医療的ケア児や医療依存度が高いこどもたちと保護者を守る「小児在宅ケア」体制づくりの必要性を訴えたフジノの質問が載っています/「よこすか市議会だより」No.28が発行されました

「よこすか市議会だより」、けさ発行されました

本日5月11日、『よこすか市議会だより』が発行されました。

2018年5月11日発行「よこすか市議会だより」表紙より

2018年5月11日発行「よこすか市議会だより」表紙より


新聞各紙に折り込みされて、横須賀市議会ホームページにも掲載されました。

あなたのお手元にも届いていますか?



生まれ変わった「広報公聴会議」

『よこすか市議会だより』は、『広報公聴会議』の委員のみなさま(もちろん全員が議員です)が全ての作業を行ない、年4回、発行しています。

この前身の『議会だより編集委員会』にフジノもかつては所属していたことがあるのですが、当時は年1回の発行でした。

しかし『議会改革』の取り組みの1つとして、単なる議会だよりの発行機関から、現在は新たに『広報公聴会議』へと生まれ変わりました。

『広報』(広く市民のみなさまにお伝えする)と『公聴』(市民のみなさまのご意見を広くお聴きする)の2つの機能を持つ組織です。

『広報』の取り組みとしては主に2つです。『議会だより』の発行と『議会報告会』によって情報発信を行なうことです。

『公聴』の取り組みとしては、昨年度から新たに『議会報告会』の第2部において、参加者の方々との意見交換を行なうようになりました。ここでの声は『政策検討会議』へフィードバックされます。

フジノも所属している『政策検討会議』では、『広報公聴会議』で集約された参加者のご意見を政策形成に反映していくことになります。

『政策検討会議』と並んで『広報公聴会議』はとても重要な議会改革の取り組みなのです。



「1記事260文字まで」「掲載は年2回まで」が「市議会だより」のルールです

さて、『市議会だより』についてです。

市民の方から

「今回は『市議会だより』に載ってなかったけど質問しなかったの?」

と尋ねられることがありますが、決してそんなことはありません。

フジノは『横須賀市議会の質問王』として、この15年間全ての本会議で質問を続けてきた唯一の議員ですから。

『市議会だより』は紙面が少ないので、発行のルールがあります。

市議会だよりの編集のルールより

市議会だよりの編集のルールより


年4回の発行のうち、2回だけ、質問を掲載することができます。

フジノは全ての本会議で質問をしますので年4回(年によっては年4回以上)質問をしますが、全ては掲載することができません。

また、文字数に260文字という制限があります。

記事を書くのは、市長へ一般質問を行なった本人がその部分を担当するルールです。

そしてフジノは2018年予算議会でもたくさんの質問を行ないましたから、どの質問を記事として書くか、今回もとても悩みました。

文字数の制限もありますので、絞りに絞って行なった一般質問の中からさらに最もどうしてもお伝えしたい事柄を選んで記事にしました。



フジノの記事は「小児在宅ケア」体制づくりを訴えた質問です

2018年予算議会でフジノが行なった質問の全文はこちらをご覧下さい。

これらの質問の中から記事に選んだのは、医療的ケア児や医療依存度が高いこどもたちの「小児在宅ケア」の体制づくりの必要性を訴えた質問です。

フジノの質問の記事「よこすか市議会だより」より

フジノの質問の記事「よこすか市議会だより」より


本会議で行なった質問は、実はとても長いです。

再質問でもこの質問に関連するやりとりに最も長い時間を使いました。

そこで260文字では表現しきれないとても強い想いを知っていただく為に、2018年予算議会・フジノの質問を改めて掲載します。

2018年3月1日・本会議・市長への質問

3.「小児在宅ケア」の仕組みづくりの必要性について

『復活3構想』実現の3つ目の柱『子育て・教育環境の再興』では、障がいのあるこどもへの取り組みも語られ、インクルーシブ教育の推進と支援教育の充実について市長は触れて下さいました。

しかし、障がいのあるこどもたちの中でも最も支援が必要な存在でありながら、これまで光の当たらなかった医療的ケアや医療依存度が高いこどもたち(以下、医療的ケア児)については触れられませんでした。

医療の進歩によってこれまで救えなかったこどもの命が助かるようになり、病気や障がいの為に24時間365日人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養等の医療的ケアが必要なこどもたちが増えています。

さらに近年、対象となるこどもたちは低年齢化しています。

そして、ご家族の暮らしは大変なご苦労の中にあります。

そこで、医療的ケア児が自宅で暮らしていかれる『小児在宅ケア』の推進について伺いたいと思います。

医療的ケア児の支援体制を質す藤野英明


平成28年5月、児童福祉法が改正されて、新たに第56条の6第2項が次のように追加されました。

「地方公共団体は、人工呼吸器を装着している障害児その他の日常生活を営むために医療を要する状態にある障害児が、その心身の状況に応じた適切な保健、医療、福祉その他の各関連分野の支援を受けられるよう、保健、医療、福祉その他の各関連分野の支援を行う機関との連絡調整を行うための体制の整備に関し必要な措置を講ずるように努めなければならない。」 

この条文によって、これまで日本の障害者の概念・定義に含まれていなかった『医療的ケア児』が初めて法的に位置付けられました。

この改正児童福祉法や診療報酬の改定において医療的ケア児に対する訪問看護が充実するなど、ようやく『小児在宅ケア』に注目が集まってきました。

一方、本市ではこれまでうわまち病院小児医療センターを中核とする取り組みが進められてきました。

さらに、地域において『小児在宅ケア』に取り組む医師・訪問看護・訪問介護・歯科医・薬剤師・リハビリなどが少しずつ増えつつあります。

そこで、今こそ『在宅療養連携会議』のこども版を立ち上げるべきです。

ご高齢の方々を対象とした本市の『在宅療養連携会議』の設置とその取り組みは、『地域包括ケア』の先進事例として全国に知られています。

しかし、残念ながらこの会議は、こどもたちを対象としていません。

かつて高齢者に関わる多職種が顔の見える関係になり、在宅療養に参画する医療・介護・福祉関係者が増えたように、『小児在宅ケア』を支える多職種が集まって、医療的ケア児とご家族が地域で安心して暮らしていかれる仕組みづくりをすべきです。

すでに『神奈川県小児等在宅医療推進会議』の取り組みや、県内でモデル事業に先行して取り組んできた茅ヶ崎・厚木・小田原の知見もあり、本市は今こそ取り組みを始めるべきです。

そこで伺います。

【質問22】
ご家族を筆頭に、『小児在宅ケア』に関わりのある保健、医療、福祉、教育その他各分野の方々と行政の担当各部局をメンバーとした新たな連絡調整の場を作り、定期的かつ継続的に開催していくべきではないでしょうか。

そして、退院支援、生活の場におけるケア、レスパイト、急変時の対応、看取りまで、意見交換や情報共有を行ない、顔の見える関係を作り、地域の課題を抽出し、解決への方策をともに考えていくべきではないでしょうか。


さらに、医療的ケア児の支援に関しては、高齢者福祉・介護保険でいうところのケアマネージャーにあたる存在がおらず、全国的に医療的ケア児に対する関係分野の支援を調整するコーディネーターの養成と配置が喫緊の課題となっています。

そこで伺います。

【質問23】
新年度、本市はコーディネーターの養成と配置の取り組みについてどのようにお考えでしょうか。お答え下さい。

市長の答弁

【答弁22】
次に、小児在宅ケアに関わりのある各分野の方々と行政の担当各部局をメンバーとした新たな連絡調整の場を作り、解決への方策を共に考えて行くべきではないかについです。

医療的ケア児が適切な支援を受けられるよう、おっしゃる通り、保健・医療・障害福祉・保育・教育等の関係機関による協議の場を平成30年度に設置します。

人工呼吸器等の使用や痰の吸引など医療的ケアを必要とする障害児が地域において必要な支援を円滑に受ける為には支援にあたる関係機関の連携が当然として欠かせないというふうに考えています。

お互いに顔の見える関係の中で実効性のある協議が行われるよう協議の場の具体的な運営形態や構成員等について関係機関とできるだけ早くに調整を図っていきたいと思います。


【答弁23】
次に、医療的ケア児に対する関係分野の支援を調整するコーディネーターの養成と配置が喫緊の課題だが本市は来年度はどのように取り組んでいくかについてです。

医療的ケア児の様々な課題に対応する為に相談支援専門員として関連分野の支援を調整するコーディネーターの配置を進めていくべきと考えます。

コーディネーターの養成事業が平成30年度から都道府県及び指定都市を実施主体として位置づけられましたので、県との連携を図りながら市内事業者へのコーディネーターの配置をぜひすすめていきたいと考えます。


(ここから一問一答形式での再質問を掲載します)

フジノの再質問

まず『小児在宅ケア』に関連して、「そもそも医療的ケア児の存在をどうお考えか?」ということを伺いたいと思っております。

何故こんな質問をするかと申しますと、2016年7月に相模原の津久井やまゆり園で19人もの重症心身障がいのある方を含め、多くの方々が殺された事件がありました。

「障がいのある方々は社会にとって要らない存在だ」というような、極めて許しがたい優生思想に基づいた殺人事件でした。

このことについて、「何で横須賀市議会は何も意見を言わないんだ!」というふうに言われて、僕自身も「何故、何も抗う意見表明をしないんだ」というふうに怒られましたが、

今まで自分たちがしてきたこと、市議会、行政、教育委員会、特に市立養護学校が行なってきたことなどをご覧いただければ、横須賀市は重症心身障がいのあるこどもたち、医療的ケアの必要なこどもたちを全力でこれまでも守ってきたし、これからも守っていく姿勢に何ら揺らぎはないと、そういうふうに思っている。

それを「わざわざ表明する必要は無い」と思い、僕はその時は言葉にはしませんでした。

ただ、そのように「言葉にしろ」というふうに求められたので、今回の質問はその意味も含めて行なわせていただきました。

市長のお考えを伺いたいんですが、まず僕自身の考えも言うべきだと思っています。

赤ちゃんができた。

しかし十月十日を待たずに生まれて、低出生体重児で、あるいは極低出生体重児として生まれたり、何らかの疾患や臓器への障がいがあって、出産後、お母さんに抱っこしていただく間も無く、看護師さんに取り上げられて、『NICU』に移す。

そして『医療的ケア』を受けなければならないというおこさんがいて、今後、確実に増えていきます。

何故かというと、初婚年齢が上がりました。

当然、初産の年齢も上がりました。

妊娠における様々なリスクは、残念ながら年齢が上がれば上昇してまいります。

医療依存度が高い赤ちゃんが生まれることもまた必然のことです。

もしかしたらすぐに亡くなってしまうかもしれない。

もしかしたら1年は生きられるかもしれない。

いつまで生きられるか分からない。

それでも親御さんは、1日でも長く生きてくれることを祈って止まないものだというふうに受け止めています。

そして政治・行政は、生きていかれる命を守るのは当たり前のことで、誰もが寿命なんて分からない中で、例え病気や障がいがあって生まれようと、『医療的ケア』が必要だとしても、その命が尽きる時まで生きていかれるように、全力で支援をすること。

そして、自己実現や教育の機会も提供することは、行政・政治の当然の責務だというふうに考えています。

これが僕の信念であり、やまゆり園事件の優生思想に対するアンチテーゼ、僕の想いです。

『医療的ケア』のあるこどもたちが大人になれば、やまゆり園にいたかもしれない。

横須賀の方はたまたまおられなかったということですが、もちろん自分のまちの問題としても受け止めております。

そんな中で、改めて質問をさせていただきます。

まず上地市長、『医療的ケア児』の存在についてどうお考えか、お聞かせ下さい。

上地市長の答弁

これは思想哲学も含めて、宗教も含めてという問題と、政治という問題というのは非常に密接に、難しい問題だと思っているんです。

私は個人的に、どんな方でも、命をいただた方っていうのは救わなければいけないのは、これは人間として、あるいは政治家として当然だというふうに思っています。

それは、DNA論ではありませんが、ここまで生存してきたというのは何らかの意味があって、ホモサピエンスとして存在してきたというのは理由があると思っています。

ですから、それを周りが、周囲が助けるというのは、どんな状態でもこれは当たり前の、これは人間として当然のことだと、まず思っています。

それが、天から与えられた命に対する我々の使命だというふうには感じて、まずそういう考えを持っています。

これは、宗教とか思想を超えて。それを言うとここではいけないので言いませんが。

その上で、政治が何ができるかということは、当然基本として考えなければいけないのは当たり前の話しです。

『医療的ケア児』だけではなくて、様々な障がいを持ったり、様々な貧困、差別、区別を受けてこられた方たちというのは、日本の歴史の中でも、これは長い歴史の中でも居ます。

それがどうやって権利を回復して、社会全体で捉えて何かをしていくということが、もし神様がいるならば、神が与えられた人間に対する試練、それを知らさせしめているのではないかといつも感じています。

ですから、政治の中ではこれは全力を尽くさなきゃいけない。

それは政治家の使命であるというふうに、少なくとも私は感じて生きてきましたし、今も感じるし、これからも生きていきたいというふうに思います。

フジノの再質問

ありがとうございます。

まさに「やまゆり園事件について本市のメッセージをお聞きしたい」と言っておられた方にも、政治・行政のメッセージは確かに届いたと思います。

天命というお言葉をいただきましたが、僕もまさに全く同じ想いでおります。

今は『信念』の部分について伺いましたが、『具体的な施策』の部分についてもう少し伺いたいと思います。

『子ども版在宅療養連携会議』という仮称で僕は呼びましたが、市長は「平成30年度中には設置をしていきたい」というふうにご答弁をいただきました。

重ねてのご提案になるんですが、「ぜひご家族を入れていただきたい」というふうにご提案します。

何故ならば、『在宅療養連携会議』というのは『サービスの提供者側』しか入っていないんです。

でも『医療的ケア児』のケアをしておられるのはプロの方々だけでは無くて、ほとんどご家族が24時間つきっきりになっていて、親であると同時に、保護者であると同時に、ケアの担い手でもある。

その方々のご意見を受けられる場、そういう場ができるのであればご家族は必ず入るべきだというふうに考えているんですが、ご検討いただけるでしょうか。

上地市長の答弁

ぜひ、おっしゃる通り検討していきたいというふうに思います。

フジノの再質問

続いて、『グリーフケア』『ビリーブメントケア』、ちょっと耳慣れない言葉で恐縮なんですが、の行政による取組みの強化について伺います。

生まれてすぐに亡くなってしまう『医療的ケア児』もいらっしゃいます。

残念ながら、全力を尽くしても1週間で亡くなる命もあれば、小児がんに7歳でなって半年で亡くなってしまうような方もおられる。

今は、この地域での体制の中で『協議会』をつくっていただく。

その中に「看取りについても入れてほしい」というふうに申し上げました。

生まれてすぐにこどもさんを亡くしてしまったお母さん・お父さん・保護者の方々のために、『天使ママの会』という民間の組織があるんですけれども、横須賀市も協力をして広報をしてくれていますが、年4回しか、やっぱり集まれない。

お母さん方・お父さん方、悲嘆の中に、悲しみに中におられて、自らも当事者として、ピア仲間・当事者仲間を支えようとしている。

これはやっぱりとってもご負担だと思うんです。

『グリーフケア』『ビリーブメントケア』と専門用語で言うんですが、この全く足りていない現状を支えていくのは、行政の一定の取組みが必要ではないかというふうに考えています。

かつて自殺対策に取り組んだ時、自死遺族の方々も語り合う場がありませんでした。

こどもが亡くなった。しかもなかなか他の多くのこどもたちとは違う状況の中で亡くなった。

そういった想いを語り合える場が必要だと思っているんです。

もちろん『天使ママの会』の活動も素晴らしいのですが、行政としても何らかの取り組みを行なうべきではないかと思うのですが、ご検討いただけないでしょうか。

上地市長の答弁

藤野議員はいつも人間の尊厳というところで、様々な場面でそういうところで活躍されていることはよく理解していますし、すごく大切なことだというふうに思っています。

ぜひ検討させていただきたい。

いろんな人生があって、いろんな方がいろんなもので苦しんでいるところを、どこまで行政がフォローするか。これはやっぱり永遠の課題だと思うんですね。

時代によって、いろんな不幸が生まれるし、差別が生まれるし、それをどうやって工夫していくかというのも、ひとつの人間の叡智というのかな、人類の叡智。

大仰な言い方かも分かりませんが、それに取り組んでいかなきゃいけないのは当然、民主主義の体幹だと思うんですね。

ですから、その辺は私も同じような視点で考えておりますので、ぜひ検討をさせて下さい。今はそういうふうにしか言えませんが。

フジノの再質問

行政がどこまで関わるべきか。

当然、社会資源、人的資源、財政的資源を考えねばならないんですが、先ほども申し上げた通りで、『医療的ケア児』の数はこれから上昇していきます。

そして、残念ながら亡くなるこどもの数も当然増えていく。

しかも絶対数で見ると少ない。

その中で、これから行政が対応するニーズは確実にあると思いますので、ご検討いただけるということですので、ぜひお願いしたいと思います。

『小児自宅ケア』に関連して、1点だけ知っていただきたいことがあります。

教育福祉常任委員会、昨年12月4日に行なった健康部との質疑で『PICU』をうわまち病院に新設するという議論を行ないました。

この件について報告など受けておられるでしょうか。

上地市長の答弁

『PICU』については聞いていないです。

フジノの再質問

実はぜひ知っていただきたいこと、『小児在宅ケア』に関連してぜひ知っていただきたいことなんです。

先日報道されましたが、我が国の『新生児の死亡率の低さ』は世界トップです。

しかし、『生まれた後の1歳〜4歳の小児の死亡率』は先進国の中ではアメリカに続いてワースト2位なんです。

『1歳〜4歳の死亡率』はワースト2位が日本です。

その原因として『PICU』、『ICU』の子ども版、『小児集中治療室』の整備不足があります。

全国的に『NICU』は増えてきました。

横須賀にも共済病院・うわまち病院にもあります。

しかし『PICU』は全国に40か所しか無く、24時間体制で救急受入れを行なっているのは10か所しかない。

これがもう「1歳から4歳の死亡率の高さの背景にある」とはっきり言われているんですね。

そのような現状がある中で、うわまち病院の指定管理者の選考の為の審査会で、うわまち病院を担いたいと応募をしてくれた地域医療振興協会は「『PICU』を作りたい」とプレゼンテーション資料に載せてきたんですね。

当然、僕としては『小児在宅ケア』に資するものですので、そして「ぜひ設置をして欲しい」という想いもあって、上地市長にも質疑をさせていただいた「うわまち病院がもしあの場所で建てかえをするなら、道路を拡幅して欲しい」と。救急車が一刻も早く入って欲しい。

そういうような想いもあってあの質疑をしたんですが、実際に『PICU』の整備のスケジュールなどを部局にお聞きしたところ、「あくまでプレゼンテーションで出された資料であって、話はあったが具体的なスケジュールは何も詰めてない」というお話だったんです。

でも、プレゼンテーションというのは指定管理者を選ぶ為のものであって、審査委員会の方は『PICU』を作るんだという想いもあって得点を投じているはずなんです。

ですから、別の答弁では「建てかえによる物理的な環境をクリアせねばならない。これから具体的に検討させていただきたい」と答弁があって、一定の理解はしたんですが、こうした議論があったこと。

そしてこれは『小児在宅ケア』のために大きく資するものであるので、健康部、そして地域医療振興協会とともに、こどもたちの命をより守れる病院になっていただくように議論をぜひ進めたいというというふうに指示をしていただけないでしょうか。

上地市長の答弁

その話を初めて聞いたんで、ちょっと内容を調査して、いろんな視点からちょっと検討をしてみたいというふうに思います。

フジノの再質問

ありがとうございます。

以上が本会議での質疑応答の引用でした。

つまり、記事には載せられなかった再質問では、こんなに新たな問題提起質疑を行なっていた訳です。

  • そもそも『医療的ケア』の必要があるこどもたちや医療依存度の高いこどもたちの存在をどう捉えているか

  • 重い障がいのある人は生きていてはならないといった『やまゆり園事件の加害者のような優生思想』に対して、横須賀はどのように対抗していくか

  • 『子ども版在宅療養連携会議』のメンバーには必ず家族をいれるべき必要性

  • 流産・死産・幼いこどもを亡くした天使ママ・天使パパ・遺族に対する『グリーフケア』『ビリーブメントケア』が全く足りていない現状を変える為に行政が取り組みを行なう必要性

  • 横須賀のこどもたちの命を守る為に、うわまち病院への『PICU』設置を推進する必要性

フジノは様々な観点から命に関わる大切な質問を行ないました。

そのほぼ全てに対して、上地市長はフジノと同じ考えを示してくれました(『PICU』に関しては議論の報告を受けていなかったので答弁できず)。

市長への質問というのは、1問目の原稿は議会側は渡しています。

それはしっかりとした答弁を作ってもらう為です。

しかし、再質問は全くのシナリオなしです。

上地市長とフジノの、本音のぶつかりあいです。

そこで上地市長は、重い障がいのあるこどもたちを守り育んでいくことは政治家の天命だとお答えになった。

優生思想は許されるべきではないとお答えになった。

『子ども版在宅療養連携会議』のメンバーには必ず家族を入れると答えて下さった。

流産・死産・幼いこどもたちを亡くした天使ママ・天使パパ・遺族の為に、現在は全く足りていない『グリーフケア』『ビリーブメントケア』に行政が取り組んでいく、と答えて下さった。

まさにフジノの目指す方向と上地市長の方向は同じです。

260文字の記事には載せられなかった、こうした上地市長とフジノの魂のぶつかりあいもぜひ知って下さいね。



「AIは保健・医療・福祉に大きな革新をもたらしうる」と感じました/横須賀の2040年を考える会・第3回学習会へ

「横須賀の2040年を考える会」と千場先生の存在

今日は、『横須賀の2040年を考える会』の学習会(第3回)に参加しました。

代表は、千場純先生。

横須賀市の『在宅療養連携会議』の座長であり、横須賀市医師会の副会長でもある方です。わがまちの地域包括ケア・在宅療養を推進する為に絶対に欠かせない、とても大切な存在です。

フジノは2013年からまだわずか4年の接点しかありませんが、立場を超えて、心から尊敬しています。

世間では、ほとんどの方々の問題意識は『2025年問題』までなのが実態だと思います。

しかし、千場先生はその先にある『2040年問題』に向けて取り組んでいく為に、この会を2016年に立ち上げました。

人口ボーナス期の後には必ず人口オーナス期がやってきます。

総務省資料より「人口オーナス期」

総務省資料より「人口オーナス期」


日本もすでに人口オーナス期に入っています。そのダメージが最も大きく出る可能性が高いのが2040年頃です。

社会保障や人口推計を専門とする研究者や政治家であれば、2040年へ目を向けることの重要性は痛いほど理解できます。フジノの場合は、大学院時代の指導教官が人口推計の重要性を叩き込んでくれました。

しかし、千場先生のように現場で闘っておられる方が(本当の最前線でいつも闘っておられます)、長期的視野に立ってこうした取り組みを進めておられることに、心から敬意を払わずにいられません。

毎日の目の前の暮らしで精一杯、明日もどうなるか分からない、ほとんどの人々はそうした生活の中にいます。20年以上も先の未来に向けて、考えたり行動を起こすのは、現実的に不可能だと思います。

だから、もしかしたら『早すぎる存在』として理解されないかもしれない。

フジノは、千場先生のことを敬意を込めて『炭鉱のカナリア』と呼ばせて頂いています。

でも、千葉先生のアクションは絶対に正しいです。



「AI」とフジノ、接点なさそう・・・

そんな千場先生が代表として立ち上げた会ですので、発足から毎回フジノも学習会に参加してきました。

しかし今回の学習会は・・・

予算議会のまっただなかで忙しくて身動きが取れない日程の中に開催されました。本音を言えば、委員会準備を優先したいところ。

さらに、テーマは『2040年のAI社会到来を考える』でした。

横須賀の2040年を考える会・第3回学習会

横須賀の2040年を考える会・第3回学習会


率直に

「ああ、このテーマには政治家としては全く関心がわかない」

「千場先生の思考が早すぎてついていかれない・・・」

と感じ、欠席してしまいたい気持ちもありました。

会場に着くと、満員だった過去2回とは異なってかなり空席が目立ちました。



先入観はくつがえされ、夢中になりました

しかし。

まず、基調講演。

独立行政法人経済産業研究所近藤恵介さんが『AI・ロボット時代における地域経済と雇用』をテーマにお話をして下さいました。

続いて、リレートークで3人がそれぞれの立場でお話をして下さいました。

行政の立場から、経済部経済企画課課長の蒲谷弘幸さん。

蒲谷弘幸さん(横須賀市・経済企画課長)の講演「横須賀市の産業経済の現状と将来について」

蒲谷弘幸さん(横須賀市・経済企画課長)の講演「横須賀市の産業経済の現状と将来について」


市民の立場から、山口義則さん(行政書士)。

山口義則さん(行政書士)による講演「AIと横須賀2040年の暮らし」

山口義則さん(行政書士)による講演「AIと横須賀2040年の暮らし」


医療の立場から、山下晃平さん(横須賀市医師会・理事)。

山下晃平さん(横須賀市医師会・理事)による講演「AIと医療」

山下晃平さん(横須賀市医師会・理事)による講演「AIと医療」


千場先生が閉会のあいさつに立つ頃には、フジノの考えは大きく変わっていました。

閉会のあいさつに立つ千場純先生

閉会のあいさつに立つ千場純先生


かなり明るい未来像がイメージできるようになりました。

『AI』は、保健・医療・福祉に大きく貢献してくれるはずです。

もちろん、根拠のない楽観はしません。倫理的な面からも、法整備の面からも、クリアせねばならない課題は莫大な量にのぼります。

けれども人口減少が進んでも、根拠のある楽観主義をもって生きていかれるくらいに、『AI』の発展が貢献してくれると感じるようになりました。

学習会の終了後には、控え室で近藤恵介さんと山口義則さんと3人で1時間も話し込んでしまいました(お忙しい中お二人とも本当にありがとうございます)。

横須賀の2040年を考える会

横須賀の2040年を考える会(第3回)終了後に。


『AI』とその発展について今後もっと吸収していきたい、そして政策に取り入れられる部分は提案していきたいと感じました。

それともう1つ。

目の前の苦しみや悲しみや問題と向き合って解決する為に働きながらも、より良い未来の為に長期的な視点で行動を続けていくことの大切さ。

このことを改めて千場先生から今日の学習会を通じて学んだ気がします。ありがとうございました。



医療的ケア児や医療依存度が高いこどもたちの「小児在宅ケア」の仕組みづくりの必要性/市長に行なう質問の発言通告書を紹介します(その3)2018年予算議会

前の記事から続いています)

3 「小児在宅ケア」の仕組みづくりの必要性について

施政方針では「子育て・教育環境の再興」として妊娠・出産・子育てに関する多様な取り組みが語られたが、子どもたちの中でも最も支援が必要な存在である医療的ケアや医療依存度が高いサポートが必要な子どもたち(医療的ケア児)について取り上げられなかった。

日常生活を送るために24時間365日の医療が必要な医療的ケア児、その御家族を支える体制づくりが必要だが、本市においても地域の医療、看護、福祉など多職種において少しずつ増えてきた。

今こそ「在宅療養連携会議」の子ども版を立ち上げて、多職種を顔の見える関係とし、「小児在宅ケア」に参画する人々をふやすための仕組みづくりが必要だ。

(1) 御家族を初め、「小児在宅ケア」に関わりのある保健、医療、福祉、教育その他各分野の方々と行政の担当各部局をメンバーとした新たな連絡調整の場を作り、定期的かつ継続的に開催すべきではないか。

そして、退院支援、生活の場におけるケア、レスパイト、急変時の対応、看取りまで顔の見える関係を作り、地域の課題を抽出し、意見交換や情報共有を行い、解決への方策をともに考えていくべきではないか。

(2) 医療的ケア児に対する関係分野の支援を調整するコーディネーターの養成と配置が喫緊の課題だが、本市は来年度どのように取り組んでいくのか。

フジノにとって、『医療的ケア』は父が12年間受けていたこともあり、本当に大切なテーマです。

医療的ケアの必要なご高齢の方々が市内の特別養護老人ホームで暮らしていかれる体制づくりをはじめ、様々な提案を行なってきました(最近ではこんな質疑もしました)。

父は60代で脳梗塞から医療的ケアが必要になりましたが、現在の日本ではいろいろな理由から生まれてすぐに医療的ケアが必要だったり、医療依存度が高いこどもたちが増えています。

医療的ケアの必要なこどもたち、医療依存度が高いこどもたちを守ることは、フジノの使命だと考えています。

これまでも本会議・委員会を問わず質疑を重ねてきましたが、昨年から今まで以上に強く取り組みを進めてきました(こんな質疑も行ないました)。

今年はさらに取り組みを進めていきます!

発言通告書は以上です。

フジノの質問は、3月1日に行ないます。



第7期の介護保険事業計画・高齢者保健福祉計画づくりが急ピッチで進められています/社会福祉審議会福祉専門部会

介護保険事業計画・高齢者保健福祉計画づくりが急ピッチで進んでいます

本日は、社会福祉審議会の福祉専門部会でした。

社会福祉審議会福祉専門部会の開場前にて

社会福祉審議会福祉専門部会の開場前にて


9月議会のまっただなかだからでしょうか、いつもなら傍聴にあと2〜3名の市議が居てくれるのですが、今日はフジノだけでした。

社会福祉審議会福祉専門部会の議事次第より

社会福祉審議会福祉専門部会の議事次第より


この部会では、3年に1度の大切な計画づくりが進められています。

2つの計画が一体となった『介護保険事業計画』と『高齢者保健福祉計画』の策定です。

地域包括ケア実現に向けた「第7期介護保険事業計画」の位置付け

地域包括ケア実現に向けた「第7期介護保険事業計画」の位置付け


現在が7期目(7回目の計画づくり)となります。

毎回アンケート調査を行なってから策定に入るのですが、今回もたくさんの方々にアンケートにご協力を頂きまして、誠にありがとうございました。

アンケート結果は議論の際に、しっかりと参照されて委員のみなさまは議論をしております。

本日話しあった部分

  1. 第7章「自分に合った環境で安心して暮らせるために」
     3 虐待の防止 ※前回からの継続審議
  2. 第6章 「地域で支え合い、住み慣れたまちで暮らせるために」
     2 要介護期の支え合いの仕組みづくり
  3. 第6章 「地域で支え合い、住み慣れたまちで暮らせるために」
     3 人生の最終段階における支え合いの仕組みづくり
  4. 第7章「自分に合った環境で安心して暮らせるために」
     1 住まい方の支援・施設等の充実
  5. 第8章 「安心してサービスを利用できるために」
     1 人材確保と定着促進
  6. 第8章「安心してサービスを利用できるために」
     2 給付の適正化

介護保険制度を守り、高齢の方々の暮らしを守ることはフジノにとって重要なテーマです。

計画づくりもずっと見守ってきましたが、毎回のことながら、本当に膨大な量です。事務局、そして委員のみなさまにはとても大変な作業だと思います。

市民のみなさまにとって大きな影響を与える計画なので、必ず傍聴し、議会でも質疑をすることにしています。

ありがたいことに計画の事務局原案には、今回もフジノの提案がいくつか盛り込まれています。

9月議会のまっただなかで明日からは委員会での質疑も始まりますが、とにかくしっかりとこちらの計画づくりの議論も注視していきたいです。

本日は短いブログで、報告も詳しく書けなくてごめんなさい。

明日からの教育福祉常任委員会での議案の審査・質疑、しっかり頑張ります。



2017年予算議会・個人質問

藤野英明です。よろしくお願いします。

2017年予算議会で市長への質疑に立つフジノ

1.IR誘致を推進する横浜市に対して、観光立市の実現を目指す本市の姿勢と今後の対応について

ギャンブル依存症に苦しんでいる人の割合は、海外では成人の約1%~2%と推計されています。

一方、厚生労働省研究班の調査によると我が国は他国と比べて圧倒的に多く、成人の5%にものぼると推計されています。

日本のギャンブル依存症の有病率は5.6%

日本のギャンブル依存症の有病率は5.6%


このように現在のパチンコ・競輪・競馬などへの対策も不十分なのに、さらにカジノ解禁となれば苦しむ人々を増やすだけであることから、カジノを含む統合型リゾート(以下、IR)に対して、僕は強く反対してきました。

政府はIR整備推進法を昨年12月26日に施行すると、今年1月6日には『IR区域整備推進本部』を立ち上げました。

さらに2017年度中に運営基準などを定めたIR実施法案を提出予定で、その成立後すぐに公募をはじめ、設置場所を選定する方針の為、全国の自治体でIR誘致の検討が進められています。

隣りまちの横浜市では、IR導入の検討を『横浜市中期4カ年計画2014-2017』や「横浜市 都心臨海部 再生マスタープラン」など行政計画に明記し、山下ふ頭の47ヘクタールを最有力候補地として誘致に向けた取り組みを進めてきました。

横浜市中期4か年計画2014-2017

横浜市中期4か年計画2014-2017


横浜商工会議所会頭は2月23日の会見でもIRの横浜誘致を積極的に推進していくと述べ、IR担当の副会頭も「横浜にIRは必要」と述べたと報じられました。

林横浜市長は市長選挙を前にIR誘致をトーンダウンしていますが、実際は本年度に続いて新年度予算案にもIR関連予算を計上しています。つまり再選されれば改めて推進を強く打ち出すと思われます。

本市は観光立市の実現を目指していますが、市内の魅力的な近代遺産を活かし、スポーツ大会や各種学会の誘致など観光客のみなさまに健全な喜びや豊かな経験を提供する方針であり、それはカジノとは正反対です。

横浜市によるIR誘致は本市にとって百害あって一利なしだと僕は考えています。

そこで伺います。

【質問1】
(1)市長はIRについて、特にカジノ解禁についてどのようにお考えでしょうか。


(→市長の答弁へ)


【質問2】
(2)横浜へのIR誘致が実現してしまえば、本市にもギャンブル依存症に苦しむ市民が増加するなどの被害が発生すると僕は考えています。

大きな影響を受ける隣まちの市長として、横浜市に方針転換して頂くよう積極的に意見を述べていくべきではないでしょうか。お答え下さい。


(→市長の答弁へ)



2.医療的ケアや延命治療を施されて、市外の病院や入所施設で暮らすことを余儀なくされている方々が、再び本市に帰って暮らせる体制づくりの必要性について

自宅での死亡率が人口20万人以上の都市の中では、本市が全国トップであると自慢げに市長が語る機会に僕は何度か立ち合いました。

その際、きまって市長は気管切開や経管栄養などの医療的ケアや延命治療の様子を演技がかった暗い声で悲惨そうに語り、全身がチューブだらけにされ自分が誰なのかも分からなくなり、その死は自宅での孤独死よりも孤独で、さみしいもので後悔が残るものだと決めつけていました。

医療的ケア・延命治療を受けている方々を否定的に語る吉田市長(在宅療養シンポジウムにて)

医療的ケア・延命治療を受けている方々を否定的に語る吉田市長(在宅療養シンポジウムにて)


在宅看取りを強く進めたい立場から対称的に述べたのでしょうが、そうした態度や言葉は明らかに医療的ケアや延命治療を受けている方々への冒涜であり、ご家族の想いを踏みにじる、最低な発言です。

在宅看取りの長所を説明すれば良いだけのことであり、それ以外の死の在り方をあえて貶める発言は必要ありません。

そもそも人の死にざまは人の数だけ異なるもので、どれが良いとか悪いとか、市長が市民に押し付けるものではありません。

政治家として僕たちがなすべきことは、ご家族ごとにみな所得や健康状態や価値観等事情が異なることを理解した上で、医療政策の誤りによって市外や県外の病院や施設しか行き場が無い方々が、もしも望むならば、誰もがふるさと横須賀の病院や施設で暮らせるように医療・福祉を充実させることだけです。

2017年予算議会で市長への質疑に立つフジノ


同様の指摘を僕がすでに2013年9月24日の本会議で行なったにもかかわらず、いまだに4年前と同じ過ちを繰り返している市長を大変残念に感じています。

現在も多くの方々が医療的ケアや延命治療を受けながら、市外の病院・入所施設で暮らすことを余儀なくされていますが、そもそも決して本人が望んだ訳ではありません。

医師の判断によって結果的に医療的ケアや延命治療の状態に置かれたのです。

医師もまたそれが取りうる最善の手段だと判断したのです。

2年前に亡くなった僕の父も、市民病院で気管切開と経管栄養をすすめられ、何も分からない家族に選択の余地はありませんでした。

それから12年間、植物状態となって、市長の言う「さみしい」状態で父は生き続け、最期は市外の病院で亡くなりました。

12年間、最期まで父の回復を信じて、関節が固まらないように手足を曲げたり伸ばしたり、返事はなくとも父の手をさすりながら毎日の出来事を語り続け、全力を尽くした僕たち家族には全く「後悔」はありません。父がさみしかったとも僕は思いません。

この経験が今も僕を突き動かしています。

医療的ケアや延命治療を受けておられる方々の存在を片時も忘れたことはありません。

市外や遠く県外まで受け入れてくれる病院を探し続けるご家族の苦しみを無くす為に、市内で受け入れられる病院や医療的ケアができる特別養護老人ホームを1つでも増やし、一刻も早くご本人が横須賀の病院・施設や自宅へ帰れるように医療・介護・福祉を充実させねばならないとずっと僕は決意してきました。

市長は、施政方針において

「命の尊厳に向き合った施策の必要性」

を感じており

「市民が住みなれたまちで安心して暮らせる為に、適切な医療・介護体制の整備、終末期の課題や不安の解消(略)を進めます」

と医療・福祉対策の強化を述べました。

しかし、冒頭で述べたような市長の発言を聞くにつけても、むしろ市長は命の尊厳を深くは理解しておられず、施政方針で語った『市民』の中には当該治療を受けている方々が含まれているのか、とても疑問に感じています。

2017年予算議会で市長への質疑に立つフジノ


改めて市長に伺います。

【質問3】
(1)気管切開や経管栄養などの医療的ケアをしていたり、延命状態に置かれている方々のことを市長はどう考えているのでしょうか。さみしくて不幸な存在なのでしょうか。


(→市長の答弁へ)


【質問4】
(2)医療的ケアや延命治療、病院や施設での看取りを市長が批判的に述べるたびに、実際に当該治療を受けている何の罪もない方々の尊厳を踏みにじっていること、在宅看取りが叶わなかったご家族やご遺族にとてもつらい思いをさせていることにまだ思いが至らないのでしょうか。


(→市長の答弁へ)


【質問5】
(3)市長には、そうした方々がふるさと横須賀に帰り、市内の病院・施設、自宅で療養生活を送れるように、強く支援していく意思はおありでしょうか。お答え下さい。


(→市長の答弁へ)



3.神奈川県立こども医療センターを卒業した子どもたち、特に成人した元子どもたちが安心して本市でかかりつけ医などを持てる体制づくりの必要性について

周産期医療や高度医療の発達のおかげでかつては生まれることができなかった赤ちゃんの命が救われ、日常生活を送る為に人工呼吸器や気管切開管理などの医療的ケアは必要なものの、元気に育つようになりました。

その子どもたちの多くは神奈川県立こども医療センター(以下、センター)を受診しています。

助かる命がふえ、センターも定員があることから、原則15歳になるとセンターを卒業して、地域のかかりつけ医に移るよう促されます。ただ実際には20歳を超えて卒業される方も多いのが実情です。

しかし、センターから紹介されて市内の医療機関を訪ねても外来・入院を受けてもらえず、引き継ぎ可能な医療機関を見つけることは難しく、訪問看護も同様の状況にあります。

特に、すでに成人した元こどもたちと保護者の方々が置かれた状況は大変に厳しいものがあります。

市長は施政方針の中で

「市民が住みなれたまちで安心して暮らせる為に、適切な医療・介護体制の整備(略)を進めます」

と医療・福祉対策の強化を述べました。

しかし、その『市民』とは高齢者だけであってはなりません。

かねてから僕は児童・障がい・高齢など全ての人々が地域で暮らせる『地域まるごとケア』を訴えてきましたが、まさにセンターを卒業したこどもたちも、元こどもたちもふるさと横須賀で地域生活を送れるように本市は早急に対策を検討すべきです。

2017年予算議会で市長への質疑に立つフジノ
そこで伺います。

【質問6】
(1)センターから紹介を受けて本市の市立2病院を訪ねても、引き継ぎに否定的な反応が多いと複数の方から伺いました。

住みなれたまちで安心して暮らせる為に、公的病院の責任において、市立2病院はかかりつけ医として引き継ぎを受けられる体制を構築すべきではないでしょうか。


(→市長の答弁へ)


【質問7】
(2)センターが作成している小児在宅療養ナビで名前が挙がっている病院でも、実際は引き継ぎに難色を示す医療機関が多いと伺いました。

「おひさま小児在宅療養ナビ」にて横須賀市で検索した結果

「おひさま小児在宅療養ナビ」にて横須賀市で検索した結果


このナビで名前が挙がっている病院・診療所・訪問看護ステーションに対して、本市は積極的に引き継ぎを要請すべきではないでしょうか。


(→市長の答弁へ)


【質問8】
(3)引き継ぎ可能な病院などの絶対数がそもそもとても少ない現状を変えていく為に、本市は医師会や訪問看護ステーション連絡協議会を通じて、新たな引き継ぎ先を開拓していくべきではないでしょうか。お答え下さい。


(→市長の答弁へ)



4.横須賀市版リビング・ウィルの在り方について

最近では死生観や看取りをテーマとしたドラマや映画が増えて『終活』という言葉が流行したり、本屋でエンディングノートが販売されるようになりました。

自己決定権の表現方法の1つとしてのリビング・ウィルもかつてより広く知られるようになりました。

僕は『リビング・ウィル』を必要だと考えています。

さて、本市が1月に開催した『在宅療養シンポジウム』では、『横須賀市版リビング・ウィル案』(以下、本市版)が参加者に配布されました。

横須賀市版リビング・ウィル

横須賀市版リビング・ウィル


来年度はこの案をもとに完成版を作り、市民に広く配布していくことになります。

僕は作成にあたった本市の『在宅療養連携会議』を発足当初から常に傍聴してきましたし、常に当事者の一人であるとの意識をもって立ち合ってきました。

したがって本市版の作成に至った経緯も議論も承知しています。

その上で、公的な責任を伴う本市があえてリビング・ウィルを作成・配布することへの懸念事項について質疑をすることで、より良いものへと高めていきたいと考えています。

日本でリビング・ウィルを積極的に進める活動をしてきたのは『日本安楽死協会』と名乗っていた、現在の『一般財団法人日本尊厳死協会』です。

1983年から進めてきたリビング・ウィル活動に対して、これまで様々な分野や視点から提起されてきた問題点や懸念があります。

これらはそのまま本市版にも当てはまります。

そこで5点について伺います。

2017年予算議会で市長への質疑に立つフジノ


(1)リビング・ウィルの最重要事項は十分なインフォームドコンセントに基づいて、本人が選択肢を理解し納得した上で判断して自らの意思を表示することです。

けれども、本市版は全体で6ページしかなく、そもそも延命治療とは何かの説明さえ8行しか記されていません。これでは正確な理解が得られた上での意思表示とは全く言えません。

担当部署の健康部では

「あくまでも市民のみなさまに考えて頂くきっかけづくりの為にあえて簡易なものにした」

と説明しています。


【質問9】

しかしこれでは、リビング・ウィルの大前提であるインフォームドコンセントに基づく自己決定という最重要事項が守られていないのではないでしょうか。お答え下さい。


(→市長の答弁へ)


(2)一人暮らしの高齢者やご家族が介護に疲れ切って介護負担に耐えられなくなっているケースをはじめ、現在の日本の厳しい経済社会状況では子どもに経済的な負担をかけたくないという想いから、本心とは違っても「延命治療を望まない」と書かざるを得ない方もおられます。

いざという時に本当は病院に搬送してほしくても本音を書かない可能性も十分にあります。

【質問10】
このように、記されたことが本人の本心ではない可能性はいくらでもあります。それはリビング・ウィルとは言えません。この可能性を本市版ではいかにして排除していくのでしょうか。お答え下さい。


(→市長の答弁へ)


(3)リビング・ウィルは、その意思が『任意になされた確固たる物』で、いざという時にも『継続した意思』であることが認められればリビング・ウィルに従って医療関係者が延命治療を施さなくても法的責任は発生しない、と法学的に考えられています。

しかし、病状悪化や体調の急変で本人や家族の気持ちは揺れるのが当たり前です。

元気な時に記した決心や考え方と、実際の急変時に感じ方や考え方が異なることは人として当然のことです。

【質問11】
したがって、本市版にあらかじめ記した意思とは違う意思が示された時にはそれは無効で、常にその時々の本人の意思こそが最優先されるべきですが、いかがでしょうか。


(→市長の答弁へ)


(4)アンケート「人生の最期を迎える時に過ごしたい場所の希望」の回答を市長らが紹介する際にはいつも「6割の方が自宅での療養を希望しています」と解説しています。

あらゆる機会に配布されるアンケート結果、しかし結果と異なる解説が記されている

あらゆる機会に配布されるアンケート結果、しかし結果と異なる解説が記されている


しかし、それは恣意的な解説で、事実とは異なっています。

実際のアンケート結果は

  • 「自宅で療養して必要になれば医療機関に入院したい」45.3%
  • 「医療機関に入院したい」15.4%
  • 「老人ホームなどの施設に入所したい」6.1%

です。

つまり、データを正確に述べれば、合計66.8%もの方々が自宅以外で最期を迎えたいと希望しているのです。

人により最期を迎えたい場所が異なる現実に反して、自宅での看取りに誘導する解説は間違っています。

市長が在宅看取りを増やしたいのは分かりますが、データを意図的に捻じ曲げた解釈をするのは許せません。

日本尊厳死協会もリビング・ウィルを解説した著書において

「もちろん患者が延命措置を望み、生命を長らえることも1つの選択であって、それを非難するものではありません」

と明記しており、結論を誘導しないように注意を払っています。

【質問12】
かたや本市版は、延命治療の拒否と最期を自宅で迎える回答へと誘導する内容になっているとは言えないでしょうか。

個人の意思決定権を尊重することこそがリビング・ウィルの本質であって、延命治療を受けたいという気持ちや病院への搬送を望むという想いも大切な意思表示であることをきちんと明記すべきではないでしょうか。お答え下さい。


(→市長の答弁へ)


(5)民間団体独自のリビング・ウィルとは異なって、公的な存在である本市がいったん配布を始めれば、「看取りについて考えるきっかけになってほしい」という『在宅療養連携会議』の意図を超えていきます。

例えば、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの施設での心肺停止の際や、デイサービス利用時の急変時などに、公的な書類として救急隊や医師に示される可能性が十分想定されます。

単に啓発ツールという扱いにはとどまらないリスクを考えておくべきです。

特に、救急搬送時において本市消防局はこの本市版をもって『DNAR事案』として扱うことができるのかを検討すべきです。

DNARとはDo not attempt resuscitationの略で、がんの末期、老衰、救命の可能性が無い患者などで、本人または家族の希望で心肺蘇生を行わないこと、またはその特別な指示のことを意味しています。

つまり『リビング・ウィル』のことです。

しかし119番通報は「助けてほしい」という合図ですから救急隊はまず全力で救命を目指します。

何歳であろうと命を救うことに徹底し、できれば元の生活に戻れるように、完全には無理でも近い状態に戻れるように、いつもこれを目指して救急隊はがんばっています。

そもそも消防法において、救急要請があった場合に救急隊員は迅速かつ的確な搬送活動、応急処置を行うことが定められているからです。

しかし、リビング・ウィルなどが示されて「延命治療を望まない」という意思表示がなされると救急隊は応急処置をしないで医療機関に搬送だけを行います。

その後、容態が悪化し重篤な状態に陥った場合に応急処置をしなかったことがその原因だと通常考えられます。

その場合、救急隊員には救急救命処置を実施しなかったことに対して法的責任が問われる可能性があります。僕たちは救急隊員を守らねばなりません。

そこで伺います。

【質問13】
本市版の存在を理由にして救急隊が心肺蘇生等の救命処置を行わなかった場合に、消防法第1条、第2条9項の規定違反で国家賠償法に基づく訴訟を起こされた際に法的責任を回避することができるのでしょうか。お答え下さい。


(→市長の答弁へ)


以上で1問目を終わります。



市長の答弁

ご質問ありがとうございました。



【答弁1】
まず、横浜市がIR誘致を推進していることに関連して、IR、特にカジノ解禁についてご質問をいただきました。

現在、報道では

「横浜市として依存症対策を優先させる必要があり、積極的に踏み込むことは考えられない」

と報じられています。

ギャンブル依存症などの課題があることも事実ですので、国や誘致する自治体は、何らかの対策を取ることが必要と考えています。


【答弁2】
次に、横浜市に方針転換を求めるよう意見を言うべきではないか、というご質問をいただきました。

国の依存症対策の方向性や横浜市の考えも明確でない現時点において、何か意見を述べる考えはありません。


(→フジノの再質問へ)


【答弁3】
次に、気管切開や経管栄養などの医療的ケアをしていたり、延命状態におかれている方々について、ご質問をいただきました。

「さみしくて不幸な存在」などと思ったことはありません。おひとりおひとりの命は、大切な命であると考えています。


【答弁4】
次に、医療的ケアや延命治療などを受けている方々の尊厳を踏みにじり、在宅看取りが叶わなかったご家族やご遺族につらい想いをさせていることについて、ご質問をいただきました。

在宅看取りが叶わなかったご遺族に、後悔を感じている方がいるとしたら、同じような後悔をさせたくない、という思いをもって、在宅療養の体制づくりを進めています。


(→フジノの再質問へ)


【答弁5】
次に、市外の病院や施設に入所している方々が横須賀に帰り、市内で療養生活を送れるように強く支援していくことについて、ご質問をいただきました。

私としては、市外の病院や施設に入所している方々の支援をしたいという気持ちは持っていますが、行政の手が届きにくい方々ですので、現状ではどのようなことができるのか考えていきたい、と思います。


(→フジノの再質問へ)


【答弁6】
次に、『県立こども医療センター』から紹介された患者を、市立2病院はかかりつけ医として引継ぎを受けられる体制を構築すべきではないか、というご質問をいただきました。

『県立こども医療センター』から紹介を受けた患者を引き継ぐ体制は、うわまち病院小児医療センターにおいてすでに構築しています。うわまち病院が中核として機能し、院内の他の診療科や市民病院と連携したり、診療所につないだり、適切に対応しています。


(→フジノの再質問へ)


【答弁7】
次に、『小児在宅療養ナビ』で名前が挙がっている病院・診療所・訪問看護ステーションに対して積極的に引継ぎを要請すべき、というご質問をいただきました。

先ほど述べたように、『うわまち病院』ではすでに引継ぎの体制を構築し、紹介された患者を『小児在宅療養ナビ』に掲載された医療機関等に結びつける役割を担っています。

『うわまち病院』が後方支援を担うことで、積極的に引継ぎの要請もしています。




(→フジノの再質問へ)


【答弁8】
次に、引継ぎ可能な病院などの絶対数が少ない現状を変える為、医師会や訪問看護ステーション連絡協議会を通じて、新たな引継ぎ先を開拓していくことについて、ご質問をいただきました。

うわまち病院小児医療センターを中核とする取組みは、先進的な取組みであると認識をしています。

大切なのは、この小児医療センターと地域の診療所の連携である、と考えています。




【答弁9】
次に、『横須賀市版リビング・ウィル』の在り方について、インフォームド・コンセントに基づいて本人が意思表示をするという最重要事項が守られていないのではないか、というご質問をいただきました。

まず、この『本市版リビング・ウィル』は、市民が自分自身の人生の最終段階について、どうありたいかを考えていただく『きっかけづくりのツール』として作成したものです。

人生の最終段階においては、医師など医療者からの十分な情報と説明を受け、患者が理解し判断するというインフォームド・コンセントに基づいて、本人が意思決定をするプロセスが重要であることは認識しています。

しかし、この『本市版』は元気なうちから考えていただくことを目的としていますから、医師と最期の医療について話し合う状況では無い場合を想定している為、あえてわかりやすいものにしています。


【答弁10】
次に、『リビング・ウィル』に記されたことが、本人の本心ではない可能性を本市版はいかにして排除していくのか、というご質問をいただきました。

『リビング・ウィル』は、本人が自分の希望、自分の選択について、その意思を書くものです。

本人の本心で無いかどうかを判断するのは難しく、それを排除するのは『本市版リビング・ウィル』に限らず、どのようなものでも困難だと考えています。


【答弁11】
次に、あらかじめ記した意思とは違う意思が示された時は、その時々の本人の意思が最優先されるべきだ、というご質問をいただきました。

『リビング・ウィル』は当然、書き直して良いものであり、『本市版リビング・ウィル』でも作成の留意点として、状況や気持ちの変化によって書き直すことや、年に1回程度、定期的に見直すことをお勧めしています。

私も、『リビング・ウィル』に記載された内容にかかわらず、新たに示された意思が最優先されるべきだ、と考えています。


【答弁12】
次に、延命治療を受けることや、病院への搬送を望むことも貴重な意思表示であることを明記すべきではないか、というご質問をいただきました。

まず、このアンケートの設問は、「あなたが病気などで、人生の最期を迎える時が来た場合、最期はどこで過ごしたいと思いますか」という設問ですので、自宅での看取りに誘導はしていません。

『本市版リビング・ウィル』も、『延命治療の拒否』と『最期を自宅で迎える回答』に誘導する内容であるとも考えていません。

しかし、延命治療を受けることや病院への搬送を望むことも貴重な意思表示であることを明記すべきというご指摘は、その通りであると考えていますので、『在宅療養連携会議』にこの話を伝えたいと思います。


【答弁13】
次に、本市消防局が『本市版』をもってDNAR事業として扱うことができるのかを検討すべき、というご指摘をいただきました。

『本市版リビング・ウィル』には法的拘束力がある訳では無い、ということを記載しています。

また、本市消防局の救急活動は『蘇生拒否にかかる救急対応ガイドライン』に基づき、119番通報があった時点で、救命の意思をもって通報しているものと判断し、傷病者の本人の救命に最善を尽くすことを基本原則としています。

当該『ガイドライン』では、『DNAR』、いわゆる蘇生処置不要の指示書等の確実な情報が確認された場合でも、原則、医師に引継ぐまでの間の心肺蘇生は実施することとされています。

したがいまして、『リビング・ウィル』があったとしても、消防局の救急活動においては、DNAR事案として取り扱うことはありません。 


(→フジノの再質問へ)


以上です。



フジノの再質問

市長、御答弁ありがとうございました。

さっそく再質問に入ります。
 
まず、横浜のIR誘致に反対してほしいという想いを述べましたが、市長からは消極的な御答弁をいただき、大変失望いたしました。

質問を作成する前に、観光担当部長、課長にヒアリングをして意見交換をしたのですが、お2人ともIRには明確に否定的な立場でおられました。

厳しい規制を作らなければ、市民にも依存症被害が発生する。我がまちの観光政策はもっと健全な取り組みを進めていく。隣町にカジノができても、そのおこぼれをもらうような気持ちは全く無い、といった共通認識に至りました。
 
今回、あえて本会議で質問したのは、部課長ではなくて市長御自身の考えを、公の場でお答えいただきたかったからです。

特に、カジノは自殺を増やすことになるからです。
 
御本人の許可をいただいて、横須賀市民でギャンブル依存症に苦しんでいる方のお話を紹介します。

Aさん、女性、27歳。仕事は運送トラックの運転。

大学卒業後に、男性ばかりの職場に入り、勤務明けに先輩や同僚に誘われて、パチンコ屋に付き添いで行くようになった。

早く職場や先輩同様になりたくて、毎回パチンコに付き合い、それから5年、完全にパチンコから逃れられなくなってしまった。

お金が無くなってもパチンコに通わずにいられない。

勝っても負けても全くうれしくも悔しくもなく、なぜやめないのだろうと焦りや自分への怒りは強くあるものの、どうしてもやめられない。

お給料が底をついて、消費者金融から借金をしてパチンコを打ち、借金がふくらみ、夜は風俗で働くようになってお金を稼いだ。

ある日、インターネットで情報を探しているうちに、昨年、僕の所にたどり着き、初めて他人に相談したとのことです。

丁寧にお話を伺った末に、私はギャンブル依存症と受けとめ、久里浜医療センターの病的ギャンブリング治療部門への通院を勧めました。
 
先日再会した彼女は、僕にこう話してくれました。

「たかがパチンコと思っていたのがやめられず、借金もかさみ、風俗でも働いたり、恥ずかしくて誰にも言えなくてつらかった。藤野さんに言われるまで、そもそもギャンブル依存症という言葉も知らなかったし、自分が依存症になるなんて思わなかった。治療はなかなかうまく進まなくてとても苦しい。横浜がカジノなんて言っているけれども、自分よりひどい依存症の人をもっと増やすだけだから、絶対にやめてほしい」

まさに彼女の言葉を受けて、私は今回の質問を行なうことを決めました。

彼女のように、このまちで普通に暮らしている方々が、ふとしたきっかけでギャンブル依存症になっています。

隣町にカジノができれば、もっと悲惨な現実が起こり得るのです。
 
自殺対策を進めるのが、政治家としての僕の使命です。

ギャンブル依存症の先に待っているものは、金銭的には破産ですが、その先には自殺が待っています。

カジノは依存症を増やすだけでなく、自殺へと追い込まれる犠牲者を増やすものであり、絶対に認めることができません。
 
そこで再質問として、まず市長に伺いたいことは、実際にギャンブル依存症の方の苦しみの生の声に、市長御自身が耳を傾けたことはおありでしょうか?



市長の答弁

依存症として診断された方の直接の声というのは、私は聞いたことはありません。



フジノの再質問

無いとのことでした。

厚生労働省研究班の調査結果である日本での有病率、男性8.7%、女性1.8%を本市の2015年の成人人口に当てはめると、本市には男性1万4,500人、女性3,085人、合計1万7,585人もの方々がギャンブル依存症で苦しんでおられることになります。

しかし、本市ホームページを検索しても、また予算書を読んでも、積極的な支援の取り組みが全く見つけられませんでした。
 
そこで、市長に伺います。

本市にはギャンブル依存症の相談窓口や支援の取り組みはあるのでしょうか?



市長の答弁

直接的な相談窓口というのは存在していません。



フジノの再質問

続いて伺います。
 
本市内にギャンブル依存症を治療できる医療機関がどれだけあるか、市長は御存じでしょうか?



市長の答弁

久里浜の国立の病院以外には、私は存じ上げていません。



フジノの再質問

おっしゃるとおりです。市内には久里浜医療センター1カ所しかありません。

近隣といえる市外でも、県立精神医療センターや阪東橋の大石クリニックぐらいしか、ギャンブル依存症治療の専門医療機関はありません。

また、民間では、認定NPOワンデーポートや、自助グループのギャンブラーズ・アノニマスなどしか、支援組織が存在していません。

このように、医療機関も支援機関もほとんどない現状を御存じでしょうか?



市長の答弁

私としては、やはり久里浜の医療センター以外は余りぱっと思いつくところはありませんでした。



フジノの再質問

本市には、公的な相談窓口も無ければ、取り組みも無い。

頼れる医療機関も市内に1つしかなく、自助グループも横浜に行かねば無い。

これだけ何も無い状況で、カジノによって市民にギャンブル依存症の被害が増えれば、今よりもっと深刻なダメージが広がって、破産や自殺がふえることが容易に考えられます。

改めて市長に伺います。

本市は、市民の命を守るために、はっきりと横浜市に対して、IR誘致の取り組みをやめていただくよう要請すべきですがいかがでしょうか?



市長の答弁

私としては、IRと呼ばれるいわゆる統合型リゾートの中に、カジノができる、あるいはできなくてもIRは誘致すべきだなどという議論もありますが、それが横浜であるか、あるいは川崎であるか、東京であるか、そういう立地の問題等もあると思います。

横須賀市として、IRの誘致というものに手を挙げるつもりはありませんが、やはり誘致するという自治体には、依存症対策等とる必要があると思いますし、当然、国においてもそういった依存症対策というのは図られるべきだというふうに考えています。



フジノの再質問

どうしても市長は横浜の動きを放置するということだと受けとめました。

それならば、少なくとも本市の取り組みだけでもしっかりして下さい。
 
そこで伺います。

まず市役所の中で、ギャンブル依存症の相談窓口はどこなのかと、はっきり担当部署を決めてください。

いかがでしょうか?



市長の答弁

今後、カジノ法案が成立して、実施に向けて動き出す中で、そういった窓口を制定する必要性、今感じましたので、どこに置くべきか、どういった形で誰が相談を受けるべきか、いろいろと考えていきたいと思います。



フジノの再質問

制定をする際には、当然ながらギャンブル依存症と明記した上で、ホームページや広報よこすかでもそれを周知していただけますか?

お答え下さい。



市長の答弁

相談のあり方というのが、今の段階で横須賀市の職員に専門的な知見を持った人間がいるというわけではありませんので、横須賀市の地域資源でもある国立久里浜医療センターを紹介するということが、現実的には一番望ましいのだろう、というふうに思います。
 
ただ、最初から医療機関に行きづらいというような方もいらっしゃるでしょうから、そういった方の相談を、まずはいったん行政として受けて、それを医療機関につなぐ。

その際に当然ギャンブル依存症という形で表示されていなければ、行政にも相談できないということになってしまいますから、そういった際には、相談窓口といいながら、実際は医療機関との連携窓口にきっとなるとは思いますけれども、そういった際にはやはりギャンブル依存症の方は、どうぞ市役所に御連絡くださいという形で、ホームページ等で明記していきたいと思います。



フジノの再質問

まず、久里浜医療センターを紹介するということは、今すぐにでもできることだと思いますので、さっそく取り組みを始めていただきたいと思いますがいかがでしょうか。



市長の答弁

考えてみたいと思います。



フジノの再質問

では、続いて市外病院施設で延命治療を受けている人を横須賀に取り返す体制作りについて伺います。
 
選挙を前に控えた市長がとにかく成果を語りたい気持ちは、嫌になるほど伝わってきます。

しかし、あさはかな言葉を聞くたびにとても嫌な気持ちになり、虚しくなります。
 
例えば、先日の『在宅療養連携シンポジウム』で市長は

萬田緑平さんが書いた『穏やかな死に医療はいらない』という本を読んだおかげで、市長御自身が大切な人を自宅で看取ることができた

という経験を話しました。

よく話されます。

そして、

「自分がこの本を読んでいなければ、本市の地域医療推進課の在宅看取りの取り組みはなかったかもしれない」

などと語りました。
 
しかし、地域医療推進課が在宅看取りの取り組みを始めたのは2011年です。

萬田さんの本が出たのはその2年後の2013年です。

平気で嘘をつくのはやめてほしいと思います。

萬田さんの本が出版されたことと、本市が在宅看取りを推進してきたことは、全く関係がありません。

現場の医療関係者や地域医療推進課の職員も私もすぐに嘘だと分かり、虚しくて仕方がありませんでした。
 
また、本当に大切な人を看取った御家族の気持ちは市長には理解できない、と感じています。

市長が何度も語るエピソードに出てくる自宅で看取ったという大切な人についてです。

プライベートな話ですが、市長が公の場で話しておられるのであえて質疑をしたいと思います。
 
その方が、まだ市長と僕が親しかった頃に話してくださった『あの方』のことならば、そもそもあなたの御家族では無いではないですか。

しかも市長が市議選に立候補を決めてからの出会いとお聞きしていますから、20年ほどのおつき合いでしかありません。

もちろんその方が亡くなったのは、市長の自宅でもありません。

そのことを、まるで市長が在宅看取りをしたかのように語っておられる。

長年連れ添った家族を失った市民の方々の体験した死と、市長が語るエピソードとは、はっきり言って全く別次元の話なのです。「同じ次元で語らないでほしい」とさえ、僕は怒りを感じています。
 
かたや圧倒的多数の市民の皆様は、50年から60年以上連れ添った夫や妻を、お父さんやお母さんを失なうのです。

そして、どれほど大切に思っていても、金銭的な事情や家族の健康上の理由などで、さらに市内の医療機関・福祉施設の体制が不十分なために、たとえ望んだとしても、自宅で看取ることはできないのです。

御家族は、市外・県外の病院施設にいる家族のことを、毎日何度も「会いたい」「さみしい」と思い続けています。

亡くなった後にもずっと思い出しています。

そこに市長から

「自宅での死以外はダメだ」「病院や施設での死はさみしい」

といった内容の言葉が投げつけられる。それは傷に塩を塗りつけられるようなつらい経験です。

死という厳粛な事実に違いはありませんが、市長が失なった大切な方との関係性は、本当の御家族を失った多数の市民の方々とは全く別物です。

そこから受けた心理的なダメージや肉体的な疲弊感の大きさは、圧倒的な差があります。

市長には、この大きな違いがわかりますか。市民の方々のお気持ちを推しはかることはできますか。

お聞かせください。



市長の答弁

確かに私が紹介している方の在宅療養というのは、私の家族ではありません。

時間がある時には、そういう家族では実際無いのですが、という断りを入れながら、御説明をするようにしています。
 
ただ、そういった方の最期、人生の最終段階を自宅で過ごすことの意義ということは、私も感じていますし、御家族の皆さんもそれをお話しされていました。

ですので、御家族の皆さんのお気持ちというのを推しはかることは、私にはできると思っています。



フジノの再質問

それならば、今後「在宅看取りの20万人以上都市での死亡率が全国でトップだ」とお話をなさるときに、例えば延命治療、医療的ケアを受けておられる方々のことをネガティブな言い方でおっしゃるのを一切やめていただけませんか?



市長の答弁

実際、私が話した時には、恐らく正確にきちんと記憶はしていませんけれども、「私はそうはなりたくない」と思っています。家族にもそういった意思を示しています。

ですので、そういう趣旨でお話を聞いていただければというふうに思っていますが、そういった延命治療等を受けている方に対して、失礼になるような物言いがないように、ぜひ気をつけていきたいと思います。



フジノの再質問

その市長の物言いについて、以前から複数の市民、市職員の方から深く傷つけられたというお話を伺ってきました。

今回、発言通告書を僕がブログで公開してからは、市民の方、議会、市職員の方から「よくぞ書いてくれた」と賛同のメールや電話、お声がけをいただきました。

家族はみんな医療の技術の進歩を信じていて、

「明日になれば目が覚めるかもしれない」「来年になれば新たな治療で意識が戻るかもしれない」

と、切実な思いで家族の回復を信じています。

僕も父の入院中、他の方のお見舞いに来られた御家族とともに励まし合ったものです。

市長に伺います。

あなたはこうした回復を信じて、祈って病院に一生懸命足を運んでいる、そうした御家族の生の声を自ら受けとめたことはありますか?



市長の答弁

様々な機会で受けとめています。



フジノの再質問

ならばこそ、しつこくくぎを刺しておきたいのですが、そうした生の声を受けとめているならばこそ、多くの方が市長の言葉に傷つけられたと感じている現実を受けとめて、ぜひお言葉には御注意していただきたいと申し上げます。

4年前にも申し上げました。

もう2度と同じことを言わせないでください。



フジノの再質問

 
次の質問です。

新年度は、県が『保健医療計画』を改定し、本市は『介護保険事業計画』を改定します。

在宅看取りだけでなく、市外・県外の病院・施設でしか受け入れてもらえない方々を、ふるさとで暮らせるような医療・福祉の充実をしっかり計画に記すべきです。
 
市長は先ほど「行政の手が届きにくい」とおっしゃいました。

そんなことはありません。

まず、必要なことは現状の把握です。

市長は、市外・県外の病院・施設で暮らさざるを得ない方々が、どれくらいおられるか把握しておられますか。



市長の答弁

私は把握していません。



フジノの再質問

これは地域医療連携室などをはじめ、市民病院、うわまち病院、そして他の病院にも協力をしていただければできることです。

ぜひやっていただきたいと思いますがいかがでしょうか。



市長の答弁

その方法が私にはわかりません。



フジノの再質問

在宅療養連携室の役割を承知しておられないということで、大変に残念だと思います。

転院先を紹介する、そしてその方々が無事に転院先を見つけられたかということを、メディカルソーシャルワーカーの皆さんは毎日本当に苦労しながら探して下さっています。

それをお聞きしていけばいいだけのことなのです。

把握さえ方法が浮かばないというのは大変残念に思います。

そうすると、施政方針でおっしゃった「ふるさとで安心して暮らせる」「誰もが暮らせる」というようなことというのは、空手形なのだということがよくわかりました。

そうした本市の医療と福祉の政策の貧困が、たくさんの人々を市外に追いやっています。

しっかりと医療・福祉の体制整備を進めて、全員をふるさと横須賀に責任を持って取り戻す。そうした『医療計画』となるように、県には強く訴え、本市の『介護保険事業計画』改定には全力で臨むべきですが、どうお考えでしょうか。

次の計画によって、全員がふるさとに帰ってこられるものにできますか?

お答えください。



市長の答弁

まず決めつけるのはやめていただきたいのですが、当然消防の救急搬送等で市外の病院を選択せざるを得ないケースなどもありますし、その際、その後どこにその方が医療を受けられているかとか、把握することはなかなか難しいです。

メディカルソーシャルワーカーの皆さんが、各病院で様々、いわゆる診療所につなげる取り組みなどをしていることは承知していますが、その件数をカウントすること、それが市全体の市外で療養を受けている方の数のカウントには、イコールにはならないと思います。

その上で、『介護保険事業計画』、これからつくっていく中で、国も『介護医療院』というものを立ち上げるやに聞いています。

こういった医療的なケアが必要な方であっても、病院からすぐ自宅ではなくて、施設という選択肢もあるのだということが、新しく示されようとしている。

まだ法律案の段階ですけれども、こういった情報は逐一入手しながら、県に対しても横須賀市の実情は届けていきたいと思います。



フジノの再質問

県に実情を届けるだけでは足りません。

それは当然のことですが、今後、これまで僕が主張してきたように、県の『保健医療計画』と市の『介護保険事業計画』をすり合わせをする機会も新たに設けられることになっています。

僕は、先ほど申し上げたのには

「県には全力で訴えてほしい、そして本市の介護保険事業計画の改定にも全力で臨んで、そして市外に出てしまっている方々を横須賀に戻せるように、そういう計画にしてほしい」

と申し上げました。本市の計画改定には、どのように臨むのかお答えください。



市長の答弁

考え方として、市外で療養している方が、できるだけ御家族や住みなれた地域のそばで療養するということは、私も理想だと思います。

けれども、『介護保険事業計画』の中で「全員を戻す」ということをうたうことは、現実的には難しいと思います。



フジノの再質問

言葉尻で答えられてしまいました。「全員を戻すと書くのは難しい」と言われました。

では、「1人でも多く帰す」と書いていただきたい。

少なくともその思いで『介護保険事業計画』を充実させてほしいと思いますがいかがでしょうか。



市長の答弁

『介護保険事業計画』の中に、市外で療養を受けていたり、あるいは施設に入居しているような方を1人でも戻すと書いた場合、具体的にどのような施策がそこにひもづいてくるのか、私には今イメージができませんので、今軽々にそういった1行を入れますと答えることはできません。



フジノの再質問

施策を考えていくのは、現場の担当や係長、課長、部長を初めとする職員のみなさんです。

事務局の皆さんです。

また介護保険運営協議会の皆さんや社会福祉審議会福祉専門部会の皆さんであります。

ですから、市長はビジョンや理念を語っていただければ良い訳です。

施設に暮らしておられる、あるいは市外の病院施設で暮らしておられる方を1人でも横須賀にお帰ししたいというビジョンを書くことは、決して市長がやってはならないことだとは、僕にはとても思えません。

ビジョンを語っていただきたい。

市外にいらっしゃる方をまるで「見捨てる」というふうに今聞こえたのですが、そういう姿勢はあってはならないと思います。

ぜひ次の『計画』の中では、市外におられる方を1人でも多く横須賀にお帰しするということを強くうたってほしいと思っています。



フジノの再質問

続いて、「『県立こども医療センター』を卒業した元子どもたちが、横須賀でかかりつけ医を得て暮らせる体制づくりを」ということを提案しました。
 
先ほど、『うわまち病院小児医療センター』が中核的な拠点としてすでに機能しているとお答えになりましたが、僕は全くそのようには受けとめておりません。

転院先探しで苦しんでいる保護者の方に対して、こんな発言を投げつけるドクターが、うわまち病院にいるという事例をお聞きしました。まさに『リビング・ウィル』の押しつけです。

『センター』から引き継ぎの紹介状を持って、『うわまち病院』を訪れたある保護者の方は、初診の日に、初診の日です、ドクターからこう言われたそうです。

「万が一のときは人工呼吸器をつけるか否かを決めておいてください」。

言外に「人工呼吸器はつけるな」、つまり「そのまま死なせろ」と高圧的に言われたように感じて、深く落ち込んでしまったそうです。

転院先探しで不安を抱えている保護者の方に対して、初診の日にドクターが言うべきこととは思えません。

このような発言を投げつけるドクターが『うわまち病院』にいるという実態を、市長は御存じでしょうか。



市長の答弁

今のお話は私初めて聞きましたが、やはりトータルに状況を私承知していないので、価値判断をすることは避けたいと思います。



フジノの再質問

中核的に機能するということは、そういうことではないと思います。

2月14日の神奈川新聞報道によれば、『横浜市大附属病院』が『県立こども医療センター』と連携して、先天性心疾患のある成人になった子どもたちの受け入れを進めているということでした。

『センター』にとっては、「心疾患だけでも『センター』だけでは対応できなくなるので、恒常的なシステムをつくらねばならない」という強い危機感を持って、連携可能な医療機関を探してきた訳です。

その結果、『横浜市大附属病院』が全国でも先駆けとして、成人となったセンターの元子どもたちの受け入れを進めることになりました。

横浜市大の教授の方はインタビューに答えて、

「経営状況にさほど左右されない公立病院として、要請に応える必要があると感じていた」

と述べました。

今回の質疑で僕は対象を心疾患だけにとどめてはいませんが、まさに同じ問題意識を持って、僕は今回の質問をつくりました。
 
本市は、公立2病院が責任を持ってセンターと連携し、協力して、ふるさとであるこのまちで暮らしていけるようにしていただきたいと強く願っています。

そんな中で、『うわまち病院小児医療センター』が機能していて、適切に対応しているという御答弁をいただきました。

それに対して、現実は違う、という答えを僕は申し上げましたが、現状をよく知らないので価値判断できないとまたお逃げになられた。

大変に残念なことで、これをお聞きになっておられる当事者の方や保護者の方は、大変に悲しい想いをされていると思います。

せめて現状を調べて、そしてそのような現実があれば正したい、そして「実際に引き継ぎ可能になるように、もっと強く進めたい」というぐらいお答えはできないのでしょうか。



市長の答弁

藤野議員に申し上げたいと思いますが、『成人先天性心疾患センター』は、横須賀市の『うわまち病院』に2013年からオープンしています。

そういう意味では、子どもの小児医療から大人になる機関への引き継ぎということも、『うわまち病院』ではできていますし、『うわまち病院』のホームページにもそれは載っています。

私に対して「もっと現場を知るように」というお話がありましたが、私としては『うわまち病院』の現状については、よく承知しているつもりです。

私が答えたのは、あくまで「初診で人工呼吸器をつけるか否か」と聞かれたことについてどう思うかと聞かれたので、私は病状もわからないし、診療の様子もわからないし、その方がどういう状態であったのかも知らないので、価値判断できないと答えたまでです。



フジノの再質問

仮定の話には答えられないというような逃げをされてしまいましたが、実際にそういう出来事があって、だからこそお話をしている訳です。

「『うわまち病院』が十分に機能している」

と市長はおっしゃいますが、本当に保護者の方の声を聞いておられるのかと疑問に感じました。
 

フジノの再質問

続いての質問に移ります。
 
先ほど、『センター』の『ナビ』に掲載されている市内の医療機関について、市長は

「『うわまち病院小児医療センター』などが拠点となって、連携をしっかりとしている」

という頼もしいお答えをいただきましたが、それも事実とは異なると私は受けとめています。

例えば掲載されている医療機関には共済病院がありますが、そこにもやはりかなりひどい対応をするドクターがいて、実質的には名前は載っていても、受け入れを拒否しているのと変わらないというエピソードがたくさんあります。

だからこそ、僕は質問の中であえて

「『ナビ』に出てくる医療機関にも、本市が積極的に引き継ぎを丁寧に受け入れられるように要請してほしい」

と申し上げました。

システムができていることと、実際にそれが機能して、保護者や御本人が安心して地域で暮らせているかというのは、全く別の話です。

ぜひ、丁寧な引き継ぎを要請していただけないでしょうか。



市長の答弁

まず『うわまち病院』の『小児医療センター』でできていることを私はしっかりと広報する必要性を、今の議論の中で感じました。

今、『うわまち病院小児医療センター』では、病診連携も含め、大変先進的な取り組みが進んでいると、私は認識しています。

ですので、市民の皆さんにそういったことを広く広報していくことが大事だと思っています。



フジノの再質問

『うわまち病院』の取り組みを広報していただくという質問ではなくて、『ナビ』に出てくる医療機関にもきちんと引き継ぎをしてほしいという要請を、市からお願いしてほしいと申し上げました。

お答え下さい。



市長の答弁

まず『ナビ』『ナビ』とおっしゃっている『おひさま小児在宅療養ナビ』ですか、これについては、基本的にはいわゆる訪問診療をされているクリニックが載っていると聞いています。

ただ、私の知る限りでは、横須賀共済病院が訪問診療をしているということは承知していません。

ですので、『ナビ』に載っている医療機関なり、『ナビ』の信頼性というのが、私にはよく分からないので、私としてはそういったことをするよりも、もっと効果的な、市民にとってプラスになるような意味あいで、

「『横須賀うわまち病院』の『小児医療センター』がしっかりとした病診連携ができています、引き継ぎができる医療機関ですから、ぜひ相談して下さい」

といったことを広報する必要性を感じました。



フジノの再質問

かみ合わないので大変残念に感じますが、最後の質問に移ります。

横須賀市版リビング・ウィルについてです。
 
市長、いろいろきっかけづくりだという現局担当部署の言葉で逃げられましたが、実際に配れば、それはもう公的な書類として受けとめられるのです。当初の想いは越えて、どんどん使われていくことになってしまうわけです。

そこで伺います。

本市版リビング・ウィルの完成版を配布する際には、必ず広く高齢者保健医療福祉の関係者、介護保険事業所の関係者を集めて、リビング・ウィルについての研修を行ってください。そしてその効力が及ぶ限界を丁寧に伝えてほしいのですがいかがでしょうか。



市長の答弁

ぜひそういった横須賀市版リビング・ウィルのあり方ということを周知する機会というのは、さまざまな機会を捉えて行なっていきたいと思います。



フジノの再質問

それから救急隊についてです。

これから本市版リビング・ウィルを提示される機会というのは、どうしても増えてくることになると思います。

今の原則のガイドラインがあっても、その『ガイドライン』とリビング・ウィルとの間で、救急隊員一人一人が板挟みになるのは大変に耐え難い思いだと思いますし、実際に既にそういったことは起こっていると思います。
 
そこで提案です。

『三浦半島地区メディカルコントロール協議会』に対して、本市版リビング・ウィルの存在とその使い方をテーマとして取り上げていただくべきではないでしょうか。

そして患者本人と家族の思いがリビング・ウィルとして可能な限り反映されると同時に、救急隊が法的に責任を問われない万全の状態をぜひ作っていただきたいのですが、いかがでしょうか。



市長の答弁

消防局長の意見も聞きたいところですが、その必要性は無いと思っています。

何故なら救急隊員は119番通報をもって必ず心肺蘇生に向かうからです。

消防局長、いいですね、それで。では、消防局長からも答弁いたします。



消防局長の答弁

救急隊員は、救急指令を受けた段階で、救命処置が必要だと判断しております。

『DNAR』を提示されても、医師に引き継ぐまでは心肺蘇生法等をやると、『三浦半島メディカルコントロール協議会』の『ガイドライン』にも定められております。



フジノの再質問

現時点では、トラブルは起こらないというお話だったのですが、配布した後は、僕は「状況が変わる」とはっきりと申し上げておきたいと思います。

その際に、改めて今回の質問をぜひ思い出していただきたいと思います。

「本人と家族の思いを『リビング・ウィル』として残せ」と市は訴えておきながら、救急隊が救命処置をする。その矛盾を必ずどこかで解決しなければならない事態が起こることになると思います。

現状の『ガイドライン』が通用しなくなるときが必ず来ると思っています。

その時には、ぜひ諮問機関ではありますが、『三浦半島地区メディカルコントロール協議会』が現状では最適な場だと思いますので、きちんとした新しいルールづくりが求められるときになった時は、必ずその対応を行なってほしいと指摘したいと思います。

以上で質問を終わります。

ありがとうございました。



横須賀市版リビング・ウィルの在り方について/提出した発言通告書(その4)

市長への質問の為の発言通告書を提出しました(その4)

予算議会でも市長に対して本会議で質問を行ないます。

その為にあらかじめ提出しなければならない『発言通告書』が、本日締め切りでした。

フジノが質疑に立つのは、2月28日の本会議です。

それでは前回に続いて『発言通告書』の内容を掲載します。



4.横須賀市版リビング・ウィルの在り方について

終活という言葉の流布やエンディングノートが書店で販売されるようになり、リビング・ウィルもかつてより広く知られるようになった。

私はリビング・ウィルを必要だと考えている。
 
本市が1月に開催した『在宅療養シンポジウム』では、『横須賀市版リビング・ウィル案』(以下、本市版)が参加者に配布された。

この案をもとに完成版が作られて配布されることになる。

私は作成にあたった本市の『在宅療養連携会議』を発足当初から常に傍聴し、常に当事者の一人であるとの意識をもって立ち合ってきた。

したがって本市版の作成に至った経緯も議論も承知の上で、公的な責任を伴う本市があえてリビング・ウィルを作成・配布することへの懸念事項について質疑し、より良いものへと高めていきたい。

【質問10】
(1) 1983年から一般財団法人日本尊厳死協会が進めてきたリビング・ウィル活動に対して、これまで様々な分野や視点から提起されてきた問題点や懸念があるが、それらはそのまま本市版にも当てはまる。

リビング・ウィルの最重要事項は十分なインフォームドコンセントに基づいて、本人が選択肢を理解した上で判断し自らの意思を表示することだ。
 
しかし、本市版は全体で6ページのみ、延命治療とは何かの説明は8行しか記されておらず、正確な理解が得られるとは言えない。

きっかけづくりのためにあえて簡易なものとしたという説明だが、これではリビング・ウィルの前提となる最重要事項が守られていないのではないか。


【質問11】 
(2) 一人暮らしの高齢者や家族が介護負担に耐えられなくなっているケースをはじめ、現在の日本の厳しい経済社会状況では子どもに経済的な負担をかけたくないという思いから、本心とは違っても延命治療や緩和医療を望まないと書かざるを得ない方もおられる。

いざという時に病院に搬送してほしくてもそう書かない可能性も十分にある。

記されたことが本人の本心ではない可能性を本市版はいかにして排除していくのか。


【質問12】 
 (3) 病状悪化や体調の急変で本人や家族の気持ちは揺れるのが常であり、元気な時に記した決心や考え方と、実際の急変時に感じ方や考え方が異なることは人として当然のことだ。

 したがって、本市版にあらかじめ記した意思とは違う意思が示された時は常にその時々の本人の意思こそが最優先されるべきだが、いかがか。


【質問13】 
 (4) アンケート「人生の最期を迎えるときに過ごしたい場所の希望」の回答を市長らが紹介する際、「6割の方が自宅での療養を希望しています」と解説するが、それは恣意的で、事実とは異なる。

実際の結果は「自宅で療養して必要になれば医療機関に入院したい」45.3%、「医療機関に入院したい」15.4%、「老人ホームなどの施設に入所したい」6.1%であり、合計66.8%が自宅以外で最期を迎えたいと希望している、と読むべきである。

人により最期を迎えたい場所が異なる現実に対して、自宅でのみとりに誘導するような解説は間違っている。
 
日本尊厳死協会もそのリビング・ウィルを解説した著書においても「もちろん患者が延命措置を望み、生命を長らえることも1つの選択であって、それを非難するものではありません」と明記し、結論を誘導しないように注意を払っている。
 
かたや本市版は、延命治療の拒否と最期を自宅で迎える回答に誘導する内容になっているとは言えないか。
 
個人の意思判断を尊重することこそがリビング・ウィルであり、延命治療を受けることや病院への搬送を望むことも貴重な意思表示であることをきちんと明記すべきではないのか。


【質問14】 
(5) 民間団体独自のリビング・ウィルとは異なり、公的な存在である本市がいったん配布を始めれば、看取りについて考えるきっかけになってほしいという『在宅療養連携会議』の意図を超えて、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの施設で公的な書類として利用される可能性が十分に想定される。

単に啓発ツールという扱いにはとどまらないリスクを考えておくべきだ。

特に、救急搬送時において本市消防局はこの本市版をもって『DNAR事案』(Do not attempt resuscitationの略。がんの末期、老衰、救命の可能性がない患者などで、本人または家族の希望で心肺蘇生を行わないこと。またはその特別な指示のこと)として扱うことができるのかを検討すべきだ。

つまり、救急隊が心肺蘇生等の救命処置未実施とした場合に、消防法第1条、第2条9項の規定違反で国家賠償法に基づく訴訟を起こされた際に法的責任を回避することができるのか。

発言通告書の内容は以上です。



神奈川県立こども医療センターを卒業した子どもたち、特に成人した元子どもたちが安心して本市でかかりつけ医などを持てる体制づくりの必要性について/提出した発言通告書(その3)

市長への質問の為の発言通告書を提出しました(その3)

予算議会でも市長に対して本会議で質問を行ないます。

その為にあらかじめ提出しなければならない『発言通告書』が、本日締め切りでした。

フジノが質疑に立つのは、2月28日の本会議です。

それでは前回に続いて『発言通告書』の内容を掲載します。



3.神奈川県立こども医療センターを卒業した子どもたち、特に成人した元子どもたちが安心して本市でかかりつけ医などを持てる体制づくりの必要性について

 NICUの発展によってかつては生まれることができなかった赤ちゃんの命が救われ、人工呼吸や気管切開管理などの医療的ケアは必要なものの、元気に育つようになった。

その子どもたちの多くは神奈川県立こども医療センター(以下センター)を受診している。

助かる命が増え、センターも定員があることから、原則15歳になるとセンターを卒業して、地域のかかりつけ医に移るよう促される。
 
しかし、実際は20歳を超えて卒業される方も多く、センターから紹介されて市内医療機関を訪ねても外来・入院を受けてもらえず、引き継ぎ可能な医療機関を見つけることは難しく、訪問看護も同様の状況にある。

市長は施政方針で

「市民が住みなれたまちで安心して暮らせるために、適切な医療・介護体制の整備(略)を進めます」

と医療・福祉対策の強化を述べたが、その『市民』とは高齢者だけであってはならず、早急に対策を検討すべきだ。

【質問7】
(1) センターから紹介を受けて本市の市立2病院を訪ねても、引き継ぎに否定的な反応が多いと複数の方から伺った。住みなれたまちで安心して暮らせるために、公的病院の責任において、市立2病院はかかりつけ医として引き継ぎを受けられる体制を構築すべきではないか。

【質問8】
(2) センターが作成している『小児在宅療養ナビ』で名前が挙がっている病院でも、実際は引き継ぎに難色を示す医療機関が多いと伺った。同ナビで名前が挙がっている病院・診療所・訪問看護ステーションに対して、本市は積極的に引き継ぎを要請すべきではないか。

【質問9】
(3) 引き継ぎ可能な病院などの絶対数が少ない現状を変えていくために、本市は医師会訪問看護ステーション連絡協議会を通じて新たな引き継ぎ先を開拓していくべきではないか。

発言通告書の内容は合計4つになります。その4へ続きます。



医療的ケアや延命治療を施されて市外の病院や入所施設で暮らすことを余儀なくされている方々が、再び本市に帰り、在宅療養を送れる体制づくりの必要性について/提出した発言通告書(その2)

市長への質問の為の発言通告書を提出しました(その2)

予算議会でも市長に対して本会議で質問を行ないます。

その為にあらかじめ提出しなければならない『発言通告書』が、本日締め切りでした。

フジノが質疑に立つのは、2月28日の本会議です。

それでは前回に続いて『発言通告書』の内容を掲載します。



2.医療的ケアや延命治療を施されて市外の病院や入所施設で暮らすことを余儀なくされている方々が、再び本市に帰り、在宅療養を送れる体制づくりの必要性について

人口20万人以上の都市の中で本市の在宅死亡率が全国トップであると市長が語る複数の機会に立ち合った。

その際に、市長は気管切開や経管栄養などの医療的ケアや延命治療の様子を語り、さみしいもので後悔が残るものと述べていた。

在宅看取りを推進する立場から対称的に述べたのだろうが、2013年9月24日の本会議での私の質問の後も、当時と同じことを繰り返している市長を大変残念に感じた。
 
現在も多数の方々が医療的ケアや延命治療を受けながら、市外の病院や入所施設で暮らすことを余儀なくされているが、決して本人が望んだ訳では無く、医師の判断で結果的に医療的ケアや延命治療の状態に置かれている。

私は長年在宅療養・地域包括ケアを推進してきたが、これらの方々の存在を片時も忘れたことは無い。一刻も早くご本人が横須賀の病院や施設やご自宅へ帰れるように、医療・介護・福祉を充実させねばならないと常に決意している。

施政方針において

「命の尊厳に向き合った施策の必要性」を感じており「市民が住みなれたまちで安心して暮らせる為に、適切な医療・介護体制の整備、終末期の課題や不安の解消(略)を進めます」

と医療・福祉対策の強化を述べたが、市長の述べた『市民』の中にこれらの方々が含まれているのか疑問に感じている。

【質問4】
 (1) 気管切開や経管栄養などの医療的ケアをしていたり、延命状態に置かれている方々のことを市長はどう考えているのか。さみしくて不幸な存在なのか。


【質問5】
 (2) 医療的ケアや延命治療、病院や施設でのみとりを市長が批判的に述べるたびに、実際に当該治療を受けている何の罪もない方々の尊厳を踏みにじり、在宅みとりが叶わなかったご家族やご遺族にとてもつらい思いをさせていることをまだ理解できないのか。


【質問6】
 (3) 市長には、そうした方々がふるさと横須賀に帰り、市内の病院や施設、自宅で療養生活を送れるように、強く支援していく意思はあるか。

発言通告書の内容は合計4つになります。その3へ続きます。



市民病院に「地域包括ケア病棟」を新設します。不足する三浦半島の回復期ベットへの対応です/三浦半島地区地域医療構想調整専門部会(第4回)その2

(前の記事から続いています)

現時点での「2025年の必要病床数」と「現状との差」

本日の会議で発表された、最新のデータに基づいた集計は以下の通りでした(いまだ完成前のデータです)。

横須賀・三浦構想区域の現状と必要病床数

現状の病床数
(2015年)
必要な病床数
(2025年)
現状との
差引
高度急性期 1781床 772床 ▲1009床
急性期 1741床 2210床 469床
回復期 386床 1913床 1527床
慢性期 949床 1227床 278床
未選択等

この表では分かりづらいので、言葉でご説明いたしますね。

  • 横須賀市・鎌倉市・逗子市・三浦市・葉山町において
  • 2025年に必要なベット数と比べて
  • 2015年12月現在では
  • 『高度急性期』は1009ベットも多くあって
  • 『急性期』は469ベット足りていなくて
  • 『回復期』は1527ベット足りていなくて
  • 『慢性期』は278ベット足りていない。

という意味です。

ですから、今ある病院・有床診療所(入院できる診療所)は2025年に向けて、自分たちの在り方を変えていくことが必要です。

現在の横須賀・三浦構想区域は、とても『高度急性期』のベットが充実しています。

大ケガや深刻な病気によって救急車を呼べば、救急車は受け入れ病院を探す為にわずか1.5回のコールで受け入れ先が見つかるそうです。

けれども2025年に求められている病院・有床診療所の役割は、だいぶ異なっています。

急性期・回復期・慢性期ともにベット数が全く足りません。

病床の機能を変更していく必要があります

病床の機能を変更していく必要があります


ですから、横須賀・三浦構想区域の医療関係者のみなさまにはご協力をいただいて、『高度急性期』から『急性期』『回復期』『慢性期』へと変更していっていただかねばなりません。



横須賀市は市民病院で2016年10月から「回復期(地域包括ケア病棟)」をオープンします

もちろん、民間病院に対して無理やり「変えろ!」と命令はできません。

日本には民間病院が多いという現実がありますので、公立病院が積極的にリーダーシップをとらねばなりません。

このような現状を受けて、2025年に向けて回復期の病床が圧倒的に不足することに対応しなければなりません。

そこで、横須賀市立市民病院では2016年10月に『回復期病棟』を新たにオープンすることに決定しました。

「2016年度予算の概要」より

「2016年度予算の概要」より


これは、大変重要な取り組みで高く評価したいです。

  • 市民病院の『急性期病棟』からの受け入れ
  • 『自宅』『施設』で病状が悪化した方の受け入れ

こうした方々の『在宅への復帰支援』をしていきます。

「2016年度当初予算説明資料・病院事業会計・健康部」より

「2016年度当初予算説明資料・病院事業会計・健康部」より


個室×2部屋と、4人部屋が8部屋で、合計34床です。

看護師10名、看護助手4名、理学療法士3名、言語療法士1名、作業療法士1名、社会福祉士1名の体制です。

リハビリルームも新設しますが、すでにうわまち病院にある『回復期リハビリテーション』と比べると、やや簡単なリハビリテーションがメインとなります。

『在宅への復帰支援』がメインの目的のリハビリなので、具体的には歩行訓練や洋服を着る練習や食事をとるなどのリハビリが中心になります。

「市民病院に『地域包括ケア病棟』を開設すべきだ」と提案してきたフジノにとっては、政策の実現です。とても嬉しいです。

『回復期』だけでなく、『慢性期』のベットも足りません。

2025年を待つまでもなく、現在でも『慢性期』のベットは足りていません。

(父が倒れてから亡くなるまでの11年間、フジノは公私問わずこの問題とずっと向き合い続けてきました)

フジノは、「『地域医療構想』の実現には公立病院が果たすべき役割が大きい」と考えています。

つまり、市が責任をもって『慢性期』のベットを確保していくべきだという立場です。

そこで先日の予算議会(3月4日・健康部での予算審査)においても

「市民病院の休棟している病棟を、『慢性期』の病床としてオープンすべきだ」

と提案しました。

市立病院担当課長も「前向きに検討してまいります」と答弁しています。




次の記事に続きます)



後日談:タウンニュースが市民病院の地域包括ケア病棟開設を報じてくれました

約半年後の2016年8月19日付タウンニュース紙が、市民病院の地域ケア病棟(回復期病棟)の開設を報じてくれました。

「市民病院、回復期患者の受け皿用意、専門病棟を10月開設」

「市民病院、回復期患者の受け皿用意、専門病棟を10月開設」


ぜひ実際にオープンした後も、取材にいらして下さい。

よろしくお願いいたします。



今の医療体制では10年後対応できないから改革を議論しているのに他市町議員の傍聴はゼロ。あなたのまちの医療はそれで大丈夫なのですか?/三浦半島地区地域医療構想調整専門部会(第4回)その1

「三浦半島地区地域医療構想調整専門部会」へ

お昼にスタートした『予算決算常任委員会』は夕方にようやく終わりました。

その後、『議会IT化運営協議会』が開かれたのですが、夜になってもフジノの仕事はまだ終わりません。

横須賀市保健所へ向かいました。

地域医療構想調整専門部会の会場にて

地域医療構想調整専門部会の会場にて


神奈川県が主催する『三浦半島地区地域医療構想調整専門部会』を傍聴する為です。

昨年8月にスタートして、今回で4回目となります。



今回も傍聴はたった3名、市議はフジノだけ。なぜ他市町の議員は傍聴にこないのか?

今回も傍聴は3名のみ。

内2人はフジノと健康部地域医療推進課市立病院担当課長なので、純粋な傍聴者は1名だけ。

この会議で話題となるのは、横須賀市・鎌倉市・逗子市・三浦市・葉山町の医療です。

これら三浦半島の全てのまちの保健・医療・福祉(特に医療)の在り方を決める会議なのに、他市町の議員の傍聴がゼロなのは本当に悲しいです。それで良いのでしょうか。

今回だけではありません。おおもとの会議である『神奈川県保健医療対策推進会議』にも、他市町の議員は傍聴に誰も来ません。

そんなに無関心であなたがたのまちの医療体制(=地域包括ケアの実現も)は大丈夫なのですか。いつも強く疑問を抱いています。

横須賀市議会の場合、フジノは他の議員のみなさまにも関心をもって議論を進めていただく為に『横須賀・三浦2次保健医療圏』や『地域医療構想』に関することを、市の健康部から『教育福祉常任委員会』の場で必ず定例会のたびに資料配布・報告してもらっています。

その結果、多くの議員が活発な質疑を交わしています。

『地域医療構想』は横須賀市だけでは実現できません。

『横須賀・三浦2次保健医療圏』の全ての保健・医療・福祉・行政・政治・そして住民のみなさまの協力なしには実現できません。

だからこそ、せめて住民の代表である議員のみなさまには、今まさに進行形の議論の場に立ち会ってほしいです。

もちろん議員だけでなく、三浦半島の住民のみなさまにもぜひいらしていただきたい、本当に大切な会議です。



もう現状のままの「医療」の提供体制では変化した社会に対応できない

全体的な印象ですが、出席しておられる委員の方々の『地域医療構想』そのものへの反発が強かったです。

ここ数年間かけて進めてきた議論を巻き戻すようなご発言もありました。

議事次第

議事次第


フジノは厚生労働省の味方をする訳ではありませんが、そうした後ろ向きなご意見には賛成できません。

2050年を見据えて在るべき地域の保健医療福祉の姿を考える為に、この数年間ずっと国の審議会・県の審議会の傍聴を続けてきました。

また、国の議論をリードする方々が多くおられる大学院での聴講も続けてきました。

2025年、2050年と大きく縮小していく人口/変化していく人口構成に対して、現在の保健医療福祉のままで対応できるはずがありません。

この現実を早くから直視した人々は、官僚・研究者を問わず、ずっと前から警鐘を鳴らしてきました。

ようやくここ数年、何とか現在進行形の変化に急いで対応できる姿を模索してきたのが、国や県の審議会です。

そして、地域での『医療』を市民のみなさまにどのように提供していくのかを『医療計画』や『地域医療構想』『診療報酬の改訂』で進めていこう、というのがここまでの結論です。

厚生労働省のやり方に納得はできないかもしれません。

でも、それ以外に具体的にどのようなやり方ならば、2025年、2050年に対応していかれるのでしょうか。

『現状のやり方で進めていく』ということは『現状維持』ではなくて『現状よりマイナスへ向かうこと』だとフジノは受け止めています。

もう『地域医療構想』をやる・やめる、という議論はすべき段階は終わっていると思います。

厚生労働省資料「医療・介護制度見直しの今後3年のスケジュール」より

厚生労働省資料「医療・介護制度見直しの今後3年のスケジュール」より


ですから、この会議で議論すべきことは

「『地域医療構想』を作らねばならない中で、最も現場に近い市町の医療関係者が、国や県の机上の空論の部分をいかに現実に即した内容へ改善していくか」

であるべきだとフジノは考えています。

上に示されたスケジュールのもと、机上で作られた制度に魂を吹き込むのがこの専門部会のみなさまの役割だとフジノは信じています。




次の記事に続きます)



「介護療養病床」にかわる「慢性期医療を提供する新たな施設」の「たたき台案」が示されました/「第6回療養病床の在り方等に関する検討会」へ

「第6回療養病床の在り方等に関する検討会」へ

7月15日に第1回がスタートした『療養病床の在り方等に関する検討会』ですが、早くも今日で6回目の開催となりました。

「第6回療養病床の在り方等に関する検討会」会場にて

「第6回療養病床の在り方等に関する検討会」会場にて


前回(第5回)で『新たな選択肢の骨格』について議論が行なわれました。

これを受けて今回は『たたき台(案)』が事務局(厚生労働省)から提案されました。

議事次第

議事次第


ただ、フジノからすると『新たな選択肢』と言いながらも

厚生労働省の『介護療養病床』を廃止したいという今までの主張を、単に『新たな選択肢』に置き換えただけではないか

という疑念がどうしても拭えずに今に至っています。

確かに『介護療養病床』には欠点と言うべきものがあります。

例えば、本当に多くの方々が長期間にわたって暮らし続けている『社会的入院』状態にあることや、実際には『看取り』までなされていること(死亡退院と呼びます。自宅への退院よりも死亡退院の方が多い)や、個人のプライバシーが守られにくい(尊厳ある暮らしとは言えない)現状があることなどです。

事務局案ではこうした点を改善できないかという提案もなされています。

検討会は傍聴者もたくさんでした

検討会は傍聴者もたくさんでした


けれども、フジノは思うのです。

そもそも多くの方々が『介護療養病床』で生涯を終えねばならないのは、何故か。

それは、終の棲家である『特別養護老人ホーム』で受け入れられるだけの介護人材を確保できていないからではないか。

本来ならば住み慣れた我が家に帰って最期を迎えたいと誰もが願っているけれども、訪問看護・訪問介護を十分に受けて自宅で暮らせるようなサービスを提供出来るだけの医療人材・介護人材が圧倒的に不足しているからではないか。

この根本的な問題を解決しないままに、『新たな選択肢』という名前の『別の施設』を作っても何も解決しないのではないかとフジノは考えているのです。

つまり、抜本的に『医療人材・介護人材を確保できる為の改革』を進めなければ『介護療養病床』を廃止しても何も解決できない、とフジノは考えざるをえません。

療養病床・慢性期医療の在り方の検討に向けて〜サービスを提供する施設の新たな選択肢について(たたき台案)

療養病床・慢性期医療の在り方の検討に向けて〜サービスを提供する施設の新たな選択肢について(たたき台案)


今日の『検討会』では、委員のみなさまからは『たたき台案』に対して「反対」の論調の声は特にありませんでした。

そのことがフジノには理解できませんでした。

いち市議として、フジノは自分のまちでいろいろな取り組みを進めてきました。

例えば、『特別養護老人ホーム』において気管切開・経管栄養(胃ろう)をしている方々をもっと多く受け入れていかれるように、介護職員の方々に質の高い研修を受けていただいています。

また、『定期巡回・随時対応型訪問看護介護』サービスを提供できる事業所を増やしていく為の取り組みも進めてきました。

同時に、市と医師会との積極的な協力のおかげで、『在宅療養』を受けられる人数を増やす為の取り組みも進んできました。さらに現実に『在宅での看取り』の数もかなり増えてきました。

つまり、厚生労働省が指摘するような、病院を退院しても『特養』にも入れず『自宅』にも帰れない為に『介護療養病床』で死ぬまで暮らす人々が多い、という現実を改善する努力に務めてきました。

そして、『介護療養病床』には本来の目的を実施してもらえることを目指しているのです。

フジノは『介護療養病床』は必要な存在だと考えています。廃止すべきではないと考えています。

厚生労働省が示している『たたき台(案)』によって、本当に人々の『住まい』として『介護療養病床』が生まれ変われるのか、確信が持てないままだからです。

慢性期の医療・介護ニーズへ対応するためのサービスモデル

慢性期の医療・介護ニーズへ対応するためのサービスモデル


この議論はまもなく終わり、やがて2017年の法改正につなげるのだと言われています。

本当にそれで良いのか、今日の検討会の傍聴を終えてもフジノの疑問は消えないままでした。



後日談:4時間後には日経新聞に記事がアップされました。早い!

長期入院病院の転換先、2つの新モデル提示 厚労省

厚生労働省は25日の検討会で、長期入院の高齢者向けベッド(療養病床)を持つ病院の転換先として、2つの新たな施設のモデルを示した。

医師が常駐して必要な治療を施せる医療型の施設や、医療機関と併設する住宅型施設を創設する。既存の介護施設も含めて、転換先を病院自ら決めてもらう。医療サービスを必要な人に絞り込む。

年明けにも議論をまとめる。同省の社会保障審議会医療部会や介護保険部会で施設基準や介護保険と医療保険のどちらを適用するかを詰める。2017年の通常国会に関連法の改正案を出す。

長期入院ベッドは、治療の必要性が乏しいのに、介護施設が見つからなかったり、家族が介護できなかったりして利用する高齢者も多い。医療費が膨らむ一因となっていることから、一部は17年度末で廃止して、他の施設に移行することになっている。

施設案は医療を提供できる介護施設や、医療機関に隣接するサービス付き高齢者住宅のような施設を想定しているもようだ。この日の検討会では施設案に対して目立った反対は無かったが、「所得が低い利用者の負担に配慮してほしい」といった声が出た。

日本経済新聞・電子版・速報 2015年12月25日19:25←早い!)