自主避難所を訪れました
本当に幸運なことに、台風14号は関東直撃をせずに済みそうです。
昨日のブログでお知らせしたとおり、横須賀市は今朝8時に自主避難所をオープンしました。
昨年2019年10月の台風19号に続いて、今回も総合体育館と地域の16ヶ所のコミュニティセンターの合計17ヶ所です。
台風などの風水害や地震などの大規模災害が起こって避難所(自主避難所)が設置された際には、フジノは総合体育館に詰めることに決めています。避難された方々のお困りごとなどを伺うなど、市議としてできることに全力を尽くそうと考えています。
昨年も総合体育館の自主避難所を訪れて避難された方々のお話をじかに聞かせていただきました。そこで、けさも総合体育館に向かいました。
上の写真のとおりで、強風こそあるものの、雨はすでに弱まりつつありました。
体温測定・アルコールによる手指消毒などを受付で終えて、館内に入りました。
(いしがね海老原財団から市内3ヶ所に寄附していただいたサーマルカメラも稼働していました!体温を検知するカメラでモニターに表示される便利な機器です)
総合体育館に配置された市職員の方にお話を伺うと、避難された方は1世帯のみとのこと。
とてもホッとしました。
そこで目的を切り替えて、避難世帯の方に配慮しながら、市職員の方々の許可をいただいて、実践の機会となった今回の自主避難所設置・運営の様子をヒアリングさせていただくことにしました。
感染症パンデミック下での避難所運営訓練が活かされていました
2月に新型コロナウイルス感染症パンデミックとなってから、横須賀市ではコロナ禍で同時に自然災害が発生する複合災害への対応に力を入れてきました。
複合災害に対応できる避難所とする為に新たな備品を6月の補正予算で購入しました。
- 避難所内で避難者同士の間隔を確保し飛沫感染を防止する為の屋内用テント・820張
- 避難所に入る際に検温を行なうための非接触型体温計・44個
- 冷房設備が無い体育会館用にスポットクーラー・12基
そしてまさにこの台風シーズンがやってくる前に、6月下旬から繰り返し大規模な訓練を行なってきました。
複合災害への対応は全国的な関心が高く、横須賀市の取り組みは全国ニュースで報じられるなど注目されてきました。
実践の機会が早くも訪れた訳ですが、ひととおりお話を伺って、訓練の成果は十分に活かされていると感じました。
例えば、感染防護の為のテントの設置。下の写真は訓練ではなく今回の台風の為に実際に設置したテントです。
繰り返し設置と収納を練習していた為にスムーズに設置することができたとのことでした。
(訓練ではメインアリーナ全体にテントを設置しましたが、今回は台風直撃を免れた為に避難者も少ないことからサブアリーナのみに設置しました)
人員の配置増によって安心感が大きく増しました
昨年の台風の際にフジノが総合体育館を訪れた時に最も強く印象に残ったのは、避難する方の多さに反比例して、配置される市職員がとても少なかったことでした。
市職員2名(?)と指定管理者の職員4名(?)と10人にも満たない体制でした。
果たしてこれだけの職員数で避難してこられた方々に対応しきれるだろうかと不安を感じました。
この点は直後の振り返りで反省点として挙げられて、「今後は配置人員を増やします」と報告を受けていました。
今日は実際に配置人員が増えていた(市職員18名+保健師3名の21名体制!)ことで、大きな安心感を感じました。
これはフジノが昨年を知っているからこその感想で、市民の方からすると少なく感じるかもしれません。
けれども今回、横須賀市が17ヶ所の避難所運営に200人体制で臨んだことは「大きな前進だった」と高く評価したいです。
福祉避難所の設置がついに実現しました!
さらに、今回の台風から新たに総合体育館に『福祉避難所』が設置されました!
これは極めて画期的なことで、フジノは本当に嬉しかったです。
これまでは、台風などの自主避難所には「医療・介護・福祉の必要な方々の避難所」(これを福祉避難所と呼びます)は設置されていませんでした。
けれどもフジノは昨年の台風の体験からその必要性を強く訴えて2019年12月議会で市長に提案し、今回の実現に至りました。
主な避難者が滞在する場所はメインアリーナの1階です(今日は別棟であるサブアリーナの2階でした)。
福祉避難所が設置されたのはメインアリーナの3階の第1体育室で、この距離感のおかげでお互いにそれぞれの声が聞こえることはありません。
知的障がいや発達障がいのある方の中には聴覚過敏の為に、他人の出す生活音にとても苦しむ方もいらっしゃいます。
逆に、障がいのない方々は、障がいのある方々の声などに違和感やイライラを感じる方もいらっしゃるでしょう。
ただでさえリラックスできない避難所での滞在は、お互いに少しでも安心できる状況を創ることが大切です。
(*今日は利用者ゼロでした)
さらに、保健師が3名も配置されたことは大きな安心感につながりました。
福祉避難所を新たに設置したことと同時に、感染防護に努めねばならない中で、危機管理担当や一般の職員の方々だけでなく保健・医療・福祉の知識と実戦経験のある保健師の方々が居て下さることはとても心強いです。
障がいやコロナ対策だけでなく、この超高齢社会の横須賀ですから、避難される方々の多くがご高齢の方々であってもおかしくありません。
避難して自然災害から逃れられても、避難所で体調を崩してしまっては元も子もありません。
保健師の方々の存在は、避難所での健康を守る上で大きな力になって下さるはずです。
コミュニティセンターの自主避難所も訪れました
総合体育館は横須賀市では最大の避難所となります。
もっと身近な地域での避難は、コミュニティセンターへ向かうこととなります。
また、ペットと暮らしている方は、ペット同伴避難ができるのもコミュニティセンターなのでこちらに避難することとなります。
その様子も実際に見て職員の方のお話も伺いたくて、続いて衣笠コミュニティセンターを訪れました。
そこで感じたことについてはまた後ほど記したいと思います。
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このブログのタイトルに書いたとおり
開設された自主避難所は昨年に比べて人員も設備も充実、コロナ対策も万全、訓練が活かされた運営体制で安心でした
これがフジノの率直に感じたことでした。
今日の台風ではあなたは避難することは無いかもしれません。
けれどもこの国に暮らしている限り、自然災害から逃れることは難しいと思います。コロナ禍での複合災害など考えたくないと思うのですが、やはりいざという時に備えていなければなりません。
しかし、災害に個人だけで備えるのは不可能です。
今回ご紹介した避難所の運営など、行政による公助も不可欠です。
災害対策に100点満点はありえませんが、横須賀市の今の体制はできることを全てやろうという想いでがんばっています。
そうしたことをどうか知っていてほしいのです。
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どうか引き続き、この後も台風の進路や強風・大雨にご注意下さい。
よろしくお願いします。