リトルベビー(低出生体重児・極低出生体重児・超低出生体重児など小さく生まれた赤ちゃん)とご家族の支援について市長に一般質問します/2021年12月議会

前の記事から続いています)

12月定例議会の本会議で、市長に行なう一般質問の内容をご紹介しています。

こちらの記事では、2つ目のテーマを掲載します。

リトルベビーとご家族の支援について市長に質問します

赤ちゃんの10人に1人は、体重2500グラム未満で生まれてきます。

しかし社会の側は、平均出生体重である3000グラムで赤ちゃんは生まれてくるもの、というイメージを今も強く抱いています。

かつて小さく生まれた赤ちゃんのことを未熟児と呼んでました(現在では、低出生体重児(2500グラム未満)、極低出生体重児(1500グラム未満)、超低出生体重児(1000グラム未満)と呼びます)。

この言葉の響きのネガティブさからもお分かりいただけると思うのですが、小さく生まれた赤ちゃんとそのお母さんやご家族は社会の側の対応や周りの人々の言葉によって、深く傷つけられることがしばしばあります。

そして、自責感や不安感、孤独・孤立感が強くなってしまうことがあります。

「低出生体重児保健指導マニュアル~小さく生まれた赤ちゃんの地域支援~」(厚生労働省)より
「低出生体重児保健指導マニュアル~小さく生まれた赤ちゃんの地域支援~」(厚生労働省)より

政治・行政による制度も現実に追いついていません。

けれども小さく生まれることは、特別ではありません。

NICUなどの医療的な支援を一時的または長期的に必要とすることもありますが、みなふつうの赤ちゃんです。

こうした現状を変える為に、市長をはじめ、こども育成部・教育委員会とフジノは質疑を重ねてきました。

今回改めて、小さく生まれた赤ちゃん(いわゆるリトルベビー)について包括的に質問をすることにしました。

2 いわゆるリトルベビー(低出生体重児・極低出生体重児・超低出生体重児など小さく生まれた赤ちゃん)と御家族の支援について

(1)リトルベビーハンドブックについて

ア.長年にわたってリトルベビーに対する取り組みを行なってきた本市の経験と情報を、神奈川県が来年度作成するリトルベビーハンドブックに反映させられるように、県に対して積極的に意見を伝えていくべきではないか。

イ.リトルベビーハンドブックは単に保護者が成長を記入するためのものではなく、保健師をはじめとする行政、医療関係者、保護者が連携しながら成長を共に見守るための大切な冊子であるとの認識を本市では徹底して共有すべきではないか。

ウ.本市では、リトルベビーの出生を把握した際に保健師がすぐにNICU(新生児集中治療室)を訪問する取り組みを実施している。リトルベビーハンドブックはこの最初の訪問時に、保健師から産婦に直接お渡しするようにしていただきたいが、いかがか。

(2)リトルベビーに対する現在の取組の状況について

ア.出産直後及びその後の継続的なケアを含めた、リトルベビーを出産した産婦に対する本市の産後ケアの取り組みはどのようなものか。

イ.子育てホットライン子育て支援ヘルパーなど心身の回復に有効な取り組みの情報は、リトルベビーを出産した産婦の皆さんに必ずお知らせできているのか。

ウ.本市では全てのリトルベビーが市立病児・病後児保育センターを利用できるのか。

エ.本市では全てのリトルベビーが必要な社会資源(保育所、一時預かり事業、子育て短期入所生活援助事業など)を利用できるのか。

オ.リトルベビーの御家族は他の当事者との交流や支援団体の情報を切実に求めておられるが、本市では担当課やうわまち病院などで情報提供を行なっているか。もし行なっていないのであれば、ぜひ情報提供していただきたいが、いかがか。

カ.リトルベビーと御家族について社会の側に理解を求める取り組みを検討していただけないか。

キ.本市発行の冊子「子育てガイド」を読んだ方々に、生まれてくる赤ちゃんの10 人に1人がリトルベビーであり、NICUなど医療・福祉的支援は必要なものの特別な存在ではなく、毎日を懸命に生きている存在であることが伝わるような記述をしていただけないか。

ク.本市の子ども政策全般をリトルベビーと御家族の観点から改めてチェックし直していただけないか。

リトルベビーへの横須賀市のとりくみは全国に誇るものがあります

このような質問をしますが、横須賀市のあり方を追及するというものではありません。

すでに横須賀市はリトルベビーとご家族の支援については、全国的にも先進的な取り組みを行なってきました。

今回の質問では、その横須賀市の取り組みをさらに進化させていくことが目的です。

例えば、生まれたばかりの赤ちゃんを市の保健師が訪問する『こんにちは赤ちゃん事業(新生児訪問)』。

生まれてすぐにNICUに入院してしまった赤ちゃんのもとを訪れないまちがほとんどです。

一方、横須賀市では出生連絡票を受け取ると、すぐに連絡を取り、小さく生まれた赤ちゃんと産婦であるお母さんをNICUに訪問しています。

さらに、医療的な支援が必要な小さく生まれた赤ちゃんがNICU退院後も地域で暮らしていかれるように、ご家族も委員メンバーである『医療的ケア児等支援協議会』(旧称・横須賀地域小児等在宅医療連絡会議)』を定期的に開催しています。

そもそもこうした取り組みがなされてきた背景には、全国に誇る高い医療レベルを持つ市立うわまち病院NICU・小児科の存在がとても大きいです。

県立こども医療センターと市立うわまち病院の連携は長年にわたって行なわれてきました。

そして、市立うわまち病院と、市内の小児科クリニックとの連携も。

小さく生まれた赤ちゃんとご家族が安心して暮らしていかれるように全力で取り組んでいる保健・医療・福祉・教育の連携があります。

フジノはこの取り組みをもっともっと世間にも知っていただきたいですし、リトルベビーのご家族の声を横須賀市の取り組みにさらに反映させていきたいです。

さらに、社会の側にもっと現実を知っていただき、小さく生まれた赤ちゃんとご家族が暮らしやすいまちへと変わっていってほしいと強く願っています。

どうか市民のみなさま、お力をお貸し下さいますよう、よろしくお願いいたします。

一般質問は11月29日か30日のどちらかです

11月26日に開催される議会運営委員会で、質問の日付や順番が決まります。

今回、本会議は2日間にわたり、11月29日と30日に合計9名が一般質問を行なう予定です。

議会運営委員会・資料より
議会運営委員会・資料より

今回フジノは、一般質問に加えて、追加提出される予定の補正予算案についても質疑を行なう予定です。

2日連続または1日2回の登壇となる訳ですが、全力を尽くして質問に臨みたいです。

追記:質問しました!

11月30日に本会議で質問をしました。その様子を動画でご紹介しておりますのでぜひご覧下さい。

こちらです。

リトルベビーとご家族の支援について市長に一般質問します

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