市内を4つの「在宅医療ブロック会議」で区割りする案に決定/「在宅療養連携会議」(第3回)へ

「在宅療養連携会議」が開催されました

今夜は7時から、逸見の保健所で『在宅療養連携会議』が開催されました。

会場にて

会場にて


5月7月に続いて、今日で第3回目となります。

今年度最重視の「在宅医療ブロック会議」

フジノにとって、今夜の最大のテーマは、『在宅医療ブロック会議』です。

市の地域医療推進課にとっても、『在宅医療ブロック会議』は2013年度最も重視している事業なのです。

下に、今年の予算議会での委員会質疑を引用してみますね。

【2013年3月5日・予算決算常任委員会教育福祉分科会での質疑】

フジノの質問

『地域医療連携推進事業』について数点伺います。

この事業は高い意義があると思いますが、2025年、2050年に向けて『医療と福祉の連携・統合』を進めていかねばなりません。

そんな中で、平成25年度の目標、どの程度までどこまで進めていくのか。

2013年度当初予算説明資料・健康部分より

2013年度当初予算説明資料・健康部分より


横須賀市・チーム衣笠(衣笠病院グループ)・かもめ広場(市医師会)、それぞれ連携して目指していくべき目標があると思うのです。

平成25年度についてはどういったところまでを目標としていくのか、まずお答えいただきたいと思います。

地域医療推進課長の答弁

平成25年度に予定している事業の中で、一番重視しているのは『在宅医療ブロック会議』になります。

それぞれの地区ごとに、どういうところに行けば在宅医療に対応できる医師がいて、その医師を中心にどういったチーム、それを支える看護師とかケアマネジャー、ヘルパー、そういった方がいるかというところが重要かと思っております。

来年度はこの『在宅療養ブロック会議』を通じて、それぞれのブロックごとに固定的なことでなくてもいいのですが、ドクターを核にチームができるといった方向性が見つけていければいいかと思っております。

フジノの質問

地域ごとで具体的なチームの構成と実際の連携を推進していく、ということだと伺いました。

まず、こちらは組織面、連携する側の動きだと思うのですが、それぞれの地域の方々が連携した形で医療・福祉を受ける側の方々への理解や周知というのも同時に進めていくのでしょうか。

地域医療推進課長の答弁

これも行く行くのイメージ、来年度は難しいかもわかりませんが、一般の市民の方の相談の窓口的な所を、これは市が直営がいいのか、医師会がいいのか、あるいはほかの事業者がいいのかわかりませんが、そういったことを決めて、相談に行くとブロックごとにあるチームを紹介してくれて、受け入れがスムーズにいくというところを目指したいと考えております。

(質疑応答の引用は、ここまで)

このように、今年度とても重視されているのが『地域医療ブロック会議』なのですね。

市内4ブロック案に決まりました

3月の予算議会での説明資料には、市内を3ブロックに分割する案が記されていました。

『在宅療養連携会議』ではこのテーマを集中的に議論する『在宅医療ブロック会議検討委員会』が設置されて、3分割案、4分割案、5分割案など検討が進められてきました。

こうして今夜の全体会議で正式に決定したのは、市内を4つのブロック会議に分割する案でした。

決定した4ブロック会議の区割り

決定した4ブロック会議の区割り・フジノ作成


横須賀市医師会の班分けと同じ区分となりました。

区割りのだいたいのイメージを地図にしてみました。

4ブロック会議の区割りイメージ図(フジノ作成)

4ブロック会議の区割りイメージ図(フジノ作成)


今後は、ブロック会議ごとに以下の取り組みを進めていくことを目指していきます。

  1. ブロック地域内で、在宅療養ができる診療所を増やしていく
  2. ブロック地域内の診療所と病院の連携を進めていく
  3. ブロック地域内の多職種の連携を深めていく

この区割りは、決して固定されたものではありません。

もちろん市民のみなさまが他のブロックの病院・診療所を受診することは全く問題ありません。

ブロック内の病院・診療所が他のブロックと連携することもむしろ必要になると思います。

地域包括ケア・在宅療養の一刻も早い実現の為に

今夜は、うれしいことが2つありました。

第1に、朝日新聞横浜総局から取材に来て下さいました。

第2に、傍聴者がフジノだけではありませんでした。市内の病院で勤務しておられるMSWの方が傍聴に来て下さいました。

どちらもフジノにとっては大変うれしいことでした。

『地域包括ケア・在宅療養』実現の重要性の高さにも関わらず、それが広く世間一般には全く浸透していません。

市民のみなさまだけでなく、医療・福祉の従事者のみなさまにも浸透しているとはいえません。

しかし、2025年に向けて、残された時間はあまりありません。

とにかくこの問題を広く周知していくとともに、同じ問題意識を共有できている方々と手をつないで輪を広げていくことが大切です。

ブロック会議の区割りも決まったので、より実践的な取り組みが進めていかれることになると思います。

今後も取り組みについてはどんどん情報を発信していきますので、どうか市民のみなさまには自らのことと感じていただけるようご協力をお願いします!

在宅療養連携拡大会議へ/2025年問題を考える

在宅療養連携拡大会議が開催されました

夕方から、逸見の生涯学習センターへ向かいました。

仕事帰りや仕事の合間を縫って、保健医療福祉のあらゆる職種の方々が集まりました

仕事帰りや仕事の合間を縫って、保健医療福祉のあらゆる職種の方々が集まりました


『在宅療養連携拡大会議』に参加しました。

横須賀市の主催で開催された、地域療養・地域包括ケアを推進する為の取り組みです。

横須賀市の地域医療推進課、チーム衣笠、横須賀市医師会による主催

横須賀市の地域医療推進課、チーム衣笠、横須賀市医師会による主催

まず、横須賀市・横須賀市医師会・日本医療伝道会(衣笠病院グループ)の3者から、これまでの取り組みをそれぞれ報告してもらいました。

横須賀市の地域医療推進課から「報告1.横須賀市の将来人口はこうなる!」

横須賀市の地域医療推進課から「報告1.横須賀市の将来人口はこうなる!」

横須賀市医師会による「報告2.在宅医療連携拠点事業の活動報告」

横須賀市医師会による「報告2.在宅医療連携拠点事業の活動報告」

日本医療伝道会(チーム衣笠)による「報告3.在宅医療連携拠点事業の活動報告」

日本医療伝道会(チーム衣笠)による「報告3.在宅医療連携拠点事業の活動報告」

続いて、横須賀市から『今後の取り組み』について報告がありました。

その中からフジノが特に市民のみなさまにお伝えしたい3つを紹介します。

  1. 『在宅医療ブロック会議』を市内3ヶ所に設置する
  2. 市内を3ブロックに分けて、在宅療養支援診療所を中心にして、相互協力体制を構築する

  3. 訪問診療への同行研修
  4. 在宅医療に取り組む診療所を増やす

  5. 『退院調整チェックシート』を作成・活用する
  6. 退院調整の円滑化をはかる

この3つは市民のみなさまにも直接に良い影響を及ぼす取り組みで、フジノとしても積極的に推進していきたいと感じました。

続いて、会場の参加者のみなさんとの意見交換が行なわれました。

この時間帯に1時間以上が充てられ、今夜の最大のプログラムになっていました。

けれども会場も広く、参加者もとても多い為か、なかなか発言が出ませんでした…。

そこでフジノから『急増する看取りと、死に直面した家族へのグリーフケア』について、やや医療系の方々を挑発するような意見を述べました。

すると…司会を勤めて下さった地域医療推進課の係長の見事な采配もあって、チーム衣笠、かもめ広場、在宅療養支援診療所、特別養護老人ホーム、訪問看護ステーション、ケアマネージャーなど、様々な方から続々と発言をしてもらえました。

フジノの隣の席の方は、それからずっとフジノに意見を話しかけ続けてくれました。

意見交換、かなり活性化したと思います。

良かったです!

日本在宅医学会での「終末期の医療と介護に関する松山宣言」が紹介されました

今回、配布された資料の1つにとても良い資料がありましたので、最後にそれを全文引用したいと思います。

第15回日本在宅医学会大会で採択された、宣言です。

終末期の医療と介護に関する松山宣言

平成25年3月31日

急速に進む高齢化によって、日本は多死社会を迎えています。

従来の、「治す」ことが主眼の医療から、治せなくても患者本人や家族を「支える」医療と介護が強く求められています。

特に終末期に目指すべき医療と介護のあり方について、”終末期の医療と介護に関する松山宣言” を発信します。

多死社会を迎え、避けられない死から目を背けず、患者にとっての幸せや生き方に向き合う医療と介護を提供しよう

医療は治すことを主目的に発展し、多くの場合、亡くなる直前まで治そうと努力し続けてきました。

これからは、たとえ治らなくても、死が避けられなくても、住み慣れた場所で、その人にとって適切な医療や介護を受けながら自分らしく生活を営み、死を自然に迎えるという選択肢があるということを広く知ってもらい、普及していく必要があります。

症状を緩和する多様な方法があることを普及させることも進めていきましょう。

(1)住み慣れた自宅や施設で最期を自然に迎える選択肢があることを提案しよう。

治せる病気を治すのは当然です。

ただ、疾患の根治にのみ価値をおいていては、患者家族も穏やかに病に向きあった生活ができません。

生命の有限性を医療・介護従事者も本人・家族も認識をした上で、亡くなるまでどう自分らしく生きるかについて考えることが重要です。

死が避けられない以上、本人や家族が命としっかりと向き合い、話をして、病と共に生きていくことを支えましょう。

(2)治すことができない病や死にゆく病に、本人や家族が向き合える医療と介護を提供しよう。

治らない病と共に生きる道筋がどのようなものであっても、住み慣れた場所で、苦しさを最小限にし、心地よさを維持することに努めることは、医療者・介護者の大切な役割です。

単に、身体の痛みを取り除くことだけに留まらず、人生に別れを告げる

悲しみや本人に思いを馳せながら、代わって道筋を選択する家族の重荷にも配慮しましょう。

(3)本人や家族が生き抜く道筋を自由に選び、自分らしく生きるために、苦しさを緩和し、 心地よさを維持できるよう、多面的な医療と介護を提供しよう。

人は治らない病気になっても、誰でも最期まで自分らしく生きることが出来ます。

死を迎えるまで変化し、最期までその人らしいより豊かな生を全うできる権利を持つことを理解した上で、適切な医療と介護にあたりましょう。

どう自分らしく生きるか気持ちが揺れ動く本人、家族とともに医療者・介護者も考え、歩んでいくことが大切です。

(4)最期まで、本人が自分らしく生ききることができるよう適切な医療と介護を提供し、本人や家族と共に歩んでいこう。

本人にとって最善の医療と介護は何なのかを常に考え、身体だけを生かし続けることに執着する医療から脱却し、それぞれの患者の生き方や価値観、希望に合わせて、その人に最も適した医療や介護の提供を目指しましょう。

認知症や脳の障害、コミュニケーション障害等で、本人が自分の意志を表出できなくても、周囲の医療・介護従事者、家族の考えだけで選択肢を決定するのではなく、「本人にとって、この選択は最善かどうか」に思いを馳せて選択をすることが必要です。

可能ならば、事前に本人と今後の療養についての大まかな方針を話し合っておくことが重要だと考えます。

引用は、以上です。

医療・福祉・行政の「多職種合同研修会」へ

今日は、逸見のウェルシティへ向かいました。『在宅療養を支えるみなさんのための多職種合同研修会(第2回)』へ参加しました。

この研修会はフジノにとって、今年度の重要施策のひとつで、とても注目しています。

今年度は4回開催します。

第1回は9月に開かれたのですが、定員いっぱいの参加で、熱気にあふれていたそうです(その様子はチーム衣笠のブログをご覧下さい)。

多職種合同研修会へ

今回も申し込みスタートから数日で定員を超える応募があって、多くの方々をお断りせざるをえない状況でした。

会場は、19時のスタート前から満員でした。医療・福祉・行政など様々な立場の方々200名が集合してくれました。

満員の会場

現場でお忙しいみなさんがこうして一同に会して下さったことは、大変ありがたいことです。深く感謝しております。

この取り組みについて、少し説明します。

横須賀市にとっては、健康部地域医療推進課の『地域医療連携推進事業』(予算72万円)の1つです。

平成24年度当初予算説明資料・健康部より

2012年度当初予算説明資料・健康部より

同時に、国のモデル事業でもあります。

『地域包括ケア』を実現する為に、2012年度の厚生労働省が行なっている、大きな2つの取り組みがあります。

このうち、医政局が中心になってすすめているのが『在宅医療連携拠点事業』です。下の図では右側の枠にあたります。

地域包括ケア体制について

このモデル事業に手を挙げた全国の取り組みの中から105の事業者が選ばれました。そのうち、神奈川県から選ばれた3つの事業がありました。

3つのうち2つが『横須賀市医師会』チーム衣笠『社会福祉法人日本医療伝道会』、いわゆる衣笠病院グループです)でした。

横須賀市の目指す『地域包括ケア』の方向性と、モデル事業として選ばれた『横須賀市医師会』『チーム衣笠』が目指している方向性は同じでした。

そこで、それぞれがバラバラに取り組むよりも、より高い効果が得られるように3者が合同して取り組みを行なうことにしました。

その1つがこの『多職種合同研修会』なのです。

さて、今夜の様子に戻ります。

まず、衣笠病院の鈴木博院長先生から『主催者あいさつ』がありました。

続いて、ショートプレゼンテーションとして、『退院時の在宅医療連携』のタイトルで5人の方々から発表が行なわれました。

ショートプレゼンテーション

続いて、ここからが今夜の本番です。会場のみなさんが6〜8人ずつ26のグループに分かれて、グループディスカッションを行ないました。

退院時の在宅医療連携の課題をそれぞれにあげてもらい、続いてその課題をどうやって具体的に解決していかれるかを話し合いました。

グループディスカッション

参加しているメンバーは、実際に病棟で働いているドクターや看護師、医療相談室のMSW(メディカルソーシャルワーカー)、ケアプランをたてるケアマネージャー、地域包括支援センターの方々、高齢者福祉施設の方々、地域で診療をしておられるドクター、訪問看護をしている看護師、訪問介護をしているホームヘルパー、薬剤師、歯科医など、まさに『地域包括ケア』を担うプレーヤーのみなさんです。

高い問題意識でかなり突っ込んだ議論が熱心に繰り広げられていました。

そして、ディスカッションの時間が終わると、26グループがそれぞれ30秒ずつ議論の結果を発表していきました。

最後に、毎回恒例の『名刺交換会』でした。

今回はゲーム感覚を取り入れて楽しんで知りあいを増やしてほしい、ということで、「一番多く名刺交換をした方に賞品がでます」とアナウンスされました。

そして、なんとトップに立ったのは、先日意見交換をさせて頂いた横須賀市薬剤師会理事の塚本久美さんでした!

さすが!

地域包括ケアを実現するには、もちろんシステムを構築する必要があります。

けれどもシステム構築以前に、やはりあらゆる職種の方々がお互いを知り、お互いを信頼しあうことが不可欠です。

さんは、それをまさに実践して頂いたなぁと感嘆。名刺を持たないフジノの所にもあいさつに来て下さって、「フジノさんもちゃんと名刺持った方がいいよ」と言われてしまいました。本当そうですね!

今回の『多職種合同研修会』で痛感させられたことは、「やっぱり『尾道方式』の退院前カンファレンスはすごいのだ」ということでした。

ディスカッション後の発表では、26グループのほとんどが『退院前カンファレンス』の必要性を述べていました。そして、現状ではみんな「やらなければならない」と感じているのに、実際には日々の業務に忙殺されて実現できていないということでした。

横須賀では、やりたいと誰もが考えていながらやれていない。尾道では、やるべきだと誰もが理解していて1994年からずっと退院前カンファレンスを続けてきている。

この差は、とんでもなく大きな事なのだと改めて痛感させられました。

11月10日の活動日記では、フジノはこんなことを書きました。

だから『当たり前のこと』であるはずの『尾道方式』が特別にすごい取り組みとして評価されるのです。

しかも1994年に『尾道方式』がスタートしてから20年も経つのに、自分の暮らす地域ではそんなケアカンファレンスなんて、ほとんど行なわれていないのです。

だから、『尾道方式』がすごいすごいと全国で評価されている...。

2012年に生きている僕たちは、もはや『尾道方式』がすごいなんて言わない世の中にいなければいけないはず。それができていない。

『当たり前のこと』が当たり前として成されていない社会だから、『当たり前のこと』が20年経っても『特別なすごいこと』として評価されている。

早くこんな現実を変えなければ。早くこんな社会を変えなければ。

それが今日、フジノが最も強く学んだことでした。

今夜の研修会でも、このことを再び学びました。

何とかして「やらねばならないと分かっているけどできない」を変えて、実際にできるようにしなければ!

横須賀のみなさん、一緒にがんばっていきましょうね!
今夜はおつかれさまでした!

今夜の様子を『チーム衣笠』のブログでも紹介して下さっています。こちらもあわせてご覧下さい。

当たり前のことが成されていない社会だから「尾道方式」はすごいと言われる

意地でも向かったのは「尾道方式」を学ぶ為

持病であるパニック障がいが悪化して、フジノは最近すっかり外出できなくなってしまいました。

昨日も強い発作が出てしまい、途中下車。大門駅のトイレの個室にこもって、身体がうまく動かないことに自己嫌悪していました。

それでも今夜は意地で国際医療福祉大学院の聴講に向かいました。まさに必死でたどりつきました。

国際医療福祉大学院入り口に立つフジノ

顔面蒼白のフジノ


その理由は、今回の講師が『尾道方式』で知られる尾道市医師会片山壽(ひさし)前会長だったからです。

地域の医師会は地域連携の為に何をすべきか〜尾道方式の普及の為に〜

『医療と福祉の連携・統合』を目指しているフジノには、学ばなければならないことが山積みです。

中でも、とても重要な成功している取り組みとして知られている『尾道方式』と呼ばれる『ケアカンファレンス』はぜひ現地を視察して学びたいと考えてきました。

5月に開かれた教育福祉常任委員会でも、『県外視察』の候補を4つ提案しました。実は、この時にも『尾道方式』を提案しました。

県外視察の候補地としてフジノが挙げた4つ

5月の教育福祉常任委員会でフジノが提案した視察先リスト


残念ながら、委員会の視察先としてフジノの提案は採用されませんでした。

しかし今夜は、その『尾道方式』を1994年から約20年にわたってリーダーとして実践してきた片山前会長ご本人からじかに伺うことができるのですから、どんなことがあっても休むわけにはいきませんでした。

クラスの様子

教室も完全に満席でした。

尾道方式とは何か?

医療・福祉の世界でそんなに注目されている『尾道方式』って、一体どんな取り組みでしょうか?

尾道方式のケアカンファレンス

あえてフジノ流にひとことで言うと

入院してしまった高齢者の方がいたら、退院が決まる前の時点から、医療・福祉の関係者たちが集まって、退院した後の暮らしの在り方を、本気で話しあうこと

です。

下の写真のように、本人、家族、ケアマネージャー、ドクター、看護師、歯科医、薬剤師、民生委員、社会福祉協議会などが集まって、退院してからの暮らしをプランしていきます。

片山先生の診療所で開かれたケアカンファレンスの様子

全ての患者さんに対してこのケアカンファレンスを行ないます。そして、退院後はそのケアプランに基づいて、地域での暮らしを実践していきます。

病院でのケアカンファレンス

「尾道方式」がすごいのは、誰もが当たり前と考えていながら実現できていないことを確実に実行していること

こうして説明を聞くと、『尾道方式』って特別な取り組みでも何でも無いですよね?

フジノは、知識としては『尾道方式』を理解していました。『地域包括ケア』について学ぼうとすると、どの文献でも必ず『すごい取り組み』として紹介されています。

でも「これが何故そんなに大きく取り上げられるべきすごい取り組みなのか?」ということを、フジノは正面からじっくりと考えたことがありませんでした。

何がすごいんだろう? こんなこと、どこでもやってなければおかしいはず。

今夜、片山先生のお話をじかにうかがってからも、その疑問は消えませんでした。むしろ、「当たり前のことに過ぎないのではないか?」という気持ちがどんどん強くなっていきました。

そこで、もう1度じっくり考えてみました。

尾道医師会会長・片山先生

フジノが考える『尾道方式』はこれです。

  1. 入院してしまった高齢者の方がいたら
  2. 退院・転院が決まる前の時点から
  3. 医療・福祉のあらゆる関係者たちが集まって
  4. 退院した後のその人の暮らしの在り方を
  5. 本気で話しあうこと

この『尾道方式』の全く逆のパターンを考えてみたら、答えが見えてきました!

尾道方式のケアカンファレンス

今の日本の、一般的な『高齢者の入退院』がどんなふうに進んでいくかという現実を見てみると…。

今、高齢者が病気などで入院してしまうと、約3ヶ月が過ぎると、病院から「退院してほしい」と言われます。

いきなりのことに家族はどうしたらいいか分からなくて「別の病院?」「特別養護老人ホーム?」「老健?」「自宅?」と困り焦っているうちに3ヶ月が経ってしまいます。

病院の医療相談室に相談しても「うーん、どこの特養も待機者が何十人もいて1年待ちです」「とにかく入所の申請だけしてください」で、終わり。

その方がどうしたら以前のように再び元気に自立した暮らしができるかなんて、誰も考えることもできないままに、いきあたりばったりで見つかった次の行き場所へ移っていくしかありません。

たいていの場合、退院した後は、自宅と老健を行ったり来たりしながら、特養に入所できる日を待つ日々が続いていきます。

これが今の日本の典型的なパターンです。

そう、こんなメチャクチャな姿が目の前にある現実なのです。ケアカンファレンスなんて全く開かれていません。

だから『当たり前のこと』であるはずの『尾道方式』が特別にすごい取り組みとして評価されるのです。

しかも1994年に『尾道方式』がスタートしてから20年も経つのに、自分の暮らす地域ではそんなケアカンファレンスなんて、ほとんど行なわれていないのです。

だから、『尾道方式』がすごいすごいと全国で評価されている...。

2012年に生きている僕たちは、もはや『尾道方式』がすごいなんて言わない世の中にいなければいけないはず。それができていない。

『当たり前のこと』が当たり前として成されていない社会だから、『当たり前のこと』が20年経っても『特別なすごいこと』として評価されている。

早くこんな現実を変えなければ。早くこんな社会を変えなければ。

それが今日、フジノが最も強く学んだことでした。

『尾道方式』についてもっと正確に知りたい方は、文献・論文・サイトはたくさんありますので、ぜひご参照ください(例えば、こちらこちらこちらこちらこちらこちらこちらなど)。

県内初、HTLV-1母子感染予防対策の研修会が開かれました!/フジノの提案、実現しました

HTLV-1の母子感染予防対策の研修会が開かれました!

今日は、こども育成部の主催で『HTLV-1』についての研修会が開かれました。

『HTLV-1』の研修を行なったのは神奈川県内では横須賀市が初めてです。

これは、快挙です!

国内で100万人を超えるキャリアがいるHTLV-1を撲滅する為の第一歩がついにスタートしました。

フジノが6月議会で提案したことが早くも実現したこともうれしかったのですが

HTLV-1によって発症するATL・HAMで苦しい日々を送っておられる方々に、ようやく明るいニュースをお伝えすることができたのが、何よりも本当にうれしかったです。

聖マリアンナ医科大学の山野嘉久先生

聖マリアンナ医科大学の山野嘉久先生


講師を勤めて下さったのは、聖マリアンナ大学の山野嘉久先生です(フジノと『NPOはむるの会』をつないで下さった方です)。

かねてから山野先生は

「フジノさん、横須賀市で取り組みがスタートするならば、私自身が講師として必ず伺いますからね」

と、おっしゃって下さっていました。

わが国のHTLV-1総合対策を推進する主要メンバーである山野先生自らが、横須賀市にならば講師として来て下さるとおっしゃっていることをこども育成部にも伝えたところ、正式に講師としてお願いすることとなりました。

こうして今日が実現したのですね。

タイトルは、『HTLV-1の母子感染予防対策について』です。

HTLV-1の母子感染予防対策についての研修

HTLV-1の母子感染予防対策についての研修


研修には、新生児訪問を担当している嘱託の助産師さんや横須賀市の保健師のみなさんら合計36名が参加してくれました。

HTLV-1の感染ルートとして、最も大きな割合を占めるのが『母乳による感染』です。

まずは母子感染対策をしっかりと行なうことから始めて、新たなキャリアを増やさないことを目指すのが有効です。

その為には、現場で妊婦さんに向き合う方々に理解していただくことが何よりも大切です。

厚生労働省は総合対策の取り組みとして、啓発のポスターやHPを作っていますが、妊婦さんたちと毎日接しておられる現場の方々に正しい知識と適切な対応方法を身につけていただくことが何よりも効果的です。

さらに今後は、助産師会や医師会の協力をえてより多くの助産師・産科医のみなさんにも研修に参加していただくことが必要だとフジノは考えています。

研修の様子

研修の様子


わが国では、昨年12月末にようやくHTLV-1総合対策がスタートしました。

しかし、国による号令はかかったものの、地方政府による動きは全くスタートしていません。

例えば、全国の都道府県は『HTLV-1母子感染対策協議会』を新たに立ち上げなければならないのですが、神奈川県は、今も設立の気配が全くありません(*)

かつて自殺対策基本法が国会で成立してからも長い期間にわたって全国で全く動きが無かったのと同じ構図です。

あの時、フジノたちは

「国が動かなくても県が動かなくても、横須賀市が先頭を切って動けばいいのだ」

と訴え続けて、そして、県よりも先にあらゆる取り組みをスタートしてきました。

その結果が今、良い形で少しずつ表れてきています。

だから、HTLV-1対策についても同じです。

たとえ県が動かなくとも、現場に最も近い存在である市が動くべきなのです。

今日まさに横須賀市は取り組みをスタートしました。フジノはこうした横須賀市の動きをこころから誇りに感じます。

この動きをさらに広げるとともに、継続的な息の長い活動にしていきたいです。

山野先生、そして研修に参加して下さったみなさん、今日は本当にありがとうございました!

(*)9月に設立されたとのことです。