うわまち病院の移転建て替えについての市民向け説明会(第1回)が開かれました/進入路拡幅への誤解について説明いたします

うわまち病院の移転建て替えについての市民向け説明会が開かれました

先日お知らせしたとおり、『うわまち病院の移転建て替えについての市民向けの説明会』が開かれました。

横須賀市ホームページ「報道発表」コーナーより

横須賀市ホームページ「報道発表」コーナーより


説明会は合計2回、開かれます。

今日は、日曜日のお昼の開催(15時から16時半まで)で、会場はうわまち病院でした。

第2回も同じ内容で行われますが、明日夜18時半から20時まで、会場はウェルシティ市民プラザ3階第1研修室です。

説明会のプログラム

説明会のプログラム


行政側の参加者は、健康部長・市立病院担当課長・土木部道路建設課長をはじめ、担当課職員一同です。

会場の参加者は、約30名でした。

市議は、井坂なおし議員・大村洋子議員・田辺昭人議員・フジノの4名が参加しました。



これまでの経緯の説明と、質疑応答が行なわれました

まず、これまでの経緯について説明がひととおり行なわれました。

10ページの資料が配布されました。

配布された資料はこちらです。

説明内容は、フジノのブログをご覧の方々には特に新たな情報はなく、8月31日の一般質問の質疑応答を超える内容はとくにありませんでした。

ただ、良かった点が2つありました。

第1に、パワーポイントを使って写真をご覧いただきながら説明がなされたことです。

具体的に、うわまち病院の本館・外来棟(築50年以上経過)の老朽化の様子や、あまりにも手狭になった病室の様子などが写真でわかりやすく紹介されたことは良かったと思います。

例えば、うわまち病院の廊下の天井は配管がむき出しになっています。本来ならば、天井や床などの見えないところにあるべきものです。

病院の中で使う医療機器は圧倒的に増えました。使用する電力量も増えています。

しかし今の建物では新たな設備への更新もとても難しい状況になっています。つまり、患者さんに良い医療が提供できづらくなっています。

また、信じられないことですが、今年のような台風がくるとうわまち病院では雨漏りが起こることもあります。

病室のサッシから雨水が吹き込んでくることもあります。

入院療養中の患者さんをはじめ、勤務している医療関係者のみなさんにとっても、不快ですし衛生的ではありません。

また、現在の新しい病院であれば、1ベッドあたりの面積はひとりあたり8〜9平方メートルが平均的です。

一方、うわまち病院ではひとりあたり5平方メートルと極めて狭くなっています。つまり、現行の病院の1ベッドあたり面積の2分の1しか無いのです。

実際の病室に入ったことが無い方にはイメージしづらいと思いますが、カーテン1枚をはさんで、すぐ隣のベッドに患者さんがいらっしゃる状況です。プライバシーが守られないような状況があります。

患者さん・医療関係者双方にとって悪影響を与えているこの老朽化と手狭さについては、市立病院運営委員会のみなさまに2015年に視察していただいた時よりも悪化しています。

こうした状況が参加者の方々にリアルにご理解いただけたかと思います。

第2に、土木部からも説明会に参加していただきました。町内会向けの説明会は健康部だけで行ないました。

しかし土木部がメンバーに入ったことで、進入路の拡幅に関する説明がしっかりできるようになりました。本当に良かったです。

うわまち病院の建て替え経緯等についての説明会の様子

うわまち病院の建て替え経緯等についての説明会の様子


40分ほど健康部からの説明がなされた後は、会場のみなさんとの質疑応答が行なわれました。

質疑応答を少し紹介したいと思います。

Q1.進入路の狭さは長年問題だったにもかかわらず、横須賀市は何故対応をとってこなかったのか?

うわまち病院への進入路を広げることが50年前に都市計画決定されたにもかかわらず、これまで対応がなされてこなかったことへの厳しいご批判がなされました。

この点はフジノもすでに昨年12月議会で指摘したとおりで、ご意見はごもっともだと思います。

建て替えの話が出るずっと以前から、県道26号からうわまち病院への進入路の慢性的な渋滞は大きな問題となっていました。

そこで2006年に蒲谷市長がうわまち病院の駐車場を拡大しました。

この対応によって慢性的な渋滞が少し緩和された為、進入路の拡幅に対する横須賀市の道路整備における優先順位が下がってしまいました。

さらに今から6年前、フジノはうわまち病院の建て替えを提案しました。

しかし、吉田雄人前市長は進入路拡幅に関して一切の対応を指示しませんでした。

その為、今まで一切進入路の拡幅に関して土木部が地権者の方々に移転交渉を行なうことなどはありませんでした。

この無策については極めて残念でなりません。

現市長を強く批判される方もおられましたが、この問題を追いかけてきたフジノとしては前市長こそ批判されるべきだと申し上げたいです。

昨年12月議会での一般質問での答弁をお読みいただければ、上地市長は進入路の拡幅の必要性を理解しておられて、フジノの早期拡幅の提案にも前向きな答弁をしています。

時計の針を戻すことはできませんが、吉田前市長時代にもっと強く進入路の拡幅の必要性を訴えて実行させていれば、とフジノは悔やまれてなりません。

この点は、うわまち病院の重要性を誰よりも理解している市議として、フジノは心からお詫びを申し上げます。

Q2.進入路の拡幅の為に「今すぐ引っ越してもいい」と地権者が言ってくれているのだから拡幅を今すぐ実行すべきでは?

現在約5mしか道路幅がない進入路について、

「数名の地権者の方は『今すぐ引っ越してもいい』と言ってくれている。だから拡幅に10年もかかるはずが無い」

といったご意見がありました。

これは、うわまち病院周辺地域のみなさんとフジノは意見交換をしてきましたが、残念ながら多くの方が誤解しておられます。

法律では9m以上の道路幅でなければ開発行為ができない、となっているので、市民の方々の中には「5mの道路幅をあと4mだけ広げれば良い」との誤解があります。

横須賀市はこの進入路を15m幅に拡幅するという都市計画決定を行なっております。

この決定に基づいて15m幅に拡幅する工事をしなければ、道路拡幅の為の国の補助金もおりません。工事は15m幅に広げる大規模なものになります。

つまり、数軒が移転すれば道路拡幅にとりかかれるのでは無いのです。

県道のスタート地点からうわまち病院の入口まで、つまり進入路に面している約20軒ほどの建物のほぼ全てが移転の対象となります。

進入路に面している建物の約20軒が移転の対象となります

進入路に面している建物の約20軒が移転の対象となります


上の図も誤解を与えてしまう可能性があるのですが、あくまでイメージとして使わせて下さい。

15m幅に広げる為には、県道の交差点入り口からうわまち病院までの進入路(赤い太線で塗ったところです)に面している建物(約20軒)がほぼ全て移転の対象となります。

まずは、この全ての地権者の同意が必要なのです。

これまでフジノが地域の方々のお話を伺ってきた中で、地域住民の方々が「地権者は立ち退いても良いと言ってくれている」という『地権者』という方は、約20軒の建物のうちの2〜3軒の方だけを指しておられると思います。

残念ながら、違うのです。

進入路に面しているほぼ全てのお宅が都市計画決定の対象となっているのです。

今すぐ立ち退いても良いと言って下さっている数名の方の存在は本当にありがたいことではありますが、残念ながら全ての対象の方々の合意が必要なのです。

また、拡幅を行なうにあたっては、移転する建物のまわり全ての境界確定が必要となります。

下の図を使って、イメージを説明したいと思います。あくまでもイメージ図です。

建物(民地)と建物(民地)の境界確定の難しさ

建物(民地)と建物(民地)の境界確定の難しさ


道路を15m幅に広げる為に必要な土地がどこまでなのかを赤い線で示しました。

移転の対象となる建物がAとBとCだとします。進入路(市道)と民間の建物A・B・Cの境界はハッキリしています。

けれども法律のきまりで、移転の対象となる建物のまわりにある全ての建物の境界を確定しなければなりません。

(用地買収をする時は最終的に法務局に分筆登記をするのですが、建物1ヶ所であっても360度全ての境界確定が必要です)

つまり、建物Aの境界確定をする為には、建物B・C・D・E全ての所有者の同意を頂いてからでなければ測量を行なうことができません。

このうち、仮に1軒でも空き家があれば、誰が法的な所有者なのかを調査しなければなりません。

また、借家であれば、誰が土地の所有者なのか。借地権の割合なども全て明らかにしなければなりません。

土地を持っている方と建物を持っている方が異なる場合、補償額を決める為に借地権の割合が決まっている必要がありますが、これがあいまいなケースがとても多いのです。

今、少しだけ例を挙げましたがこの他にも手続きはたくさんあります。

つまり、進入路に面している建物の方々だけでなくて、そのまわりの全ての建物の方々のご協力がいただけなければ境界確定を行なうことは不可能なのです。

フジノが土木部にヒアリングをした際に参考にしたのは、逸見で今も道路の拡幅の為に用地買収が行なわれている実際の事例です。

わずか190mの道路ですが、境界確定を行なう為の準備作業(上に記した全ての方々の合意など)に2年以上を要しています。

今回のうわまち病院までの進入路は約160mです。

逸見に比べるとじゃっかん短いですが、建物の密集ぐあいは逸見の事例と変わりません。

2年間で境界確定まで実現できるかどうかは、実際にスタートしてみなければ誰にも分からないことなのです。

また、実際の用地買収も本当に困難な作業であると聞いています。

建物は、形も材質も建てられた年度も1軒ずつ全く異なります。

したがいまして、買収による補償額というのはお隣同士でも全く異なります。

専門の補償コンサルタントに委託発注して、一軒ずつ建物をチェックして算定しなければなりません。

そこで算出された建物の補償額に加えて、土地代の評価をした上で、市の評価委員会にも正式に諮らねばなりません。

この評価委員会の結果が出て、初めて移転対象となる建物に暮らしておられる方に補償額を初めてお示しすることができるのです。

(ここまでにも相当な期間が必要となります)

さらに、建物A・B・Cの土地の真ん中や上あたりに赤い線がひいてありますよね?

道路の拡幅の為には、この赤い線までしか土地は必要ではありません。

国の補助金もこの赤い線までの土地・建物への補償しか出ません。

けれども、建物A・B・Cにお住まいの方々は、実際にはこの建物が取り壊された後に赤い線から向こう側の土地だけで暮らせるでしょうか。

まず、不可能です。

そこで、赤い線から向こう側の残地については横須賀市の費用(市の財源)で買い取りをすることになります。

この残地の補償額がいくらになるかの決定も、上でお示ししたようなプロセスを経なければならずにかなりの時間が必要となります。

さらに、補償額をお示しさせていただいた上で、移転の対象となる方々には生活再建計画を立てていただくことになります。

市の都市計画による移転なので、移転した後の生活が立ち行かないというのでは、拡幅は進められません。

そこで、どこに引っ越して、家を建てるのか、マンションを買うのか、賃貸住宅に暮らすのか、新しい生活をしっかり決めて頂く必要があります。

こうした作業には、どなたでも平均して2〜3年はかかることが多いようです。

この他にも実は、移転の補償額について税金の優遇をしてもらう為の協議を、横須賀市が税務署と行なわねばなりません。

また、交渉が全て終わったとしても、その翌年の国の予算が国会で可決されないと国の補助金が交付されません。

とても理不尽なルールなのですが、国の補助金が出る前にご自身の判断で先んじて引っ越し(立ち退き)をしてしまうと、その方には補償金が出ません。

したがいまして、引越し先を決めて生活再建計画を立てて、全ての交渉が終わり国会の予算成立がなされて、国の補助金が出てようやく引っ越しができることになります。

さらに、建物を解体して更地にするのは横須賀市ではありません。。。

更地にしていただくのは、補償金が出た後にお住まいの方にご自身で解体工事をしていただかねばなりません。

更地にする為には、様々な手続きが必要です。

建物の地下にはガス管や水道管や東京電力やNTTなどのあらゆるライフラインが入っています。それぞれの占有者と打ち合わせもしていただかねばなりません。

仮に全ての移転交渉が終わって、更地にできたとしても、まだ時間がかかります。

進入路は生活道路ですし通学路でもありますので、全面通行止めにすることはできません。

半面ずつ、少しずつ道路を拡幅していくことになります。

先ほどライフラインのことを記しましたが、現在は道路の真ん中に埋まっているこれらを今後の為にまず歩道となるところに集約しなければなりません。

歩道の地下にライフラインを埋設できれば、改修が必要な時にも通行止めにしなくて済む為、現在ではこうしたライフラインは歩道の下に埋設しているからです。

県道と接しているので、横須賀市は神奈川県とも協議しなければなりません。

さらに、進入路の交差点の改良も行なう必要がありますので、神奈川県警とも協議をしなければなりません。

こうして、全ての作業が終わり工事が完成するには最低でも10年程度が必要だ、というのが土木部の見込みです。

上地市長からとにかくスピード感をもって取り組むように指示が出ている為に10年でやると決めていますが、実際には10年でも短いくらいなのが現場の方々の実感だそうです。

あまりにも長い説明になってしまいました。それでもフジノは説明の多くを省略しています。実際にはもっと用地買収は複雑なプロセスが必要となります。

つまり、住民の方々がおっしゃってくださっている「地権者が今すぐ立ち退いても良いと言っているのだから工事はすぐ始められるはず」というのは、残念ですが、誤解なのです。

進入路に面している建物の所有者、借り主。さらにその建物に面している全ての土地の所有者。

このみなさまの同意が必要なのです。



これからも市民のみなさまにご理解いただけるよう全力を尽くします

今日の説明会での質疑応答では、住民感情としてもっともだと共感するご意見もたくさんありました。

しかしその一方で、市による説明が足りなくて、住民の方々が本当にたくさんの誤解をしておられるなあと悲しく感じることもありました。

明日も説明会はありますが、フジノはこれからもしっかりと説明を丁寧にさせていただきたいと感じました。

説明会会場のうわまち病院南館にて

説明会会場のうわまち病院南館にて


8月31日に一般質問をしてからフジノはたくさんの厳しいご批判を頂いてきました。

けれども、6年前に建て替えの必要性を訴えたその時から現在に至るまで、フジノの想いは全く変わりません。

横須賀・三浦2次保健医療圏のみなさまに、2025年オープンの新病院を喜んでいただける最良のものにしたい。

2040年の医療ニーズのピークになってもベッド数も足りていて、新病院のおかげで横須賀・三浦2次保健医療圏のみなさまが安心して最良の医療を受けられるようにしたい。

その為にフジノは今後も全身全霊をかけて働いていきます。

うわまち病院の建て替えは、市民のみなさまの命を守る医療を守る為です。絶対に必要なことなのです。

年間7000台の救急車を受け入れている『断らない救急』を誇るうわまち病院ですが、救急の現場は本当に老朽化によって悲惨な状況にあります。フジノはその現場を見て知っています。

その場しのぎのリフォームを2018年度に行ないましたが(今まで廊下に使っていたところを診察室として広げました)、こんな小手先の対応では、増えていく一方の救急には対応しきれません。

2014年4月に市民病院の小児医療の『入院』を廃止させていただきました。今、西地区の拠点である市民病院には小児科は『外来』しかありません。

しかし、うわまち病院に小児科医を集約することでむしろ医療は充実させることができて、患者さんの移動距離は増えても、横須賀・三浦2次保健医療圏のこどもたちの命は絶対に守れる防波堤になっています。

けれどもその小児科も、医師・看護師・医療関係者のみなさんが安心して働ける環境でなければ、すぐにピンチに陥ってしまいます。だから絶対により良い医療環境に変えねばならないのです。

赤ちゃんと妊婦さんの命を守る為にも、絶対に建て替えは必要不可欠です。現在のうわまち病院の周産期医療は全国的にもとても高いレベルです。

NICUに関しては、共済病院よりも早い、わずか24週の早産にも対応できるようになっています。

さらに、フジノの悲願である24時間体制のPICU(こどもの為の集中治療室)は全国にまだ10ヶ所しかありませんが、建て替えによってハード面が改善できれば、新たにPICUを立ち上げることも夢ではありません。

新病院によって、横須賀・三浦2次保健医療圏のこどもたちの命は絶対に守りたい、その為の体制を作りたいのです。

さらに、さらなるがん治療の為にも、ご高齢の方々の為にも、病院の建て替えは絶対に不可欠なのです。

市民のみなさまにご理解をいただけますよう、これからもしっかりとご説明してまいります。