須田颯生ちゃんの死に横須賀市長が遺憾の意を示しました/保育ママ訴訟の和解後の不十分な対応をただしました

保育ママ訴訟の和解から5ヶ月、遺憾の意は示されずにきました

須田颯生ちゃんが亡くなった事件で、須田さん(お母さん)と横須賀市の間で2020年10月に和解が成立しました。

和解の条件のひとつが「意見の意を示すこと」でした。

しかしフジノがお母さんにお話を伺うと、それから5ヶ月が経つのに横須賀市の誰ひとりも(市長もこども育成部帳も保育課長も誰も)遺憾の意を須田さんに示してくれた人はいなかった、とのことでした。

フジノは本当に胸が痛みました。

そこで、1つの決心をしました。

本会議という最も公の場で、上地市長に正式に遺憾の意を示していただこう、と。

こうして今日の質問を行なったのでした。

上地市長が須田颯生ちゃんの死に遺憾の意を示しました

以下に、フジノがこの問題で行なった質疑応答の全文紹介します。

2021年3月1日、本会議での個人質問より。


フジノの質問

2.来年度、保育事業を実施するにあたってまず本市が絶対に取り組むべきことについて

(1)和解が成立した家庭保育福祉員制度利用中の須田颯生ちゃん死亡事故に係る損害賠償請求控訴事件における、ご遺族との和解条項の具体的な履行について

来年度、保育事業を実施するにあたって、まず本市が絶対に取り組むべきことがあります。

それは、和解が成立した家庭保育福祉員利用時の須田颯生ちゃん死亡事故に係る損害賠償請求控訴事件における、ご遺族との和解条項を具体的に履行することです。
 
2010年9月に本市の家庭保育福祉員を利用中に生後4ヶ月の須田颯生ちゃんが亡くなるという事件が起こりました。僕はご遺族からじかにその悲しみの声をお聞きしてきました。

同時に、家庭保育福祉員という取り組みの重要性も強く感じており、なんとかご遺族と当該家庭保育福祉員と本市とが同じ思いに至ることはできないかと悩んできました。

しかし訴訟も始まってしまい、僕ができることは本市の「保育の質」を向上させることだと心に決めて、議会で様々な提案を行ってきました。

事件当時の市長は事件直後にご遺族の承諾も得ずに記者会見を行なうなど、当初からご遺族のお気持ちに寄り添わない姿勢があり、その後も良かれと思って取った本市の行為がご遺族のお気持ちを傷つけてしまうなど残念なズレが続いてしまいました。
 
6年間にわたる裁判の末に和解が成立したのですが、和解後の本市の姿勢に僕は疑問を感じています。

昨年12月議会の教育福祉常任委員会で和解の報告を受けましたが、その際の答弁が象徴的です。

第一審で本市はご遺族に約5257万円を支払えという判決が出て、控訴をしていました。

明らかにご遺族にとって有利な判決であったにもかかわらず、長期化する裁判に疲れたのか、あるいは本市が控訴をしたことに絶望されたのか、ご遺族は全額を放棄しました。

その為、委員会質疑ではご遺族が和解に至った理由を尋ねられましたが、こども育成部はあくまでも裁判所の主導で和解を勧められたからご遺族がなぜ和解を選択したか真意は分からないと答弁しました。

本来でしたら、丁寧にご遺族の心情をお尋ねして和解条項のそれぞれの項目についてその真意をお尋ねすべきであったのにと僕は感じました。

さらに、和解条項の2つ目である「今後の保育事業において、保育する乳幼児の安全に最大限の注意義務を尽くすよう努力すること」について質問された際にも、こども育成部は

「今も十分やっているつもりなのですがさらに気を引き締めてやらなければいけない」
という精神論を語るにとどまりました。
 
颯生ちゃんの死亡事故は、本市の保育行政の歴史の中で最重要といっても過言ではありません。にもかかわらずこうした答弁で、僕は率直に残念でなりませんでした。
 
だからこそ、和解を受けて最初の年となる来年度は保育事業を実施するにあたって、まず絶対に取り組んでいただきたいことがあります。

上地市長の心ある答弁と具体的な対応を期待して質問します。

【質問1】
和解条項の1番目には、颯生ちゃんが保育中にお亡くなりになられたことについて本市が遺憾の意を表明することが挙げられていますが、残念ながらこれまで本市がご遺族にじかに遺憾の意を示したことは無いと聞いています。

そこで上地市長にぜひお願いしたいのですが、最も公的な場である本会議の場を通して、どうかご遺族に遺憾の意を表明していただけないでしょうか。

【質問2】
和解条項の2番目に挙げられている、「今後の保育事業において、保育する乳幼児の安全に最大限の注意義務を尽くすよう努力すること」について、昨年12月議会での委員会答弁のような精神論ではない、和解条項の願いにそった取り組みを新年度は具体的にどのように行なっていくのかをお聞かせいただけないでしょうか。

上地市長の答弁

次に、乳児死亡事故についてです。

今回の事故において、ご遺族にとってはかけがえのない幼いお子様がお亡くなりになりましたことは誠に遺憾でありまして、ここに改めて、謹んでお亡くなりになられたお子様のご冥福を、心よりお祈り申し上げたいと思います。

次に、和解条項に沿った取り組みについてです。

現在、市立保育園の園長会においては、新年度に向けて、睡眠チェックの間隔の短縮やチェック方法の改善、睡眠時の記録の方法の見直しを検討しておりまして、4月から実施したいと考えています。

また、一時預かり保育を実施するうわまち保育園と津久井保育園の2園への乳児呼吸センサーの設置や、さらには、保育士を対象とした、保育に関わる事故防止や安全対策を加えた研修を 計画しています。

なお、本市においては今後も保育の安全の向上に向け、これまで取り組んできた事項については改善すべきことは改善した上で、継続して取り組みつつ、ハード面・ソフト面での両面からさらなる保育の安全の向上に努めていきたいと思います。


和解から5ヶ月、和解条項の1番目であるにもかかわらず、公の場で一度も語られなかった『遺憾の意』。

上地市長がついに本会議の場で公式に発言しました。

どうか須田さんをはじめ、ご遺族のみなさまがこの言葉をインターネット中継でご覧になって下さることを心からお祈りしています。

そしてフジノ自身はこれからも横須賀市の『保育の質』を高めることで、須田颯生ちゃんの失われた命に報いることができるように全力を尽くしてまいります。

喪われた命は決して戻ることはありません。

でも、だからこそ2度と同じ過ちを絶対に起こさないような体制を作っていきます。

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