ようやく再開された子宮頸がんワクチンの副反応問題の議論/第15回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会へ

子宮頸がんワクチンをメインテーマにようやく「副反応検討部会」が開催されました

今日の午後は、『戦争法案』を参議院の特別委員会で与党が強行採決する様子に目を奪われていました。

民主主義国家だとは信じられないやり方に、情けなくてたまらなくなりました。

その後も参議院本会議がすぐに開催されるのではないかと不安に感じながらも、フジノは東京へ向かいました。

第15回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会の会場にて

第15回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会の会場にて


約1年ぶりにメインテーマが『子宮頸がん予防ワクチン』に設定された、『厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会』の『副反応検討部会』を傍聴する為です。

議事次第より

議事次第より


今日、厚生労働省が発表した資料のうち、まずこちらだけ報告いたします。

副反応追跡調査の結果

  • 子宮頸がんワクチンの販売開始から2014年11月までに接種した人は、約338万人。

  • 338万人のうち、『副反応の疑い』の報告があったのは2,584人

  • 発症した日や症状に変化があったことが把握できたのは、1,739人。

  • 発症から7日以内に回復した方は、1,297人。

  • 発症から7日を超えて症状が継続した方のうち、当日or翌日に発症した方の割合は47.7%。1月までの発症が80.1%。

  • 未回復の方は、186人。

  • その症状は、頭痛66人、倦怠感58人、関節痛49人、接種部位以外の疼痛42人、筋肉痛35人、筋力低下34人。

  • 症状が1つの方は68人、2つの方は39人、3つの方は19人、4つの方は19人、5つ以上の方は41人。

  • 未回復の186人の方々の生活状況は、入院した期間がある方は87人、日常生活に介助が必要だった期間のある方は63人、通学・通勤に支障を生じた期間のある方は135人。

取り急ぎ、この調査結果だけ報告いたします。



後日、改めて今日の検討部会について報告いたします

今日配布された資料はあまりにも膨大過ぎて、フジノはまだ全てを読むことができていません。

しかも、『副反応検討部会』の閉会まではいられず、終了30分前に横須賀に向けて帰らねばなりませんでした。

また、明日からスタートする決算委員会の審議の為に、資料を読む時間が取れていません。

ですから、フジノが今日の部会についてみなさまにご説明できる立場にはありません。

けれども、それでもひとつだけハッキリ言えることがあります。

議論を再開して本当に良かった

ということです。

『副反応検討部会』は、唯一のオーソライズされた議論の場です。

もちろん学会や医師会や様々な場はあります、

けれども、ここでの議論をもとに厚生労働省は政府・与党に対して制度を変えていくことを提言していきます。

絶対に議論を止めてはいけない。

あらゆる研究者や学会の研究成果を学問の世界で終わりにしてはいけない。

必ず制度に反映させていかなければ、現実は動かせないのだから。

1年以上も子宮頸がんワクチンの副反応を真正面から議論してこなかったのは、厚生労働省の堕落です。『逃げ』です。

副反応の被害者の方々に対しても申し訳が無いし、子宮頸がんの悲しみから女性と生まれてくるはずのこどもを守りたいと信じてワクチン接種を勧めてきた保健医療関係者に対しても申し訳が無いのです。

真正面から議論を逃げてはいけない。最後まで、議論を尽くすべきなのです。

今日フジノが唯一言えることは、再開して本当に良かった、ということだけです。

決算審査の合間をぬってしっかりと今日の資料を読み込んで、そして議事録が公開されたらフジノが途中退席して聞けなかった議論の部分も知って、そうしたらみなさまにご報告いたします。



後日談:翌日以降、新聞各紙が部会を報じました

2015年9月18日・朝日新聞より

2015年9月18日・朝日新聞より




2015年9月18日・毎日新聞より

2015年9月18日・毎日新聞より




2015年9月18日・毎日新聞より

2015年9月18日・毎日新聞より



子宮頸がん予防ワクチン接種後の健康被害への独自の支援を県に求める意見書を全会一致で可決しました/9月議会が閉会

2014年9月議会が閉会しました

本日は、9月議会の最終日です。

市役所1階に設置してある「市議会・本日の会議予定表」

市役所1階に設置してある「市議会・本日の会議予定表」


14:00からスタートした本会議で、決算にかかわる議案が採決にかけられました。

2014年第3回定例会・議案審査結果

2014年第3回定例会・議案審査結果


すでにお伝えしたとおりですが、フジノは『一般会計』決算の認定に反対しました。

最終的に、多数決によって全ての決算が『認定』されました。



子宮頸がんワクチン接種後に体調を崩したみなさんへの救済措置を求める意見書を全会一致で可決しました

議員提案によって、とても大切な意見書が出されました。

そして、全会一致で採択されました。

意見書第5号

子宮頸がん予防ワクチン (HPVワクチン)の副反応による健康被害者に対する独自の医療支援を行うことを求める意見書の提出について

地方自治法第9条の規定により、神奈川県知事に対し、次のとおり意見書を提出する。

平成26年10月7日提出

議会運営委員長 岩沢章夫

平成25年3月の予防接種法の改正により、同年4月より定期接種となった子宮頸がん予防ワクチン (HPVワクチン)は、接種後の副反応による健康被害が見られ、社会問題化してきた。

厚生労働省は、同年6月から国民に適切な情報提供ができるまでの問、当該予防接種を「積極的に勧奨しない」としたが、症状と接種との因果関係がいまだ明らかになっていないことから、健康被害に遭われた方々への補償は行っていない。

これを受けて横浜市では、当該予防ワクチンを接種した後、症状と接種との因果関係が明らかとなっていない段階においても、原因不明の持続的な痛みやしびれなどの症状を有し、日常生活に支障が生じている方への独自の医療支援を始めている。

しかし、県内には、現在も多大な苦しみと経済的負担を強いられている被害者とその家族がいる。

県内市町村において、当該被害者救済に地域格差が生じることは決して望ましい姿ではなく、県域での幅広い対応が必要となっていると考える。

よって、県におかれては、国が被害者に対して医療支援を実施するまでの問、 当該ワクチンを接種した後に原因不明の症状があらわれ、日常生活に支障が生じている方々に対して、独自の医療支援制度を設けることを強く要望する。

以上、地方自治法第9条の規定により意見書を提出する。

この意見書は、心身の不調に今も苦しむ若い女性が多い中、支援を求めるとても大切なものです。



賛成の立場から、フジノは討論を行ないました

議員による議案提出が決まったのは、けさの議会運営委員会でした。

さらに、各会派の調整が終わった意見書案の『全文』は、14時スタートの本会議場にて、机上に配布されました。

つまりフジノが全文を目にしたのは、14時に本会議がスタートする数分前でした。

ものすごく悩んだのですが、フジノは『討論』を行なうことにしました。

原稿を書くような時間はありませんでしたので、討論は壇上に立ってから即興で考えて、目をつむりながらお話させて頂きました。

言葉を探しながら、討論に臨むフジノ

言葉を探しながら、討論に臨むフジノ


(この討論の全文は、インターネット録画中継をもとに文字起こしをして掲載しました。こちらをご覧下さいね)

ともかくフジノも賛成の立場を取りました。

何よりも、ワクチンを推進した/しないの立場は一切カンケーなく、心身が極めて不調に陥り、学校に通うどころか日常生活もできないような状況に追い込まれている方々を一刻も早く救済すべきです。

意見書が全会一致で可決されたことは重要です。

市議会から郵送で県知事宛に即日送付されました。また、同じ内容の意見書を参考として神奈川県議会にもお送りしています。

次は、ぜひ神奈川県の黒岩知事に迅速にアクションを取っていただきたいと願っています。



子宮頸がん予防に関する国際シンポジウム(WACC in Japan)へ

会場にて

会場にて

子宮頸がんの症例

子宮頸がんの症例

ザビエル・ボッシュさん(WHO理事)の講演

ザビエル・ボッシュさん(WHO理事)の講演

群馬県の素晴らしい事例を紹介して頂きました

群馬県の素晴らしい事例を紹介して頂きました

世界の国々の中で「学校での集団接種を実践している国」

世界の国々の中で「学校での集団接種を実践している国」

ボッシュさん(WHO理事)、宮城悦子先生。

ボッシュさん(WHO理事)、宮城悦子先生。

WHOによる最新の声明

WHOによる最新の声明

WHOによる最新の声明

WHOによる最新の声明

子宮頸がん予防ワクチン「積極的な勧奨の一時中止」への横須賀市の対応

市民のみなさまへの情報提供を最優先に取り組んでいます

6月14日の副反応検討部会での結論を受けて、横須賀市でも担当部であるこども育成部によって、いくつかの対応が実施されました。

何よりもまず『市民のみなさまへの情報提供を最優先すること』『不安を取り除くこと』が大切だ、との判断から、すでに横須賀市ホームページの記述も変更しました。

2013年6月17日付けで更新された横須賀市のホームページ

2013年6月17日付けで更新された横須賀市のホームページ


内容は以下のとおりです。

子宮頸がん予防ワクチンの積極的勧奨の中止について

平成25年6月14日付厚生労働省健康局通知により、ワクチン接種との因果関係を否定できない持続的な疼痛が、接種後に特異的に見られたことから、同副反応の発生頻度等がより明らかになり、国民に適切な情報提供ができるまでの間、定期接種の積極的勧奨を差し控える旨、勧告を受けました。

これを受け、横須賀市としては、当面、国の動向に沿って子宮頸がん予防ワクチンの積極的な接種勧奨(接種券を定期的に個別送付すること)は止めることといたします。

ただし、定期接種そのものを中止するものではないので、対象者のうち希望される方は子宮頸がん予防ワクチンの定期接種を受けることができます。

・子宮頸がん予防ワクチンの定期接種を受ける場合には、ワクチン接種の有効性及び安全性等についての別添説明書「子宮頸がん予防ワクチンの接種を受ける皆さまへ」をお読みになってください。



関連資料

説明書「子宮頸がん予防ワクチンの接種を受ける皆さまへ」

関連リンク

ヒトパピローマウイルス感染症の定期接種の対応について(勧告)

定期接種(子宮頸がん予防ワクチン)

無料接種のコーナーも記述を変更しました。

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更新日:2013年6月17日

予防接種(子宮頸がん予防ワクチン)

平成25年度から、法律による定期予防接種になりました。

  1. 子宮頸がん予防ワクチンの積極的勧奨の中止について(平成25年6月17日)

    平成25年6月14日付厚生労働省健康局通知により、ワクチンとの因果関係を否定できない持続的な疼痛が、接種後に特異的に見られることから、同副反応の発生頻度等がより明らかになり、国民に適切な情報提供ができるまでの間、定期接種の積極的勧奨を差し控える旨、勧告を受けました。

    これを受け、横須賀市としては当面、国の動向に沿って子宮頸がん予防ワクチンの積極的な接種勧奨(接種券を定期的に個別送付すること)は止めることといたします。

    ただし、定期接種そのものを中止するものではないので、下記の対象者のうち希望者は定期接種を受けることができます。

    ・子宮頸がん予防ワクチンの定期接種を受ける場合には、ワクチン接種の有効性及び安全性等についての別添の説明書「子宮頸がん予防ワクチンの接種を受ける皆さまへ」をお読みになってください。

    説明書「子宮頸がん予防ワクチンの接種を受ける皆さまへ」




  2. 平成25年度の対象者(女子)

    小学校6年生~高校1年生(平成9年4月2日~14年4月1日生まれ)

    標準接種年齢は、中1です。




  3. 接種券の送付と取扱い(平成25年度)

    (1)中学校1年生には、4月上旬に接種券を郵送しました。
    (2)中学校2年生~高校1年生(相当年齢)の人は、お手持ちの接種券をそのまま使えます。
    (3)転入者、紛失など該当する人で接種券がない人は、こども健康課(Tel046-824-7141)まで、ご連絡をお願いします。
    (4)小学校6年生には、平成26年4月に接種券を郵送します。小6での接種を希望する人は、こども健康課まで、ご連絡をお願いします。




  4. 接種場所

    協力医療機関(接種券と一緒に一覧表をお送りします)




  5. ワクチンに関する情報

    子宮頸がん予防ワクチンには、次の2種類があります。

    (1)サーバリックス
    (2)ガーダシル

    それぞれの特徴などは、下のリンク資料をごらんください。

    2つの子宮頸がん予防ワクチン

この情報は、『広報よこすか』にも掲載します。

また、予防接種に協力をしていただいている地域の医療機関にも、国からの説明文書などをFAXにてお伝えしました。

もちろん、全市議会議員宛にも一連の対応を報告してあります。



健康福祉センター、学校を通した情報提供も行ないます

また、市内4ヶ所の健康福祉センター(中央西)にも情報提供の徹底ときめ細かな相談対応を指示しています。

さらに、学齢期のおこさんや保護者の方々からの学校での質問などにも対応できるように、教育委員会との連携も行なっています(担当は学校保健課)。

横須賀市としては、これまでもワクチン接種に対する市民のみなさまからのご相談を受けるにあたって、しっかりとその不安の声に耳を傾けて、正しい情報の提供に努めてきました。

この方針は全く変わりません。

今回の厚生労働省の通知を受けて、改めてこの方針をさらに徹底していきます。



子宮頸がん予防ワクチンの副反応検討部会へ/「積極的な勧奨」を一時中止へ

厚生科学審議会の副反応検討部会へ

今日は、厚生労働省へ向かいました。

前回(5月16日)にひき続いて厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会の『副反応検討部会』を傍聴しました。

薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会と合同で開催されました

薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会と合同で開催されました


子宮頸がん制圧の為に活動を続けてきたフジノは、まだ日本で予防ワクチンが承認される前からずっと活動を続けて来ました。

そのワクチンで重篤な副反応に追い込まれてしまった方々が多数いらっしゃる以上、その動きを最後までしっかりと追いかけるのが政治家としての責任だと考えています。

厚生労働省12階の専用会議室へ

厚生労働省12階の専用会議室へ


ところで今日は、会議室内が異常に暑くて湿気だらけでした。

本当に、フジノは意識がもうろうとしてしまい、熱中症になる直前だった感じ。

節電は大切ですが、体調を崩して仕事にならないのは困るので、厚生労働省の施設管理の方々、クーラー入れて下さい...。

室内が暑すぎれば、ワクチン反対派の傍聴者も声もあげられないだろうとわざと設定したのではないかというくらいの暑さと湿度でした...

室内が暑すぎれば、ワクチン反対派の傍聴者も声もあげられないだろうとわざと設定したのではないかというくらいの暑さと湿度でした...

さて、お話を本筋に戻します。

今夜の検討部会では、大切な結論が出ました。

15時にスタートして19時半まで4時間半に及ぶ議論の結果、最後は『多数決』を取って以下の数点が決まりました。

  • 子宮頸がん予防ワクチン接種の『積極的な勧奨』を一時的にストップする
  • 子宮頸がん予防ワクチンと痛みなどとの因果関係をさらに詳しく調べる
  • 調査の途中経過もこの検討部会で検討していく
  • その上で、いつ『積極的な勧奨』を再開するかの結論を出す

今後、マスメディアの報道には、「子宮頸がん予防ワクチン中止!」というような記事が出ると思います。

けれども、それは違います。

「中止」ではありません。

検討部会の委員長である桃井真里子さんもこうコメントしています。

「少数の事例であっても、今ある情報では判断しにくい疼痛という問題が出てきた。

適切な頻度などを調べる必要があり、安全を保障するための判断。接種の中止ではないので、打たないと判断もできるし、打ちたい人は今まで通り打てる。

ワクチン自体が安全性に問題があるということではない」

子宮頸がん予防ワクチンには、大きなメリットがあります。

「ワクチン接種をしたい」

という方々がちゃんと接種できるように、フジノは現在の体制をしっかりと続けていきます。

地方自治体の現場は何も変わりません

では、今回の部会の決定で何が変わるのでしょうか?

3つのポイントです。

  1. これまでどおり、子宮頸がん予防ワクチンの接種は対象となっている方々は『無料』で受けられます。

    ただし、無料接種券の送付などは取りやめになります。

  2. これまでも『強制的』に「打て!」と市区町村がムリ強いしてきてはいません。

    ただ、予防接種法の決まりで、市区町村は対象者に対して「どうか接種して下さい」とお願いをしなければなりませんでした。

    これを厚生労働省のお墨つきで「どうか接種して下さい」とお願いしなくて良いことになりました。

  3. 結論から言うと、現場での対応は何も変わりません。

    横須賀市ではこれまでもムリ強いして「打て!」なんてことは言ってきませんでした。

    ワクチン接種のメリットとデメリットを今までよりもさらに細かくお伝えして、保護者の方々、対象者の方々のご不安に寄り添っていくことに変わりはありません。

以上です。

今回の決定は、市区町村に及ぼす影響よりも、国・政府がやらなければならないことがたくさんあります。

CRPSの事例も研究も全く足りない日本の状況

ワクチンを接種した後に、原因不明の痛みが出てしまう人々がいます。

その症状を『複合性局所疼痛症候群(CRPS)』と呼んでいます。

けれども、この『CRPS』について医学的に判明している原因・治療法などは、ほとんどありません。

それにも関わらず、子宮頸がん予防ワクチンを接種した後に強い症状が出てしまった方々のことを、多くのメディアは「それは『CRPS』だ」と報じました。

実際には、それらが『CRPS』かどうかを診断できる専門家の数も足りませんし、データも不十分ですし、治療法も全く確立されていません。

今後の厚生労働省と日本のワクチン行政の1つの重大な課題は、この『CRPS』の原因究明と治療方法の確立です。

これは必ずやらなければいけません!

16大学病院で穿刺後の痛みに関する調査研究をスタートさせます

また、『CRPS』だけでは調査研究は足りません。

現時点では、ワクチンとの因果関係が明らかになっていない症状が多数報告されています。

例えば、注射した場所ではない部位の痛み(筋肉痛、関節痛、皮膚の痛みなど)、しびれ、脱力感などです。しかも長期間にわたって続くことが報告されています。

そこで、厚生労働省ではこの症状とワクチンとの間に因果関係があるのか調査研究をスタートすることを発表しました。

2013年秋をめどに調査研究スタート

2013年秋をめどに調査研究スタート


2013年度の秋をめどに2つの研究班(合計16大学病院)で分析を行ないます。

この調査研究は単なる分析にとどまらず、「併せて適切な医療を提供する目的」も持っています。

現在、様々な症状に苦しんでおられる方々が一刻も早くその苦しみが取り除かれるように、一刻も早く対応に取り組んでほしいです。

被害を受けたこどもたちを一刻も早く救済すべき!

部会が終わった後、娘さんが重篤な症状に苦しむ保護者の方のもとへマスメディアが殺到しました。

メディアは今のコメント取りだけでなく、被害者の方々の人生はずっと続いていくことをしっかり報道してほしい

メディアは今のコメント取りだけでなく、被害者の方々の人生はずっと続いていくことをしっかり報道してほしい


そんなマスメディアの姿には『既視感』があります。

ご家族と被害に遭った方々の救済や治療はようやく始まったばかりです。

メディア、そして今は被害者の方々を支援している取り巻きの人々は、これからずっと続く救済と回復の過程にも、どうか寄り添って欲しいです。

今、確かに世間はこの問題への関心は高いです。

けれども日本人はすぐに忘れ去り、別の事柄へとあっという間に関心が移っていきます。

どうかこれからもずっと、被害を受けた方々を支援して欲しいです。

まずは政府が一刻も早く救済に乗り出すこと!

政府・厚生労働省のみなさん、どうか急いで下さい。

日本産婦人科医会による子宮頸がんワクチンへの声明/子宮頸がん予防と副反応(その5)


「子宮頸がんワクチンの定期接種化と副反応」について過去の記事はこちらです

日本産婦人科医会による声明

4月9日付で、公益社団法人日本産婦人科医会が声明を出しました。

全国の産婦人科医師等によって1952年に設立されて、会員数は1万2,029名(2012年11月現在)を擁する、権威ある団体です。

公益社団法人日本産婦人科医会

公益社団法人日本産婦人科医会


医療・介護の専門的な情報紙である『医療介護CBニュース』がこの声明について4月17日付で以下のように報じました。

HPVワクチン「医学的視点から安全」日本産婦人科医会が声明

日本産婦人科医会は、子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)に関する声明を改めて発表した。

同ワクチンの副作用に焦点を当てた報道が相次いでいることなどを受けての対応。

声明では、HPVワクチンの副作用の発生率が、0.01%程度であることなどを紹介した上で、ワクチンについて、

「従来どおり医学的視点から安全」

と強調している。

HPVワクチンは、4月1日から施行された改正予防接種法で定期接種化された。

しかし、複合性局所疼痛症候群(CRPS)による痛みのために歩行困難に陥った女子中学生の事例など、副作用に関する報道が相次いでいる。3月には、「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」も発足している。

こうした状況を受け、日本産婦人科医会では声明を発表。

声明では、

▽現時点で2種類のHPVワクチンの副反応の発現状況は、「サーバリックス」が0.014%(うち重篤0.0013%)、「ガーダシル」が0.012%(同0.0009%)

▽厚生労働省は、副反応について「注射針を刺すことが影響している可能性がある。中止するほどの重大な懸念はない」との見解を表明している

▽定期接種化に伴い、万一、ワクチン接種後に起きた健康被害が、重大かつワクチン接種によるものと認められた場合には、手厚い補償が給付される-などの現状を紹介し、

同ワクチンについて「医学的視点から安全」

と指摘。その上で、今後も母子の生命・健康の保護の観点から、同ワクチンの接種に注力していく方針を示した。

【ただ正芳】

上の記事で分かりやすく説明してくれた、その日本産婦人科医会の声明の原本も下に掲載します。

公益社団法人日本産婦人科医会による声明

公益社団法人日本産婦人科医会による声明

子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)副反応報道について

● 日本産婦人科医会は、「女性の命をつないでいく」という活動理念のもと、子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)の定期接種化を国に求めてきました。

その結果、3月29日の参議院本会議で本年4月1日から定期接種化させることが可決、成立しました。

しかし、昨今のマスコミ新聞報道によると、「子宮頸がんワクチン副反応全国被害者連絡会発足へ」等の見出しで、この法案成立を危惧する記事が掲載されています。

そこで、医会会員の皆様には本件に関し正確な情報をお伝えし、従来どおり医学的視点から安全であることをご理解いただくことが大切であると考え、以下のように問題となった事例につきご説明いたします。

● 本事例の概要:14歳の女子中学生が 2011年 9月中旬に本ワクチン(サーバリックスⓇ)1回目を接種、11月中旬に2回目を左腕に接種したところ、2回目接種後、左腕の腫脹、疼痛、しびれがあり、その他、左肩、左足、右腕、右足にも疼痛が間欠的に生じた。

夜間には肩から肩甲骨、指先まで痛みが広がり、疼痛のため歩行困難となった。

接種7日後に複合性局所疼痛症候群(CRPS:complex regional pain syndrome)の疑いでフェントラミンメシル酸塩による負荷試験を行い、症状の改善がみられたため本疾患が示唆された。

接種1ヶ月半後も症状の改善はみられなかった。

その後の経過の詳細は不明だが、新聞記事に、2013年1月には通学できる状態になったとの記載がある。

● CRPSは、ワクチンの成分によっておこるものではなく、外傷、骨折、注射針等の刺激がきっかけになって発症すると考えられています。背景因子は未だ不明です。

本ワクチン接種後に CRPSを発症したと考えられる事例は本症例を含め、本邦では3例が報告されています。サーバリックス2例、ガーダシル1例です。

本邦においては、サーバリックスは現在までおよそ684万本、またガーダシルは144万本が接種されていると推定されており、CRPS の発症頻度は極めて稀です。

● 現時点で 2種類のHPVワクチンの副反応の発現状況(子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会(厚生労働省):医療機関からの報告)については、サーバリックスは全体で0.014%(うち重篤0.0013%)、ガーダシルは全体で0.012%(うち重篤0.0009%)です。

なお本ワクチンの副反応事例は厚生労働省のHPで詳細に公開されているのでご参照ください。

なお、ワクチンの製造販売メーカーにおいては、日々医療関係者、一般市民からの情報や、世界の情報を集積し、個別事例ごとに評価し、薬事法に基づき規制当局への報告を行い、安全に適正な接種が行われるよう引き続き努力を重ねていくことを要望いたします。

● 本ワクチンの定期接種化、すなわち公的接種への移行に伴い、万一、ワクチン接種後に起きた健康被害が、重大かつワクチン接種によるものと認められた場合には、手厚い補償が給付されるようになります。

本ワクチンは他のワクチンに比べて副反応報告が多いのではないかとの懸念の声もありますが、厚生労働省は「注射針を刺すことが影響している可能性がある。中止するほどの重大な懸念はない。」との見解を表明しています。

● 日本においては毎年約1万5,000人の女性が新たに子宮頸がんに罹患し、およそ3,500人が命を落としています。

従って、日本産婦人科医会は、母子の生命健康の保護の観点から、検診とワクチンによりこの疾患の予防にこれからも力を注いでまいります。

● 本ワクチン接種後に起った有害事象に関しては、ご本人ならびにご家族の皆様には、一日も早く回復されますことを心から祈念申し上げます。

平成25年4月9日
公益社団法人日本産婦人科医会
会長 木下 勝之
常務理事 鈴木 光明

以上です。

この声明は、フジノにとっては特に新しい情報ではありませんでした。

「科学的根拠に基づいた、極めてオーソドックスな説明を改めて繰り返したもの」

という印象です。

すでに政府の情報などへの不信感で凝り固まってしまっておられる方々がたくさんいらっしゃいます。

そうした方々には、いくら権威ある医会からの情報発信であっても、届かないのではないかとフジノは感じています。

もう一度、政府も医療関係者もみな保護者の方々ともっと対話する機会を創って、どんな言葉ならば届くのか、率直に尋ねてみるべきだとフジノは思います。

答えはきっと市民の方々の中にあるはず。

その答えを求めて、もっとたくさんの国民と語り合う必要があるのではないだろうか。

子宮頸がん予防ワクチンに関するQ&A/子宮頸がん予防ワクチンの定期接種化と副反応(その4)


「子宮頸がんワクチンの定期接種化と副反応」について過去の記事はこちらです

「子宮頸がんワクチンに関するQ&A」を厚生労働省が発表しました

本日4月18日付けで、厚生労働省が『子宮頸がん予防ワクチンに関するQ&A』をホームページに掲載しました。

厚生労働省ホームページの感染症・予防接種のコーナーより

厚生労働省ホームページの感染症・予防接種のコーナーより


子宮頸がん予防ワクチンについて、現段階での『国の公式見解』にあたるものです。

ひとりでも多くの方々に読んでいただきたいと思いますので、その全文をこちらにも転載します。

子宮頸がん予防ワクチンに関するQ&A
厚生労働省健康局結核感染症課作成

Q1.
子宮頸がんにかかる人や死亡する人はどれくらいいるのでしょうか。

A1.
子宮頸がんの罹患数は9,747人(上皮内がんを含めると20,735人)(2008年)、

死亡数は2,737人(2011年)で、これらの数字は軽視できない数字です。

特に40歳未満の女性に限ると、罹患率は乳房に次いで2番目(上皮内がんを含めると1番目)、死亡率も乳房に次いで2番目に高いがんで、

若年層のがんとしてはその予防策は必要と考えられます。

Q2.
ワクチンは子宮頸がんの予防にどのような効果があるのでしょうか。

A2.
現時点では導入から間もないことから、子宮頸がんが減少するという効果の検証は困難ですが、

①子宮頸がんの原因であるヒトパピローマウイルスの持続感染を予防する効果

②がんに移行する前段階の病変の発生予防効果

は確認されています。

子宮頸がんの大部分を占める『扁平上皮がん』と呼ばれるがんについては、持続感染やがんに移行する前段階の病変を必ず経てがんになるものと考えられる為、

持続感染やがんに移行する前段階の病変を予防できれば、がんも予防できると考えられており、世界保険機関(WHO)においてもそのような評価の結果、このワクチンの接種を推奨しています。

Q3.
有効性はどの程度持続するのでしょうか。

A3.
新しいワクチンであることから、現在、確認されている予防効果の期間は最長9年程度ですが、

これまで有効期間は随時更新されており、今後も引き続き有効性の調査がされていく予定です。

 ① サーバリックス(グラクソ・スミスクライン) ※最長9.4年間の持続

 ② ガーダシル(MSD) ※最長8.4年間の持続

Q4.
ワクチンは子宮頸がんの原因ウイルスすべてに有効なのでしょうか。

A4.
ヒトパピローマウイルスのうち、子宮頸がん予防ワクチンが有効なウイルス型(16型、18型)は、日本の子宮頸がん患者の50~70%程度が保有していると報告されています。

Q5.
安全性は確立されているのですか。

A5.
ワクチンは生体にとっては異物であり、接種による副反応は避けられません。

この為、副反応報告について定期的に専門家に評価していただき、接種の判断材料となるよう、情報公開し、必要な安全対策を検討しています。

子宮頸がん予防ワクチンの副反応としては、注射部位の疼痛、発赤等のほか、

全身性の症状として、疲労、筋痛、頭痛、胃腸症状(嘔吐、下痢等)、関節痛、発疹、発熱等が報告されており、まれに、ショック、アナフィラキシー様症状等があります。

また、痛み、恐怖、興奮などに引き続く『血管迷走神経反射』と考えられる失神の報告もあります。

現在報告されている副反応は他のワクチンよりも報告頻度が高い傾向のものもありますが、その多くは『血管迷走神経反射』によると思われる一過性の失神によるものです。

定期的に開催されている専門家による会議では、これまでの発生状況を踏まえ、接種の中止等の措置は必要ないとの評価を受けています。

Q6.
子宮頸がん予防ワクチンを接種すると、不妊になるとの噂を聞きますがどうなのでしょうか。

A6.
現在までに専門家による審査がある学術誌等で、子宮頸がん予防ワクチンと不妊との関連を疑う報告は確認されていません。

Q7.
世界保健機関(WHO)の見解はどうなっているでしょうか。

A7.
2009年にWHOはヒトパピローマウイルスワクチンについて評価を行い、方針説明書(position paper)を公表しており、

発展途上国を含めた世界全体においてこのワクチンを使用するよう推奨し、国のワクチン接種プログラムに導入することの重要性が強調されています。

Q8.
各国での導入状況はどうなっているのでしょうか。

A8.
米、英、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ等の先進各国において既に公的接種として導入されています。

(引用はここまで)

厚生労働省としては簡潔な文章を目指したのだと思いますが、もっと長くても良いから分かりやすい説明をした方がいいのに、とフジノは感じました。

フジノが繰り返し記してきた「ワクチンに限らず、全ての医薬品には副反応が起こりうるものです」という基本的な考え方が、厚生労働省のQ&Aにもしっかりと明記されたことは安心しました。

A5.
ワクチンは生体にとっては異物であり、接種による副反応は避けられません。

この為、副反応報告について定期的に専門家に評価していただき、接種の判断材料となるよう、情報公開し、必要な安全対策を検討しています。

ワクチンに限らず、医薬品は、確率論的には『デメリット(副反応)』を圧倒的に超える『メリット(治療や予防などの効果)』があるからこそ、活用されています。

一方、確率論的にはどれほど低くとも「そもそも健康被害は起こりうる」のが前提です。

そこで、このブログでも紹介してきたとおりセーフティネットも作られています。

改正予防接種法によって、4月1日からはセーフティネットがより強化されました。

今後は、各医療機関・地方自治体の関係部局・厚生労働省がちゃんとそのセーフティネットを活かす運用を行なっていくことが重要な課題です。

健康被害が起こった時は、迅速に対応し、救済がきちんと行なわれるようにしなくてはいけません。

フジノとしては、この点を今後も引き続き注視していきます。

健康被害を調査するしくみ/子宮頸がんワクチンの定期接種化と副反応(その3)


「子宮頸がんワクチンの定期接種化と副反応」について過去の記事はこちらです

そもそも、ワクチンをはじめとする全ての医薬品は、副反応が起こりうるものです。

『デメリット(副反応)』を圧倒的に上回る確率で『メリット(予防)』があるが故に、予防接種は実施されてきました。

子宮頸がんワクチンの定期接種化も同じです。

けれども、確率論的にはどれだけ低くても、ひとたび健康被害が起これば、大きな問題です。重篤な被害が起これば、その人の人生が大きく変わってしまうこともあります。

ですから、健康被害は国の責任において必ず『救済』が成されなければなりません。

前回(その2)は、その為の『国の救済のしくみ』をご紹介しました。

今回(その3)は、健康被害について『市の調査のしくみ』である『予防接種健康被害調査委員会』をご紹介します。

2005年に「健康被害調査委員会」を設置

横須賀市では、2005年に『予防接種健康被害調査委員会』を設置しました。

予防接種を受けた方や医療機関から、市に通報があると設置します。健康被害と予防接種との因果関係について、調査を行ないます。

横須賀市予防接種健康被害調査委員会

横須賀市予防接種健康被害調査委員会


メンバーは、医師・学識経験者・市職員(合計9名)で構成されています。

2005年から2013年4月現在まで、健康被害と認定されたのは1件でした。

2013年4月、新たに「条例」で位置づけ

これまで『調査委員会』は、『横須賀市予防接種健康被害調査委員会設置要綱』という『要綱(行政の内部のルール)』に基いて、設置されてきました。

それを、新たに『条例(市の法律)』によって位置づけることが、先日の予算議会で提案されました。

条例で規定することで、より正式な位置づけとなります。

最終的に無事に可決され、3月29日に公布、4月1日から施行されました。

横須賀市報号外第4号より

横須賀市報号外第4号より

健康被害調査委員会の役割

この『調査委員会』の役割について、市民のみなさまに具体的なイメージを持っていただきたいと思います。

そこで、フジノが先日の予算議会(3月8日の教育福祉常任委員会)で行なった質疑をご覧下さい。

『議案第39号・予防接種健康被害調査委員会制定条例』への質疑より

フジノの質問

『健康被害調査委員会』について具体的なイメージを持ちたいと思いますので、質問いたします。

まず、具体的にどのような時にこの委員会を開催するのか。少し具体例を挙げて教えていただけないでしょうか?

こども健康課長の答弁

委員会の機能としましては、「予防接種を受けて健康被害を受けた」という通報を受けた場合に

『疾病の状況』および『診療内容の調査』を行ない、ならびに『必要と考えられる検査』だとか『剖検の実施』についての助言を行なう、というものになっております。

具体的には、正規の予防接種としまして、こども健康課が乳幼児から未成年者の予防接種を行なっていることと、健康部の健康づくり課が高齢者のインフルエンザを行なっております。

これらの予防接種について、先ほどお伝えしたような健康被害が起きた時に、その予防接種を取り扱う部が委員会を開催するという形になります。

フジノの質問

具体例として、けさの新聞報道に出ていた事例を1つ挙げたいのですが

子宮頸がんの予防ワクチンで、杉並区で副反応が出たと認められる

といった話が出ていました。

このような、予防接種を受けた時に何らかの副反応が出た時に健康被害が出たということをこの委員会が調査をするのでしょうか?

こども健康課長の答弁

この委員会が調査をするという形になります。

フジノの質問

横須賀市の『被害調査委員会』の委員9名というのは、医師や学識経験者の方々や市の職員の方々になっていただく訳ですが、どの程度分かるものなのでしょうか。

国の方でも、子宮頸がんのワクチンであれば副反応を調査する委員会というものがあって、そちらで専門的に調査をしていらっしゃると思うのです。

横須賀市のこの『被害調査委員会』で、例えば今まで健康被害が出ていなかった予防接種を市民の方から訴えがあったら独自に調べて、新たな対応を求めるように国に言っていくというようなことも果たしてできるのか。

どの程度まで役割が求められているものなのか。それをお聞かせ下さい。

こども健康課長の答弁

どの程度分かるかということなのですけれども、

予防接種を受けた後、副反応が起こり、医師の診断を受け、通告をした場合に、

副反応が起きるまでの間の本人のあらゆる状況、受診状況、それからすでに受診していればカルテを含めた医療的な情報、そういったものを全部必要な情報として集め、

この審査委員会の中で専門の先生たちにご審議いただくという形になると思います。

その中で審議をした中で「予防接種との関係が疑わしい」ということになれば、「予防接種健康被害に値するものである」ということで、必要な手続きをするということになろうかと思います。

フジノの質問

集められる情報をとにかく集めて、他の因果関係を除いて予防接種によるものだと推測される場合に、被害救済を行なっていく為の情報を提供する、というような位置づけでよろしいのでしょうか。

こども健康課長の答弁

その通りです。

(質疑の引用は以上です)


現在大きく報道されている杉並区での健康被害ですが、杉並区議会でのやりとりを読むと、この『健康被害調査委員会』を設置しなかった(?)ようです。

行政側が取るべき対応をすぐに取らなかったことは、大きな問題です。

しつこく何度も書きますが、ワクチンに限らず、全ての医薬品には副反応が起こりうるものです。

だからこそ、政治・行政ではあらかじめ被害を調査する委員会や救済制度をつくって、セーフティネットをひろげているのです。

こうしたセーフティネットをいざという時に迅速に利用できなければ、市民のみなさまが守られません。

さらには、今回の杉並区のように、ワクチンそのものへの不信感をひろげることにもつながっていきます。

子宮頸がんを撲滅する為に予防ワクチンの日本での承認を求めてきた政治家の1人として、機能するセーフティネットであるように改善を重ねていきたいとフジノは考えています。

ここ1ヶ月の国の動き

最後に、ここ1ヶ月の国の動きを2つ報告します。

第1に、3月11日に『平成24年度第7回医薬品等安全対策部会(第3回子宮頸がん等ワクチン予防接種後副反応検討会)』が開催されました。

医薬品等安全対策部会での配布資料

医薬品等安全対策部会での配布資料

複数のワクチンについて安全対策を検討しています。子宮頸がんワクチンの予防接種後副反応についてもここで検討されました。

日程的に杉並区の報道の直後だったので、フジノはとても注目していたのですが、特に新たな動きはありませんでした。

第2に、格上げされた新しい『予防接種・ワクチン分科会』がスタートします。

厚生労働省のHPより

厚生労働省のHPより


4月1日から改正予防接種法によって強化された健康被害対策ですが、国の審議会の扱いも新たに変わりました。

これまでは『厚生科学審議会』の下の『感染症分科会』のさらに下の『予防接種部会』という扱いでした。

それが新たに『厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会』として、4月22日に第1回会合が開催される予定です。

予防接種の基本方針、研究開発、生産、流通、副反応を検討していくことになります。

フジノとしては、引き続き国の動きにも注目しながら、その情報を市民のみなさまにしっかりとお伝えしていきたいと考えています。

健康被害を救済するしくみ/子宮頸がんワクチンの定期接種化と副反応(その2)

前回に続いて、子宮頸がんワクチンの定期接種化と副反応について、フジノなりに記したいと思います。

ワクチンの健康被害を救済するしくみ

今回は、市民のみなさまにぜひ知っておいてほしい『健康被害』を救済するしくみについてです。

『国の制度』と『市の組織』の2つがあります。

まず『国の制度』である『予防接種後健康被害救済制度』をご紹介します。

種痘後脳炎などの副反応が社会問題化した為、1970年に閣議了解の形で救済制度がスタートしました。

その後、1976年の予防接種法改正によって、この救済制度が法定化されました。

厚生労働省が配布している「予防接種後健康被害救済制度」のリーフレット

厚生労働省が配布している「予防接種後健康被害救済制度」のリーフレット


ワクチンに限らず、全ての医薬品には必ず『副反応』があります。

『副反応』には、心身に大きな影響を与えるものもあれば、ほとんど気づかないような軽微なものもあります。

副反応について

「予防接種後被害救済制度」リーフレットより・副反応について


もしもワクチン接種によって重篤な『健康被害』が起こった場合、被害に遭った方々は国の責任において必ず救済されなければなりません。

『健康被害』の原因が予防接種だと厚生労働大臣が認定した時には、市町村から『救済給付』としてお金が支払われます。

ながれ

「予防接種後被害救済制度」リーフレットより・救済給付のながれ

  1. 被害者・保護者の方がもよりの市町村に請求を行なう
  2. 市町村は厚生労働省に書類一式を送付する
  3. 厚生労働省は第三者による『疾病・障がい認定審査会』に意見聴取する
  4. 『疾病・障がい認定審査会』は審査を行ない、審査結果を厚生労働省へ回答する
  5. 厚生労働省は「認定・否認」を市町村へ回答する
  6. 市町村は被害者・保護者に結果を伝え、救済給付を支給する/しない

この結果、救済給付として支給されるのは下の通りです。

給付の種類

給付の種類

給付される金額
医療費かかった医療費の自己負担分
医療手当入院通院に必要な諸経費(月単位で支給)
障害児養育年金一定の障害を有する18歳未満の者を養育する者に支給
1級:152万400円(年額)
2級:121万5,600円(年額)
障害年金一定の障害を有する18歳以上の者に支給
1級:486万円(年額)
2級:388万8,000円(年額)
3級:291万6,000円(年額)
死亡一時金死亡した方の遺族に支給
4,250万円
葬祭料死亡した方の葬祭を行う者に支給
20万1,000円
介護加算1級:83万4,200円(年額)
2級:55万6,200円(年額)

予防接種法改正で副反応の監視体制が強化されました

今年2013年3月29日に成立した改正予防接種法では、『健康被害』への対策を強化しました。

改正予防接種法における「副反応報告制度の法定化」「報告先を国へ変更」の条文

改正予防接種法における「副反応報告制度の法定化」「報告先を国へ変更」の条文


これまでは、副反応が起こった後、医療機関は『市町村』に報告することになっていました。これを改めて、医療機関の報告先を『国』へ変更しました。

また、医療機関によるこの『副反応報告』を義務化し、制度として法定化しました。

これにより情報収集がより早くすすめられることが期待されています。

予防接種後副反応報告書

各医療機関が記述する予防接種後副反応報告書

被害者本位の救済制度を作れないだろうか

このように『健康被害』に対する救済制度があり、さらに法改正によって体制強化も図られました。

ただ、この国によるしくみは『副反応』が『ワクチン』によるものだと因果関係が認定されない限りは、機能しません。

一方で、現実には、予防接種の後に『ワクチン』の『副反応』とは認められなくとも、『接種』によるショックから起こる症状もあります。

例えば、典型的なものに『複合性局所疼痛症候群』があります。

こうした症状が起こった時にも、『副反応』に準じたものとして、救済措置を取るべきではないかとフジノは考えます。

つまり、『予防接種後健康被害救済制度』の第1のセーフティネットがワクチンと直接の因果関係を持つ副反応を対象とするものとして、新たに第2のセーフティネットとして被害者本位の苦痛や生活障がいを対象とする制度を創るのです。

被害者本位の救済制度に変えることができれば、今ある苦しみは少しだけでも取り除くことができるはずです。

こうした改善もフジノは求めていきたいと考えています。

(次回は、市の組織についてご紹介します)

「子宮頸がんは検診だけで防げる」は間違いです

ワクチンの健康被害の原因究明は絶対に必要です

先日も書きましたが、改めて子宮頸がん予防ワクチンと検診についてフジノの考えを記します。

現在、子宮頸がんワクチン(サーバリックス・ガーダシル)の『副反応』について、マスメディアが大きく取り上げています。

そもそも、あらゆるワクチンには『副反応』が存在しています

ですから、「『副反応』による重篤な健康被害が起こることも当然ある」と常に想定して、政府は素早い対応を取らなければいけません。

健康被害を受けた方々については、国の責任において、しっかりと事実関係を調べて、早急に補償を行ない、受けられる限りの治療を提供することが必要です。

また、今後は『副反応』の発生率を可能な限り引き下げられるように、さらなる研究が必要です。

これはフジノだけでなく、子宮頸がんワクチンの承認を目指してきた研究者をはじめ、真剣に活動に取り組んできた誰もが願っていることです。

一方で、現在、ワクチンの健康被害をとりあげているジャーナリストや政治家たちの中には、全く誤った情報を流している人々がいます。

悪意を持って意図的に流しているのか、不勉強な為に間違った知識を発信していることに気づいていないのか、それは分かりません。

けれども、ワクチンの健康被害の問題と、こうした誤った情報発信とは、切り離して行なわねばならないことです。

ジャーナリストや政治家であれば、市民のみなさまに正しい情報を提供していくのが義務であるはずです。

ここしばらくジャーナリストや政治家による誤った情報発信が多く、フジノは問題視しています。

誤った情報に対しては、健康被害の問題と切り離して、反論すべきです

フジノが「悪質な情報発信だ」と感じたのは、例えば、大熊由紀子さんによるこの記事です。

大熊由紀子さんは医療問題に強いジャーナリストとして尊敬していますし、聴講でお世話になっている国際医療福祉大学の教授でもあります。

さらには、フジノが理事を勤めているNPO法人のアドバイザリーボードにも就任していただいています。

したがって個人的に悪い感情は一切持っていません。

けれども、社会的に発信力の強い大熊さんがこの問題において無責任な発信をしていることに対して、フジノは極めて強い不快感を覚えています。

インターネットしか発信手段の無いフジノと比べて、すさまじい影響力を持つマスメディアでの大熊さんの発信は、看過することができません。

2013年4月10日・毎日新聞より

2013年4月10日・毎日新聞より


例えば、まずこのような記述を大熊さんはしています。

「子宮頸がんは死を招いたり、子宮を摘出したりすることになる怖い病気だが、ワクチンで防げるという。

5万円と高価だが、期日までに受ければ無料といわれ、それならわが子に受けさせよう、と考えてしまったのです」。

こう親たちは嘆きます。

フジノは5年にわたって、子宮頸がん撲滅の活動を続けてきました。

その際、常に訴えてきたことは

「予防ワクチンの接種をしても、必ず検診も受けなければならない」

ということです。

そもそも5年前には予防ワクチンは日本で承認さえされていませんでしたから、活動のスタートは

「とにかく検診をみなさん受けて下さい!」

というお願いを続けることでした。

ワクチンが認可されてからも、子宮頸がんをワクチンで全て防げるなんてことは1度たりとも述べたことはありません。

それはフジノだけではありません。

専門的な知識がある方々ほどずっと『検診』の重要性を訴え続けて来ました。

大熊さんがお話を伺った方は実際にそのようにおっしゃったのかもしれません。

ワクチン接種をすすめた医療機関や保健所に、不十分な知識からそんなセリフを述べた無責任な人間がいたのかもしれません。

けれども、「ワクチンを打てば防げる」なんて発言をするのは、子宮頸がん撲滅に本気で取り組んできた人たちではありません。

また、このようなことも記しています。

子宮頸がんは、検診で早期発見すれば命も子宮も失わなくてすみます。

これも事実ではありません。

大熊さんの言う『早期発見』というのは『前がん状態』を指しているのであれば、確かに『円錐切除術』のみで済んでそのまま子宮を残してこどもを産める・命も失わないという人もいらっしゃいます。

けれども、1人1人がんの進行状態は全く異なりますから、必ず『前がん状態』で発見できる訳ではありません。

すでにステージが進行しておられる方もたくさんいらっしゃる現実があります(だから毎年3500人もの女性が子宮頸がんで亡くなっているのです)。

どれだけ検診体制を強化したとしても、検診だけで子宮頸がんを完全に防ぐことはできません。

ましてや検診をした後に必要となる、手術・放射線・抗がん治療などについても一切触れていません。大熊さんの記述は事実をはしょり過ぎています。

まるで検診が万能であるかのような書き方は、正しい情報ではありません。むしろ、事実をねじ曲げています。

さらに、日本の検診受診率が低い理由について、このようなことも記しています。

ただ、日本のように、男性医師の前で足を広げねばならないことの多い検診法では、女性は検診をためらい、検診率は20%にとどまっています。

確かに、産婦人科ドクターに男性が多い日本では、検診の時に男性医師の前で検診台の上で下半身を丸出しにすることになります。

横須賀市保健所の検診台です。フジノも実際に座りました。


けれども、日本で検診の受診率が低い理由は、そんなことではありません。

検診を実際に終えた多くの女性にフジノがお話を伺ってきた中では、「ドクターが男性か女性か」については、単に個人の好みのに左右されています。

  • 「検診に行く前にそのクリニックのドクターが男性か女性かなんて知らなかった」
  • 「ドクターが男性か女性かは関係ない」
  • 「女性ドクターの方が綿棒の扱いが強くて痛かった」
  • 「検診台に座ってお腹のあたりにカーテンを引いてくれるけど、むしろ引かないでくれた方が安心」
  • 「やっぱりカーテンで男性ドクターの顔が見えない方が恥ずかしくない」

むしろ、これまで検診に行かなかった/行きたくなかった理由は、

  • 「そもそも検診の存在そのものを知らなかった」
  • 「自分たちの年齢では子宮頸がんなんて関係ないと思っていた」

という、知識不足にこそあります。

大熊さんが記したような、「男性ドクターが検診をしているから受診率が低い」のでは全くありません。

実際に横須賀市では、検診を無料で受けられるクーポン券を対象者に郵送で送付したことで(つまり『金銭的なインセンティブ』と『周知啓発の効果』)によって大きく受診者数がアップしました。

横須賀市における子宮頸がん検診の受診者数
2008年2009年
8,968人1万3,735人

*2009年、無料クーポン券実施

正確な情報を直接にターゲットである年齢層の方々にお届けし、さらに無料で受診できるクーポン券をお送りするだけで、約2倍へと受診率をあげることができました。

何よりもまず『正確な情報の周知』です。

さらに、『経済的な負担を可能な限り負わせないこと』が大切です。

他にも、受診率を上げる為の手段はいくつもあります。

そのひとつには、大熊さんが提案するような『イギリス方式(看護師による検診)』もありかもしれません。

しかし、大熊さんの以下の主張は論理的にはおかしいです。

(受診率が)80%と高い英国では、訓練を受けた看護師が、診察所の普通のベッドの上で実施しています。

このような安全で確実な検診方法を検討すること無く、まだ臨床試験段階のものを、十分な説明もなく少女たちに接種するのは中止すべきだと考えます。

看護師が診療所の普通のベッドで検診を行なうことが、イコール「安全で確実な検診方法」だと大熊さんは記しています。

何故、看護師さんが検診をすると「安全で確実な検診方法」なのか全く理解できません。

大熊さんは子宮頸がん検診が実際にどのように行なわれているか知らないのでしょうか?

フジノたちのように検診を受ける方々を増やしたいと願って活動をしてきた人間にとって、看護師の方々が検査をやるべきか否かだけが大切な問題ではありません。

むしろ、現在の検診である『細胞診』という方法を、さらに『HPV検査』という方法と併用することによって『精度』を高めることの方がフジノには重要です。

例えば、市議会ではこうした提案を行なってきました。

2012年9月6日・教育福祉常任委員会でのフジノの質疑

フジノの質問

まず、子宮頸がん検診について伺います。

現在、横須賀市が子宮頸がん検診を無料クーポン券によって保健所健診センターや市内の実施医療機関の協力を得ながら、『細胞診』で検査を行っております。

実際には『問診』と『内診』と『細胞診』によるものですが、一方で、以前も申し上げましたが、ヒトパピローマウイルスに感染しているかどうかを調べる上で、より精度の高い『HPV検査』というものもございます。

『細胞診』だけでは見落としが多いという指摘もありますが、『細胞診』と『HPV検査』を組み合わせると、子宮頸がん検診の精度はほぼ100%近いものになるということで、非常に有効である。

これを既に導入している自治体も全国にはいくつかある。

ただ、自己負担しなければならないと5,000円〜8,000円程度と、非常に負担が高くなってしまいます。

そんな中で、ちょうど9月5日に厚生労働省が発表した来年度予算の概算要求では、この『HPV検査』の普及のために116億円を要求している。

これは新規事業として、まだ一部の自治体での実施にとどまっている『HPV検査』を広く普及していくのがねらいとのことです。

横須賀市でもこうした財源を利用して、『細胞診』に加えて『HPV検査』を組み合わせて行えるように、ぜひ調査研究をして頂きたい。

そして、もしモデル事業として手を挙げる機会があれば、率先して手を挙げていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

保健所長の答弁

子宮頸がんの検診ですけれども、今、委員に御指摘いただいたように、新しいHPV抗原の検査を組み合わせた検診が非常に効果的だということは、特に外国の研究で明らかになってきているところです。

現在、将来的に、内々ですが、研究を進めているところですので、国の推移を見ながら検討していきたいと思っています。

フジノの質問

昨日、市長が来年度予算の要求の指針を出して、昨年同様、国や県や使える補助金、財源が得られるものはどんどん活用しようと記されておりました。

すでに内部で研究も進めておられるということですので、ぜひ情報を早く取り入れて、手を挙げられるようにしていただければと思っておりますが、いかがでしょうか。

健康部長の答弁

今、藤野委員がおっしゃいましたように、我々のほうもよくそういうところにアンテナを張りながら、取り組めるものに一生懸命取り組んでいきたいと思っています。

このことについては、よく最近でも新聞報道でもたくさん載っておりますし、私も関心は持っているところでございます。

(質疑の引用は以上です)

フジノは大熊さんの「看護師に検診をさせろ」という主張よりも、こうした取り組みの方が大切だと考えています。

ジャーナリストや政治家こそ正確な情報を発信すべきです

さて、いくつもの反論をしてきました。

『検診万能論』は、間違いです。

検診だけでは子宮頸がんを完全に防ぐことはできません。

そして、「だからといってワクチンを打て」という主張をフジノはしていません。

ワクチンの問題と、検診の問題は、分けて考えるべきです。

ワクチン反対派のジャーナリストや政治家が検診を万能扱いするのは完全に間違いです。

ワクチンの問題はワクチンの問題として、政府がしっかりと原因究明と被害者の補償に取り組むべきです。

ワクチンの問題と、検診の精度を高めること・検診の受診率をあげることなどは『全く別の問題』として取り組まなければなりません。

フジノがとても危惧しているのは、ジャーナリストや政治家が本当に苦しんでいる人々のことを無視して、そのときそのときの時流にのった発言を安易にすることです。

子宮頸がんで苦しんでいる女性がたくさんいます。

そして、ワクチン接種による健康被害に苦しんでいる方々もいらっしゃる。

まず何よりもこうした苦しんでいる方々のことを1番に考えるべきです。

それを大熊さんのように

それが政治主導と社会的なキャンペーンの中で押し切られたのでした。

『政治家』+『製薬会社』=『薬害よりも利権をとった』みたいな陰謀論を発信することに何の意味があるのでしょうか。

3.11以降、陰謀論に振り回される市民の方々は、子宮頸がんワクチンについてもジャーナリストのこうした発信をうのみにしてしまうことでしょう。

しかし、何よりも大切なことがジャーナリストや政治家たちにおろそかにされています。

被害者を救うことをまず最優先すべきです。

今は「子宮頸がんワクチンは薬害だ」と発言すればジャーナリストや政治家は人気が取れる、と思っている人が多いのではないでしょうか。

そういう風潮は間違っています。

ワクチンの問題を追うことは大切です。

だからといって、正確な情報も調べないのはおかしいですし、誤った情報を発信し続けるのも間違いです。

ジャーナリストや政治家こそ、冷静で正しい判断をできるように毎日努力し続けるべきです。

子宮頸がん予防ワクチンの定期接種化と副反応(その1)

4月1日から子宮頸がん予防ワクチンを「定期接種」として実施します

ついに予防接種法が改正されました。

新たに「子宮頸がん」「インフルエンザ菌b型(ヒブ)」「小児用肺炎球菌」のワクチンが『定期接種』に追加されました。

予防接種法改正案より

予防接種法改正案より。ヒトパピローマウイルス感染症が子宮頸がんを指しています


これまでは1年ごとの『特別な対応』として実施してきた子宮頸がんワクチンの接種が、予防接種法に基づく『恒久的な制度』となりました。

4月1日から横須賀市でも『定期接種』として3ワクチンの接種を実施します。

横須賀市のホームページより

横須賀市のホームページより


フジノは「子宮頸がんの予防ワクチンを『定期接種』に加えるべきだ」と訴えてきました。

子宮頸がんの制圧を目指して活動をスタートしてから、もう5年が経ちます。

当時、日本ではまだ予防ワクチンが承認さえされていませんでした。

だから、まずはどうか1人でも多くの方に検診を受けてほしい、という受診勧奨の活動を続けてきました。

同時に、予防ワクチンが日本でも承認されるように活動に取り組んできました。

子宮頸がんに苦しむたくさんの人々の願いによって、ようやく今回の定期接種化が実現しました。

フジノにとっては、まさに長い活動の末の、政策の実現です。

子宮頸がんワクチンの副反応についての報道

けれども、手放しで喜ぶ気持ちは全くありません。

ここ1ヶ月間、杉並区で中学生に副反応が出たことをはじめ、被害者の会が設立されたことなどの多くの報道とともに、市民の方々からの不安の声が聴こえているからです。


2013年3月8日・朝日新聞より

子宮頸がんワクチン 中学生が重い副反応 
杉並区、補償へ

子宮頸がんワクチン「サーバリックス」を接種した東京都杉並区の女子中学生(14)が、歩行障害などの重い症状が出て、1年3カ月にわたり通学できない状況だったことが、7日の区議会で明らかになった。

無料接種を行った区は「接種の副反応」と認め、補償する方針だ。補償額は未定。サーバリックスは3回の接種が必要。

母親によると、女子中学生は12歳だった2011年10月に区内の医療機関で2回目の接種をした。

その直後、接種した左腕がしびれ、腫れて痛む症状が出た。症状は脚や背中にも広がり入院。今年1月には通学できる状態になったが、割り算ができないなどの症状が残っているという。

厚生労働省によると、昨年8月末の時点で、全国で接種した延べ663万5千人のうち956人に副反応が起きているという。

失神が多いが「四肢の運動能力低下」「歩行不能」などで未回復の例もあり、副反応の発生率はインフルエンザワクチンの10倍程度という。

杉並区は10年7月、子宮頸がんワクチンの接種を全額無料化。

現在は全国1700以上の自治体で、国の補助を受けた接種事業が行われている。

国は定期接種を進める閣議決定をしている。

(斎藤智子)


その後、新聞・テレビを問わず、多数の報道がなされました。

2週間後には、『全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会』が立ち上げられたことが報じられました。

2013年3月26日・毎日新聞より
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2013年3月26日・毎日新聞より

この会の会長には、先述の杉並区の中学生の保護者の方が就任したそうです。

同じ日の毎日新聞では、このような記事も掲載されていました。

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なるほドリ 子宮頸がんワクチン、重い副反応が出るの?
◇予防接種との関係は不明 国に被害者救済拡充と説明責任

なるほドリ:子宮頸(けい)がんのワクチンを予防接種した中学生や高校生に、重い副反応(ふくはんのう)が出たというニュースを聞いたよ。お母さんたちが被害者連絡会をつくったそうだけど、何だか心配だなあ。

記者:気持ちはよく分かるけれど、まずは事実を冷静に見ることが大事です。

Q:どういうこと?

A:中学生たちに出た副反応は、複合性局所疼痛症候群(ふくごうせいきょくしょとうつうしょうこうぐん)といいます。手足や肩などに痛みが生じ、歩けなくなるのが特徴です。

Q:ふーん。

A:こうした副反応が出たら、医療機関や製薬会社は国に事実を報告します。これを「有害事象報告(ゆうがいじしょうほうこく)」と呼びますが、すべてが薬との因果関係があるとは限りません。偶発的に生じた症状も含まれます。

Q:どれくらい報告があるの?

A:日本で現在受けられる子宮頸がんのワクチンは「サーバリックス」「ガーダシル」の2種類です。サーバリックスは09年12月の発売から昨年末まで約684万回接種され、88例(0.0013%)の重い副反応が、ガーダシルは11年8月の発売から約145万回接種され、13例(0.0009%)の重い副反応が報告されました。この中には因果関係が分からないものも含まれています。

Q:歩けなくなったこととワクチン接種は因果関係があるの?

A:分かっていません。厚生労働省安全対策課によると、この症候群はインフルエンザのワクチン接種の後や、献血、ペースメーカーの施術などでも起きています。発生率は100万〜150万人に1人くらいだそうです。自治医科大学付属さいたま医療センターの今野良教授のように「ワクチン成分との因果関係はない」と強く主張する声も多く、解明は難しいのが実情です。

Q:他の国では?

A:英国や米国など他の先進国でも、同じくらいの副反応報告があります。ただ、どの国も接種を中止してはいません。

Q:そうは言っても、被害者の救済は必要じゃない?

A:国による救済制度はありますが、因果関係がはっきりしないと、申請しても認められない例が多いようです。

Q:子宮頸がんワクチンの予防接種は、国の定期接種になるんだよね。大丈夫?

A:今国会で関連法が成立し、定期接種になって無料で接種を受けられるようになります。被害者を救済する仕組みをどう拡充するかが今後の課題。国は被害者の症状をよく調べ、国民に詳しく説明する必要があります。被害者の中にはワクチンの効果を疑問視する声もあるので、こうした疑問にもしっかり答えることが必要です。

(生活報道部)


賛否それぞれの立場から、こうした多くの報道が今もなされています。

ワクチンと副反応に対するフジノの考え

そもそも、あらゆるワクチンには副反応が存在する、とフジノは考えています。

例えば、厚生労働省のHPには予防接種健康被害救済制度の認定者数を報告する統計が掲載されています。

『確率論的』な意味で、『デメリット』(=副反応)を圧倒的に上回る『メリット』(=予防)があるからこそ、ワクチンは存在しています。

けれども、人間の人生は確率論ではありません。

わずか0.0009%の確率であろうと、実際に重い副反応が出てしまった方の人生は、大きなダメージを受けてしまいます。

たとえ何十万人にとっては『メリット』であるとしても、一方で、ある1人にとっては深刻な『デメリット』であることに変わりはありません。

そして、日本では多くの方々のこころにワクチンに対する嫌悪感が強くある理由は

『ワクチン被害』として知られる、国を相手に裁判を起こして長い年月をかけてようやく救済されるといった悲劇が繰り返されてきたからです。

フジノは、子宮頸がん制圧を目指して取り組んできた政治家として、1つずつ事実関係を調べながら、可能な限り多くの情報をきちんとお伝えしていくことが必要だと考えています。

ワクチンを推進してきた立場であればこそ、被害を受けた方々の声には誰よりもしっかりと耳を傾けて、被害の救済が迅速に行なわるように全力を尽くさねばならないと考えています。

このテーマについては「その2」へ続きます。