大学院に合格しました/「地域社会政策の観点から自殺予防総合対策の『横須賀モデル』を提案する」が研究テーマです

大学院(福祉政策)に合格しました

忙しくてなかなかHPでみなさんに報告できなかったのですが、大学院入試を受験して、無事に合格することができました。

大学院での専攻は、もちろん社会福祉学です。

さらに詳しく言うと『福祉政策』をメインに研究します。

福祉政策という『理論』と『実践』を統合した研究ができるのは、日本ではまだわずか3つの大学院しかありません。

そんな中で、尊敬する先生方が6人もそろっている素晴らしい大学院に出会うことができました。

  • 福祉の世界に新しく介護保険制度を導入した時に政府委員として活躍されていたT教授。
  • 自殺予防対策で初めて日本で数値目標を導入することができた大きなきっかけとなった『健康日本21』を政府がつくる際にその根拠法となった健康増進法の策定に関わったT教授。
  • 精神保健福祉に関わっている人間であれば知らない人はいない『やどかりの里』でこれまで長く実践の立場で関わってこられたF教授。

この3名をはじめとする先生方のことは、もともと大学教授に就任する前からその活躍を知っていました。

こんな素晴らしい教授陣のもとで研究活動をする機会が与えてもらえて、本当にうれしいです。

来年4月からは大学院生として全力で研究を行なっていきたいと思います。



大学院への進学を決心するまで(2年前)

もともとは2年前に、日本社会事業大学の通信教育課程で全国の福祉を志す仲間と出会ったことから全ては始まりました。

残念ながら市議会の中では福祉について議論するチャンスはほとんどありません。

市の職員さんたちには熱い想いを持つ人々もたくさんいるのですが、どうしても政治家と行政という壁があってじっくりと議論する機会はなかなかありません。

福祉の現場で出会う方々とは想いは基本的に同じなのですけれども、現場は常に忙しいので貴重な時間を取ってしまうことは申し訳なくて、国や市の福祉制度そのものを財政面も含めて話し合うことはなかなかできませんでした。

だから、いつもフラストレーションを感じてきました。
 
「もっと福祉の将来を真剣に議論したい」

といつも思ってきました。

そんな時に、1年に10日間だけスクーリングで日本社会事業大学のキャンパスに全国から同期が集まって、丸1日ぶっとおしで福祉の講義を受けて、昼休みも夜も、福祉について語り合うことができました。

それは本当に大きな喜びでした。

でも、それは年にわずか10日間だけのこと。

しかも1年7ヶ月の通信教育課程なのでスクーリングは2回のみ。

すぐに卒業になってしまい、全国の仲間とは年に数回会うこととメールでやりとりするだけになってしまいました。

僕はもっと福祉を守る為に学ぶべきことがたくさんある。

僕はもっと福祉の将来を議論したい。

いつもそう考えてきました。

そんな想いから日本社会事業大学の大橋先生・寺谷先生・鈴木先生に進学について相談にのっていただきました。

でも、結局は『遠い夢』だとあきらめていました。

政治家をしながら大学院に通うなんてあまりにも忙しすぎて両立は不可能だろうなあ...と。



大学院への進学を決心するまで(1年前)

そんな昨年2月のこと、なんと同期の友達が大学院に進学したと連絡を受けました。

彼はわずか20代なかばで福祉NPOの事務局長をしているOくん。

「彼こそ国会議員になってほしい」

と願うフジノにとって存在の1人がこのOくんなんですね。
 
高い行動力と深い知識があるのです。

そのOくんが、NPOの運営だけでも忙しいのに大学院に進学して研究活動も行なうことになったのです。

Oくんのがんばりを目の当たりにして大学院はいかに大変かということも理解しました。

けれども、ものすごく充実している日々だということも分かりました。

すっごくうらやましいと思いました。

僕も大学院進学を真剣に考えていく決心をして研究したいテーマに合う大学院を探し始めました。

僕が研究したいのは、まず第1に
 
「この国の福祉制度を守る為の福祉政策を創りだすこと」

です。

こんなにひどい障害者自立支援法なんかではなく、もっとまともな、障がいのある人の暮らしが守られる制度が必要です。

かと言って、財政を無視した空想の世界ではダメです。
 
現実をのみこんだ上で、よりよい制度を生み出すのです。

こうして必然的に僕のテーマはものすごく広い社会福祉の分野の中でも『福祉政策』に決まりました。

いろいろな人の話を聞いたりインターネットでいろいろ調べてみたりしてついにその大学院にたどりつきました。

福祉政策を専攻できる数少ない大学院であるということに加えて

  • 理論と実践を統合する
  • 高い専門性を持つ人材を育てる
  • 新しい福祉社会をデザインする

というこの大学院の『目的』は僕の想いに何よりもマッチしていました。

そこで、すぐに願書・入学案内を取り寄せてみました。



挫折...(1年前の夏)

でも、届いた願書を読んで

「ああ、もうムリだ...」

と、がっくりきてしまいました。

社会人だからといって、何も優遇は無し。

今では多くの大学・大学院は人を集めるために『社会人枠』をつくって試験を小論文だけにするなどカンタンに入学できるのですね。

でも、手加減は全く無し。ゼロ。
 
大学を卒業してそのまま進学する学生たちと同じラインでゼロからの受験です。

さらに、僕は大学時代は心理学専攻なのでいわゆる『他学部出身者』になります。

提出する願書には卒業論文を一緒に出さなければならないのですが、僕には社会福祉の論文がありません。

だから、卒業論文に相当する大量のレポートをかわりに提出しなければなりません。

もう完全にムリだと思いました。

だって、卒業論文って大学時代に僕は1年がかりで書いたよ。

僕の場合、社会福祉学は全て独学だから(日本社会事業大学だって通信教育課程だからほぼ独学です)それをゼロから学んで、さらに卒業論文と同じレベルのレポートを書くなんて完全に不可能だと思いました。

もちろん、書く努力はしました。

けれども政治家としてあまりにも忙しい日々の中で完全に挫折しました。

こうして昨年は、願書を出すことさえ叶いませんでした。
 
とても悲しかったです。

でも、いつの日かしっかりと研究したい、進学したい、という気持ちは決して消えることはありませんでした。



大学院への進学を決心するまで(7月27日)

でも、今年7月27日、神奈川新聞の社説を読んでついに決心が固まりました。

その社説とは

「自殺予防は『横須賀方式』うちだして」

というものです。

2006年7月27日神奈川新聞・社説

2006年7月27日神奈川新聞・社説


全国からお手本にされる横須賀モデルの自殺予防対策をしっかりと打ち出せ、がんばれ、横須賀!

という強いエールと問題提起を神奈川新聞から受けました。

横須賀の自殺予防対策を引っ張ってきたのは僕だ

という想いがフジノには強くあります。

ならば、神奈川新聞の社説で投げかけられた問題提起にフジノなりの回答を出さなければいけない、と決心しました。

僕の中でモヤモヤとしていた気持ちがはっきりとクリアになりました。

福祉政策を研究するというテーマはいったん置いてもっともっと自分にとって切実なテーマを修士論文にしよう!

そして、僕が大学院で書く修士論文のタイトルが決まりました。

「地域社会政策の観点から自殺予防総合対策の『横須賀モデル』を提案する」

です。

願書は今年も取り寄せてありました。
 
こうして、本格的に大学院受験を決心しました。

受験は、1次試験が9月11日。

合格したら2次試験が9月13日。

何よりもまず、あの大量のレポートと願書のしめきりが8月23日でした。

しめきりまでわずか1ヶ月。
 
挑戦が始まりました。



なんとか受験できるようになるまでの準備(8月)

7月30日に『地域の自殺対策を推進する地方議員有志の会』の総会が終えて、過労から数日間ぶっ倒れて、8月に入ってからやっと論文を書き始めました。

過去のスケジュール欄を見てみるとわずか13日間しか論文を書く時間が取れなかったのですね。

その間にはストーカー騒動もあったし、連日のようにメール&電話相談も受け続けてきましたし、政治家としての仕事もしっかり続けてきました。

あまりに忙しくて精神的にも肉体的にもかなり追い詰められていました。

途中でとにかく横須賀を離れようと思って、2泊3日で都内のビジネスホテルにこもって、朝から真夜中までずっと勉強しては論文を書いたりしました。

これが本当にきつかったです。

部屋のカーテンをしめて朝なのか夜なのかも全く分からない状態にして、1日18時間くらい勉強と論文を書いていました。

政治家になってから毎年夏は勉強の時期なのですが、今年はすさまじい量の文献を読み込みました。

社会福祉・社会保障・福祉政策のぶ厚い本を20冊は軽く読みました。

5冊くらい同時に読みながら、1日1~2冊ペースで読んでいきました。

そして、徹夜につぐ徹夜をくりかえして8月23日のしめきり(消印有効)の夕方、横須賀中央郵便局の時間外もあいている窓口に願書を届けました。

ふつうは1年がかりで書く卒業論文を気合と根性と燃える想いだけで13日間で書きました。

書きあがった時にはもう何もかもが真っ白ででもすごく充実していました。

正直なところ、今年9月の試験で不合格でも次にある来年2月の試験を受ければいい、不合格ならば来年9月、不合格ならば再来年2月、と合格するまで何十回でも受け続けるつもりでした。



働きながら、受験をすることの大変さ

こうして、9月11日が1次試験でした。

前日は『世界自殺予防デー』で、横須賀は独自の取り組みを初めて行ないましたからその反響がいろいろありました。

試験前日だからといって特別に勉強の時間が取れるわけでもなくて、相談の電話を受け続けていました。

「今夜、絶対に死ぬ」みたいな相談電話をもらってしまい、先輩の精神保健福祉士さんにヘルプを求める電話をしたり、何だかいつも以上に忙しい夜でした。

こうして、1次試験の朝を迎えました。

1次試験が終わった夜には、以前からどうしてもふだん会えない友達と約束をしていて休みたくてたまらなかったけれども横浜まで会いにいき、夜中まで過ごしました。

きつかった...。

1次試験の合格発表は翌12日の夕方でした。

でも、ぎっくり腰の件があって痛くて寝床にいました。

発表から1時間くらい経って見たのですが、腰の痛さのせいで『1次試験合格』の発表を見てもなんだか実感がわきませんでした。

すぐに受験会場のそばのホテルを探して明日朝一番で行なわれる2次試験(面接)のために大急ぎで準備をしました。

ホテルに到着できたのは23時すぎ。

そしてこの夜もまた忙しくて結局ほとんど寝ないで2次試験の朝を迎えました。

9月13日朝、2次試験の面接でした。

2日後の15日の11時が合格発表、フジノは本会議でした。

本会議にあまりに熱中していて午前中の議論が終わった後もその場に残って、教育長職務代理者・生涯学習部長・代表監査委員の方々と意見交換をしました。

こうして、控え室に戻った後、コンビニで買ったおにぎりを食べながら携帯電話のインターネットで合格発表を見ました。

合格していました。

これもまた僕の性格なのですがお世話になった人にすぐに伝える方が先だということで、そこから20分くらいはいろいろな方々に合格の連絡をしまくりました。

すぐに13時が近づいてきたのでまた本会議の大切な議論の中へと戻りました。



合格した今、思うこと

翌日からまたずうっと忙しかったので、実は、全く合格の実感とか喜びはありません。

働きながら受験するというのはこんなにも苦しい作業なのか、というのが実感でした。

でも、こんなにも苦しい作業をのりこえた自分自身を再発見することができたのは大きな収穫でした。

ぎっくり腰で座っているだけでもつらいのに1次試験で朝からずっと論述試験を耐え切ったのは自分でも驚きでした(終わった後は何回も吐いてしまいました)。

それくらいがんばれたのはやっぱり福祉政策への想いが強かったからだと思います。

もっともっとこの国の福祉を良くしたい、その為に自分が何とか力になりたいんだ、という想いは僕を突き動かしていきました。

途中、何度も挫折しそうになりましたが苦しみをのりこえていく自分に出会うたびに

「ああ、おれはまだ何とかがんばれるんだ」

と感動しました。

本当ならば、この進学の報告を誰よりも僕の父に喜んでほしかったです。

意識不明のまま病床に臥している父には残念ながら共に喜んでもらうことはできません。

「福祉を食い物にするような生き方だけはするな!」

というのが、父の口グセでした。

福祉をメインに活動する政治家というのは、ある意味で父にとっては『福祉を食い物にする』ようにも見えていたのだと思います。

僕が生涯を福祉に捧げる決心の現れであるこの大学院進学を伝えて、あなたの息子は福祉を良くしたいのであって決して福祉を食い物にしているのでは無いんですよ、と改めて安心してほしかった。

いずれにしても、父に今の僕の活躍を少しでもいいから知ってもらいたかったです...。

ともかく2年越しの夢が実現できました。

次は、来年4月から実際に大学院に通ってしっかりと研究を行なって、成果を出すことが僕の夢です。

大学院は、通う必要はあまりありません。

そのかわり、自分でふだんから徹底的に研究をしたり準備の時間がものすごくかかります。

学校で行なうことはそうした研究成果を研究室の先生や先輩方と議論しあうことです。

もう授業があって先生が教えてくれる、なんてことはほとんどありません。

きっと厳しい日々が待っているんだろうな、と思います。

それでも自分はこのまちの福祉を守る為にしっかりと研究を行ないたいと思います。

これからも全力でがんばり続けますのでどうか見守っていてください。

最後になりましたが、あらかじめ受験することをお知らせしていた親しいみなさま、励ましの言葉をいただいたこと、合格への祝福の言葉をいただいたこと、改めてこころから感謝しています。ありがとうございました。

僕はこれからも全力でがんばります。



2006年7月27日神奈川新聞・社説

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