医療・福祉・行政の「多職種合同研修会」へ

今日は、逸見のウェルシティへ向かいました。『在宅療養を支えるみなさんのための多職種合同研修会(第2回)』へ参加しました。

この研修会はフジノにとって、今年度の重要施策のひとつで、とても注目しています。

今年度は4回開催します。

第1回は9月に開かれたのですが、定員いっぱいの参加で、熱気にあふれていたそうです(その様子はチーム衣笠のブログをご覧下さい)。

多職種合同研修会へ

今回も申し込みスタートから数日で定員を超える応募があって、多くの方々をお断りせざるをえない状況でした。

会場は、19時のスタート前から満員でした。医療・福祉・行政など様々な立場の方々200名が集合してくれました。

満員の会場

現場でお忙しいみなさんがこうして一同に会して下さったことは、大変ありがたいことです。深く感謝しております。

この取り組みについて、少し説明します。

横須賀市にとっては、健康部地域医療推進課の『地域医療連携推進事業』(予算72万円)の1つです。

平成24年度当初予算説明資料・健康部より

2012年度当初予算説明資料・健康部より

同時に、国のモデル事業でもあります。

『地域包括ケア』を実現する為に、2012年度の厚生労働省が行なっている、大きな2つの取り組みがあります。

このうち、医政局が中心になってすすめているのが『在宅医療連携拠点事業』です。下の図では右側の枠にあたります。

地域包括ケア体制について

このモデル事業に手を挙げた全国の取り組みの中から105の事業者が選ばれました。そのうち、神奈川県から選ばれた3つの事業がありました。

3つのうち2つが『横須賀市医師会』チーム衣笠『社会福祉法人日本医療伝道会』、いわゆる衣笠病院グループです)でした。

横須賀市の目指す『地域包括ケア』の方向性と、モデル事業として選ばれた『横須賀市医師会』『チーム衣笠』が目指している方向性は同じでした。

そこで、それぞれがバラバラに取り組むよりも、より高い効果が得られるように3者が合同して取り組みを行なうことにしました。

その1つがこの『多職種合同研修会』なのです。

さて、今夜の様子に戻ります。

まず、衣笠病院の鈴木博院長先生から『主催者あいさつ』がありました。

続いて、ショートプレゼンテーションとして、『退院時の在宅医療連携』のタイトルで5人の方々から発表が行なわれました。

ショートプレゼンテーション

続いて、ここからが今夜の本番です。会場のみなさんが6〜8人ずつ26のグループに分かれて、グループディスカッションを行ないました。

退院時の在宅医療連携の課題をそれぞれにあげてもらい、続いてその課題をどうやって具体的に解決していかれるかを話し合いました。

グループディスカッション

参加しているメンバーは、実際に病棟で働いているドクターや看護師、医療相談室のMSW(メディカルソーシャルワーカー)、ケアプランをたてるケアマネージャー、地域包括支援センターの方々、高齢者福祉施設の方々、地域で診療をしておられるドクター、訪問看護をしている看護師、訪問介護をしているホームヘルパー、薬剤師、歯科医など、まさに『地域包括ケア』を担うプレーヤーのみなさんです。

高い問題意識でかなり突っ込んだ議論が熱心に繰り広げられていました。

そして、ディスカッションの時間が終わると、26グループがそれぞれ30秒ずつ議論の結果を発表していきました。

最後に、毎回恒例の『名刺交換会』でした。

今回はゲーム感覚を取り入れて楽しんで知りあいを増やしてほしい、ということで、「一番多く名刺交換をした方に賞品がでます」とアナウンスされました。

そして、なんとトップに立ったのは、先日意見交換をさせて頂いた横須賀市薬剤師会理事の塚本久美さんでした!

さすが!

地域包括ケアを実現するには、もちろんシステムを構築する必要があります。

けれどもシステム構築以前に、やはりあらゆる職種の方々がお互いを知り、お互いを信頼しあうことが不可欠です。

さんは、それをまさに実践して頂いたなぁと感嘆。名刺を持たないフジノの所にもあいさつに来て下さって、「フジノさんもちゃんと名刺持った方がいいよ」と言われてしまいました。本当そうですね!

今回の『多職種合同研修会』で痛感させられたことは、「やっぱり『尾道方式』の退院前カンファレンスはすごいのだ」ということでした。

ディスカッション後の発表では、26グループのほとんどが『退院前カンファレンス』の必要性を述べていました。そして、現状ではみんな「やらなければならない」と感じているのに、実際には日々の業務に忙殺されて実現できていないということでした。

横須賀では、やりたいと誰もが考えていながらやれていない。尾道では、やるべきだと誰もが理解していて1994年からずっと退院前カンファレンスを続けてきている。

この差は、とんでもなく大きな事なのだと改めて痛感させられました。

11月10日の活動日記では、フジノはこんなことを書きました。

だから『当たり前のこと』であるはずの『尾道方式』が特別にすごい取り組みとして評価されるのです。

しかも1994年に『尾道方式』がスタートしてから20年も経つのに、自分の暮らす地域ではそんなケアカンファレンスなんて、ほとんど行なわれていないのです。

だから、『尾道方式』がすごいすごいと全国で評価されている...。

2012年に生きている僕たちは、もはや『尾道方式』がすごいなんて言わない世の中にいなければいけないはず。それができていない。

『当たり前のこと』が当たり前として成されていない社会だから、『当たり前のこと』が20年経っても『特別なすごいこと』として評価されている。

早くこんな現実を変えなければ。早くこんな社会を変えなければ。

それが今日、フジノが最も強く学んだことでした。

今夜の研修会でも、このことを再び学びました。

何とかして「やらねばならないと分かっているけどできない」を変えて、実際にできるようにしなければ!

横須賀のみなさん、一緒にがんばっていきましょうね!
今夜はおつかれさまでした!

今夜の様子を『チーム衣笠』のブログでも紹介して下さっています。こちらもあわせてご覧下さい。

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