算において424万4638円を支払いました。

医療が高度に発展したことで長寿が可能となった日本ではありますが

「どのように生きるか」
 
「どのように死ぬのか」

という議論は、いまだ熟していません。

例え、脳こうそくなどによる全身の麻痺などから全介助が必要で、気管切開・経管栄養によって何とか命をながらえている状態だとしても、

ご家族は精神的・肉体的・金銭的にも重い負担に苦しみつつも見捨てることはできません。

現実には、『療養病床』での暮らしが唯一の生きる場である方々は非常に多く、また、入院や転院を待っている待機者もとても多く存在しています。

介護するご家族も大変に苦しんでいます。
 
『療養病床』はとても大切なライフラインになっています。

そのような中で、受け皿の整備が全く不十分なままに財政の観点からのみで『療養病床』の廃止をすすめるということは、政治と行政が高齢者とそのご家族を見殺しにすることと同じです。

したがって、『療養病床』の廃止をすすめる為の支出である『病床転換支援金』が計上される限り、僕は国民健康保険会計の予算決算の全てに反対します。


国民健康保険費歳入歳出決算に不認定の討論をしました

一般会計歳入歳出決算を不認定とする立場からの討論

続いて、議案第87号、平成21年度の『一般会計歳入歳出決算』を不認定とする理由を申し上げます。

平成21年度中は非常に厳しい経済危機に襲われました。

そこで政府は様々な緊急経済対策を補正予算で打ち出しました。

横須賀市にも国から何種類もの補助金が交付されました。
 
例えば、

  

  • 地域活性化・生活対策臨時交付金が2億4068万3000円

  • 地域活性化・経済危機対策臨時交付金が3億6670万円

  • 地域活性化・公共投資臨時交付金が1億9442万3000円

などです。

本市は財政がとても厳しい折ですから、「少しでも多くの財源を確保する為には国からの補助は受けられる限り多く受けるように」という方針をとっています。

しかし、政府が打ち出したメニューのほとんどが「場当たり的」で、「経済対策」にもならなければ「雇用対策」にもなっていません。

具体例を挙げれば、『緊急雇用創出事業』という名前の補助があります。

あらゆる部署で使われた補助金ですが、市民の方々数十名を『臨時職員』として6か月以内の間だけ雇用するものです。

雇用されたとしてもそのほとんどが「単純作業」をこなすだけで、今後の就職に役立つような「スキル」が身に着くことはなく、『雇用を創出する』という目的とは異なって、効果は「極めて限定的」でした。

こうした国からの補助金というのは、結局は『市民のみなさまの税金』です。

『国税』か『地方税』かの違いは法的なものに過ぎず、全て税金であることに変わりはありません。

こうした効果のない補助金をうけとって横須賀市がそれを垂れ流していれば、政府と同じく税金のムダづかいです。

もう1つ具体例を挙げれば、『グリーンニューディール基金』の創設です。

中核市である横須賀市は8780万円の国庫補助を受けました。

しかし、政府の無理なスケジュールで作られた基金なので、平成21年度は補助をうけとって貯金しただけです。

経済というのはおカネが循環しなければ意味がありませんが、この8780万円というのは政府がただ横須賀市に渡しただけで、生きたおカネの使われ方では全くありませんでした。

こうした補助の垂れ流しが全国で行なわれているのですから、最終的な税金の無駄づかいは相当な額にのぼるはずです。

決算審査を通してすでに申し上げたことですが、これらをはねかえせるのは『現場に最も近い市町村の生の声だけ』です。

本当に役に立つ税金の使い道は何なのか、どのような補助であれば本当に効果的なものとなるのか、横須賀市はそれを政府にぶつけていかなければなりません。

「国が示したメニューだから」「財源は国だから」「国が使えと言ったから」という発想で横須賀市がムダな補助を使いつづけていれば、それは大きな損失を市民のみなさまに与えます。

ここでは例を挙げきれないほどに、今回の一般会計においてもそうしたケースが非常に多く見られました。

特別会計で指摘した後期高齢者医療制度や『療養病床の廃止』についても全く同じです。

何が本当に市民の利益になるかは政府ではなく、横須賀市のことは横須賀市こそが知っているはずです。

横須賀市はそれを実行しなければいけません。

一般会計歳入歳出決算へ不認定の立場から討論しました


ぜひこの点を改善していくべきだと強く指摘して、僕の反対討論とします。


(フジノの反対討論は以上です)



横須賀市議会の採決の結果

これらの決算議案はフジノと想いとは逆に、市議会で「認定」とされました。

大変に残念です。



「療養病床の廃止」の凍結が国会で明言されました!/衆議院予算委員会で長妻昭厚生労働大臣が答弁

「療養病床の廃止」の凍結が国会で明言されました!

国会では、予算委員会がスタートしました!

今年の夏の衆議院選挙では、あらゆる政党のマニフェストをフジノは徹底的に読み込みましたが

民主党のマニフェストの中には下の画像のように

『当面、療養病床削減計画を凍結し、必要な病床数を確保する』

という政策が記されていました。

民主党マニフェスト・P25より

民主党マニフェスト・P25より


フジノはこの政策に大賛成です。

横粂勝仁さん(現在・代議士)の選挙を支援をする中でも、マニフェストのこの部分についてはフジノの街頭演説でも何度もとりあげました。

政権交代がなされた今、一刻も早くこのマニフェストを実現してほしい!

そう強く願ってきました。

それが今日の予算委員会での平岡秀夫さんと長妻厚生労働大臣との質疑の中で

「療養病棟の削減計画は凍結する」

という主旨の答弁がなされたのです。これは快挙です!

もちろん、マニフェストで契約したのですから当然ですし、国会答弁はただの答弁でしかなく実行されなければ意味はありません。

けれども、フジノのように植物状態(遷延性意識障害)の父がいるような家庭にとってはつまり、全国にすさまじく多い介護難民のみなさまにとっては大きな、とてつもなく大きな一歩です。

新しい政府には、一刻も早い対応を実行してほしいです。可能な限り、早く!とにかく早く!

いのちがかかっているのです!



ひるがえって横須賀の現状はどうか?/あまりにも多い待機者数

さて、新しい中央政府は新たな方針を打ち出しましたが、地方政府である横須賀市の現状は、どうでしょうか。

この問題を、政治家としてフジノはしつこくずっと追い続けてきました。

蒲谷前市長に対しても厳しく追及してきましたし、それは吉田新市長に対しても同様です。

いのちがかかっている問題だからです

特に、横須賀市内には介護療養病床がたった90ベットしかありません。

その為に、本来ならば、療養病床でのケアが必要な方々も、しかたがなく全く別の施設なのですが『特別養護老人ホーム』への入所を申請しているという実態があります。

では、この特別養護老人ホームへの待機をしている方々がどれくらい多いかといえば、2,072人にものぼるのです。
 (この中には、フジノの父も入っています)

さらに、2,072名の方々のうち、特に重度の方々は1,402人にものぼるのです。
 (フジノの父もここに入っています)

この2つのデータは2008年4月1日現在です。

さらに、少し古いデータなのですが、平均的な入所への待機期間は2年3ヶ月にもなるのです。

けれども、特別養護老人ホームでは、フジノの父のような、気管切開(のどに穴をあけてタンの吸引をしている方)であったり、経管栄養(胃に穴をあけて点滴のように栄養を送り込んでいる方)であったりという方々は、絶対に受け入れてはくれません。

旧政権の明らかな政治の失敗によって、このまちにも、『介護難民』があふれているのです。

吉田市長のマニフェストには特別養護老人ホームの待機者数を減らすことがはっきりと記されています。

しかも、前回の9月議会でのフジノの質疑に対して、「待機をしている方々は本当はどのような方々なのかを精査したい」と答弁してくれました。

待機者2,072人の中には、絶対に

  • 知的障がいのある方々が高齢になった今、受け入れてもらえていない

  • 父のように本来は療養病床が担当すべき人が受け入れてもらえていない

という現実があるはずなのです。

単に、要介護度3以上が重度という扱いで重度の待機者は1,402名です、なんてデータは使いものになりません。

本当に必要なのはどのような介護サービスなのか。どのような施設が本当は求められているのか。

  • 第1に、待機者を減らすことは今すぐ徹底的に行なうべきです。

  • 第2に、待機している方々の本当のニーズに応じた対応をなすべきです。

政治・行政の方針ひとつで救うことができるいのちをあっけなく失わせることができます。

本来、政治というのは、いのちをまもることが最大の仕事のはずです。

中央政府も地方政府もこの当たり前のことをしっかり進めるように

フジノだけでなく、どうか市民のみなさま、あなたも一緒に厳しくチェックをしつづけてください。お願いします!



後日談

翌日の新聞にも大きく掲載されました。

2009年11月3日・東京新聞より

2009年11月3日・東京新聞より

介護療養病床の廃止『凍結』
実態調査踏まえ判断

長妻昭厚生労働相は2日の衆院予算委員会で、慢性疾患の高齢者が長期入院する介護型療養病床について、2012年3月末までの廃止方針を凍結する考えを明らかにした。

療養病床が削減された場合、入所者は特別養護老人ホームなど別の介護保険施設に移されると説明した上で

「受け入れ側のベッド数がどうなっているか議論が整理されないまま社会問題になっている。凍結しようと考えている」

と表明した。

また長妻氏は、事務方に実態調査を指示した。

廃止凍結など方針見直しには医療制度改革関連法(06年6月成立)の改正が必要だが、同氏は実態調査を踏まえた上で判断する考え。

予算委で長妻氏は

「法律で『廃止』となっているが、(時期を)猶予することも含め検討したい。患者が本来受けるべき介護、医療となるよう丁寧にやりたい」

とした。

社会保障費抑制の一環として自公政権下で決まった療養病床削減は、介護保険適用の介護型(今年6月時点で約9万床)を老人保健施設などに転換させた上で全廃し、医療保険適用の医療型(同約26万床)を22万床まで減らす計画。

「多くの高齢者が、必要なケアを受けられない医療・介護難民になる」

などの批判が上がっていた。

民主党は政権公約で

「削減計画を凍結し、必要な病床数を確保する」としている。

(引用おわり)